0535 虎動
その後の時間、路顓の仕事は非常に慌ただしかった。様々な物価の調整に加え、北方領土の権力委譲もあった。
路顓の皇帝の大伯がこの土地を路顓に渡したのは、明らかに孤注一擲だ。これは春秋戦国時代の鄭国渠の政策に似ており、戦国時代の韓王は秦を疲弊させるため、水利技術者を秦に派遣して用水路を建設させ、秦の人力と物力を消耗させて東進を妨げようとした。しかし、この用水路が完成すると、秦の国力は大いに増大した。
宏泱帝がこのような決断を下したのは、完全にやむを得ないもので、彼の余命はすでにわずかだった。この最後の時間で、彼は路顓のあらゆる可能性を使い尽くし、権力移行期に干渉する行為を凍結しなければならなかった。皇帝として、この時間を利用して国内の状況を整え、次の者が自分が統合した勢力をしっかりと受け継げるようにしたのだ。
帝王として、宏泱のこの一手は非常に見事だったが、この優秀な帝王は資本家の手段に直面した。彼が立ち向かった厄介な事態は、路顓によって小便を一泡かけられ、結果的により整理が困難になってしまった。
皇帝の統合速度は、路顓には到底及びません。路顓側には数十の統計部門からなる行政集団が存在し、問題処理の効率は、帝国のあの揉め事の絶えない皇室議会内閣よりはるかに高いのです。
皇帝がなお劇薬で命を繋ぎ、苦しみながら決断を考えあぐねている間に、各地の物資はすでにコンテナに梱包され、北方へと輸送されていました。数百の作業隊が現地で労働者を募集し、鉄道建設を進め、続いて即座に臨時飛行場を建設しました。路顓はさらに、北方の大平原にいくつかの用水路を掘り、いくつかのダムを築き、そこで機械化耕作を完成させたいと考えていました。
「北の風はとても騒がしい。惜しむらくは、私には文才がなく、『千里氷封 万里雪飄』といった句を詠めないことだ。惜しい、実に惜しい……その豪情壮志が」臨時に建設された北方基地の二階に立ち、路顓は振り返って後ろの者に尋ねた。「君たちの中に、詩を作れる者はいるか?」
後ろで土を一皿持っていた調査隊の隊員は、きょとんとした顔で路顓を見つめていた。路顓は手を振って言った。「まあいい、今のなしだ。測定を続けてくれ。」
路顓がいるこの基地は、多くの調査任務を担っており、例えば後ろの人物は土壌調査を担当している。
いわゆる土壌調査とは、五キロメートルごとにサンプリング地点を選び、一つの土壌地点で、洛陽シャベルのようなスコップを使い、異なる深さ(例えば五センチ、十センチ、二十センチ、四十センチの深さ)で土を採取し、土壌サンプルのデータを測定するというものだ。
含水量データを取得するには、まず採取した土を計量し、乾燥後に再度計量して土壌含水量を計算し、その後各データを記録します。最後に、全てのデータを地図上の5キロメートルごとのマス目に記入します。各地図ブロックを黄色、オレンジ、赤などの色分けで示し、含水量の大小を表します。こうして土壌含水量の直観図が完成します。
もちろん、サンプルでは土壌含水量だけでなく、他のデータも測定し、最終的にこれらのデータに基づいてさまざまな図線を作成します。これらのものは水利部門に引き渡され、後者がデータを参考にして水利工事を開始することができます。水利工事はリーダーが思いつきで適当に行うものではありません。
これが現代の科学研究業務の99パーセントであり、必要なのは天才ではなく、国家の組織力なのです。
土壌サンプリングの測定作業だけでも、一つのチームが行う必要があります。そして、このチームを権力分立の旧社会が組織することは、どうあっても不可能でした。組織力が不足していたからです。
適当に街で人を雇って金を払えば作業が完了すると思う人がいますが、それはあまりにも甘い考えです。提出された土壌サンプルは、おそらく自分の家の近くの土か、もしくはでたらめに記入されたものになるでしょう。これが統計の不正です。彼らはデータの正確さのためにわざわざ遠くまで出かけるのが面倒なのです。なぜなら監視することができないからです。例えば、賢い人のやり方は、最初は真面目に作業し、その後でいい加減にごまかし、最後に検査に直面して化けの皮が剥がれそうになると、すぐに逃げ出します。どうせこれまでの日数分の作業賃金はもう手に入れたのですから。
そして現代国家の実際のやり方は、人々を養い、複数のチームに分けることだ。チームは普段土壌調査を担当し、年度末には互いの状況を検査する。検査でデータの不正確が見つかれば、一件につき一つ過失が記録され、データの大規模な捏造があれば直接解雇される。こうした人々こそ、いわゆる事業単位なのである。
この新たな平原で、路顓の工業連盟が行うべき作業は土壌の測量だけではなく、また路顓の工業連盟の組織体系の下には、この土壌測量チームだけが存在するわけでもない。
