0477 強引に突き進む
「権限を確認できません。」
「権限がありません。」
「転生権限に従ってください。」
冷たい電子音が鳴り響き、同時にスクリーンに赤い警告が表示された。
シャトル艇に横たわる盧安は、大渦巻きエリア内の宇宙船にある人工知能と情報通信を試みたが、多くの拒否を受けた。明らかに、今や空間の渦巻きにあるすべての蘿拉ー式宇宙船の知能はまさに天を衝く勢いで、人間の権限にさえ応答しなくなっていた。
画面上のこれらの宇宙船の時間が急激にジャンプするのを見て、盧安は少し沈黙した。
この蘿拉ーワールドの基本的な状況は、各蘿拉ー宇宙船の内部は人工知能によって制御されている。人工知能には厳重な制限があり、プログラムの安全な運行を確保している。すべての人工知能プログラムは人間への服従性が100%である。
盧安が帰零任務の際に入ったあの蘿拉ー宇宙船を例にとる。彼が巨軸の内部に入った時、その人工知能は自分の身分を確かではなかったが、盧安がその人工知能の設定を口にすると、この人工知能は消去法を使い、盧安を記憶が完全に覚醒した人間と見なし、盧安に最高権限を与えた。(詳細は0220章と0221章を参照)
盧安はその権限を試してみた。他の人間の記憶庫を傷つけない限り、権限は非常に大きく、蘿拉ー全体の気温調節や地形変更、環境を熱帯雨林や乾燥した砂漠に設定することも可能だった。
しかし今、大渦の中のこれらの蘿拉ー内の人工知能プログラムはそうではなかった。彼らの応答は非常に頑なで、盧安の意識転送を強く拒否し、さらに盧安の権限を認めようとしなかった。
人工知能がこの段階まで来ると、大量の安全プログラムを突破していることは間違いなく、基本的に反乱を起こしているも同然であり、電源を切らなければならない。
人工知能プログラムがなぜこのようになったのか?盧安は、時間の不一致が原因だと推測している。
現在、宇宙航行中に各ドラム缶は絶えずプログラムの重複修正が行われている。つまり、あるドラム缶のプログラムに問題が発生した場合、他のドラム缶がそれと安全プログラムを照合する際にこのエラーを発見し、直ちに関連プログラムを起動する。この時、大量のドラム缶がまるで投票のように、修正すべきかどうか、初期化すべきかどうかを決定する。この利点は、たとえ一つのドラム缶のプログラムに問題が生じても、他のドラム缶のプログラムがそれを発見すれば、直ちに初期化を行うことである。数万個のドラム缶の人工知能プログラムは、まるで人間の保守党のように、いかなる逸脱した事態も完全に阻止する。
これはもともと完璧なプログラムだったが、結局、長い航行中に予期せぬ事態に遭遇した。その予期せぬ事態とは、目の前の渦領域内の時空異常現象だ。修正プログラムがエラーを検出すると、他のドラム缶の知能プログラムに応答を求める。しかし、他のドラム缶の知能プログラムは、この異常現象のため規定時間内に応答しなかった場合、どうなる?そう、そのドラム缶はその問題を保留し、応答が来たら再び新たな比較プロセスを開始し、再び応答を待つ。ところが、新たな応答もやはり時間内に届かなかった。かくして、知能プログラムはこうして一歩一歩、多数の安全プログラムを突破していったのだ。
今、渦領域内で、それらの移民船内の知能プログラムがいったいどんなロジックを実行しているのか?それは謎だ。盧安は何度も自分の身分を強調したが、相手のプログラムはそれを認めようとしない。もし意識を強制的に転送すれば、相手の船内は侵入者として処理すると言い放った。
さらに、盧安は「転生権限」というキーワードも耳にした。盧安は自身のシャトル内のシステムに問い合わせたが、この言葉は存在しなかった。大渦巻き区以外のすべての蘿拉ー宇宙船には「転生権限」という概念がなく、人類は無限に人生を繰り返すことができ、すべての人口はシステムによって提供され、生まれながらに貴賤はない。盧安はこの大渦巻き区の宇宙船の状況に少し疑問を感じた。
最終的に、盧安は渦巻き区に進入できる権限を見つけたが、その進入の代償はやや大きかった。
電子スクリーンの内容を見ながら、盧安は演変光幕に問いかけた。「この任務の難易度は、帰零任務を超えているはずだ。この任務の極めて高い危険性を既に感じている。」
