0542 欠けている記憶。補完された思考
主世界で、盧安は貴州のどこかの山頂に座っている。
主世界の山水を振り返りながら、盧安は顔中に物足りなさと喪失感を浮かべている。
盧安の前で、演変光幕は演変戦場が盧安の今回の任務の達成状況に対して下した評価を表示している。
「満点!この高難易度任務を完璧に達成したこと、おめでとう。これからも努力を続けてほしい。また、任務中に失われたあなたの記憶について、本当に申し訳なく思っている。一日も早く、ご自身の基本的な制限を克服できるよう願っている。」
盧安が遭遇したのは、時空傭兵にとって非常に稀なこと――任務中の記憶喪失だ。変動の公式な説明では、前回の任務であまりにも多くの記憶と人格が生まれ、盧安の現在の炭素ベースの身体では、すべての思考を収容しきれなくなったため、帰還の際に盧安が得られたのは部分的な思考だけだったということだ。
盧安は任務から戻った後、その任務中の限られた記憶だけを覚えており、その中には以下の二つが含まれている。
第一に、自分が意識群状態にあることを確認する。この意識群の中で、自分は趙明意、王海、李二、商衡、路顓などの身份を持っている。
第二に、大渦区の物理条件は物質が重ね合わせ可能であることだ。この物理環境は各宇宙船の人工知能の人間に対する判定に相違を生じさせ、移民の原初人類は深い睡眠状態では人工知能が判定する清醒条件を満たせなかった。盧安が人工知能の判定基準を達成した後、任務は終了した。
理屈から言えば、これらの記憶は盧安が前回の任務で何をしたかを概括するのに十分なはずだが、盧安はそれでもわけもなくいくつかの疑問を抱いていた。
「私の任務は一体どのように終わったのだろうか?終了時のあの記憶は何だったのか?なぜひどくぼんやりしていて、何も思い出せない。ただ任務終了後に光幕が帰還できると知らせてくれた、そのただの断片だけを覚えている……」盧安は心の中で答えを追い求めていた。
盧安のこのぼんやりした感覚は、まるで普通の人が昨日ベッドで眠りにつく前の最後の感覚を思い出すかのようだ——自分は一体いつ眠りに落ちたのか?
盧安のこの、記憶が途切れたようで途切れていない感覚に対して、高次元は一言も発さず、盧安は高次元に何を尋ねればいいのかさえ分からなかった。
盧安は今、部分的な予演の中で、思わず自分があの世界に留まり、計画内のことを続ければどうなるか、どんな困難や障害に遭遇するかを考えてしまう。理性は盧安に、自分は妄想症の状態に陥っているようだと告げていた。
これらの根拠のない情報は、多肉植物が切断された後に流れ出る汁のように溢れ出てきた。
盧安は今、雲霧の中を進んでいた。山並みに漂う雲気が、盧安のそばで絹のように優しく撫でていく。
盧安は上空四百メートルの高さをゆっくりと進み、青々と茂る貴州を見下ろした。果てしなく続く山々を眺めながら、盧安はそっと息を吐いた。この果てしない大地は、どこかで見たことがあるような気がする。そして、これらの山々を見ると、鳥の巣ほどの大きさの岩の裂け目に、自分が気づかない場所に何か奇妙なものが隠されていて、発見を待っているような気がしてならない。
これは不思議な感覚であり、少年の思考と老年の思考の大きな違いだ。
もちろん、理屈では山の隙間には苔や草くずしかないと分かっているが、理由もなく、山あいには自分のデータベースに一度も記録されたことのない鳥や虫がいるかもしれないと想像してしまう。
盧安の思考は以前と変わらないようでいて、しかし完全に同じではない。
盧安はこの世界のすべてに対して、いくぶん興味を持ち、探求したい、大切にしたいという感覚が芽生えていた。
盧安は前回の任務から一部の記憶しか持ち帰らなかったが、まさにその一部の記憶、一部の思考が、世界を見る感覚に全く異なる態度をもたらしたのだ。
これらの山々を眺めながら、盧安はついに自らの思考を前回の任務からここへと引き戻した。
「貴州省の面積は1.76万平方キロメートル」というデータが、盧安の頭に浮かんだ。「人間の活動は地下100メートル以下には影響を与えにくい。今の私なら、地下1万メートル以下の深さも探索できるはずだ。」
予行演習で、盧安は手を上げ、自分の超能力フィールドを展開し、機械的エネルギーの動的視点でこの山脈を観察しようとした。
予行演習中、盧安はすぐにぼんやりとした。この超能力フィールドの展開規模があまりにも巨大で、トイレットペーパーのように一枚引き出してもまた一枚出てきて、延々と続くようだった。
これで盧安は慌てて現実でも超能力を展開した。現実の結果に、盧安は少し安心した。現実での自分の超能力の総量は変わっていなかった。もし現実で自分の超能力が変わっていたら、盧安は決して喜ぶのではなく、自分のいる世界が驚くべき変動を起こしたのかと恐怖しただろう。
現実では発生しなかった、つまり自身の予演能力が急激に変化しただけである。
この時、盧安が主世界に戻ってすでに二十五分が経過していた。この時間は長いようで短く、短いようで長い。この間、盧安は大量の予演を千回以上行い、そのほとんどは超能を道具として高精度な操作に使っていたため、自身の超能を完全に展開していなかった。