各地の土壌、水文、人口、物産……膨大な統計データ(膨大とは相対的なもので、封建時代は情報時代とは比較にならない)が計画センターに集約され、それからこれらの統計データに基づいて政策が一つひとつ策定される。
路顓はここに到着して三日後には、ここの状況を把握し、また自分が来る前に誰かが仕組んでいた小細工についても調べに来た。
燕、趙、斉の三国はこの地で数千年にわたって殺し合いを続けてきた。民族主義が盛んなこの時代にあって、この地では民族主義は流行らない。人々はすでに麻痺した状態にあり、辺境の平民たちは自分がどこの国に属しているのかすら知らないのだ。
しかし最近、斉国の部隊がここで悪い評判を残した。
北方の岩雀軍團五万は撤退の際、将官たちは軍団を率いて近くで大いに羽を伸ばした。いわゆる羽を伸ばすとは、要するに暴行と略奪の限りを尽くし、その後立ち去るというものだ。
その後、路顓の部隊が到着すると、憎悪の目に迎えられた。憎悪には、路顓の部隊と斉の他の兵団との違いなど関係なく、すべて斉国人の仕業と決めつける。これが路顓が北方に進出する際、極めて悪い影響を与えた。
路顓は傍らの将軍に向かって尋ねた。「岩雀軍團はどうなっている?」
傍らの将軍が言った。「岩雀軍團は全部で四万人、今は内線に撤退している。彼らの指揮官は高楣、彼女は三皇子の手の者で、北地を六年間守ってきた。」
路顓は眉をひそめた。「つまり、俺が来たから、彼は去った。彼はかなり不満なんだな?」
傍らの財務責任者が言った。「はい、岩雀軍團の者たちはもともとここに産業を持っていたのです。」
「今は? 彼らはここに産業を残さなかったのか?」と路顓は尋ねた。
関係責任者は苦笑いして言った。「元首、帝国中で最も金儲けが上手いのはあなたです。他の人をあなたと同じように考えてはいけません。岩雀軍團のここでの商売は、すべて暴力で成り立っていました。軍団が撤退した後は、彼らの商売は成り立たなくなったのです。」
路顓は尋ねた。「彼らはどんな商売をしていたんだ?」
路顓が財務官から手渡された資料をめくり、財務官が言った。「密輸、塩鉄、奴隷売買だ。」
路顓は資料をざっと読み終えると、それを脇へ放り投げて言った。「宣伝しろ。岩雀軍團は趙国のスパイ軍団であり、四万全てがスパイだ。我が正義の師が来た途端、この害虫どもは逃げ出した。今すぐ各地で残党を厳しく取り締まれ。」
路顓は手を後ろで組み、颯爽とその文案を口にした。傍らの人々は呆然とし、ある者が弱々しく尋ねた。「殿下、高楣が軍隊を握っております。もし殿下がそのようなことをなされば、もしかすると……もしかすると兵変を引き起こすのでは……」
路顓は微笑みを浮かべた。「兵変を引き起こそうと、彼らを気にするな。今日から、我々は事実に基づいて話す。他の方向への影響など気にするな。」
周りの人々は依然としてぼんやりしていて、何が起こったのか分からない。その人はつぶやいた。「岩雀軍團は軍隊なのに、もし彼女が騒ぎ出したら、朝廷が追及してきたら…」
路顓は振り返って言った。「もっと大声で言ってくれ。」
会議室は静まり返り、雰囲気が突然緊張した。みんなは、路顓が突然変わったと感じた。彼の今の目つきは侵略性に満ちている。
路顓はもう一度言った。「さっきの人、もっと大声で話してくれ。私たちは会議中だ、率直に話し合おう、事実に基づいて話し合おう。」
再び静まり返った。
路顓は机を一度叩いた。「黙っていると、監察メカニズムを発動する。調べて分かったら大過を記録する。」
その時、その人はついに立ち上がり、感情をぶちまけて叫んだ。「元首、もし我々が岩雀軍團に対して不適切な発言をすれば、国内の者がそれに乗じて我々を標的にするでしょう。」
路顓は手を叩いて言った。「よし、一等功を記録しろ、座れ。」
彼は路顓が彼を罰しなかったことに驚いた。路顓が二度目に促した後、ようやく彼はぼんやりと座った。そして会議の雰囲気は次第に和らいでいった。
路顓は立ち上がり言った。「さあ、皆さんに私の考えをお伝えする時です。まず調査します——」
「まず、貴族の生まれの者は手を挙げてください。」
わずか数人が手を挙げた。路顓はうなずき、「下ろして。」
「霊造師は手を挙げてください。」
半分に満たない者が手を挙げた。そしてその半分に満たない者の中には、先ほどの貴族たちも含まれていた。貴族の生まれであるため、霊造師集団にはこの集団が含まれているのだ。
路顓は続けて言った。「下ろして、控霊師は手を挙げてください。」
会議ホールにいるこれらの控霊師は、霊具武器を制御するだけでなく、より多くは生産ラインを制御しているので、ここに座っているのだ。
先ほど手を挙げた人以外の全員が手を挙げた。
