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無職のおっさん、幼女にTSして悪役令嬢とダンジョン最下層を目指す【完結】  作者: 芥部


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第178話 工場見学1


 エト姫が地図に丸をつけた箇所は四つ。品質管理室、材料貯蔵庫、分析室、従業員控室Ⅱだ。

 おタヒもグリセルダも装備を整えた。

 牛頭くんに加え空を飛ぶイタチのような形の風伯もいる。風伯もやはりゆるキャラのようで、触るとふかふかした感触がある。


「昨日の戦いを見て増員が必要だと思ったの。空を飛ぶ敵は風伯が殺るわ!」

「きゅ!」


 フェレットみたいで可愛いな。一周くるっと回ってから牛頭くんの頭に乗って丸まった。この二人(二式神?)ゆるキャラとして売ったら行けそうな感じがするな。


「剣だけではなく銃も用意したほうが良かろうな。今日は拳銃を携帯していこう」

「俺は……いつものナイフかなあ。なんかかっこいい新装備が欲しいぜ」


 ぼやいているとインテがキラキラした声をあげる。


「ございます! チケン様のために新装備をお作りしました、昨日のミサイルをリサイクルいたしまして!」

「えっ、マジで?! そんな時間あった?!」

「分析機器の調整やサポート程度でしたから、片手間でいくらでも作れましたよ」


 すげえなインテ……。あまりにも万能すぎる。

 インテが出してきたのは、以前使っていたナイフと同じ形のナイフ、数十本。まだ中に何本も予備があるらしい。


「普通のナイフっぽいけど、何か新機能でも?」

「こちらの黄色いナイフは命中すると電磁パルスを発生させ電子機器の動きを妨害することが出来ます。もちろんこちらの電子機器も妨害されますが、私には影響ございませんし、おタヒ様やグリセルダ様にも影響はないかと」

「黒いのは?」

「そちらはぶつかった瞬間爆発するナイフですね。手榴弾をナイフ型にすることにより、コントロール率の上昇を狙ってみました!」


 どちらも強そうだが、じゃあすぐ試そうというわけにもいかないのが難儀だな。使ってからのお楽しみとしておこう。


「あ、そうそう、グリセルダ様の拳銃も作成しておきました! オリハルコンを用いた徹甲弾マジックバレットで貫通力が更に上昇しております、味方への誤射にご注意ください!」

「例の防弾着ぐるみでも危ういか?」

「はい」

「……ふむ、気をつけるとしよう」


 グリセルダはほんの少し気が引けた顔をしながら銃をホルスターに収めた。


「チケンとグリセルダが新しい武器を持ってるのが羨ましいわ、インテ、私にも何か作ってちょうだい!」


 そういえば、おタヒって攻撃は全部式神任せだからインテも考える余地無いんだろうな……。


「おタヒ様の武器ですか……ナイフや剣はお使いになりませんよね、難しいですねえ……考えておきます!」

「うふふ、楽しみにしてるわ!」

「近日中には完成させておきます」


 進んでいくとやっぱりドローンや攻撃ロボット、ミサイル発射装置が襲ってくる。しかし、もう攻略法はわかっている。

 吹雪を起こし、レーザーを減衰させ致命的な攻撃を回避。昨日のようにナイフをドローンに投げ、ミサイルを二分割し、攻撃ロボットの可動部を切り飛ばして行動不能にさせる。

 雲霞の如く現れ、そして小さくて斬りがいのないそれらに、もう途中から面倒くさくなってきたのか、グリセルダとおタヒが言う。


「チケン、例の新兵器の出番ではないか? お前の出番だ」

「そうよ、チケン、れべるとやらをあげなさい!」

「おっ、パワハラか?」

「パワハラとはなんだ?」

「ぱわ腹……? 満腹でぽよんとしてそうね。とりあえず任せるわ、やっちゃって」


 駄目だ、話が通じねえ。翻訳スキルさん時々こういう所あるよな……。流石にパワハラの説明をしてる時間はない。

 諦めて俺はミサイルを切り倒し、ドローンやロボを電磁パルスで止めてナイフを投げて爆破、ついでに天井の監視カメラも壊していく。インテも手伝ってくれたがとにかくやることが、やることが多い!

 それでもインテは壊したカメラやメカの残骸などを細かく拾っている。また新しく面白いものを作ってくれるんだろうか……。


 しかし、敵も有限だったらしく十五分ほどで無事敵を殲滅し、レベルも上がって第一目的地の『材料貯蔵庫』に到着した。


「……すごいわね、この蔵……」


 ドアを開けておタヒが珍しく心の底から驚いた様子を見せている。

 要は倉庫なのだが、首都圏外殻放水路のような巨大な室内に、海外の倉庫店のような巨大な棚が延々と連なり、『材料』が積まれている。材料は梱包されており、中身はわからない。多分、ろくなものではないんだろうが……。


「エト姫、材料貯蔵庫着いたぞ」

『思ったより早いな、お疲れ様。さすが茅原氏一行だ』

「ちょっと! チケンを勝手に代表者にしないで!」

『じゃあおタヒ氏が責任者をやるかい?』

「面倒だから嫌!」


 わがままで気まぐれな悪役令嬢仕草だ。まあいい、放置しよう。


「で、おタヒは放置して、ここですることは?」

『全部のサンプルは無理そうだ、手前からいくつかと、一番奥にある貯蔵庫からいくつか、中間地点からもいくつか採取してくれるかい。書類なんかも見つかるようなら回収、無理そうならインテに内容を解析させてくれ』

「了解~」


 珍しくエト姫の声が疲れていた。俺は軽口を言おうと思っていたがそれをやめて通信を切って、どうするか考える。


 本当にこの建物、広大で広い。しかも、棚の高さが高い。だが、荷物の大きさは一個一個は大したことがない。間隔を開けて棚の上に小さな箱が大量に並んでいる。


「あ、そうだ。奥まで風伯に見てこさせましょう、ちょっとまってね……」


 おタヒは懐から長い和紙を取り出し、空中に広げて浮かべる。


「風伯、行って!」

「きゅ!」


 ふわふわフェレットのぬいぐるみにしか見えない式神、風伯はあっという間に飛び立つ。すると、一気に和紙の上に見取り図が描かれていく。


「うわ、おタヒすげえな!」

「そうでしょう。もっと褒めなさい!」

「すごい! えらい! おタヒ!」

「前と同じじゃないの! 手を抜かず心を込めて褒めなさいよ!」

「良いではないか、流石国一番の魔法使いを自称するだけはあるな」

「ほら、こういうふうに褒めるのよ! わかった!?」


 そう言って三人できゃっきゃしているうちに風伯が戻ってきて貯蔵庫の地図が完成した。


「ええと……これ全体の広さどのくらい?」

「五町四方くらいかしら……」

「インテ、五町ってメートル法とヤード・ポンド法でいくらくらい?」

「545メートルと、596ヤードでございますね、端数は切り捨てで」

「……クソ広いな」


 奥の方に何かスペースがある。机や椅子があるっぽいので、多分事務室か何かだ。書類があるならそこだろう。


「めんどくさいけど行くか、奥地に」

「そうねえ……牛頭くん、移動用に変わって」

「チケン、疲れは?」

「ないよ。さっきレベル上がったしな!」


 昨日と今日で連続でレベルが上っている。俺のレベルが二人より低いというのもあるが、このフロアの敵の経験値が格段に上がっているのだと思う。


 ひとまず俺達は材料貯蔵庫の一番奥に向かって歩き始めた。




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無職のおっさん、幼女にTSして番外編
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