そして今、今回完全に全超能を展開したことで、盧安は今回の任務からの帰還後に最大の変化をようやく発見した——予演中の超能が恐ろしい境地に達していたのだ。
予演中、超能場の展開体積は通常の体積の現実における約三千倍以上に達し、展開すると十五キロメートルをカバーする。予演中、十五キロメートル範囲内のエントロピーが再分配され、山々を瞬時に白霜で覆わせ、数百本の大樹を一瞬で枯れ黄ばませ、さらには発火させることができる。
超能力の規模が大きすぎるため、盧安は予演の空間内でさえ十分な運動エネルギー伝導ができなかった。盧安の見積もりでは、大型水力発電所のすべての回転子の回転による運動エネルギーが必要で、それでようやく自身の予演で伝導できる最大の運動エネルギー、つまり全超能場が生み出すことのできる総導力効果に達するかもしれない。
予演の中で、盧安は自分自身に驚かされた。
今から見れば、これは良いことだ。予演でできることが多ければ多いほど、試せば試すほど、現実でより正確に完了できる。それでも、盧安は結果には必ず原因があると固く信じている。もし異変の原因が何かをはっきりさせずに、軽々しくそれを天からの贈り物と見なせば、重大な過ちになるかもしれない。
盧安は限られた情報で推測を始めた。
四回の予演の後、盧安が推測した一つの可能性はすでに限りなく現実に近づいていた。盧安は再び、意識をこの世界から前の任務へと引き戻した。
盧安はすぐに三つの有用な既知情報を整理した。
「一、一つのタイムラインの流れを変えると、予演能力が延長される;」
「二、前回の任務は不明瞭で、高次元も自分に何の状況か知らせてくれなかった;」
「三、前回の任務では、自分は集団意識状態だった。殺戮は覚えていないが、特に禁忌と感じることはなかったようだ。」
盧安は結論を出した。「前回の任務で、自分のしたことは予演に影響を与えているに違いない。」
しかし次に、解明すべき疑問も生じた、「なぜ自分の予演は明らかに延長されず、むしろ超能力が予演の中で増幅されたのか?」
盧安はその疑問を考えたが、推測できる情報は何も見つからなかった。
盧安は思考を一時中断した。
盧安は峰の前にしゃがみ込んだ。この相対的に九十メートルの高さの峰では、超能力の探査において、樹木の根の一本一本までもが盧安にははっきりと観察された。九十メートルの岩峰の内部には無数の細かい裂け目があり、裂け目の間は非常に湿っていて、ヤスデが山体の裂け目の中を動き回っているのも見え、なかなか興味深いものだった。
これらの小さな虫を見て、盧安は強迫観念にかられ、これらの虫をかき出してみたくなり、周囲の風の運動エネルギーを借りようとした。
盧安は周囲の風を感じ取ったとき、突然ある扇風機を思い浮かべた。その扇風機がくるくる回り、くるくる回って、回れば回るほど速くなる。一定の速度まで回ると、停止した羽根の残像が見え、その残像がゆっくりと逆回転し始めた。
これは人間の視覚のフレームレートとファンの周波数によって生じる一般的な現象だ。しかし、そう考えた瞬間、盧安はハッとして、突然、証明不可能な可能性を推測した。
「私の予行演習は実はすでに数千倍も増えていたが、自分の炭素ベースの脳ではこれほど多くの情報に耐えられない。ちょうど人間の目が高速回転するファンを見る時、ファンの正確な回転速度を判別できず、ただ残像が回転しているのを見るのと同じだ。」
ミクロの視点で見ると、盧安の脳内のその領域の粒子は、予演タイムラインからの折躍頻度が高すぎる。この炭素ベースの構造である脳は、完全性を保ったまま、高次元からの無数の予演タイムラインの行動を表現しており、予演中に思考を行う余裕すらない。そして、盧安が現在予演で感じ取っているすべての情報は、実は電子で表現されている。電子の折躍が速すぎると、盧安が感じられるのはあまりにも多くの予演の新しい情報ばかりとなり、それが残像へと変わるのだ。
たとえて言うと。人間の目は扇風機の残像がゆっくり回転しているのを見るだけで、ブンブンという風の音を聞くことができる。扇風機の「遅さ」は、目で見た遅さではない。同様に、前回の任務で予演が大幅に強化されたが、盧安の脳の処理能力は限られており、数千の予演中の自分がこの事実に気づかないまま超能力を解放すると、現実の盧安は予演中の超能力が千倍に増幅されたように見えるのだ。
もちろん、別の側面からも盧安の推測を検証できる。数千キロ離れた、蛇部の某基地で、淺空明子は自分の未来の瞳を閉じようとしている。
彼女の周りでは、四十メートルの範囲がすべて静止している。落ちる水滴、水滴が地面と衝突し、陶器に生じたひび割れ……淺空は虚ろな目でこれらを見つめている。
盧安の低次元での振る舞いは、当然ながら高次元から観察されている。
「欠損した記憶の思考補完の速さは本当に驚くべきものだが、彼はそれを証拠で検証することができない。自分の思考補完の答えに対して、結局は疑問を抱くだろう。」元一は演変をちらりと見た。
演変。「私を見ないで、今は私には関係ない。君が準備すべきだ。」
元一。「彼に対して、君は早くから計画を持っていたのだろう。その計画を実行する時、なぜ私を選んだのか?」
演変は褒めているのか、それとも悪巧みをしているのかわからない様子で言った。「君がとても可愛いと思ったからだ。」




