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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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0417 暗流渦巻く

 南京事件の波紋は、世論の注目点が他の方向へ移るにつれて次第に収束していった。社会上で超能者に関する話題も、次第に株価の変動に注目が集まっていった。


 ある話題を別の話題にすり替えることは、世論操作の基本的な手法であり、その具体例は21世紀の各インターネットプラットフォームのエンターテインメント欄で見ることができる。あるゴシップネタがエンタメ欄を独占し続けるのを防ぐには、他の衝撃的な事件を作り出して世論の注目を集めればよく、しかもこの方法はいつも効果てきめんだ。


 もちろん、株式の値上がりが全て世論操作によるものというわけではない。上海証券取引所ではここ数日、石油や鉱産関連の株が右肩上がりに上昇している。特に鉄鉱石関連の株は2倍に跳ね上がった。そして国はこれらの経済的影響を補うため、資金を他の新興産業に振り向け、投資を行っている。


 この種の経済行為は国家レベルでの闘争であり、決して小規模な経済集団による国際的な投機などではない。


 地球の21世紀、国際原油価格が一時1バレル60ドルまで下落した中、中国は依然としてロシアとの1バレル90ドルの石油契約を履行していた。これは中国が馬鹿な真似をしているのだろうか?いや、もしこのロシアとの1バレル90ドルの石油契約がなければ、経済情報に非常に敏感なビジネスマンたちはすぐさま国際原油価格を1バレル100ドルにまで吊り上げていただろう。しかし、国民は国のために気を揉みながらも、依然として商店の塞勒(セイラー)で安物を買い漁るような思考法で考えている。大国が消費する際には、価格決定権を考慮に入れる。製品の価格は決して相手の言いなりになってはならず、相手が今日値上げしたいから値上げし、明日値下げしたいから値下げするなどということがあってはならないのだ。仮に原材料を生産する売り手が今日、生産を縮小して供給不足を引き起こし、価格を吊り上げようとしたならば、大国は別のルートを通じてこちらの消費量を減らし、供給過剰の状態を作り出すことで、こちらの価格を引き下げることができる。


 盧安(ルー・アン)が帝然菲斯で経済を管理していた際、価格決定権を得るために、複数の供給チャネルと契約を結ぶ方法を採用した。時には供給チャネルの安定を保障するために、市場価格を上回る固定額で毎年一部の商品を購入し、その供給チャネルの継続を維持することさえ厭わなかった。これは、帝然菲スが多くの供給チャネルを持っているため、国際市場で他国と商談する際に、他国が価格を吊り上げる根拠を失うからである。需給関係が市場価格を決定する。もし百人が百十人分の食糧を持っていれば、食糧価格はその集団内で非常に安定する。もし九十五人分の食糧しかなければ、この百人は派閥を作り、腹の探り合いを始めるだろう。帝然菲斯でこの手法を経験した盧安(ルー・アン)は、この世界における中国政府の南極への制裁をはっきりと察知した。


 上海の新聞には、オーストーーラリア地域で鉱物が発見され、中国が開発を準備しているというニュースや、ある新技術が間もなく実用化され、莫大な生産額が期待されるため、投資を急げというニュースが掲載された。これらの露骨な示唆は、国内の遊休資金が鉱物先物に大量に投機したり、買い占めに走ったりせず、他の場所への投資を促し、それが非常に儲かるということを意味している。


 その通り、これらの一見誠実に儲け話を持ちかけているように見える投資情報は、実は笑顔の裏に刃を隠しており、国民の資金が鉱物先物に一斉に殺到して、国内経済の舵取りに迷惑をかけないように誘導しているのである。


 こうした世論が民衆の資金をどの方向へ導くのか、それが結局損になるのか得になるのか。世論の背後にいる操縦者たちは責任を負わない。大資本家たちの言葉を借りれば、「損をするのはあなた方の金で、私の金ではない」「(小口投資家である)あなた方が新興産業の研究開発初期に多額の資金を投入しなければならない段階で十分な資金を投じたのだから、その金は国の発展に貢献したことになる」となる。新聞に載る誠実で心温まる投資ガイドの裏側には、赤裸々な利己主義が潜んでいる。


