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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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546/548

0544 現れる

 核兵器は、第二次世界大戦後の世界秩序における一つの最低ラインである。


 このルールは、多くの人にとっては冗談のようなものだ。数百の非核保有国が世界的な非核会議に参加し、核禁止条約に署名したが、核保有国はすべて参加しなかった。実際には、この最低ラインは存在し、第二次世界大戦以降、核兵器を使用した戦争は一切発生していない。


 第一世代の核爆弾は核分裂爆弾、第二世代は核融合爆弾、第三世代は小型化・機能化へと発展し、例えば放射線強化爆弾(中性子爆弾)や残留放射線の少ない爆弾、例えば衝撃波爆弾は中性子爆弾とは逆の効果を持つ。核爆弾技術は実際には発展し続けているが、第二次大戦後、人類の一線がこの兵器の戦闘投入をずっと抑制してきた。これはまるで盧安(ルー・アン)の超能力開発が一階また一階と進みながら、ずっと日和見しているかのようだ。


 複数の時間線から見ると、第三次世界大戦の指標は核兵器の大規模使用である。そして世界大戦の基準は、国家が勝利のためにあらゆる手段を尽くすことだ。科学技術が核兵器時代に達しながら、一線のために核兵器が使われなければ、発生したすべての戦争は世界大戦とは言えず、まだ平和な時代と言える。


 そしてこの一線が破られれば、平和な時代が完全に終わることを意味する。


 孟位(モン・ウェイ)の歴史線の二十二世紀、医療技術は大幅に進歩し、様々な人工臓器の製作、幹細胞療法、そして各種の標的細胞向け薬剤により、核放射線の後遺症を処理できるようになり、さらに鉄筋コンクリート建築の増加が核放射線に対して強い相殺効果を持ち、また各種の偵察衛星、レーダーシステム網が大国に核攻撃を防御するための貴重な十分間を稼ぎ出す……幾重もの体系によって、人類は二十二世紀にこの一線を越える度胸を持つに至った。なぜなら双方とも戦争の準備を整え、かつ利益がどうしても交渉で調整できなかったため、この一線を打破し、核兵器で理屈を通そうとしたのだ。


 今、盧安(ルー・アン)のいるメインワールド。


 オーストラリア北部の港で発生した核爆発の閃光が世界の探知機器に記録されると、主要各紙のトップ記事に関連記事が掲載された。各SNSは騒然となり、中には身の程知らずにも核爆弾で反撃しようと唱える者もおり、この一線を越えた場合の結果をいまだに理解していないようだ。


 第三次世界大戦とは、第五世代戦闘機に乗って一対十で戦うことでもなければ、先進的な戦車に乗って無反応装甲で自動火器管制のない第二世代戦車を移動標的として撃つことでもなく、ましてや爆撃機で敵国の空域を無人地帯のごとく爆撃するようなものでもない。将来の戦争を地球上の湾岸戦争のようなパターンと見なすなら、「二十一世紀の世界の主要強国間の戦争技術はすでに大きな世代間格差を生じている」という錯覚を生むことになる。


 その通り、確かに世代差はあるが、それは非核戦闘においてのみ可能な世代差だ。冷兵器時代のように、全身プレートアーマーを着て幼少から訓練された騎士と農民の間の世代差だが、前提は農民が重火器を持っていないことだ。


 しかし、核兵器が投入されれば、電子技術の発展による軍事的優位は、ゼロ死傷者の世代差をもたらすことはできなくなる。最初の核弾頭が宇宙空間で爆発すれば、すべての電子機器が麻痺し、その後、慣性・星光誘導の核ミサイルが大都市に直接降り注ぐ。ほとんどの都市が核爆発の打撃を受け、都市機能を回復した後、戦争がようやく本格的に始まるのだ。


 オーストラリア北部で核爆発が発生した後、各国のネット上では戦争を叫ぶ世論が多かったが、その中で、自分の都市が核攻撃を受ける状況を想定したコメントは一つもなかった。


 この時、世界の市民は第一次世界大戦前の各国の国民と同様に、過去の戦争を基準に未来の戦争の代償を判断することに慣れており、迫りくる戦争について全く理解していなかった。


