0520 協力者を選ぶ
杜家を去った後、商衡はまだ閉関中の師匠に安否を尋ねる手紙を残した。手紙の大部分は師匠の健康を気遣う内容と、この数ヶ月の霊造のノルマを完了したという他愛もない話で、手紙の最後に、杜家で杜小姐に会ったことに触れただけだった。
もし商衡がこの言葉を口にしなければ、杜岩は自分のために取りなしてはくれなかっただろう。仮に杜長峰が問いただしたとしても、杜岩はわずかな言葉の中で、杜岩自身の行動を重点的に説明し、杜長峰を誘導して、商衡に問題があったから杜秀林との縁談が失敗したと思い込ませるだろう。杜岩はもちろん直接的にそそのかしたりはせず、ただ杜長峰に対して特定の事実を強調して説明し、意図的に他の事実を省略するだけだ。杜岩は間違いなくそうするだろう。なぜなら杜秀林は彼の娘であり、商衡の今回の手紙は、杜岩の説明で省略される可能性のある内容を埋めるためのものだからだ。
もちろん、商衡が杜秀林のすべてを悪く言うことはない。言っても無駄だからだ。自分と杜長峰は師弟関係にあり、杜岩と杜長峰は本家の関係だ。ここでの人間関係は好感度を稼ぐゲームなどではなく、高い好感度で無理やり杜長峰に自分と好感度の低い人物を否定させることはできない。杜長峰は好感度の数値で動くNPCではなく、自己判断と複雑な感情を持つ人間なのだ。
商衡が杜長峰に杜岩の悪口を言うことはできない。彼らは本家であり、もし言えば杜長峰は自分を嫌悪し、その結果自分の言葉に耳を貸さなくなるだろう。杜岩も杜長峰に商衡の悪口を言うことはできない。なぜなら商衡と杜長峰は師弟関係だからだ。もし言えば、杜長峰もまた嫌悪を抱き、杜岩の今後すべての言葉を疑いの目で見るだろう。
要するに、商衡も杜岩も陰で相手の悪口を言ってはならず、できる限り自分に責任がないように振る舞うしかなかった。
しかし、この縁談がうまくいかなかったのは、いったい誰の問題なのか?それは杜長峰自身が判断すべきことだ。これこそが、大一族の長が家族のしがらみに頭を悩ませる理由なのだ。大族長の配下の者が白か黒か、自分で選り分けることはできないのだ。
杜長峰がこれから心を砕かねばならないことに、商衡はわざわざ首を突っ込むほど暇ではない。自己意識群の判断によれば、家族関係が社会的利益の配分や生産に関わること自体、そもそも時代遅れなのだ。
家族関係は社会上重要な関係の一つであり、社会において上の世代から次の世代への人格形成、感情の育成、啓蒙教育の継承に重要な役割を果たしています。しかし、家族関係を社会生産組織の関係に持ち込むと、うまく適合しません。生産関係は能力に従った上下関係を明確にして調整されるべきです。二十一世紀の地球では、親族関係と仕事上の関係を混同している企業は、その後の経営に問題が生じています。
游磁派に一時的な休暇を申請し、商衡はすぐに汽車に乗って故郷へ戻った。ここは杜長峰が逃れてきた場所だ。十八年(大渦巻き区の時間で)前、商衡は孤児としてこのシリンダー内で生まれた。この出生地は可もなく不可もないところだった。商衡がいるこの大都市は电灼派の縄張りであり、商衡は陸良のためにここへ来た。
商衡と陸良は友人とは言えなかった。かつて商衡は、陸良の目に隠された不親切さを見て取っていたが、それでも商衡が陸良の目から見て取れる重要なものがあった——野心だ。
街で最も高級なホテルで、陸良は大幅に遅れて到着した。
悠然と腰を下ろすと、陸良は全く誠意のない口調で尋ねた。「どうだい?半年ぶりだが、頼まれていたものはできたのか?」
商衡は首を振りながら言った。「いや、だが、ちょっと手を貸してほしいことがあるんだ。」
陸良は酒瓶を手に取り、グラスに酒を注いで商衡の前に押し出すと、笑いながら言った。「話してみろ。」
陸良は商衡が酒を飲まないことを知っていながら、それでも商衡に一杯注いだ。これはこの対話の主従関係を暗に強調するものだ。陸良は酒が飲めない商衡にあえて飲ませることで、この対話における主導権がどちらにあるかを示そうとしたのである。これは上司が部下に対する行動の主導権を確かめるために、宴会で無理に一気飲みをさせる理屈と同じだ。
