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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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54/542

0052 得難い

 上海で開催される超能交流大会は前例がない。過去数十年、超能力は各機関に独占され研究されてきたが、今ではテレビ画面を通じて公衆の前に現れ、超能力の神秘のベールが徐々に開かれつつある。


 しかし、この大会は戴冠の現象を伴って現れた。第一回工業博覧会のように、世界のほとんどの国が工業の力を目の当たりにした。工業が墨家機関術のような神秘のベールを脱ぎ捨てた時、誰もが時代の潮流を悟った。工業博覧会とは、全人類の前で工業科学に戴冠する盛会なのだ。


 産業博覧会以前は、農業国と工業国は人々の心の中で同じ地位にあり、ただ特色が異なるだけだと考えられており、イギリスの特色は石炭や鉄を産出することで、中国の特色は磁器や絹織物だとされていた。人々は工業が何を意味するのか全く理解しておらず、工業を発展させるイギリスと農業を発展させる他の国々は並行する関係にあると考えていた。しかし時代の進展とともに、工業が人類の次の発展の趨勢であることが徐々に示され、工業こそが王であり、イギリスが地球の主となる場面が現れた。イギリスの最盛期には、イギリス人は誇らしげに言った。「インド人は我々のために綿花を栽培し、中国人は我々のためにお茶を栽培し、ブラジル人は我々のためにコーヒー豆を栽培し、アメリカ人は我々のために食糧を栽培している。」その頃のイギリスはまさに世界の主のごとき様相で、その王冠こそが工業化であった。


 工業博覧会と一連の植民地戦争を経て、工業国と農業国は人々の目に、互いに特色ある平等な国ではなくなった。十九世紀は、工業が国家にとってあってもなくてもいい選択科目ではなく、強くなるための必修科目であることを証明した。


 今では似たようなことが起こっている。超能力が物理現象を大きく動かす強力さを理解した後、誰もがこの事実を受け入れざるを得なくなり、人々の目も超能力者と普通の人を同じ位置に置かなくなった。


 超能力者は社会に強い衝撃を与えてはいないが、社会の方が主動的に譲歩し始め、超能力者のために大きな位置を空け渡した。超能力者と普通の人が平等に友達になれる時代はもうすぐ過ぎ去り、上位と下位の階級思想が将来現れる可能性が高い。


「この社会は、どんなふうに発展していくのだろう?」その質問を盧安(ルー・アン)に尋ねたら、盧安(ルー・アン)は俺に関係あるかと答えるだろう。


 事なかれ主義、それが今の盧安(ルー・アン)の態度である。自分自身を救う以外に、盧安(ルー・アン)はまだ他人を救う力があるとは思っていない。もちろん、害を加えて面倒を起こす暇もない。


 広大な訓練場で、盧安(ルー・アン)は零点一ミリの鋼板を宙に吊るした。その後、空気銃の弾丸がこの界面に衝突した。弾丸は鋼板の一角に当たったが、鋼板は回転せず、全体として後方の空気を叩きつけた。


 これも盧安(ルー・アン)の超能力の特徴の一つで、完全に無抵抗膜で覆われた物体は貫通できない。このときの力積は二つの部分に分けて考えられる。一つは面に垂直な成分、もう一つは面に平行な成分である。平行な成分は当然、衝突で生じた破片とともに散逸するが、垂直な成分の一部は衝突後の物体に伝わり、残りは面の後ろの空気へと伝わる。


 例えば、盧安(ルー・アン)が無抵抗面を前方の空気に覆いかぶせる。この時、正面から弾丸が飛んでくると、完全弾性衝突が起こり、弾丸は残りの力積を保持して跳ね返り、この面は得た力積を後方の空気に伝え、大きな気流を形成する。運動量保存則よりmv1=mv2+mv3が得られ、mv1は弾丸が飛来時の運動量、mv2は弾丸が跳ね返った時の運動量、mv3は面の背後にある空気の運動量である。もちろん、mv=Ftに従えば、無抵抗面の背後にあるのは圧縮性の空気であり、弾丸と面の接触時間が少し長くなることで、放出される力も比較的緩和される。


