0518 群れを成して至る
もし盧安意識群を個々の独立した個体と見なすならば、盧安意識群が実行する制度は、地球上の多くの空想ユートピア社会学者が想定する最も理想的な社会制度――各個体が真面目で責任感を持ち、互いに助け合い、共に進歩し、共に理想を達成し、人人が民主的で、独立し自由である。
一方、多くの反ユートピアの社会学者は、ユートピアは実現不可能であり、虫の群れのような組織だけが職務を全うすると考えるが、しかし虫の群れが職務を全うする時、民主や個体の独立、個体の自由は存在しない。
盧安意識群は、まさに社会学者が仮定するユートピア的関係であり、全力で互いに責任を負い、各個体は自由を保ち、最大限の向上性を持っている。しかし、根本的な問題が一つある。盧安意識群は、自らを社会であると認めていないのだ。各分意識は、他の分意識と同様に一つの問題を避けている。すなわち、どの分意識も自らを主体と見なし、他を分意識体と見なしているのである。これは、球面上のいかなる点に立っても、自らを中心だと思い込むのに似ている。したがって、これらの分意識はこの問題を避ける一方で、一つの共通認識を持っている――中心が中心たる所以は、必然的に最も自我的な存在にあり、最も自我的な基準とは、最も強く、最も勇敢で、最も夢想性を有することにある。
盧安意識クラスタは知性のクラスタであり、蟲群ではない。どちらも群であるが、この二つの群は価値において全く比較できず、戦力をもって互いを比較することさえできない。各意識群は自分のクラスタを蟲群と衝突させたりはしない。それはちょうど、誰も自分の脳みそを他人の拳と硬さを比べて、物理的な衝突の結果によって自分の脳と他人の拳の価値を決めたりしないのと同じである。
群れを成して集まる思考意識群は、盧安意識群の最も誇らしい壮挙である。個々のどの個体も、知力において驚異的な天才ではないが、しかし自己の群れの目標が一貫しており、強固な自信を持って、いかなる単体も圧倒する。知恵が群れを成して何かを行う際には、常に多角的な思考パターンで考察する。例えば剣の修練では、医者の人体学的な観点からの思考、材料学的な観点からの思考、力学的な観点から斬撃や動作の連携を考える思考など……それぞれの思考支援は無秩序に情報を伝達するのではなく、能動的に全力でその分意識体が直面する現実を観察し、その上で思考を与えるのである。
いわゆる現実とは、自分が直面する困難や抵抗のことである。そして21世紀の民主社会では、思考の援助ではなく、意見の表明が行われている。そのため、民主社会のいわゆる自由な発言の中では、「国家は科学技術を大いに発展させるべきだ」「どこそこの部門は何をすべきだ」「国民は自ら強くなるべきだ」といった意見の表明がなされる。
盧安意識集団の内部では、各個人が苦難や抵抗に立ち向かう意志を自己中心として、他の分意識が直面する現実に向き合う。すべての分意識は、自分の思考がこのすべての現実に立ち向かう意志を生み出したと考えている。一方、21世紀の人類社会のいわゆる民主では、各人が自分の考えを中心として、世界を判断する権利を持ち、その判断の権利を振りかざすが、自分が判断する人々が直面する現実を認識するために時間を費やすことを望まない。これが、盧安意識集団と民主社会の違いである。
今、数多くの意識体の思考支援の中心として、商衡は今、霊造術に対する非常に高い「悟性」を示している。霊造工房を構築した際に、多角的な思考を得て、自分の頭の中には常に霊造工場のモデルが浮かび、そのモデルは絶えず変化し、各細部が常に修正され、意識群の中で複数の自分たちの状況を比較し続けている。
商衡はここで宇宙に到達する任務を担っている。これは意識群の現在の計画において、局面を打開しようとする重要な節目である。自分自身もここで、意識群がこの世界で生死の危険がない前提で、集結して訪れ、共同で問題を解決する状態になるのは初めてである。
