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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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514/547

0512 互いに利益を得る

 陸良(ルー・リャン)は霊造器具を特製の手提げ箱に入れ、それを手軽に隣の女性秘書に手渡し、それから商衡(シャン・ホン)に笑いながら言った。「時間ある?一杯やりに行こう。」


「いいよ、」商衡(シャン・ホン)は付け加えた。「ただし、ノンアルコール飲料しか飲まない。」


 陸良(ルー・リャン)は手を振りながら言った。「分かってる分かってる、あれだけ多くの霊造師に会ったけど、君だけが学徒の戒律をそんなに重視しているんだよ。」


 霊造師は酒もタバコも嗜まない。それは神経系の鋭敏さを保つためだ。これは多くの霊造師が弟子に厳しく求めることだが、自らはそれを守らぬ者も少なくない。


 陸良(ルー・リャン)のからかいに、商衡(シャン・ホン)は笑って答えなかった。


 二人はビルの屋上に出た。高層ビルの合間で、陸良(ルー・リャン)は六百メートル先にある別の屋上を指さし、言った。「あそこに私の乗輿がある。」


 言い終えると、彼は軽く跳躍し、靴から噴き出す気流を起こし、背中の衣服からは青白い薄翼を広げ、軽やかに飛び立った。


 この地球の二十一世紀に似た世界では、貴族たちの生活はひときわ優雅である。


 陸良(ルー・リャン)のブーツと衣服は全て霊造物であり、普段は衣服の裏側に隠れている。動力系統が非常に小型であるため、外見は普通の衣服と変わらない。地球の二十一世紀では、同様の機能を持つ装置は大型パックパックでなければ電力を供給できず、靴底の一センチ未満の厚さの空間に電力システムを圧縮することは絶対に不可能である。


 陸良(ルー・リャン)は背中の薄翼を広げ、ブーツから強い噴射流が噴き出し、彼を空へと押し上げた。商衡(シャン・ホン)も自らの飛行システムを展開し、続いて陸良(ルー・リャン)の二人の侍女も地面を離れた。


 四人は素早く六百メートルのプラットフォームへ向かって飛翔する。ガラスビルの反射面を通して、この四人の飛ぶ姿を見ることができる。


 台地に来ると、陸良(ルー・リャン)が言うところの乗輿が見えた。普通の人が乗るものは車輛と呼ばれ、機械構造は車輛と同じだ。しかしこの世界の貴族たちが乗るいわゆる乗輿は、円盤状の飛行体に見え、円盤下の反発気流で推進する。明らかに、これもまた積層性材料が存在する条件下でこそ生まれた産物だ。


 陸良(ルー・リャン)の乗輿は非常に広く、しかも安定していた。強力な反発気流がこの扁平の乗り物を安定して浮上させる。商衡(シャン・ホン)は透明なガラス越しに、眼下の都市を眺めると、まるで水晶の群生のような美しい都市で、一つ一つのガラスビルが陽光に淡い青色の光を屈折させている。ビル群の間を、何台もの車が整然と走行している。乗輿に乗れば、人にこの都市をくっきりと俯瞰させることができる。


 もちろん、空に浮かんでいるのはこの乗輿だけではない。この都市の上空には、さらに四、五機の乗輿が飛行している。乗輿で移動できることは、上流社会の証である。人口四百万のこの都市で、乗輿を所有する者はわずか五百人程度だ。この時、空中で何機かの飛行円盤がすれ違い、いつものように公共チャンネルで互いに挨拶を交わす。


 乗輿には等級があり、全部で三等級に分かれている。


 第一等級は、このような普通の乗輿で、最高速度は毎秒二百メートルを超えず、重量は五トンを超えない、個人用飛行器に属する。


 第二等級の乗輿の分類は、やや多くなる。その重量は五トンを超え、速度は毎秒二百メートルを超える。以下の二つの条件のいずれかを満たせば、第二等級の乗輿と呼ぶことができる。


