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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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0046 終幕と序幕

「私はただの凡人で、凡人の意志しか宿せず、偉人のような自己犠牲などできない。それなのに今、偉人の立場に立って他人のために取捨選択しようとしている。まったくもって滑稽な話だ」 盧安(ルー・アン)は最新の新聞に載った写真を見ながら、胸を痛めつつも耐えきれず、自らの偽善を鞭打っていた。


 自己批判は、盧安(ルー・アン)が前世で身につけた習慣だ。現実と理想が矛盾した時、孟位(モン・ウェイ)は誤りを正そうとする態度で自らの過ちを探す。


 元一(ユエン・イー)光幕のカウントダウン表示は、帰還まであと十時間であることを示している。半日前には、カウントダウンはまだ五日間を示していた。今の元一(ユエン・イー)は、まるで任務を急いで終わらせようとしているかのように、カウントダウンを大幅に繰り上げた。元一(ユエン・イー)はまた、破格の報奨を設け、盧安(ルー・アン)たち三人に、あのバーコードで投入された新人を一刻も早く排除するよう要求した。


 元一(ユエン・イー)にとって、これらの新人からノードを取得することでバーコードをより効率的に解決できる。以前の元一(ユエン・イー)は急いでいなかったが、今の元一(ユエン・イー)は明らかに早くここを離れたがっている。おそらく何かを企まれるのを恐れているのだろう。


「輪廻者を一人倒すごとに100万功績ポイントを懸ける」という破格の任務を提示した元一(ユエン・イー)に対し、李三祥(リー・サンシャン)は民主投票を組織し、案の定、全会一致で可決された。


 予行演習の中で、盧安(ルー・アン)は白露(バイルー)と李三祥(リー・サンシャン)がこの任務を遂行しようとする決意を見た。変えられない事実を前にして、盧安(ルー・アン)は無意味なそれ以外の票を投じず、現実では最初に賛成票を投じた。この賛成票は、盧安(ルー・アン)が自分のために投じたものだった。もし元一(ユエン・イー)空間でよりよく生き延びたいのなら、必ずチームに頼らなければならず、だからこそこの二人と足並みを揃える必要があったのだ。


 盧安(ルー・アン)は白露(バイルー)と李三祥(リー・サンシャン)から輪廻者の情報収集を任されていた——盧安(ルー・アン)には、白露(バイルー)と李三祥(リー・サンシャン)が自分を気遣っているのが見て取れたが、李三祥(リー・サンシャン)はアメリカ軍の管理下にあり、外に出る機会がなかった。輪廻者を殺せば全員に功績点が与えられるが、実際に狩りを担当しているのは白露(バイルー)だけだった。


 今や、バーコード空間配下の輪廻者が白露(バイルー)によって殺されるのは、これで六人目であり、元一(ユエン・イー)空間の任務終了までのカウントダウンはさらに急速に短縮された。


 六百万の功績点を前に、盧安(ルー・アン)は言葉を失った。これこそ「立場が思考を決める」ということだ。飯を食うときは茶碗を持ち上げ、食べ終わればその茶碗を置いて母親を罵るというのも一つの生き方ではあるが、盧安(ルー・アン)はそんな死に急ぐような真似はしない。


 心に大きな葛藤を抱えながら、盧安(ルー・アン)はもやもやとした気持ちを抱えつつ、任務の最終段階で締めくくりの作業を進めていた。


 突然、盧安(ルー・アン)は立ち止まり、パックパックから殺虫剤とライターを取り出し、ゆっくりと振り返ると、殺虫剤のスプレーとライターの炎を混ぜて巨大な火の塊を作り出した。この巨大な火の塊は高圧で、盧安(ルー・アン)の背後から奇襲しようとしていた大きな蚊に叩きつけられた。その翼は火の流れの中で瞬時に灰と化し、虫全体が灰になる前に、高温プラズマの激しい膨張の衝撃力で地面に叩きつけられた。映画『ミストーー1』では、この種の巨大昆虫が女性の首に大量の毒素を注入していた。女性は顔全体がむくみ、やがて死亡した。


『ミストーー1』と『ミストーー3』映画の中の時空の扉は、二度の開放の間に、もう一つの世界ではいったいどれほどの時間が経過したのか、少なくとも十万年、おそらく数十万年、誰が知っているだろう? いずれにせよ下等生物の変化はごくわずかで、地球上の蚊やゴキブリも数千万年変わっていない。


 人間だけが変わりやすいが、しかし人間は最も古い見方で世界を見る傾向がある。西洋人は一世紀が過ぎても、まだ中国人は辮髪をしていると思っている人がいる。そしてミストーー人が今や基地を地球人の目の前に築いているのは、人類が何度も異世界を開きながら、ずっと慣性の思考でこの世界を見てきたことへの絶好の皮肉である。


