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59話:龍王祭の騒動3

続くいくつかの曲がり角を曲がると、呪いの人形の数はますます増え、その種類も多岐にわたり始めた。刀を持つ人形だけでなく、魔法や拘束術式を放つ人形まで現れたのだ。


まつりの刀捌きが一騎当千の腕前であっても、目的地に近づくにつれて敵の強さも明らかに増している。二人の前進するスピードは、必然的に遅れを余儀なくされた。


相手は巡回網を縮小し、侵入者の体力を消耗させようと強いているのだ。


(まずいな。通常、呪いをこの段階まで使用した者は、その大半が判断力を失っているはずなのに。まさかこれほど精妙な操作ができるというのか……)


祭が前方の鎌を持つ人形と交戦している最中、ロルはふと背後の異変に気がついた。


肥満体の呪いの人形が、巨大な鉄槌を振り上げ、彼の頭めがけて叩き落とそうとしていたのだ。


「後ろっ!」


祭の叫びに、ロルは猛然と振り返り、右手を高く掲げた。


「私を甘く見るな!」


掌の手袋が眩い白光を爆発させた。聖なる光の球が瞬時に凝縮され、轟音と共に放たれる。直撃を受けた人形は、祭がマントを斬り裂いた時のように木っ端微塵になるのではなく、マントの中の人影だけが瞬時に消滅し、傷のないボロボロのマントだけがそのまま地面に崩れ落ちた。


手袋には十字架の紋様が象嵌ぞうがんされている。それは「十字架の手袋」。魔力を聖魔法へと変換できる希少な魔道具だ。聖魔法の性質は呪いにとって天敵であり、ロルの秘密兵器でもある。


「十字架の手袋」は魔力変換を通じて聖魔法の攻撃を放つことができる。しかしその魔力消費量は膨大で、ライラでさえ魔力をフルチャージするのに三日に分けて注ぎ込まなければならず、完全に充填しても五発しか撃てない。消費対効果コストパフォーマンスが全く見合っていない魔道具なのだ。


(くそっ! 私の不注意のせいで……貴重な一発を無駄にしてしまった……)


祭は最後の一体の呪いの人形を斬り捨てると、瞬く間にロルの傍らへと戻ってきた。連続する戦闘のせいで彼女の呼吸は少し乱れており、黒い狼の尻尾が不安げに左右に揺れている。


「無事!? どこか怪我は!?」


「……私は無事です。祭さんこそ、戦闘中に振り返るなんて危険すぎます。目の前の敵に集中してください」


不意に心配され、ロルは逆に呆気にとられた。少女はすぐには答えず、彼が本当に無傷であるかを確認するように、その視線を彼の全身に這わせた。無事を確認すると、彼女はようやく顔を背け、小さな声で言った。


「……それでも、ライラのお兄さんを傷つけるわけにはいかないわ。どうか気をつけて」


そう言い残し、彼女は再び「導きの精霊」の示す方向へ走り出した。


ロルは一瞬、どう返答すればいいのか分からなくなった。ただ長く息を吐き出し、自嘲するように低く呟いた。


「……どうして周りには、こんなお人好しばかり集まるんでしょうね……」


彼はスケートボードを踏み込み、再び少女の背中を追った。


――やがて光の球が、一見何の変哲もない下水道の壁の前で停止した。祭は困惑して振り返り、尋ねた。


「ここが目的地?」


「ええ。でなければ、どうしてわざわざクリスにこの地図を要求したと思いますか?」


ロルは再びスマートフォンを取り出して地図を開き、指先で画面を軽く叩いた。彼らが今いるのは、人質が収容されている空間に隣接した隠し通路なのだ。


「どうするつもり?」


相手が人質を隠している場所を推測し、さらに地図に書かれていた隠し扉についての小さなメモを見た時から、ロルの計画はすでに固まっていた。


「私は最初から、相手と真っ向勝負するつもりなんてありません。目標はあくまで、人質を全員救出することです」


彼は軽量化手袋を嵌め直し、苔むした壁のタイルを一つずつ押し込んでいった。やがて、その中の一枚がカチリと音を立てて陥没した。すぐさま隣の壁から、石が緩むような鈍い音が響く。ロルが慎重に石のブロックを引き抜くと、そこには狭い隠し穴がぽっかりと口を開けていた。


「地図の隠し扉の記述によれば、この小さな穴は人質のいる空間に直結しているはずです。ここからこっそりと人質を助け出すつもりです」


企みが成功した悪党のような笑みを浮かべるロルを見て、今回ばかりは祭も珍しく口角を上げ、つられたように小さく笑い声を漏らした。


「そうだ、中に入る前に、一つ祭さんに話しておきたいことがあります」


「子供たちを助け出してからじゃダメなの?」


すでに隠し穴に片足を突っ込んでいた祭が、怪訝そうに振り返った。


実は先ほどから、ロルはずっと犯人の正体について思考を巡らせていた。しかし、いくら考えても、最終的に導き出される結論は「ある一人」の人物しかいなかった。


確信が持てないというより、信じたくないという方が正しい。それでも、ロルはこの可能性を先に祭に伝えておくべきだと判断した。


「犯人が誰なのか……その可能性についてです――」

【お知らせ】現在「ハイム道具屋」の翻訳量が膨大になっているのと、新作にも挑戦したいという思いから、今後は「3日に1話」のペースで更新することにしました。


お待たせしてしまい本当に申し訳ありません。全力で取り組んでいますので、これからも応援していただけると嬉しいです!(土下座)

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