0511 霊造と控霊
商衡は自分の霊造物を念入りに点検し、満足げにうなずくと、手を上げて部屋の扉を指さした。電気信号を受け取った金属製のゲートがゆっくりと開き、軍服を着た若者が急ぎ足で入ってきた。彼の名は陸良という。
商衡が手を軽く投げると、その小さな物は羽をはばたかせて陸良の方へ飛んでいった。陸良はすぐに足を止め、体から電磁指令を発した。すると、その小さな物はすぐに陸良の周りを飛び回り始めた。
陸良はその機敏さと幾つかの主要な機能を試し、やや嬉しそうに尋ねた。「どのくらいの温度で作動するんだ?」
商衡は言った。「六百五十度だ。ただし、無理に八百度で作動させても、数時間は持ちこたえられる。何しろ、かなり高価な材料をふんだんに使っているからな。」
陸良が顔を上げて尋ねた。「商衡、君は四級霊造師に到達したのか?」
商衡は首を振って言った。「まだだよ、三級もテストを受けていないんだ。」
「じゃあ、実力は到達したってことか?」陸良は感慨深げに言った。「お前は本当に怪物だな。」
怪物という言葉を聞いて、商衡は思わず心の中で首を振った。この世界に比べれば、商衡は進歩が極めて速い方だが、他の滚筒の自分と比べると、自分はまだ修行の道の出発点に立ったに過ぎない。
商衡はおそらくすべての意識体の中で、修練の道を最も遅く歩んでいる存在だ。趙明意を例にとれば、趙明意は剣術と修為においてほぼ無敵の段階に達しており、自身の所属する蘿拉ー内で敵なしの状態を実現しているだけでなく、さらに他の世界の意識体が六十分の生存を達成できるよう支援することもできる。現在、盧安のその他の意識体も修練速度において、五年以内に各自の所属する蘿拉ーの頂点に立つ水準に達することを計画している。
商衡にはどうすることもできなかった。なぜなら、このドラムの中の人類社会の科学技術水準は、盧安のあらゆる分意識が存在するすべてのドラムの中で最も高いからだ。社会の科学技術水準が高ければ、習得すべき情報量もおのずと膨大になり、気をつけるべき細部も多くなる。趙明意が学んだ大衍剣法の真意は、師に導かれて入門すれば、あとは一冊の道書で説明できるものだった。しかし、霊造師の修練の細部は趙明意のものよりはるかに複雑で、体内の金属核の温度のわずかな変化にまで気を配らねばならず、いったん0.数度でも高くなりすぎたり、温度変化が不規則だったりすると、修練に問題が生じかねない。
商衡は他の意識体が急流を猛進しているのとは異なり、今は着実に歩を進める状態にある。商衡の修練状況は戦闘には向かないが、他のドラムの中の自分の修練状況の細部に対する指摘は非常に正確で、各意識体の修練に現れる好ましくない反応の兆候をはっきりと指摘できる。多くの意識体の修練において、商衡はすべての自己に対して警告と監督の役割を果たしている。
趙明意が腕力にものを言わせて山を占領し王となることができるのと比べて、商衡が徐々に所在する社会の主導権を握る手段は、非常に婉曲的である――商衡はこの社会の地元の勢力と協力することを選んだ。
例えば、目の前のこの陸良という人物の身分と後ろ盾は非常に大きい。陸家は政・財・軍の三界にまたがり、絶大な権力を振るう大家族であり、陸良はその直系の一族である。この上流社会の人間が商衡に挨拶をした際、商衡は世渡り上手に陸良と付き合い始めた。
陸良は遠慮なく商衡の腕前を褒め称える。しかし、他の客に比べて、陸良の商衡の腕前に対するチェックは非常に粗い。これは、陸良が商衡の腕前の良し悪しを気にしていないことを示している。陸良自身、高品質の霊造器具に事欠くことはないからだ。もし本当に霊造器具を購入したいのなら、客は中国の中年女性が市場で野菜を選ぶように、一枚一枚の葉を隅々までチェックするように、霊造器具の細部を繰り返し吟味するはずだ。陸良の本当の目的は、商衡の師匠、つまり杜長峰大師との関係を深めることにある。商衡は、その過程における単なる踏み台に過ぎないのだ。七級霊造師とは、いかなる勢力も腰を低くし、礼を尽くして接しなければならない人物である。
しかし、杜長峰大師と会うのはそう簡単ではない。特定の商会との売買を除けば、杜長峰は陸家と特別に交渉することはない。これは霊造師派閥の暗黙のルールである。
この世界では、霊造師は霊具の製造を担当し、霊造器具を使用するのは控霊師である。控霊師の数は霊造師の約三十倍である。熾烈な戦争により大量の控霊者が死亡しても、この数字比率が五対一を下回ることは決してなく、ほとんどの期間は十対一を上回っている。
霊具は特定の周波数帯の電磁波によって制御される。世界中の霊造師は、全部で五大流派に分けられる。細分化すると、百二十九の小流派に分けることができる。これは、身体上の電紋がプラズマ制御の出力を優先的に満たさなければならず、その次に霊具を制御するためである。そのため、霊造師が霊具を制御する紋様の種類は単一であるが、控霊師はプラズマを制御する必要がないため、身体の紋様は多様になる。
これが霊造師の限界である。霊造師は通常、自分の流派の器具しか操作できず、主に自分の師門の流派を学んでいるため、自身が放射する電磁周波数帯域もその数種類に限られ、自分の流派の霊具か、あるいは自分の流派に近い霊具しか操作できない。各流派が流派と呼ばれる所以は、それぞれ独自の技を持つからである。霊具の特定の特殊機能は、その流派特有の方法でなければ発動できない。この方法とは、実は特定の電磁周波数帯域の言語である。体中から電磁言語を発する脈絡系統は、各流派で若干の差異があるが、このわずかな差異こそが流派を分ける要因となっている。