商衡だけを抜き出して評価すると、かなり欠点がある。この世界の「成熟した」「誇り高い」主人公たちに直面すると、商衡は高等生物から取り除かれた細胞がミドリムシの環境に放り込まれたようなもので、徹底的にいじめられてしまう。しかし、商衡は単体ではなく、現代社会に似た集団そのものであり、決して個体ではない。現代社会の労働者は、アフリカの部族と原始人に決闘を挑みに行かない。今、この時点で知性において、商衡がいる人間社会の任意の個体は絶対的な優位にあり、腹の探り合いや心労を費やす必要もなく、周囲から見て最も工数がかかる…最もありえない道を直接使って状況を打開できる。いわば、これが沃土区の知性の特性だ。プレイの仕方が正しければ、集団が個体を圧倒する。気に入らなければやめればいい。
全体が半径2メートルの球形の霊造工場が完成した。見た目はまるで鉄鋼のテントのようだ。商衡は2ヶ月かけて工房を組み立て、さらに1ヶ月かけて調整を行い、その後10日間で試作生産を開始した。
この工房には、伝統的な霊造術と比べて様々な問題点がある。例えば、工場全体の紋様は商衡の体にある電磁節点と対応しており、商衡としか連携できず、他の人は使用できない。霊具は工房内で生産され、霊造師は工房内でしか霊具を扱うことができず、工房の外では霊具を制御できず、使用中に霊具の長所と短所を知ることができず、使用者からのフィードバックを待たなければならない。つまり、独自に霊具を設計することができず、古典的な霊具しか生産できない。
しかし、この工房には驚くべき利点が一つある。10日間で、467個の三级霊具を試験生産した。しかも、工房がまだ完全に整っていない状態での生産結果である。
伝統的な霊造師がプラズマを制御する際、プラズマの変化によって生じる磁気パルスが体内の紋様を過熱させる。つまり、生産量は限られており、そうでなければ紋様と神経接続が失活し、回復に長い時間がかかる。通常、霊造師が一つの霊具を造ると、専用の隣の部屋で数時間休む。しかしこれは工房で、過熱しやすい重要なノードは鋼板の上にある。商衡は鋼板の各所に穴を開けて冷却液を通すことで、鋼板ノードの過熱問題を解決した。最新の設計構想では、商衡は液体窒素の使用さえ準備している。
この四百余りの霊具の大半は、後にシステムの修正を重ねて問題を全て解決した後、加速生産されたものである。三ヶ月の間に、数十の意識体が実験の現状に基づいて集合研究した産物だ。これは数十人の六級霊造師が門戸の見解を持たず、しかも心を繋ぎ合わせ、一心不乱に個人の利益を顧みずに完成させたものに相当する。
生産量が出た後、商衡自身も言葉を失った。どのように言えばいいだろうか?これはまさに進歩であり、ジェニー紡績機が紡績業にもたらした進歩に似ている。
商衡の推測では、もしこの世界の全ての霊造師がこの道を歩み、霊造物への制御を完全に放棄すれば、社会は大きな変動を起こし、短期的には工業生産の積層材料が供給不足に陥るだろう。もちろん、長期的に見れば、霊造物の価格低下は工業を潤すことになる。
その後数日、商衡は約18個の四級霊造物を作り上げ、ついに手を止めた。重畳材料が足りなくなったからだ。これらの重畳材料は、本来なら60個ほどの霊具を作るのが精一杯の量だった。しかし商衡が今や工房システムで製造しており、ミスが極めて少ないため、より多くの完成が可能になったのだ。
とはいえ、もしこれが経済至上の市場経済なら、商衡が今やっていることは旧勢力を飯の食い上げにするほどの破壊力がある。しかし商衡はよく分かっている。自分の作っているものは、軽々しく公開できる代物ではない。繊維産業が変革を遂げた時、旧勢力の人間は労働者を扇動して機械を叩き壊させたものだ。ましてこの世界のモラルに至っては、商衡は深く考えたくなかった。商衡には今、人を斬る技術(大衍剣法)があり、高級霊造師数人を斬り殺すことくらいは問題ないが、もしこの世界の集団暴行に直面するとなると、さすがにそこまでの度胸はなかった。