目の前の酒を一瞥し、商衡は眉をひそめた。二、三秒ほど経ってから、ようやく陸良の意図を悟った。商衡は知略を巡らせることを好まないため、生死に関わらないこうした状況では、相手の心を読むのにどうしても鈍ってしまう。
しかし、商衡はすぐに会話を淡々と本題へと導いた。一枚のキャッシュカードを陸良の前に押し出し、商衡はこう言った。「ここでいくつか手を貸してほしい。ここに個人的な住居を購入し、それと霊具の材料を一式注文したいんだ。」
陸良の口元には軽蔑の笑みが浮かび、商衡が差し出した銀行カードはまるで一枚の紙くずのようだった。陸良はさりげなく言った。「どうやら、お前が游磁派に戻ったのは、かなりの収穫があったようだな。」
商衡はこの話題に乗らなかった。なぜなら商衡は、陸良が自分が霊具を作るのに游磁派の手法を使っていると決めつけていることを知っていたからだ。だから商衡は陸良が何を言いたいか分かっていた。それは要するに「游磁派と電灼派の境界ははっきりしている」ということで、暗黙のルールとして「二つの派閥は自分の霊具を相手の領地に売ってはいけない」といった類の意味だ。
もちろん、陸良は商衡が売る游磁派の霊具を受け取るつもりだが、今回の取引が買い手市場なのかどうかを知りたがっていた。以前、陸良が二倍の価格で霊具を買い取った数回は、売り手市場だった。
陸良の表情を見て、商衡はすぐに単刀直入に言った。「私が作ったのは、電灼派の霊具だ。」
この言葉に、陸良は少し驚いた。すぐに商衡は続けて言った。「三級霊具なら、月に少なくとも百は納められます。四級霊具なら月に十は納められます。そうだ、市場価格の八割でお渡ししますよ。」
「ゴクッ」と、陸良はうまい酒を慌てて飲み込んだ。明らかに驚いている。頭の中では様々な可能性が浮かんだが、顔には依然として落ち着いた笑みを浮かべ、探りを入れた。「どうした、遊磁派で良くないことでもあったのか?」
商衡が手を叩くと、そばの侍女がやって来た。商衡はジュース1本と牛乳1本を注文し、自分用に牛乳を注ぎ、もう一つのグラスにジュースを注ぎ、そのジュースを陸良のほうに押しやりながら言った。「私は変わらず遊磁派の者だが、あそこではどうしても思い切ってやれないことがあってね。それでここに君を訪ねてきたんだ。」
陸良はそのジュースのグラスを手に取り、中のジュースの液体を揺らしながら、そのジュースに興味津々の様子で、また興味深そうに尋ねた。「ということは、私があなたの理想的な協力相手ということですか?」
商衡は牛乳を一気に飲み干し、言った。「その通り、我々の関係はそれほど複雑ではなく、純粋なビジネス関係だ。協力においては、あなたのものはあなたのもの、私のものは私のもの。この関係は非常に安定していると思う。」ここまで言って、商衡は再び自分のグラスに牛乳を注いだが、半分だけ注ぎ、次にテーブルにあるジュースのボトルを手に取り、それも注ぎ入れ、グラスを二人の中央に置いた。
グラスの中では、牛乳とジュースがはっきりと二層に分かれていた。陸良はその層の分かれ方を驚きの目で見つめた。貴族である彼は、自分で牛乳を注いだことなど一度もなかったし、層になった飲み物は美味しくないので、使用人が出したこともなかったのだ。
陸良は商衡を見て、同じく驚いた様子で言った。「君は遊磁派の人間だと言ったよな?じゃあ、一ヶ月の間になんでこんなに多くの霊具を俺に渡したんだ?もう帰るつもりはないのか?」
商衡は言った。「霊造術については、最近大きな突破がありました。もちろん、君の資金援助のおかげで、コストを大幅に削減できました。」
陸良は追及して聞いた。「どんな突破だ?」
商衡は周りを見回し、陸良ははっとし、ここが人目が多いことに気づき、苦笑いしながら口を閉じた。