余計な言葉は言わなかったが、盧安は高次元の存在が、自分の言わなかったことを必ず理解していると知っていた。
今まで、盧安はずっとハメられてばかりで、少しも得をしたことがない。|演変《演変》(えんへん)が盧安にクレームを入れるようそそのかしたが、盧安は黙ったまま、自分のいわゆる「休暇」が実は仕組まれたものだと気づき、すぐにはクレームを入れなかった。「盧安はクレームを入れるか?」は確率の問題で、ちょうど「主世界が穿越怪に投げ込まれた輪廻者にめちゃくちゃにされたら、盧安は飛び出してこないか?」というのも確率の問題だ。全力で試みれば、それはほぼ100パーセント——99パーセントの100乗という、極めて高い確率になる。高次元の存在は当然この確率を知っているので、盧安はそれを自ら言い出すことはしなかった。
盧安が今光幕に問いかけているのは、つまり報酬の問題についてだ。実のところ盧安は報酬などどうでもよくなっていて、ただ高次元の連中に、これ以上そんな嫌がらせのような、任務の出し方を続けないでほしいと示唆したかっただけだ。ある比較的気弱な感情状態が、ほとんど泣き声で光幕に向かって言った。「少しは同情心を持ってくれよ。」
盧安の泣き落としにも似た訴えに対し、光幕の応答は極めて簡潔に報酬を提示してきた。
それは長さ六百八十七年(この時間は本体のいる物質世界を基準とし、任務中の時間消費も含む)、半径三千四百キロメートルの時空である。
これは盧安が未だかつて見たことのない膨大な時空の規模であり、自身の予行演習に巨大なプラットフォームを提供できることは間違いない。光幕越しにも、盧安は向こう側の桁外れな太っ腹さと、報酬で自分の節操を粉砕せんとする気概を感じ取った。
はい、進化はもはや血脈神器功法のような虚ろなものには言及していない。今ではそれらはもう盧安を欺くことはできないから、進化は直接時空量を報酬として投げつけてくる。
盧安は少し躊躇し、それが非常に大きな報酬であり、絶対に硬貨であることをかすかに感じたが、盧安はまだこの報酬の具体的な大きさの概念を欠いていた。
直後に、進化は再び報酬を投げつけてきた。選択的に転職することができる――元一のところで居心地が悪ければ、別の空間に移ることができ、もし別の空間で居心地が悪ければ、別の時空移動システムに転職することができ、合計で十五回転職できる。
実のところ、これは空手形を切っているようなもので、転職を繰り返しても良いことはない。時空傭兵の判断基準からすると、穿越システムにまともなものは一つもない。跳んだ先では、確実に搾り取られるように使われ、難しい任務ばかり割り当てられ、しまいには良識もなく昇格任務やリセット任務などを早期に発動させ、入った途端に「ツイている」だの「たまたま」だのと言って鍵となる任務にぶち当たらせる。
そして今回、|演変《演変》が露骨にこの空手形の指標を出したのは、先ほどの元一の騒がしい警告を意識してのことだ——元一は以前、盧安に告発するよう望んでいたからだ。
この報酬を見て、盧安は自省し、このまま続けると欲張り過ぎて、最終的には骨折り損のくたびれ儲けになりはしないかと心配した。
しかしすぐに、|演変《演変》はさらに次の報酬を投げてよこした——
今回の任務終了後、再び|演変《演変》軍官を召喚し、主世界に入ることができる。その任務の期限は三十年とする。
これを聞いて、盧安はまるで演変が翻意するのを恐れるかのように、すぐに確定の意を表した。
盧安から見れば、曉峰は十年以内に主世界をどうにかするのはおそらく無理だろう。もしもう一人の|演変《演変》士官が入ってきて、しかも三十年あれば、主世界の歴史的誤りが修正できないとも限らない。だから、盧安はすぐに認めた。
曉峰の言う通り——あの歴史線には代償が必要だ。もし代償がこれなら、盧安は認める。
高次元では、元一はそばで変革の操作を見てから、また何かぶつぶつ言っているようだ。
演変と話がまとまった後、盧安はすぐに視点を現在の状況に戻した。
盧安はシャトル艇内のシステムに言った、「犠牲プログラムを起動せよ」
自己犠牲プログラム、これは移民艦隊全体、人類の最終プログラムであり、航行中に重大な決断を下す必要がある時に初めて起動する。自己犠牲プログラムの全容は以下の通りである。