 盧安(ルー・アン)は今、この映画の監督は、アフリカの至る所に高速鉄道が走り、港が繁栄している光景を見て、社会に植民地時代のアフリカに対する古い認識が満ちていることに呆れてこの映画を撮ったのではないかと少し疑っている。


 盧安(ルー・アン)は持っていた試験管を取り出し、ナイフでこの巨大な蚊を切り裂き、組織の一部を取り出し、真空プラスチック袋に入れて密封し、それを試験管に収めた。


 盧安(ルー・アン)たち三人は少なくとも六百万の功績ポイントを保有している——これには元一(ユエン・イー)が勝利後の報酬として補償を約束した分は含まれていない。短期的な利益から分析すると、サンプル採取のような小さな任務はやってもやらなくても構わないが、盧安(ルー・アン)であれ白露(バイルー)であれ、こうした異世界の生物の遺伝子を積極的に収集する。長期的な利益から見れば、これは実は信用の問題である。李三祥(リー・サンシャン)が元一(ユエン・イー)空間の人々から三万の功績ポイントを申請できたのは、一方では李三祥(リー・サンシャン)の能力であり、もう一方では李三祥(リー・サンシャン)が三人の信用を賭けたからである。今後、もし急に融資が必要になった場合、このような信用を維持していれば、自身の価値をはるかに超えるものを借りることができる。知っておくべきは、李三祥(リー・サンシャン)が金を借りた時、三人はただの平民に過ぎなかったということだ。しかし、このような任務が目前にある以上、元一(ユエン・イー)から与えられた報酬を完全に消化すれば、今後の身分は決して低くはならないだろう。


 信用を保証する方法には、別の手段もある。それは三万の功勲ポイントを返還することだ。しかし、功勲ポイントに対する態度の前後の違いは、他人から見ればただ一つのことを示している――盧安(ルー・アン)のこの小隊が任務で大きな収穫を得たということだ。大きな収穫がなければ、最初は三万の功勲ポイントにすがりつき、後にまた気前よく三万の功勲ポイントを差し出すだろうか? もし他人に自分の任務の実態を説明しなければ、相手は疑いを抱いたまま勝手に推測し、人によっては欲念を抱くことになる。富は外に漏らさないという原則からすれば、このような信用保証の方法は決して選んではならない。


 この点において、三人の選択は一致していた。それは、声を潜めて大金持ちになり、決して傲慢(アオ・マン)な成金にはならないということだ。


 今、盧安(ルー・アン)の収集進捗が最も良い。なぜなら盧安(ルー・アン)は予演能力を持ち、これらの危険区域で冒険するのに最も適任だからだ……いや、冒険ではなく、むしろ裏庭を散策するようなものだ——未来十数秒を予演する能力で、完全に利害を避けられる。そしてこれらの動物は知能が極めて低く、人間のように自分に対して策略を練ることはなく、完全に本能に頼って人に害をなす。


 この位面の地球と異世界が開戦する前、これらの巨大生物の姿はなかった。ミストーーマンの軍隊は明らかに工業文明に属する軍隊である。軍隊の衛生条件は非常に重要で、非戦闘による減員を減らすための必要な措置だ。次元門のような極めて重要なエリアでは、衛生保障措置は非常に良いはずで、これらの動物が次元門に入るのを許すはずがない。しかし今、『霧一』の中だけで登場する動物がこんなに多く現れている。盧安(ルー・アン)は、ミストーーマンが地球人に対して生物戦を仕掛けているのだと考えている。盧安(ルー・アン)の前世では、アメリカ軍は入国のたびに、全軍が大規模な消毒、蚊・虫・ネズミの駆除を行っていた。盧安(ルー・アン)は戦争の行方について、長く平和に慣れた人々よりもはるかに敏感である。


 採集を終えた盧安(ルー・アン)は、拾った携帯電話を開き、ニュース画面をタップした。最新のニュースを目にすると、盧安(ルー・アン)はため息をついた。「すでに乱世だ」。


 ニュースの中では、巨大な見出し——日本、上陸される。


 画像には、超大口径の砲弾が大量に日本を襲撃する場面が映し出されている。海上には、果てしない艦隊が、海面から立ち込める水霧にぼんやりと姿を現している。無数の鋼鉄の塊が海面に浮かぶその光景は、言い知れぬほどの衝撃を与える。


 霧の者の技術体系は地球人とはまったく異なる。それは鳥と人間の運動能力が異なるのと同じだ。鳥は空を飛べるが、人間の運動能力に飛行が含まれていないのは、人間の体の構造が鳥とは違うからである。