 盧安(ルー・アン)の見方では、この時点で世論が囁く「良好な投資先」とは、実際には各新興産業の収益率を誇張し、リスク率を過小評価したものに過ぎない。いかなる経済活動も実物に対応している。もし投資家が投資した産業や技術研究開発が、現在の市場に適していなければ、その投資は必ず水の泡となる。


 盧安(ルー・アン)は株式市場の狂乱に参加していなかった。盧安(ルー・アン)はもともとギャンブルを嫌っていたが、この時の周囲の光景に思わずはっとした。


 盧安(ルー・アン)は二十二世紀からの訪問者として、全民株取引の時代を理解していなかった。その関連知識は古典的なネット小説でしか似たような描写を見たことがなかった——人々はオフィスに座り、パソコンの株式画面を開き、折れ線グラフの動きを見つめ、上がり下がりのトレンドについて一見筋の通った分析を行っている。これらの株民たちは毎日興奮し、自分の投資が何らかの産業に向けられているため、仕事にも集中できない。甘い汁を吸った新参の株民、例えば農民や学生は財産が倍増するのを見て、すぐに前例のない熱意をその世界に注ぎ込む。


 古典的なネット小説のワンシーンのような光景を、盧安(ルー・アン)は予演でも目にした。軍のオフィスでは、軍服姿の人々が煙草をふかしながら画面を凝視している。一方、一部の生産工場では、作業員たちが時折スマホを取り出してチェックする(この動作は工場製品の不良品率を上げる)。


 盧安(ルー・アン)は「みんな、ちょっとやりすぎじゃないか?」と愚痴る。


 何かを追求することに多大な精力を注ぎ込むのは、貪欲だ。しかし、盧安(ルー・アン)が無意識にこの社会を評価する時、もし自分のある行動が世間に露見したらどんな評価を受けるかは知らなかった——盧安(ルー・アン)のほうがもっと貪欲なのだ。


 現在、地下実験室で進められている盧安(ルー・アン)の新たな生産計画は、狂気の沙汰としか思えない——食糧生産。


 表面的には、盧安(ルー・アン)が現在備蓄している食糧はすでに十分である(詳細は第0360章と第0407章を参照)。しかしここ数日、ある考えが盧安(ルー・アン)を駆り立て、さらに多くの備蓄をさせている。そして盧安(ルー・アン)は怠けて、現実世界でさらに多くの購入計画を手配することを嫌がり、その結果、盧安(ルー・アン)はいくつかの新しいアイデアを考え出した――二酸化炭素と水素を利用して天然有機物であるメタンを製造し、さらに微生物を利用してタンパク質などの有機物を製造するというものである。


 これは孟位(モン・ウェイ)が前線で分配された食糧の一種類である。この物の味は非常に悪く、そして非常に甘い。これを食べることは、低品質なチョコレートとビタミン剤を一粒飲むことに等しい。もし少しでも野菜を食べなければ、百パーセント便秘になる。


 この食糧生産技術は21世紀後半に開発された。もともとは家畜飼料の生産に使われていたが、エネルギー消費が大きく、衛生コストーーなどの問題から生産技術全体の更新が遅れ、市場を奪えなかった。戦争の時代になると、この産業の規模は膨大になった。ところで、平和な時代には人々が食べ物が遺伝子組み換えかどうかでさえ長時間悩むのに、誰がこのような人工食品を信じるだろうか?