 この二つの指標に注目する理由は、人類が飛行器の二つの指標を重視するのと同じだ。一つ目は積載量(輸送機)で、重量が二十トンを超え、積載量が十トンを超えると、このような乗輿は火砲を搭載できる。二つ目は速度(戦闘機)で、最高速度が音速を超える乗輿は、通常変形して後退翼を広げ、ステルス戦闘機の姿になることができる。


 第三級乗輿は、重量と速度の両方を満たし、ある条件を満たして初めて三級乗輿と呼べる。


 陸良(ルー・リャン)家族は、全部で四十三機の三級乗輿、六百機以上の二級乗輿を有し、かなり実力のある貴族と言える。この荊州シリーズのドラムにおいて、千機の三級乗輿を所有することが、この時代で言うところの千乗の国であり、国勢の頂点の象徴だ。


 三級乗輿は、大量の資源を必要とし、さらに七級霊造師によって造られる。厳密に言えば、乗輿は特殊な高級霊具の一種である。この高級霊具は、特別に高等な霊造師を必要としない。もちろん、ここでいう「特別に高等」とは相対的なものであり、あの小型の高級霊具は往々にして八九級の霊造師でなければ造れない。


 戦艦もなく、戦車もなく、飛行場を必要とする空軍もなく、数百万もの巨大な陸軍すらない。この生産力が現代工業社会に匹敵する社会では、武力はこれらの乗輿で概括できる。


 上流社会と下層社会の分断は、まるで高々とそびえる天界と俗世との違いのようだ。下層が上層に反抗することはありえない。なぜなら上層は、下層の基本的な生活以外の要求に耳を傾ける必要がないからだ。一般の労働者の反抗など、一級の乗輿を持つ警備員が鎮圧できる。五トンの重量がある浮遊物は、地上掃射であれ催涙ガスの投下であれ、性能はヘリコプターよりも優れており、滞空時間に至ってはヘリコプターとは比べものにならない。


 陸良(ルー・リャン)の乗輿は五分間走行し、すぐに十五キロ離れた山の頂上に到着した。この山頂には、輝かしい宮殿建築群が広がっている。こここそが、この世界におけるもう一つの世界なのだ。


 飛行器が到着すると、六人の侍女が列を作って迎えた。商衡(シャン・ホン)は美しい少女たちを見て、思わず顔が赤くなった。この体はまだ少年であり、異性を前にするとどうしても恥ずかしくなってしまう。


 顔を赤らめる商衡(シャン・ホン)を見て、陸良(ルー・リャン)は笑いながら言った。「ならば、今回はここに数日泊まっていくと良いだろう。」


 商衡(シャン・ホン)は首を振りながら言った。「師匠が許してくれません。」


 陸良(ルー・リャン)は非常に残念そうに首を振った。「どうして師匠を説得しないんだ?」


 商衡(シャン・ホン)は首を振りながら言った。「師匠にはきっと理由があるのです。ただ私が理解できないだけで、師匠の意に逆らうことはできません。」


 これを聞いて、陸良(ルー・リャン)は仕方なく肩をすくめた。


 商衡(シャン・ホン)は再び、山頂に建てられたこの宮殿を見つめた。


 この宮殿は、まさに金碧輝煌と言える。商衡(シャン・ホン)の瞳孔にあるスマートスキャナーが、この山頂の状況を推測した。これは、おそらく一つの山の頂上を完全に削り取って建てられた建築だろう。そうでなければ、山頂の面積ではこれほど多くの建物を配置できない。もちろん、これはこの建築の全てではない。


 この世界の貴族社会はここで生活している。ここが地球と異なるのは、全てが交通手段のためだ。地球での山頂輸送は、人力に頼るか、あるいは索道で運搬し、せいぜいヘリコプターを使う程度だ。だが、ここでの山頂輸送は、大型の乗舆を使用するので、当然高く建てることができる。


 山頂にある表面の建築は全体のわずか十分の一に過ぎず、山体内部に張り巡らされたトンネルや中空の部屋こそが建築の真の本体である。霊造師の一族や控霊師の一族が平民と共に暮らすはずもなく、あの四百万人都市は彼らにとっては労働者を囲い込む檻に過ぎない。都市内の夜間の治安混乱も、彼らには遠い概念でしかない。