 同様に、ミストーーマンの空軍は全て無人です。彼らの骨は地球人よりも密度が高く、太いので、無人航空機と飛龍で構成された空軍によって制空権を獲得しています。同時に、そのような体型の彼らには有人装甲車もありません。単兵で重火力を携帯できるミストーーマンこそが、地球の各大軍事強国がずっと探求し続けている戦闘装甲です。


 空軍も戦車も持たなくても、鋼鉄の奔流がないわけではない。彼らは地球人よりはるかに大型戦艦を建造する能力が高い。一体の体重が最大6トンにもなるということは、人間の工場で多くの機械を使わなければならない作業を、霧の民は非常に楽にこなせることを意味する。例えば、彼らは自分たちの装置に巨大な部品を容易に取り付けられる。そして、彼らでさえ機械を使わなければならないことは、地球人にとってはまさに叙事詩的な産業の怪物だ。地球上で、大型工場で大型の船舶用鋼材や大型火砲などを加工する機械は数台しかない。そして同レベルのこの種の機械を、霧の民は地球の普通の工場の作業場と同じように、一人で一台操作できる。


 太平洋上空に現れた霧の海域に、大量の戦艦が湧き出た。五千トン級の戦艦が最も多く、十萬トン以上の戦艦も存在する。五萬トン以上の戦艦の多くは防空用だ。一台また一台とドローンがレーダーの誘導のもと空に漂い、防御用の火網を構築している。


 五千トン級の戦艦と聞くと大したことないように思えるが、日本以東の海上から見える光景では、盧安(ルー・アン)の推測によれば、こうした戦艦は少なくとも六千隻はいる。戦艦の前後に備えられた連装主砲は、まるで一世紀前の巨艦大砲の時代に戻ったかのようだ。両側に搭載された発射筒は、おそらく水中ソナーに対抗するためのものだろう。


 このような武装は、二十一世紀初頭の視点ではでたらめもいいところで、同トン数のどの戦艦もこれより強そうに見える。しかし、盧安(ルー・アン)はその中に鋼鉄の奔流が突撃する勢いを見て取った。


 第二次世界大戦以来、アメリカの戦車が湾岸戦争の実戦でどのように戦おうと、ロシアの戦車は常に大規模核戦争を前提に設計されており、核・生物・化学の三防護がしっかりしている。そして海上におけるこの戦艦の突撃は、戦車の突撃と同じ戦術だ。先に核爆弾を一発投下し、五千トン級の艦艇が波のような突撃を繰り返し、次から次へと続く。これは艦隊戦ではなく、戦車戦なのだ。


 米軍の空母打撃群は、このような艦艇を百二十隻撃沈した後、艦載機の損失が大きすぎて戦力が大幅に減退し、直ちに後退を開始した。原子力空母の後退速度はかなり速かったが、霧の者たちは断固として戦線を日本の港まで押し進めた。


 ニュースは、日本沿岸の大都市が砲撃されている惨状を映し出している。一つ一つの高層ビルが砲撃で倒壊し、この東北アジアの近代的な国は一瞬にしてシリアの様相を呈した。米軍のいわゆる「時宜を得た戦略的撤退」について、ニュースはそれを第二次世界大戦中の米軍のフィリピン撤退の行動と同一視している。


 そのため、次のニュースは、アメリカ大使が夜を徹して中国に連絡を取ったことだ。双方の親密な協議の後、アメリカは全人類の運命の責任を共に負うことを望み、中国と高度な軍事協力協定を結んだ。中国は、アメリカ空母打撃群が緊急に渤海湾の葫芦島軍事基地に入り、系統的な修理を行うことに同意した。中国は東シナ海地域で大規模に機雷を散布し、同時にミサイル部隊を半島南部地域に進駐させた。


 さらに下の方に埋もれた小さなニュースでは、南朝鮮半島の米軍が昨夜、韓国の戦時軍事指揮権を接収し、北東アジアの日本戦区に対して火力支援を行っているという。


 これらのニュースは、中国外交官・王毅(ワン・イー)の「世界平和を守ることは、我が国にとって果たすべき責任である。我々は断固として日本人民の背後に立ち、この正義の戦争を支持する」という発言で締めくくられていた。


 しかし、両国が一体どのような裏取引を交わしたのか、それは誰にもわからない。


「サッ」と音を立てて、盧安(ルー・アン)はスマホの画面をオフにした。その理由の一つは、盧安(ルー・アン)がこのニュースを見てなんとなく違和感を覚えたからであり、もう一つは、白露(バイルー)がまた一人輪廻者を仕留めたからだった。これが最後の輪廻者であり、カウントダウンは即座に二時間へと縮まった。


 盧安(ルー・アン)は頭をたたきながら言った。「もうすぐ帰るのに、なぜ王さんに文句を言うんだ?この世界が切り抜けられることを願っているよ……」

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