 秒速500メートルで飛行する弾丸が持つ運動エネルギーは非常に恐ろしいものだが、秒速500メートルの気流は空中で数メートルも進まずに乱流に変わり、その後崩れ去る。例を挙げると、砲身に砲弾を装填せず発射薬だけを使用した場合、発射薬の爆発の運動エネルギーは砲弾に伝達されず、これらの高運動エネルギーの気流が砲口を出ると、空気抵抗によって乱流になる。砲身内で運動エネルギーが砲弾に移されて初めて、運動エネルギーは砲弾に運ばれ、数千メートルの大気を通過して目標に作用する。


 ホイッスルの音で盧安(ルー・アン)の訓練が一時中断された。そばのカウンターには、境界面の構築速度や物体に境界面を被せた後の滑らかさを含む40項目以上の数値が記録されており、総合評価は二級だった。試験官のコメント。折りたたみ式の薄い盾を携帯すると能力をより発揮できると提案。


 さきほどのテストーーで、盧安(ルー・アン)は無阻場を細かく鋼材の表面に配置し、弾丸と鋼板が接触するとき、できるだけ運動エネルギーを広い面に伝導させ、一点ではなく面で受け止めるようにした。力が一点に集中すると突破しやすいが、面で作用すれば突破しにくくなる。それは、盾に拳で打っても壊れないが、短剣で突けば貫通する可能性があるのと同じだ。


 盧安(ルー・アン)がこのテストーーで示した能力は、薄い鋼板だけで確率的に弾丸を防げることだ。これは、弾丸の射撃を同等の運動エネルギーを持つゴムハンマーの打撃に置き換えたのと同じだからだ。これが、専門審査官が折りたたみ盾を携帯して能力の発揮を強化するよう勧めた理由である。


 実際には、これは盧安(ルー・アン)が実力をやや抑えて成し遂げたことであり、盧安(ルー・アン)は実際にもっと上手くできる。盧安(ルー・アン)は無阻フィールドでそのテストーー用の鋼板を完璧に覆い、その後一部の予行演習で弾丸を避け、別の予行演習では弾丸がどの鋼板に当たったか、鋼板のどの部分に当たったかを観察し、最後に現実で予め無阻膜を鋼板と弾丸の衝突位置に配置することができる。予行演習の中で、もし盧安(ルー・アン)がこのようにしているのを見たら、弾丸は完全に弾かれる。予行演習という能力は、他の超能力と組み合わせて先手を打って超能力フィールドを配置すれば、その効果は非常に驚くべきものになるだろう。


 盧安(ルー・アン)は座ってしばらく休み、自分の超能力の欠点と対策を評価し始めた。


「問題1。無阻面の空気中における絶対配置範囲は4メートルです。4メートルを超えると、連続した自然界面がない場合、連続した無阻面を正確に配置するのが難しくなり、無阻場は離散点の形で分布します。貫通攻撃に直面すると、断片化した無阻場の防御効果は良くありません。


「対処法。予演を通じて事前にそのエリアに歩いて行き観察し、その場所の状況を記憶することで、現実において無阻面をより平滑に配置できるようになります。


「欠点。移動には時間がかかります。戦場の銃弾が飛び交う中では、たとえ予演であっても、目標エリアまで歩いて行くことはできません。なぜなら、予演中に撃たれて死んでしまうからです。


「問題2。無阻面の再構築速度は現在0.2秒です。敵の火力がこの頻度を上回る場合、防御は突破されます。」


「対処法その一、超能力を強化する。数十平方メートルの無阻面を展開し、自分のいるエリアを完全に覆うことができれば、無阻面の切り替え配置の問題を考慮する必要はなくなる。」


「対処法その二。先手を打つ。無阻面で弾丸を覆い、先に目標を打ち落とす。」


「問題その三……」


 盧安(ルー・アン)が自分に欠陥を列挙して対策を練っている間に、超能力交流大会はすでに終盤に差し掛かっていた。


 玄鳥部《シュエン・ニアオ・ブー》、龍部(リュウブ)、虎部(フー・ブー)の三部門は、いずれも自前のレベル4超能力者を動員して「友好的な」切磋を行ったが、三者の雰囲気はますます異様なものとなっていった。


 この超能力者の盛典の主な開催目的は、天の命数を探すことにあった。盛典は盛大に催されたが、主役は現れなかった。ゆえに、たとえ三者の超能力者の勝負に一進一退があっても、上層部の者たちにとってはまったく意味をなさなかった。


 一部の人々の見方では、天數(ティエン・シュー)はすでに三つ巴のうちの一方に加わっており、その一方は天數(ティエン・シュー)を手に入れた後、天數(ティエン・シュー)を登場させなかった。こうした人々は、これこそが超大会が終わりに近づいているにもかかわらず、天數(ティエン・シュー)が姿を見せなかった理由だと考えている。