部屋の中の恐ろしいほどの数の霊具を見て、商衡は思わず頭を抱えた。どうやら作りすぎてしまったようで、これらを後で売りさばくのが問題だ。
商衡は窓を開け、団地の麓にあるその建物を見つめ、心の中で密かに思った。「闇市でまとめて売りさばければいいんだが。」
商衡が購入した部屋は、霊造師だけが購入できる居住区にあり、高い峰の上に建てられている。このような居住区では、各建物の間に大量の鉄鋼が使われており、つまり電磁波防御性能が非常に高く、小さな別荘が一つ一つ区切られているため、こちらの霊造師の実験の失敗が向こうの霊造師に影響を与えないよう配慮されている。もちろん、電気系統も別々で、四つの発電所からの回路がこの団地に接続されており、不可抗力による破壊がない限り、普段は停電することはない。
この団地の居住区を管理する部門は、山のふもとにあります。この部門は表向きは団地の電気、衛生、治安を管理する業務ですが、実際にはおいしい仕事です。なぜなら、一部の霊造師が部屋で行う内職の連絡先を探しているからです。霊造師たちにはそうした需要があるのです。そして外界では霊具に対する需要が常に高いため、外部の働きかけにより、この団地の管理部門は霊造師たちと接触できる機会を利用して、このような仲介ルートを確立したのです。
一眼準は、この団地内で霊具の受け取りを担当する人物です。「一眼準」は皆が彼に付けたあだ名で、本名を呼ぶ人はもうほとんどいません。今日、若い霊造師が入って来ると、一眼準の顔にはすぐに笑みがこぼれました。
このエリア内に居住する者であれば、一眼準は一人ひとりの資料を即座に記憶する。それがここで働く上での基本的な資質であり、各人の状況を把握することで、居住者を怒らせず、見慣れぬ人物に遭遇した際も慎重に対応できるのだ。
商衡が数ヶ月前にここの部屋を購入した際、一眼準は密かにこの若き霊造師と良好な関係を築こうと心に留めていた。ただ、商衡は深く家にこもりほとんど外出しなかったため、一眼準でさえも商衡のことを忘れかけていたほどだ。
今、商衡が自ら訪ねてきたことで、一眼準はすぐに笑顔で何か御用かと尋ねた。彼は横目で商衡が背負っているトラベルバッグに気づき、内心少し不思議に思った。「まさか遠出するのか?まだ数ヶ月しか住んでいないのに、もう去ってしまうつもりか?まさか来て早々に流派から派遣されるというのか?」
商衡は、笑顔で迎えてくれたこの人に対して少し気まずさを感じた。というのも、この人の名前を覚えておらず、相手はとても親切なのに、名前を呼べないまま、申し訳なさそうな声で言うしかなかった。「あの……おじさん、ここで買い取りしてるって聞いたんですけど」
一眼準は目を輝かせて言った。「そうですとも、買い取りますよ、もちろん買い取ります。値段はご満足いただけると思います」
商衡は一眼準の輝くような視線の中で旅行バッグを開けた。なんと、中には八つのアタッシェケースが入っていて、一眼準はそれに一瞬驚いた。商衡は一つのアタッシェケースを取り出すと、すぐに旅行バッグを閉じた。
その旅行バッグを見ると、一眼準は思わず唾を飲み込み、心の中でつぶやいた。「こんな貴重なものを、そんなふうに無造作にこのバッグに入れてるのか?」
一瞥でこのスーツケースの中身がどんな霊具か推測した瞬間、「ガチャン」と開けられ、「バラバラ」と二十個の霊具が重ねて置かれた。
通常、霊具は一つずつ箱に収められているものだが、これはまるで安物のように積み重ねられている。そして、一瞥はここにあるものが決して安物ではないことをよく知っていた。一瞥はしばし呆然とし、半信半疑で尋ねた。「これらは?」
商衡は言った。「霊具ですよ、三級の。買い取りますか?」