 商衡(シャン・ホン)の今の師匠である杜長峰(ドゥ・チャンフォン)が大都市に現れたのは偶然に過ぎない。陸良(ルー・リャン)が商衡(シャン・ホン)に数日泊まるよう勧めたのは、実は酔翁の意は酒にあらずだ。商衡(シャン・ホン)は愚鈍に振る舞い、師匠に逆らえない風を装い、さらには自分は師匠を理解できないと自己弁護し、何もわかっていないように見せかけているが、実際には心の中で師匠の状況をよくわかっており、陸良(ルー・リャン)が何を考えているかも知っている。


 すべては流派の問題だった。師匠である杜長峰(ドゥ・チャンフォン)は何も言わなかったが、商衡(シャン・ホン)は杜長峰(ドゥ・チャンフォン)が自分が所属していた流派から追い出されたこと、そして杜長峰(ドゥ・チャンフォン)が自身の流派に今も忠誠を抱いていることを察していた。三年前、杜長峰(ドゥ・チャンフォン)はこの街に辿り着き、他の勢力に加わることもなく、ただ平民が集まる街中で霊具を製作し、研究と修練のための物資と交換していた。そして同じく三年前、仕事の手際が良い商衡(シャン・ホン)は杜長峰(ドゥ・チャンフォン)に見込まれ、弟子に迎えられたのだ。


 杜長峰(ドゥ・チャンフォン)は明らかに自分の流派に心を寄せている。商衡(シャン・ホン)は当然、この点で騒ぎ立てたり問題を起こしたりしない。もし杜長峰(ドゥ・チャンフォン)が流派に戻れれば、商衡(シャン・ホン)にも利益がある。しかし、この間、商衡(シャン・ホン)も自分の経費が必要だったため、陸良(ルー・リャン)に取り入り、常に陸家に近づきたいが、師命を恐れて近づき過ぎないように装い、陸家と若即若離の関係を保っている。


 陸良(ルー・リャン)からの霊具製作の要求に対して、商衡(シャン・ホン)は来る者拒まずで応じ、霊具を仕上げれば、当然の報酬を受け取る。商衡(シャン・ホン)は自覚があり、陸家から差し出される他の糖衣砲弾には、すべて糖衣ごと押し返す。それは、自分に糖衣を食べて砲弾を返す術がないと自覚しているため、慎重な方策を取るからだ。


 横目で隣の美女を見て、商衡(シャン・ホン)はびくつきながら自分の椅子を横にずらした。その小さな仕草を、陸良(ルー・リャン)はもちろん見逃さなかった。


 商衡(シャン・ホン)のヨーグルトで満たされたカップと乾杯した後、陸良(ルー・リャン)はにこにこと懐から電子機器を取り出し、商衡(シャン・ホン)に見せてから、こっそりと言った。「家からこれを持ち出してきたんだ。」


 商衡(シャン・ホン)は目を輝かせたふりをして、手を差し出す真似をしてみせたが、すぐに引っ込めて、わざとらしくためらいながら尋ねた。「今度はまた何が欲しいの?」


 それらの小細工を見ていた陸良(ルー・リャン)は言った。「もう一つ霊具を作ってくれよ。」


 商衡(シャン・ホン)はわざと眉をひそめて言った。「またあの製法で作るのかい?」


「当たり前だろ。ここにいる連中は電灼派の手法で制御した霊具に慣れているからな。そういう霊具でないと売れ行きが悪いんだ。」


「でも、いつもあなたが提供する手法で霊具を作っていたら、師匠に見抜かれるのが怖い。彼は他の流派の手法を練習するのを厳禁しているんだ。」


「気をつければ、師匠には見つからないよ。」


 双方が数時間話し合った後、商衡(シャン・ホン)はついに「誘惑に負けて」、陸良(ルー・リャン)の要求に応じた。


 陸良(ルー・リャン)の口元には得意げな笑みが浮かび、一方商衡(シャン・ホン)は心の中の得意げな気持ちが顔に出るのを抑えた。

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