 玄鳥部《シュエン・ニアオ・ブー》が超能力対抗戦に参加している超能力者たちが一時滞在しているホテルで、孫柏(スン・バイ)は緊張した面持ちで十九歳の少年、盧九重(ルー・ジウチョン)に説明した。「天數(ティエン・シュー)はここにあります。探知結果によると、波動の発生源はすでにここに移動してきています。」


 ソファにもたれてゲームをしていた盧九重(ルー・ジウチョン)は、携帯電話の画面から視線を外し、孫柏(スン・バイ)をちらりと見て言った。「ああ?おう、続けて。」そう言うと、すぐにまた素早く視線を携帯電話に戻し、画面の上で指を素早くスライドさせた。


 盧九重(ルー・ジウチョン)のこの様子を見て、孫柏(スン・バイ)は不満を一切表に出さず、恭しく言った。「虎部(フー・ブー)の嫌疑が最も大きいです。彼らがすでに天數(ティエン・シュー)を手に入れている可能性が高いです。」


「くそっ!」盧九重(ルー・ジウチョン)は乱暴にスマホを置き、顔に一瞬凶暴な色が走り、孫柏(スン・バイ)をぎょっとさせた。


 盧九重(ルー・ジウチョン)のスマホには灰色がかった白いインターフェースが現れた。つい先ほど、盧九重(ルー・ジウチョン)はゲームのキャラクターを操作して瀕死の敵を追っていたが、草むらを通りかかったところをスキルで拘束されてしまった。瀕死の敵は反撃し、一連のスキルを放って盧九重(ルー・ジウチョン)がゲーム内で操作するキャラクターを逆に倒してしまったのだ。


 五級超能力者も現実では無敵だが、ゲームの中ではやはり殺される。しかも、盧九重(ルー・ジウチョン)が購入したキャラクタースキンが良いせいか、金持ちを妬む者に狙われたようだ。


 凶暴な表情を浮かべた盧九重(ルー・ジウチョン)は、スマホを粉々にしそうになった。


 試合に負けたことで、彼はようやく注意を外に向けた。顔を上げると、彼はからかうように孫柏(スン・バイ)に言った。「虎部(フー・ブー)は天數(ティエン・シュー)を手に入れたが、まさか我々は虎部(フー・ブー)と開戦するつもりなのか?」


 一力降十会を信奉する盧九重(ルー・ジウチョン)は、天數(ティエン・シュー)が大したものだとは思っていなかった。孫柏(スン・バイ)はすぐに盧九重(ルー・ジウチョン)がぼんやりしている態度を察し、考え直して、別の表現に変えるべきだと思った。


 孫柏(スン・バイ)は玄鳥部《シュエン・ニアオ・ブー》を虎部(フー・ブー)と戦わせるつもりはなかった。結局のところ、虎部(フー・ブー)の実力は玄鳥部《シュエン・ニアオ・ブー》よりやや上だったからだ。しかし、自分の上司がここまで天數(ティエン・シュー)を軽視しているのを見て、孫柏(スン・バイ)は数年来参加してきたプロジェクトが水の泡になりかねない兆候を感じ取った。


 孫柏(スン・バイ)は説明した。「開戦ではなく、虎部(フー・ブー)と協力を求めるのです。もし彼らが協力しないなら、我々は龍部(リュウブ)と手を組むしかありません。」


 盧九重(ルー・ジウチョン)は、自分のスマホのキャラクターが拠点で復活するのを見て、孫柏(スン・バイ)に手をひらひらさせながら言った。「あとは任せるよ。もし天數(ティエン・シュー)を差し出さなければ、お茶を一杯いただきに伺うと伝えてくれ。」


 スマホゲームに夢中になっている盧九重(ルー・ジウチョン)を見つめながら、孫柏(スン・バイ)は仕方なさそうに言った。「ご支援に感謝します。」そう言うと、彼はゆっくりと盧九重(ルー・ジウチョン)の部屋を後にした。


 十分後、一試合を終えた盧九重(ルー・ジウチョン)は目をこすり、天井を見つめながら独り言をつぶやいた。「天數(ティエン・シュー)?怖がりな地ネズミめ、どうでもいいさ……」


「もう一人の人物には、むしろもっと興味がある。」

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