路顓は手を叩いて言った。「結構です、下ろしてください。未来、もし我々がこの世界を主導するなら、我々はどんな秩序を築くべきか?」
出席者は顔を見合わせた。
「パッ」と、路顓はテーブルを叩き叫んだ。「全員、もっと男らしく振る舞え、本音を大声で叫ぼう!我々に有利な秩序を築くんだ!」
路顓は席を離れ、会場を歩き回りながら言った。「皆身内だ、当然身内のために発言し、自分たちのグループの利益を考慮すべきだ。我々のあらゆる政策は、我々の中で大多数に優先的に奉仕するものだ。」
「まず、我々の大多数は控霊師であり、控霊師の利益のために、我々は霊造師の利益を守らなければならない。なぜなら霊造師が霊具を作ってこそ、控霊師の利益が生まれるからだ。もちろん、労働者の利益にも配慮しなければならない。そうすることで我々自身の利益を保障できる。これが我々の中の大多数だ」
ここまで話すと、全員が頷いた。
「しかし、我々の統治集団における大多数は、他の統治集団において大多数を占めているわけではない。旧世界の連中が、自ら進んで我々に利益を譲ると思うか?!」路顓は一人ひとりを見渡した。
「譲れるわけがない!」と誰かが叫び、会場は生石灰を水に投げ入れたかのように沸き立った。
「譲れるわけがない!」「当然、譲れるはずがない!」次々と声が騒がしくなる。声を上げる者が増えると、皆が自分たちを大多数だと思い込み、大胆になった。
「だから、皆さんは心の準備をしておいてください。相手に利益を譲らせるための説得の準備です。そして、説得の最良の方法は——」路顓はにこやかに笑い、手を伸ばし、拳を固く握りしめ、きっぱりと言った。「力だ!」
その時、誰かが少し興奮して尋ねた。「殿下、謀反を企てているのですか?」そう、非難ではない。しかも皆が少し興奮している。これは彼らの上司が初めて最高権力の奪取をはっきりと示したことなのだ。
路顓は首を振って言った。「どういう言い方だ、謀反ではない!」
その時、人々の顔には困惑が浮かび、心の中で尋ねた。「まさか清君側か、それとも尊王攘夷か?」
路顓は傲然と語った。「将来において、我々のグループは必ず大多数となる! 我々は最も多くの工業シェア、最も多くの鉱産、最も多くの食糧産地を占め、最強の軍隊を組織する。これでどうして謀反と言えるのか? むしろ、反動派を鎮圧する、と言うべきだ!」
演説全体の雰囲気が一気に燃え上がった。
そうだ、最強の力を握っているのに、どうして造反と言えるのか?反動派を鎮圧する、なんと胸が高鳴る言葉だろう!強者は、弱者に名を与えられる必要はなく、自ら名を打ち立てるべきだ!
皆が口々に話す中、路顓は机を叩いて言った。「皆さん、少し慎みを持ってください。今日私が言ったことを記録し、下に伝達してください。伝達の際は原文のままでも構いませんが、『反動派』という言葉は、少し婉曲にしてください。」
「では、これより高度動員令を発令する。」
「第一に、各倉庫の戦略物資の売買を停止する。」
「第二に、すべての労働者は勤務終了後、軍事訓練を組織する。」
「第三に、各級単位で政治委員会を設立する。」
「皆に伝えよ、我々は今や新生の力であり、権利も資格もあり、もっと多くを要求するのだ!」
“……”
参加者はペンを手に素早くメモを取っている。
会議の終わりに、路顓は壁の地図をポンポンと叩いた。「この土地は、我々の第一目標だ。我々を助けてくれる者は、我々が味方に引き入れるべき同盟者だ。我々に面倒をかける者は、我々の敵だ。
「例えば、代々この土地に住んでいる人々には、彼らは善人であり、我々も彼らと共に善人であり、彼らを虐める者は皆悪人であり、彼らの敵であり、また我々の敵であるから、だから——」
路顓は黒板に「高楣」「岩雀軍團」「趙」「燕」と書き、強調して言った。「これらの者は皆悪人であり、我々は善人だ。皆、善人の隊列に従い、善人の隊列の飯を食い、善人と共に働くのだ。」
「全員毎日私に千回言え、各部署の全員も私に千回言え、ここで働いて飯を食って給料をもらっている全員も私に千回強調しろ。この後、政治委員会を組織し、各部署から一人ずつ、なぜ我々が善人で彼らが悪人なのかを専門に説明させる(洗脳大法は良い)」
路顓がここまで言うと、誰かが「プッ」と笑った。みんなが笑いをこらえている様子を見て、路顓は口をゆがめて言った。「笑うな、泥んこ階層に対する宣伝活動は、わかりやすく単純明快でなければならない。彼らの前で『之乎者也』などと言うのは、彼らを見下していることになる。彼らが理解できる言葉で話すことこそ、彼らを尊重しているのだ。」
路顓は顔をほころばせ、会議の出席者たちも次々と笑い出し、路顓の意見に同意した。
会議が終了し、巨大な組織が動き出した。元々草むらに伏せて獲物に近づいていた猛虎が、ついに飛び出した。