 そして、第二次世界大戦終結以来初となるこの核爆弾が太平洋上で炸裂した時、各国の首脳に与えた衝撃は、20世紀に核兵器が初めて戦場で使用された時にも劣らなかった。今、各国の政治要人たちは次々と電話をかけ、状況を確認している。


 20世紀、核兵器の出現がもたらしたのは抑止の時代だった。そして抑止の時代が終わると、人々を待ち受けていたのは大淘汰の時期だった。時間軸上でこれから起ころうとしていることは、まさに孟位(モン・ウェイ)の歴史線で起きたことだが、さらに深刻である。孟位(モン・ウェイ)がいる時間軸では、人々は第二次世界大戦後の平和な時代に、どれほど人権を叫び、平等を訴えようとも、第三次世界大戦が起これば、社会の大淘汰は避けられずに発生するのだ。


 第二次世界大戦後、人々が平和を享受していた時、各国の政治スローガンは誰一人として見捨てないことを掲げていた。西洋の指導者たちは票を集めるために、一挙手一投足で少数派の機嫌を損ねることを望まなかった。これらの少数派は過激なフェミニズムであったり、動物保護主義であったり、同性愛コミュニティであったり…少数派の反感を買ういかなる行為も、これらの少数派から追及され口誅筆伐される。そして中国もまた、自国の領土内の貧困層にこれほどまでに注目し、共同富裕のスローガンの達成を目指し、公共の論調でも常に弱者層に寄り添ってきた。


 しかし、第三次世界大戦が始まると、世界各国の雰囲気は「誰一人として見捨てない」から「まず最も重要な人々を守る」へと変わった。ある者は後方へ避難し、ある者は前線に留まった。


 核爆発が検知されてから三時間後、中国の各級政府は中央の命令を受け、物資倉庫の戦略備蓄と各都市の地下鉄システムを点検し、各機関で人員の確認を行った。各省庁の大臣たちが中西部地区に低姿勢で視察に赴く中、遠く貴州にいる盧安(ルー・アン)は、ネット上で全面的な情報規制の公告を見て、まるで前の時代にタイムスリップしたかのような感覚に襲われた——これら一連の手順は、前の時代の中国とまったく同じであり、緊迫した雰囲気もそっくりだった。


「次は、大規模な避難だな。」


 地下六百メートルの空間に横たわり、周囲を様々な電子スクリーンに囲まれた中央で、盧安(ルー・アン)はため息をつく。「戦争は貧富の差をなくすだろうが、決して公平な行為ではない。金持ちは財産を失って貧しくなるかもしれないが、貧乏人は使い道がなければ死ぬだけだ。戦後に生き残った人々は平等になるが、戦争はこの世で最も不平等なことだ。」


 一面の光スクリーンが点滅し、曉峰(シャオ・フェン)の映像が現れ、言った。"私の声が聞こえますか?盧安(ルー・アン)、お邪魔しますが、特別な知らせがあります。公安局に記録されたあなたのファイルが彼らに掘り返されたのです。どう対処すべきか言ってください。出てきてこの世界を少し静かにしてみませんか。"


 曉峰(シャオ・フェン)は困惑した表情で盧安(ルー・アン)を見つめる。今回の通信で、曉峰(シャオ・フェン)は盧安(ルー・アン)の本名を呼んだ。以前はいつも偽名の"盧安(ルー・アン)"と呼んでいたのだ。曉峰(シャオ・フェン)はもともとこんなに早く呼びたくなかったが、今の状況は実に悲劇的だ。この世界のプレッシャーに直面して、曉峰(シャオ・フェン)はどうしても耐えられない。今、曉峰(シャオ・フェン)の部屋の外では、盧家(ルー・ジア)の老人たちが待っている。


 現実では、盧安(ルー・アン)も曉峰(シャオ・フェン)が突然自分の名前を呼んだことに驚かなかった。予演で既に見ていたからだ。そして、今回の任務から戻って以来、盧安(ルー・アン)はもうすぐ曉峰(シャオ・フェン)に全てを打ち明ける時だと感じていた。