 盧安(ルー・アン)がこの技術を研究するのは、飢饉への恐怖からだろう、それに拡大された溜め込み癖も。


 盧安(ルー・アン)は知らない、西塞(シーサイ)がすでに上海に到着し、豪華なホテルにチェックインしていたことを——「貪欲」メインアンカーが配置についた。


 2036年7月、ある重要な人物が上海に到着した。


 黒い車が上海に入ると、歩行者たちは次々と振り返り、一体どの重要人物がここに来たのかと。


 そのキーパーソンは盛儒星(シェン・ルーシン)であり、彼は虎部(フー・ブー)の用事で上海に戻った。彼と共に戻ったのは、64人の白銀超能者で、そのうち3人が五級、14人が四級、残りは三級だ。


 一年前のあの礼儀正しい盛儒星(シェン・ルーシン)はもう存在せず、今の彼からは常に高位の権力を帯びた気質が漂っている。


 一年前、盛儒星(シェン・ルーシン)は自分が今日のようになるとは気づかなかったかもしれない。これは辛亥革命前、ベッドの下に隠れていたところを革命党員に引きずり出されて代表にされた黎元洪(レイ・ゲンコウ)が、数年後に民国の政界を左右する重要人物になるとはまったく想像しなかったのと同じだ。なぜなら、時勢が人を選ぶからだ。


 南京事件がネット上での注目を集めるピークは過ぎたが、それがもたらした社会の分断の危険性は修復されていない。南京事件はすべての超能力者たちに、自分たちは普通の人々と同じだと思っていても、実際には普通の人々はそうは考えていないことを突然気づかせた。この世界には陣営がある。人々は自分に陣営があると気づくと、思わずその陣営を代表する人物を選んでしまう。これが人間の社会性である。


 南京事件で孤立したのは、数が少ない黄金超能力者だけでなく、数が多い白銀超能力者もだった。そして白銀超能力者の中で、同じ白銀超能力者である盛儒星(シェン・ルーシン)の発言権が彼らの間で重くなった。


 白銀プロジェクトでは、盛儒星(シェン・ルーシン)の階級は米振(ミー・チェン)より下だが、今では米振(ミー・チェン)の下す政策も盛儒星(シェン・ルーシン)が復唱しなければ、白銀の超能者たちの間で効力を持たない。なぜなら米振(ミー・チェン)は超能者ではないからだ。南京事件の後、警戒心が超能者たちの心に根を下ろしていた。それはまるで清末の皇族内閣が立憲派の美夢を打ち砕き、紳士階級をこぞって清朝から離反させ、ほんのわずかな革命党の軽い一撃で倒れてしまったのと同じである。


 盛儒星(シェン・ルーシン)がこのとき連れてきたのは、軍隊と言ってもいいものだった。一般人と比べて、軍隊には規律があり、効率的な連携ができる。六十四人の超能者のうち、武器の移送や受け渡しを担当するグループ、超能者の攻撃の照準を担当する超能グループ、チーム全体の通信を担当する超能グループ、そして相手側の通信を制圧する超能グループが存在した。


 この集団は単に超能力に頼っているわけではない。彼らの連携は非常に息が合っており、いつでも空間門を開いて車両から武器や装備を取り出し、即座に武装態勢に移ることができる。大型爆撃機や重砲で上海を爆撃できない状況下では、この戦力は極めて強力だ。


 車列が虎部(フー・ブー)のビル前で停止し、黒いサングラスをかけた盛儒星(シェン・ルーシン)が車から降りた。出迎え役の劉宇(リュウ・ユー)は、後続車から降りてくる大勢の黒服の一団を見て、「派手すぎじゃないか」とつぶやいた。


 劉宇(リュウ・ユー)の言葉が聞こえたかのように、盛儒星(シェン・ルーシン)は微笑みながら歩み寄り、劉宇(リュウ・ユー)の肩を軽く叩き、近づいて言った。「俺が派手だろうが派手じゃなかろうが、見張る奴はいるし、お前も同じだ。」


 盛儒星(シェン・ルーシン)は劉宇(リュウ・ユー)に謎めいた微笑みを見せた。


 もし一年前であれば、白銀プロジェクトを統括する盛儒星(シェン・ルーシン)の権力を分割するのは容易だった。しかし今、盛儒星(シェン・ルーシン)の周囲には、世界から向けられた敵意によって固く結びついた団体が形成されている。盛儒星(シェン・ルーシン)は現在の時勢のもとで、この勢力の代表者となったに過ぎない。

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