0532 人治の常套手段
“素晴らしい人生、波乱万丈のストリー……”路顓は資料の巻を次々と元に戻しながら、タイムトラベラーが活躍したと疑われる過去の時点に感嘆の声を上げた。“もし私があまり忙しくなければ、本当にこれらのストリーをドラマにして、ポップコーンを抱えて見たいものだ。”
自分に関係のないことには、路顓は大多数の人と同様に、お祭り騒ぎが大好きで、自分が火に油を注ぐことも厭わず、自分の行動が他人にどんな迷惑をかけるかなど全く考えていない。
実際、路顓が任務を報告した後、上流の時間線上の一部の時空傭兵がすでに到着していた。各時空傭兵チームは独自に一つの時間線を探索する。
これらの時空傭兵が到着すると、基本的に不満を漏らした。例えば、ある任務時間線で、李姓の時空傭兵は「くそったれな高危任務、元一はいつもこんな殴りたくなるような任務ばかり見つけてくる!」と言った。
もう一人の新人の時空傭兵は「元一の探索手段は多様で、こうした直接捜索・逮捕する時空撹乱者の任務は、今後もよくあることだ」と言った。
ある時空傭兵隊長が目の前のコンクリートで造られた城を指さして言った。「ストリー通りなら、北寒王の馬車はあそこで襲撃を受ける。」
隊長の手配のもと、数名の隊員が合意に達し、その時間異常点の探索を開始した。
半年後、工場では巨大なハンマーが真っ赤に熱した鋼鉄を叩き、絶え間ない鍛造によって成形されている。この赤く大きな部品は戦艦の主砲のパーツだ。路顓は自ら現場に出向き、非常に熱心に働いている。
一方、工場の門の外には、宮廷の内官がいる。この宦官は数分前に急いで路顓を探そうとしたが、今は気まずそうに工場の入口で待っている。
路顓はわざとこの時期にこれらの重労働の鍛造作業を手配し、今日のこの場面も、宮中からの使者が来ることを事前に知っていた路顓が、わざとこの工場での「偶然の出会い」を演出したのだった。
鍛造工場から出てきた後、路顓は汗を拭き、手を洗い、丁重な大礼で宦官の手から明黄色の手紙を受け取った。これは斉国皇帝の直筆の書状である。
この宮内の内官欽差が送ってきた明黄色の手紙を見て、路顓は心の中で軽蔑し、密かに冷笑した。「ようやくいとこたちのために障害を取り除き始めたか……」
この半年余りで、路顓の皇帝に対するわずかな年長者としての敬意も全く失われた。路顓は誰かに罠を仕掛けられるのが一番嫌いで、あまりにも低級な罠を仕掛けるやつは、路顓が嫌宇田けでなく、軽蔑もする。|演変《演変》と元一の策略を見てきた盧安は、とうに低次元の「智者」たちの策略を低級なものと見なしていた。
この半年余りの間、宮中では立太子に関する風説がますます大きくなり、路顓の周りでも様々な光景が演じられた。多くの一族の名士たちは、路顓が一切の態度を示さないことにため息をつき、まるで路顓がこの「絶好の」機会を自ら逃したかのようだった。ただ、これらの一族の名士たちと皇帝と親しい重臣たちは同じ一族である。
心の中で早くから心の準備をしていた路顓は手紙を開封し、おおよその内容を確認した。
内容その一、日常の短い話をいくつか交わし、叔父から甥への気遣いを示しているが、実際は関係を取り持つことである。
内容その二、帝国は輔政内閣を組織しようとしており、皇帝は路顓に参加してほしいと思っている。
内容その三、禁軍の主官に欠員が出ており、路顓が就任することを望んでいる。皇帝陛下の原話。君のいとこが推薦した人はがさつで、君の半分も落ち着きがない。
これらの主要内容を見て、路顓の口元にはやはりそうかという笑みが浮かんだ。路顓は皇帝の考えを理解し、自分にとって有用な情報を一つずつ分析し始めた。
内容一。皇帝は相変わらず自分にこれほど丁寧に接しており、抑圧しようとはしていない。これは皇帝に決裂する自信がないことを示している。
内容二。輔政内閣は、歴代皇帝が後継者に権力を委譲する前に、国家政務の安定的な移行を保障するために設置する臨時機関である。今この機関が設置されたことで、皇位継承争いが最終段階に入ったことが正式に宣言された。
内容三。禁軍の役職に空席がある?路顓はここまで分析すると、思わず拳を握りしめて心の中で毒づいた。「これは罠だ、しかも餌は腐っている。」
禁軍、すなわち首都を掌握する部隊、これは実権を握る要職です。しかし皇帝が存命中は、路顓にとって、自分が禁軍を継承することは決してこの部隊を引き継ぐことではなく、この部隊に監視されることに等しいのです。路顓は今の軍隊に全く人脈がなく、行けばお飾りにされ、行った後はこちら側の工場における利益集団が分裂させられてしまいます。
皇帝が亡くなった後、禁軍が廃立を左右できるといっても、それほどの権力が本当に路顓の手に渡るでしょうか?皇帝の縄張りの中で、路顓は皇帝が目が見えないわけでもないのに、自分にそんな幸運が巡ってくるとは思えません。これは美味しそうな肉付きの骨のようなもので、犬の前にずっとぶら下げられ、犬が動けば骨も動き、必死に前に走っても決して噛みつくことはできません。
「そんなに病気なのに、まだ私に立ち向かう力があるのか?」路顓は低く嘲笑し、その後筆を取り皇帝への返信を書いた。口調は非常に丁寧だが、内容では路顓は皇帝の条件をすべて拒否し、自らの要求を提示した。
