0069 入営
「ドン、ドン、ドン……」一群の兵士たちが声を揃えて唸り、リズムを保ちながら郊外を小走りで進んでいた。彼らは皆、二十キロもの木製の鎧を身に着けていた。汗が木の隙間から染み出し、遠くからでもむっとする汗臭さが漂ってきた。
これらの木製の鎧は訓練用の重量負荷であり、汗で貴重な鋼鉄が錆びるのを防ぐため、訓練では木製の鎧が使われていた。
この世界の技術は基本的に地球の拿破崙(Napoléon Bonaparte)時代に留まっており、双方の戦場空間も四十数キロに過ぎない。一般的な戦術は、両軍の歩兵連隊が火縄銃を手に重装甲をまとい、隊列を組んで戦場に入り、そして互いに射撃を行うというものだ。騎兵の突撃に遭遇した場合、銃剣を装着して長槍に変え、軽騎兵の突撃に抵抗する。
地球の拿破崙時代の技術レベルと言われているが、実情とは多少異なる。少なくとも地球の拿破崙時代には、これほど密集した鉄道網は存在しなかった。この世界では、鉄道を走るのはすべて黒鉄の蒸気小型列車で、甲冑や馬匹、飼料などの一連の物資補給の輸送効率は、駄馬による輸送よりもはるかに高い。この世界が原始的な鉄道時代に突入してから、少なくともすでに千五百年が経過している。これこそが、重装歩兵がこの世界で大規模に存在できる理由である。
木製の鎧を身に着けた兵士たちが小走りで遠ざかっていく中、黒い綿の軍服に身を包んだ盧安は荷物を引いて兵営に入ると、そこには痩せた若い兵士が一人、盧安を待っていた。
この兵士の名前は青琅という。予行演習で、盧安はこの案内役の兵士が無口で、全身から近寄りがたい雰囲気を漂わせていることを知った。
この兵士は盧安を連れて、五階建てのコンクリートとレンガ造りの建物に入った。いくつもの大きな扉や軍事用の大広間を通り抜けた後、一つのオフィスにたどり着いた。
希特勒の総統官邸も、まさにこの建築様式だった。まず広大なホールや、奥深く長い廊下を通らせ、最後に権力者のいる部屋へと到着させる。これは訪問者に対する心理的な暗示である。
ドアをノックした後、盧安はオフィスに入ると、一人の人物が机に座り、鋭い目つきで自分をじっと見据えているのに気づいた。
蒼辟は、盧安が自分の反応をシミュレーションしていることを知らない。シミュレーションの中で、盧安はすぐにそばの青琅を倒し、無阻面で覆った指を勢いよく突き出して、蒼辟の銃を持つ腕に突き刺し、彼を制圧した。
指に抵抗が全くないのは、衣服の繊維が全く障害にならないことを意味し、人の体に突き刺す感覚はスイカの果肉やゼリーに突き刺すのと同じだ。盧安の手に鋭利な刃物はないが、無阻面は万物を最高の刃物に変えることができる。
武力で制圧した後、盧安はこの高慢な将軍の内心の弱さを見た。彼は表面的には強気だが、真の英雄ではない。まさにシミュレーションによって人の二面性を見抜くことができるため、盧安は偽りの威厳に押さえつけられることはほとんどない。
現実では、蒼辟が言った。「お前が盧安か?」
盧安は大声で答えた。「はい、将軍。」
「君の関係書類は拝見した。だが言っておく、軍隊は君の家とは違う」
「承知しています、将軍」
蒼辟は頷いた。「よろしい。では今答えよ、君は今、誰に忠誠を誓うのか」
「私は将軍閣下に、瀚海軍團に、帝国に忠誠を誓います」
この返答は、盧安が幾度も予行演習を重ねて練り上げたものだ。帝国への忠誠だけを述べれば、蒼辟の反応は極めて冷淡であり、将軍閣下への忠誠を述べれば、彼は微かに頷きつつも盧安に問い返すだろう。帝国の大義は気にしないのか、と。そこで盧安は三つ全てを、順位をつけて述べたのである。
蒼辟は頷いて言った。「どうやら君は分かっているようだ、非常に結構。だが、君には一つ欠点があると聞いている、人を殺すことに抵抗があるそうだな?」
「将軍、私は拒んでいるのではなく、怖がっているのでもありません。ですから……」盧安は言葉を区切り、言った。「私は幽霊を見ることができます。もし私が自ら殺したなら、蚊のように私に数か月まとわりつくでしょう。」
このような鬼神の話は、予演の中の北頜が出したアイデアだ。少し迷信めいているが、とても効果的で、少なくとも蒼辟は一瞬固まった。彼はやや興味ありげに言った。「お前は幽霊を見られるのか?ならば、お前は本帥にまとわりつく小鬼が見えるか?」
盧安は首を振りながら言った。「大帥、あなたは一身に戎馬と鉄血を帯びていて、小さな悪者が近づけません。しかし私は…」ここまで言って、盧安は苦笑した。「私はあなたのために矛を振るえますが、しかしもし頻繁に人の命を奪うなら、私は本当に任に耐えません。」
こんな言い訳は検証しにくいが、しかし盧安は通過した。蒼辟は一枚の命令で盧安を訓練に参加させた。
蒼辟の考えは、盧安が役に立つなら近衛親兵に編入する準備をし、役に立たなければ閑職で追い払うつもりだ、ということだ。
このような手配は当然だ。結局、盧安は流水幫という地方勢力が差し出した人質なのだ。流水幫の勢力が小さくても、蒼辟は自分のイメージに配慮し、象徴的に何らかの処遇を与える必要がある。
蒼辟を支持する、あるいは付き従う勢力は、流水幫だけではない。自分に付き従うすべての勢力に対し、蒼辟は適切な態度を示して、他のより重要な大勢力が自分に投資してくれるよう引き込まねばならないのだ。
いずれにせよ、盧安は人を殺すよう強いられる劣悪な状況からひとまず逃れた。灼熱の日差しと士官の号令のもと、盧安は走っては登り、甲冑を着けて長距離行進し、この世界の士官たちにしごかれている。
何度も訓練を重ねる中で、盧安は苦しいとは思わなかった。なぜなら、それは特に苦しいことではなかったからだ。これらの体力ト列寧グはただ非常に疲れるだけで、限界まで追い込むようなものではなかった。
しかも、食事はかなり良かった。盧安は将校向けの標準的な食事をとっており、麺類、醤肉、旬の野菜があった。21世紀の人々にとっては普通のものだが、第三次世界大戦を生き延びてきた盧安にとって、缶詰から解放され、温かい食事をとれることに何の不満があろうか?