霊造師とは異なり、控霊師の体の紋様は出力を犠牲にしているが、各流派の制御方法を模倣することができる。三万年前(大渦区域の時間)、霊造師が現れたばかりの頃は、皆が控霊師であり、また霊造師でもあった。当時はこれほど多くの流派はなく、皆同じ道を歩んでいたからだ。しかし人が増えると分岐が生じ始めた。あたかも地球西方の宗教が皆神を信じていたのに、最後にはカトリック、正教会、プロテスタントに分かれたのと同じだ。霊造師の流派は絶えず分裂し始め、異なる伝承と発展の方向が現れ、最終的に大量の流派が形成された。
流派がますます多くなり、約二万二千年前、一部の霊造師は霊造の技を疎かにし、体内の経路を構築する際に出力に専念せず、むしろ様々な流派の制御方式の模倣に専念した。これが控霊師の雛形である。
その頃、控霊師はまだ気候を成していなかった。二万五千年の時に大戦争が起こった。控霊師は霊造師よりも育成しやすかった。それで、控霊師が独立して、戦闘の主力となった。そしてこの戦争で、控霊師は歴史の舞台に登場した。
その後の一万二千年の間、霊造師の流派がますます増えたため、様々な霊具を制御できる控霊師が特に発展しやすくなった。それは百花繚乱の時代だった。その年月の間、霊具の流派は今日よりもはるかに多かった。
七千年前、霊造師たちはゴミ流派が多すぎると考えるようになった。最も重要なのは、霊造師が数十年かけて霊造器具を学んでも二流の霊具しか作れないのに対し、控霊師一族は代々受け継がれる高級霊具を持っていたことだ。蓄積された高級霊具によって、ほとんどの控霊師一族は大部分の霊造師を軽蔑することができた。ついに一部の霊造師たちは、このままではあまりにも弟子たちに害をなすと考えるようになった。例えば、ある霊具が同じ効果を持っていても、流派が異なれば制御に必要な電磁言語が異なる。それは、茴香豆の「茴」にいくつもの書き方があるのと同じだ。これは控霊師たちにとっては難しくなく、彼らは容易に電磁言語を模倣できる。しかし、ひたすらに一つの方法で器具を制御することしかできない霊造師たちにとっては、自分で自分を陥れるようなものだ。
ついに、いくつかの流派が合併を始め、伝承を統合し、自流派の基準を統一して互換性の問題を解消しようと試みた。八千年前から七千年前にかけて、大多数の霊造師の小派閥は婚姻を通じて結びついた。これは比較的平和的な派閥合併の方式であったが、すべての合併が平和的に行われたわけではない。そのため七千年前、各派閥が連盟を結成し、一つの利益集団を形成した。各利益集団は互いに相手の派閥を併合しようと望んでいた。
この非平和的な合併方式は、伝承問題に起因する。甲伝承と乙伝承が、ある種の霊具を製造する際、あるモジュールに一つの機能しか互換性を持たせられず、合併しようとしてもどちらかを捨てなければならない。では、いったいどちらのものを捨てるべきなのか?霊造師たちは大きな議論を巻き起こし、誰もが自らの特色を保持したいと望み、自身の霊紋の一部が淘汰され無用と判定されることを望まなかった。
これはまるで地球上で、南京大学と東南大学が北京大学と精華大学を超えようと合併を決めたが、結局命名権で行き詰まったという笑い話――両校がそれぞれの特色を残そうとした笑い話だ。
南京大学は、自分は「京」の字を出し、相手は「南」の字を出す。あら!これで「南京大学」になると考えた。東南大学はもちろん納得せず、それは駄目だ、自分が「東」の字を出し、相手が「南」の字を出すべきだ。あら!これで「東南大学」になると考えた。最後に奇妙な文字のゲームが生じ、実際には行き詰まりであり、両校は結局合併しなかった。
上述は笑い話だが、霊造師たちの合併過程においては笑い話ではなく、これらの流派は皆このように合併されることを望まなかった。それは併合されるに等しいからだ。そこで七千年の間、戦争がこうして勃発した。
控霊師は当然ながら戦争に巻き込まれた。彼らに伝承の危機はなく、霊造師たちがどれほど激しく争おうとも、彼らの体内の脈絡はほとんどの霊具に必要な制御言語を模擬することができた。しかし、それぞれの控霊師家族が高級霊具を蓄積するには、必ずそれらの大物控霊師と良好な関係を築く必要があった。そのため、控霊師集団も利益に縛られることになった。
戦争の結果は、七割以上の霊造師流派が消滅した。勝利した流派たちは霊造の基礎学科を規範化し、それを社会に公開した。徒弟たちは基礎霊造技能を習得した後、社会試験に合格すれば、希望する流派に選択的に加入することができ、各流派の合格ラインは年ごとに変わる。この時代には、古い流派が進歩するだけで、新しい流派が生まれることはない。すべての革新は、大霊造師の域に達して初めて、伝承に加えることができる。
七千年の戦争は、現在の構造を築き上げ、各霊造師流派の間ははっきりと区別され、互いに領域を侵さない。しかし、控霊師たちは霊造師たちが定めたルールを積極的に守ろうとはしない。杜長峰は今、師門から追放され、一方で陸家は積極的に動いており、これが商衡と陸良の今の場面を生んでいる。