商衡は笑顔を浮かべ、それから陸良に向かって言った。「大規模な霊造を実現する方法があります。ただし、適切な協力者が必要です。もしご協力いただけるなら、実演をお見せしても構いません。」
陸良は笑って言った。「おめでとう。ただ、一つ不思議なのは、なぜ私を選んだんだ?師匠と一緒にやれば、もっと良かったんじゃないか?」
商衡は微笑を浮かべて言った。「私の師匠と協力するということは、杜家と協力するのと同じことです。杜家に対して、私は常に外部の人間です。しかし、あなたには野心があり、あなたと協力するということは、あなたと密接に協力するということです。あなたは利益のために、自分の利益に手を出そうとする者を断ち切るでしょう。その点、私は非常に安心しています。」
これを聞いて、陸良は驚いた表情を見せ、やがて反応し、商衡の言葉の意味を理解すると、ハハハと笑った。陸良は少し間を置き、ジュースを一気に飲み干すと、自分の手に持ったグラスに再びジュースを半分ほど注ぎ、同時に牛乳も半分ほど注いだ。それからそのグラスをテーブルの中央に置いた。液体が層になった二つのグラスが並んで立っていた。
利益のための協力は、親疎を問わない。杜長峰の人間関係において、商衡と杜長峰の良好な関係は、杜長峰が多くの人々と持つ良好な関係の一つに過ぎない。一方、陸良との人間関係では、すべての同世代の人を競争相手と見なしている。商衡は、陸良が以前から気に入らなかった多くの人の中の一人に過ぎない。もし杜長峰と初期の協力を行えば、杜長峰は自分の家族も考慮に入れるだろう。杜家が商衡の霊能技術の恩恵を受ける変革を享受する際、その心構えは独占の態度を帯びるだろう。したがって、商衡がどれだけ杜家のために功績を立てても、常に外部の者に過ぎない。杜家の真の中核は、商衡のような外部の者に渡すことはない。一方、彼らと利益を話し合う際に、もし商衡が自ら求めなければ、それは地球の二十一世紀の無人販売店のような悲劇になるだろう――皆がただで利用するだけだ[1]。
多分、最初は、杜家の第一世代の長老はまだ礼儀正しかったかもしれない。しかし、何十年も経って、みんながただ乗りに慣れたら、杜家のある目先の利かない小僧(爽文の主人公)が走ってきて商衡に大声で叫んだ。「ここは杜家だ。丁寧に言えば、お前は客人だ。不躾に言えば、お前は杜家が飼っている家奴で、本家の主人の規則に従わなければならない。」
今回もまた、商衡を頭痛させた。
衝突を引き起こすことを選べば、杜家の目には主客転倒した死にかけの老人に成り下がってしまう。もし引き起こさず、その後成功したら、商衡のこれからの日々はもう過ごせなくなる、誰もが商衡を脅すことができ、しかも自由もなくなり、立ち去ろうとすれば、「家族からの離反」として捕らえられてしまう。
重要なのは、商衡が起こしたのは技術革命であって、技術独占ではなかった点だ。杜家は利益に駆られて、若い直系の者たちに商衡の霊造術を真剣に学ばせた。そうなれば商衡は、まさに蹴り飛ばして捨てられるだけの老いぼれとなってしまう。盧安意識群の言葉を借りれば、商衡は使い終わった便器のように誰からも嫌気がさされて捨てられる存在になるのだ。
杜長峰と協力すれば、商衡は杜家全体から、しっかりと管理しなければならない財産と見なされることになる。商衡は杜家という集団の欲望を満たすことはできない。だが、野心を持ち、しかも自分の獲物は離さない陸良なら、その欲望は十分に満たしやすい。
この点は、地球の二十一世紀のネット小説業界を見れば明らかだ。あらゆる爽快小説の中で、主人公が自分の持つ師匠や、システム、要するにチートのような存在を他人と共有しようとするものは、これまで一度も存在しなかった。
笑顔で自分に承諾する陸良を見て、商衡は心の中で思った。「もし君が大きな志を持っているなら、私は君を王として支えたい。」
[注1]。遊女に揚代を払わないこと。広く、対価を支払わずに資源を利用し、その恩恵だけを受ける行為を指す。