この世界での、普通の兵士たちの配給食は、平たいパン、塩漬け肉、そして酸っぱく渋いドライフルーツだ。量は腹いっぱいになるだけあるが、平たいパンはまったく発酵しておらず、生の粉で作られていて非常に硬く、水でふやかさなければ歯が欠けてしまうほどだ。塩漬け肉は木を食べているのと大差なく、ドライフルーツに至っては甘みなどまったく期待できず、ただ兵士にビタミンを補給するためのものだ。主力の戦闘兵たちは毎日へとへとになるまで疲れており、食事に文句を言っている余裕もない。
四十日間の訓練の後、盧安は蒼辟に合格と見なされ、一着の絹の服と一丁の回転式拳銃を支給された。盧安は大帥の親兵としての生活を始めた。
盧安が親兵の職を得た後、北頜の流水幫はこの世界での影響力をさらに強め、事業拡大の幅も一層大きくなった。
千三百キロ離れた海原には、雲のように帆を連ねた四十隻の二千トン級木製装甲帆走戦列艦と、その他多種多様な戦艦が巨大な艦隊を編成し、同規模の敵艦隊と海上で砲戦を開始した。
戎星にも、東方人種と西方人種が存在する。星空では東西文明の戦火は止んでいるが、惑星上の流刑者たちは依然として戦争を続けている。言語が通じず、文字も異なり、信仰も違うため、二つの集団が和解して一つに融け合うことはあり得ない。
東方王朝が周期的に衰退する時、西方諸国の略奪船は北半球の偏西風に乗って東方へと渡り、富を略奪する。東方王朝が強盛で西方諸国が家族間戦争に陥っている時は、強力な騎兵が北大陸の要塞群から出撃し、北大陸山脈の水源地域を強奪し、西域行省を設立して西方への攻勢を維持し、西欧大陸を混乱に陥れる。
現在のこの時期、西方の宗教勢力は各家族王国を糾合し、東方殖民のために巨大な艦隊を組織した。一方、東方の吉王朝も強盛期にあり、西域の多くの河川の源流域を占領している。
両者ともに強盛な時期にあるため、ここ数年、両者の戦争はますます激しさを増している。
西方は西大陸の河川源流を奪還するため、度重なる十字軍を組織して黒髪黒目の悪魔を討伐するという標語を掲げ、西域行省に攻め入った。一方、東方では髪色や瞳の色が多様な西方人を妖の類と宣伝した。吉王朝は西方の私掠船による沿海部への嫌がらせに対応するため、水師を大規模に建設し、妖を海外で防ごうと試みた。
東方艦隊の旗艦のマストーーには、二十代の風采の上がる将軍が立っている。彼は眼光鋭く海面の戦いを見つめ、やがて背中から旗を取り出し、複雑な旗信号を振ってみせた。その時、多数のクリッパー船が遠方から現れ、十二ノットの速さで戦場へと急行した。
これらの小船が現れた後、西方艦隊の旗艦は直ちに旗旒信号を用いて麾下の艦隊に陣形変更を通知した。しかしその時、一発の砲弾が落下した。この砲弾は甲板を激しく打ち、何の障害もなく船倉へ落ちていった。船倉内にはたちまち濃煙が立ち込め、数秒後、その煙の中に踊るような赤い色が現れた。明らかに、砲弾にはこの時代の科学技術水準を超えた焼夷剤が詰められていた。
この白衣の将帥は雲瓊軍團の少帥であり、吉王朝の四皇子穆塵飛でもある。彼は球形の炸裂弾が空を切って飛ぶ弾道を見つめ、満足げな笑みを浮かべた。「今回送られてきた能力で、これが一番使いやすいようだ」
ここまで話すと、穆塵飛は小さく首を振りながら言った。「今はまだ一番とは言えない。最後のもう一種、それこそ最も複製が難しいものがある」
穆塵飛は首をひねって北を見つめ、首を振った。「まさか蒼辟のところへ行ったのか?まあいい、いずれにせよ神殿の活動が始まるはずだ。彼らの中で、この機会を逃す者はいないだろう。」
西方艦隊側では、旗艦が火災を起こしたため、旗信号が適時に発信されなかった。そして、大量の焼夷火箭を搭載した飛剪船は、すでに半月形の殺陣を組んでいた。