 盧安(ルー・アン)は言った。「この世界には独自の法則がある、全てを起こるままに任せよう。彼らに伝えてくれ、『どじょうは死んだ、用事があれば紙銭を燃やせ』と。」


 曉峰(シャオ・フェン)は信じられない様子で尋ねた。「本気か? それに、本当にそんな風に伝えるのか?!」


「もちろん本気だ。どう伝えるかは、当然脚色する。例えば、上海戦の後、私は大きな傷を負い、静かな場所で療養しなければならないと。」


 これを聞いて、曉峰(シャオ・フェン)は笑いながら盧安(ルー・アン)に補足した。「療養のため、君は私を見つけ、高度な睡眠状態の体を西南基地に置き、電子機器でのみ外界を観察でき、そして君も睡眠中の体の近くでしか活動できなかったんだ。」


 盧安(ルー・アン)はハハと笑った。「そうそう、やっぱり君は私のことを分かっているね。」


 曉峰(シャオ・フェン)も笑い、そして首を振りながら言った。「でも、なぜ?この世界では、隠れる必要はないはずだよね。」


 盧安(ルー・アン)は一瞬止まって言った。「隠れているんじゃない、この世界に冷水を浴びせてはいけないんだ。」


 |演変《演変(エンヘン)》士官である曉峰(シャオ・フェン)は当然盧安(ルー・アン)の言っていることを理解し、うなずいて言った。「分かったよ。異世界転移者の中で、君は職業選びを間違えたね。」


 盧安(ルー・アン)は首を振りながら言った。「間違ってはいないと思うよ。もし間違っているなら、最初から間違っていたんだ。今の私に、文句を言う資格なんてあるのか?」


「どうやら、この間に何か経験したみたいだな」と曉峰(シャオ・フェン)は舌を巻いた。


「ずっと経験してきたさ。ただ、最近ある道理を悟っただけだ」


 興味津々の曉峰(シャオ・フェン)を見て、盧安(ルー・アン)はゆっくりと言った。「もし海に何もなければ、鯨がどんなに大きくても無意味だ」(海には高い周波数の超音波を発する鯨がいて、永遠に仲間からの応答を得られない)


 曉峰(シャオ・フェン)は口元を緩めて笑みを浮かべながら首を振り、からかうように言った。「やっぱり理解できないな。超能力者なんてみんな神経症で、まともな奴は一人もいない。頭がおかしければおかしいほど強くなる……まあ、お前は自分の仕事を続けろよ。俺があいつらを食い止めてやるから」


 曉峰(シャオ・フェン)は通信を切ると、顔に浮かべていた笑みを引っ込め、顔を上げて天井を見つめ、ため息をついた。「なぜここに来たのか分かった。この任務が何かも理解した……」曉峰(シャオ・フェン)は頭を軽く叩き、反省した。「曉峰(シャオ・フェン)よ、少将にまでなったのに、どうして自分が変転から簡単な任務を拾えると思ったんだ?」


 四時間後、曉峰(シャオ・フェン)のいる部屋の扉が開かれ、顔に形式的な微笑みを貼り付けた盧穹(ルー・チョン)が入ってきた。そして彼の後ろには、厳しい表情の謝彤(シェ・トン)がいた。


 盧穹(ルー・チョン)の笑みはもちろん偽りのもので、謝彤(シェ・トン)の表情は注意と警告の意味を帯びていた。曉峰(シャオ・フェン)が今回隠していることは、決して小さなことではない。家族からの命令は明確で、謝曉(シェ・シャオ)に全てを白状させることだ。


 盧九重(ルー・ジウチョン)はまず謝曉(シェ・シャオ)に丁寧に接し、「世兄」と呼びかけ、その後関係を取り持ち、両家が何代も前から協力してきたことを述べ、それからゆっくりと一族が弟である盧安(ルー・アン)のことをどれほど気にかけているかを語り、盧安(ルー・アン)の現在の状況を確認したいと述べた。


 中身のない話が十分間続いた後、盧九重(ルー・ジウチョン)はうなずき続けてごまかしていた曉峰(シャオ・フェン)に言った。「もう私の言いたいことはわかっただろう。身内に隠し事をするのはやめてくれ。」その時、そばにいた謝彤(シェ・トン)が曉峰(シャオ・フェン)に目配せをした。


 曉峰(シャオ・フェン)はそれを無視し、微笑を浮かべる盧九重(ルー・ジウチョン)を見つめ、首を横に振った。盧九重(ルー・ジウチョン)の微笑みは変わらなかったが、その目つきは冷たくなり始めた。

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