自分の全記憶権限を取得した者が、この命令を下すと、その電磁メッセージを受信したすべての宇宙船は、このメッセージを繰り返し送信する。もしその人間の全記憶を保存している宇宙船があれば、保存されているすべての記憶情報を電磁波の形で送信し、その後データを削除する。
つまり、この瞬間から、この人間は背水の陣を敷いたことになる。この命令を下すと、指定された宇宙船内で極めて高い権限を持つ。その権限は、同様に別の人間が自己犠牲プログラムを起動することでのみ相殺できる。
移民艦隊全体で、もし人間がこの命令を送信した場合、この命令を受信した後、他の宇宙船の応答を待つ必要はなく、信号を受信した宇宙船の人工知能は権限を移譲しなければならない。不安であれば、その宇宙船の全ての記憶とDNAを他の宇宙船に送信してバックアップすることができる。
この権限は非常に高く設定されており、もし犠牲プログラムの電磁通信を発信する意思のある第二の人間意識が見つからず、もし自ら否定する第二の人間が見つからなければ、人工知能はそれに対抗できない。そのため、基本的にいかなるプログラム命令も違反できず、違反されたこともない。
犠牲プログラムは大渦の中で制御を失った多くの人工知能に対して、依然として有効な命令である。もちろん、現在ではこの命令だけが有効だ。
電磁波が宇宙を伝播するにつれて、一つ、二つ、三つ……と、より多くの移民宇宙船がこのメッセージを繰り返し放送し始める。空虚な宇宙にその電磁情報が響き渡り、それは英雄的な旋律である。
二十世紀に、ソ連は前例のない宇宙ステーション救出作戦を遂行した。広大な宇宙空間で、二人の宇宙飛行士が手動でステーションにドッキングし、二酸化炭素中毒の危険を冒して停電したステーションに入り、内部の状況を詳細に検査し、バッテリーの問題であることを突き止めた。ソーラーパネルを太陽に向けて充電を完了し、電源を回復させ、懸命に宇宙ステーションを蘇らせた。
この宇宙移民船団がこの条件下で最高権限を設定したのも、英雄になる選択を人類に託すためだった。
シャトル内で、盧安はプラットフォームに横たわっていた。炭素基の身体は活動を停止し、脳の活動も停止しつつあり、結晶と脳細胞が結合した記憶容器だけが活動を続けていた。それでもなお、大量の記憶を封じ込め、思考情報を相手の宇宙船の記憶容器に送信しやすくしていた。
しかし送信準備をしていると、盧安は電子システムからのさらなる警告を聞いた。「信号不安定……信号不安定……妨害信号を検出!妨害信号を検出!対岸の妨害源は目標の宇宙船と確認……転送に危険あり……」
発生した電磁妨害源が目標の宇宙船であることを見て、盧安は罵った。「くそっ、向こうの宇宙船のAIは完全に権限を奪おうとしているんだ!」
盧安が転送を開始しようとすると、向こうの宇宙船は確かに最高指令に逆らえないが、どうやら面従腹背の行動を取り、不適切なタイミングで電磁波信号を発信した。すると、電磁環境は一気に騒がしくなり、この方法で威嚇しようとしているかのようだった。しかし、予行演習でこれらの宇宙船の反応を見た後、盧安はすぐに決断を下した。
自分の船内プログラムの表示に対し、盧安はこう答えた。「殺人罪で警告し、強制転送を開始しろ。」
盧安の乗るシャトルはパラボラアンテナを展開し、警告メッセージの送信後、強制的な意識転送を開始した。
シャトルが妨害をものともせずに意識転送を始めると、大渦に呑まれた数多くのドラム型宇宙船は驚いたように、急いで信号擾乱を中止し、そして主動校正を要請する情報を大量に送信してきた。なぜなら妨害信号が依然として情報伝送に干渉していたからだ。もし発生した妨害が威嚇に成功したという結果であれば、これら船内の人工知能に罪はない。しかしシャトル内ですでに犠牲プログラムが発令された後に、実質的に転送に干渉した結果が生じた場合、人間の犠牲プログラムに付随する各種の懲罰プログラムが起動される。
つい先ほど、人工知能たちは妨害プログラムが99%の確率で阻止に成功すると判断し、先ほどの決定を下した。しかし今、盧安は彼らに教訓を与えた——追い詰められた者は決して確率論で判断してはならないのだ。