返信には斉国の地図が同封され、路顓はその地図上に丸や点で印をつけた。それはいくつかの鉱山資源である。
五日後、路顓の朱色の手紙は御書房に届けられた。
返信内容その一。私は愚鈍で、都に入り輔政するに適さない。皇伯伯のご厚情に感謝します。
返信内容その二。私は帝国における四つの州の鉱物採掘権を得たい。これらの採掘権を私に委ねるならば、帝国の鉱物税収を年間四百万帝国銀元引き上げることを保証する。
「ガチャン」と磁器のカップが地面に叩きつけられ、同時に皇帝の喘鳴のような怒鳴り声が聞こえる。「狼子野心、お前を今日まで生かしておいたことを悔いる!」と。続いて皇帝がベッドで倒れる音がし、大勢の宦官が泣きながら慌てて皇帝を助け起こす。
齊皇は老いて、確かにもう路顓に対処する気力がない。正確に言えば、路顓に対処することで引き起こされる一連の連鎖反応を処理できないのだ。
路顓は徒党を組んで私利を図ることはなかったが、帝国全体に路顓を標的とする党派は存在せず、互いに対立する党派のすべての家族は、路顓の工場の建物と商業的な利益関係を持っていた。帝国の各勢力を融和させることのできる人物は、帝王になる可能性があり、なるかならないかは、ただ一つのきっかけが必要なだけだ。皇帝の目には、そのきっかけは極めて容易で、老皇帝が死に、新皇帝が皆の不満を買えば、そのきっかけがやって来る。これが皇帝に路顓を制限したいと思わせる理由となった。
しかしながら、路顓の返答は皇帝を肝を冷やすものだった。齊皇はもともと、路顓が自分の死後に言うことを聞かず、新皇帝に対して傲慢不遜になることを心配していた。自分の統治権威にやや自信を持っていたこの皇帝は、自分が死ぬ前に、路顓が強引に聖意に逆らい始めるとは全く考えていなかった。
もし皇帝が二十年若かったら、きっとこのような背逆に対して最も厳しい処置を取っただろう。たとえその後の悪影響が十年続いても、惜しむところではなかった。しかし今、皇帝は悲しいことに自分に時間がないと気づいた。今手を打つとしても、たとえ最も手際よく簡単に片付ける方法で、人を派遣して路顓の暗殺に成功したとしても、その後の悪影響は到底彼の数人の息子たちでは対処できない。その上、万一暗殺が成功せず、公然と対抗する状態に陥れば、齊皇は間違いなく先に死ぬことになる。仮に死ななくても、煩雑な公務を処理できない。
半刻後、高麗人参のスープを一碗飲まされて少し息を吹き返した皇帝は、内官に支えられながら再び床に座り、内官を指さして言った。「あの者の手紙をこちらに渡せ。」
内官が言った。「聖上、お体が大事です。あの逆賊の書いたものなど見ないでください。」
バシッ、と皇帝は内官の頬を張った。内官は怖れをなして跪いた。皇帝は冷然と言った。「誰の許しを得て、帝国の皇室の子弟を反逆者と申したのだ。」
内官は慌てて自分の口を叩きながら、「この老僕が申し違えました……。」と言った。
皇帝は再びその手紙を目にした。
しかし今回は、皇帝は舌を巻いて称賛した。「なんと大胆な、なんと気概のある、なんと忍び耐えたことか……二番目の兄上よ、かつて私はそなたに半籌だけ勝ったが、今日そなたの息子が倍返ししてくれた。見事だ……。」
その手紙は机の上に叩きつけられた。
その後の一年の間に、輔政内閣が組閣され、皇子たちの間での騒々しい権力闘争はさらに激化した。空席となっていた禁軍の長にも新たな頭目が就き、その頭目は中間派であった。
しかし、路顓が皇帝に送った返信には返答がなかった。路顓もその件を再び持ち出すことはせず、以前と変わらぬ和やかな対話を皇帝と続け、年始や節句のたびに「皇伯父上、ご機嫌うるわしゅう」「皇伯父上の万寿無疆」「千秋万代」と挨拶を欠かさず、皇帝側からも「甥は国の棟梁」「帝国の柱石」と定期的に称賛が送られてきた。まるで双方とも、一年前の書簡で生じた不愉快を忘れてしまったかのようだった。
路顓は知っていた、皇帝がこれらのことを忘れるはずがないと。路顓は帝国の財政をよく把握していた。
現在の皇帝が即位してから今に至るまで、大規模な支出が続いている。長寿の宴を開き、戦艦を建造し、運河を開削し、さらには数年前には気に入らないことがあると小国に出兵して懲罰を加えた。皇帝がこれらの命令を下す際は、威風堂々として帝王の威厳を存分に示していた。これらの一時の勢いでなされた決定による出費は、いずれも帝国の予算には計上されておらず、帝国が長年積み上げてきた余剰金から賄われていた。
表面的には、現代の齐国は極めて強盛に見えるが、その内実はすでに空洞化しており、帝国の毎年の財政は収入が支出に追いつかない状態だ。今年に入ってからの北西方面の戦線や、複数地域での河川氾濫に必要な対策費用が、皇帝に資金調達の必要性を痛感させている。
路顓からの手紙に提示された価格は非常によいものだった。もちろん、皇帝は今は声を出さず、もしかすると非現実的な幻想を抱いているのかもしれない。たとえば「和珅が倒れて嘉慶が満腹する」ようなうまい話だ。
ただ、路顓は簡単には騙せない。路顓の富は刀で守られているのだ。




