0384 重要なストーリー、重要なロード
湯宏康は潘陽に案内されて、龍部統帥の執務室に入った。
李兵強は湯宏康を見て、怪訝そうに尋ねた。「お前、五級に達したのか?」
湯宏康は言った。「米振のところでテストーーを受けて、達成したと言われた。」
李兵強は笑みを浮かべて尋ねた。「では、お前の最大の破壊力はどの程度だ。」
「一瞬でこのビルに火をつけることだ。」
「属性を変更する……そんなことが可能なのか?」
「酸素の酸化性と可燃物の還元性を変更できる。このビルにはもともと電流が流れていて、いつでも発火できる。電流がなくても、小さな衝突で点火は完了する。」
李兵強はうなずいたが、こう言った。「もし、砂漠の中だったら?」
湯宏康の足が一瞬止まり、それから言った。「そうなると、私はおそらく相変わらず無力でしょう。だから、自分が五級に該当するかどうかはわかりません。やはり、あなた方の基準のほうがより正確ですから。」
李兵強はうなずいて言った。「どうやら、君の五級の実力は一部の地域でしか通用しないようだ。ほとんどの五級は、自分が最も力を発揮できる環境があり、一部の不利な環境では、その等級に相当する実力を発揮しにくい。ただ、ごく一部の五級だけが、ほとんどの環境下で自在に力を発揮できる。例えば玄鳥部の機械力や、虎部のエントロピーがそうだ。しかし、やたらに自分を卑下するものでもない。君にとって最適な環境は、主要な地域のほとんどを網羅している。人類の都市も含めてね。一部の五級、例えばヨーロッパの金羊社の波濤などは、一日中海の上にいて、巨船を家にしたいくらいなんだから。」彼の超能力は海面の波の起伏の力を借りるもので、内陸に入ると弱くなる。環境適用性においては、今のところ君よりずっと低い。
湯宏康は尋ねた。「環境適用性?そんな数値もあるのか?」
「そう、適用性は複雑だ」李兵強は説明した。「広義の環境への影響だけでなく、作用価値も見なければならない。執棋者(潘陽)のマインドコントロール能力は、生物と一部の電信チップにしか作用しないが、彼の適用性は非常に高い。なぜなら彼の超能力の作用対象が人間だからだ」
「虎部のエネルギー障壁(崔驀然)は五級で、超能力はあらゆる場所の核反応に作用するが、彼は体に密着するスマート戦闘服に頼らなければ、自在に核子反応を誘発できない。彼の超能力適用性は比較的弱い」
李兵強は頭を叩きながら言った。「ふふ、こうした判断を本人抜きで話すのは、とても失礼なことだ。君は自分の長所と短所を覚え、他人に対する優位点と劣位点を把握しているだけで十分だ。まずはテストーーを受けてみなさい。五級だと確定したら、他の話をしよう。
湯宏康が去った後、李兵強のオフィスに鄧大能の通信投影が現れた。
鄧大能が尋ねた。「彼を私と一緒に北方に行かせるつもりか?」
李兵強が答えた。「もし彼が五級なら、あなたの足を引っ張ることはないだろう。」
鄧大能は眉をひそめて言った。「そう願うよ。彼はまだ若い。やはり、経験豊富な超能力者を私と一緒に提供したほうがいいと思う。」
李兵強は笑いながら言った。「急に切迫してきたな?以前は海外任務にそれほど熱心じゃなかったのを覚えているよ。」
鄧大能は顔色一つ変えずに言った。「玄鳥部はこの件に非常に関心を持っている。」
李兵強は笑いながら言った。「まあまあ、気にするな。坤(盧九重)の遭難には、龍部も玄鳥部も同じく憤っている。ただ、君がシ貝利亞で発見したあの実験室は、まだ罠かどうか確かめられない。決して油断してさらに二人の五級を失うわけにはいかない。」
この言葉を、李兵強は正義感にあふれて言ったが、今回の支援にはやはり非龍部の人員を使った。彼は米振から湯宏康を借り受けてきた。ただ任務があって湯宏康の手助けが必要だと言っただけで、任務の詳細は説明しなかった。
李兵強の強引な要求に直面し、米振も仕方なく、湯宏康の資料を封印しようとしたが、潘陽の超能力を防げなかった。そのため、湯宏康の資料は龍部に奪われてしまった。
一方、鄧大能のところは李兵強が考えているようには、任務を急いでやりたいのは玄鳥部が復讐を望んでいるからではない。シ貝利亞のその基地は鄧雯が生まれた基地で、今は誰もいなくなり、必要な資料だけが残っている。鄧大能の目的はただ一つ、何も知らない仲間を連れてきて、一歩一歩「追跡」し、そして皆で一緒に鄧雯を鎮圧することだ。
西塞は鄧雯と交戦し弱体化されたことがあり(詳細は0375章参照)、そのため鄧大能を支援したくなかった(詳細は0378章参照)。そのため鄧大能は自力で策を講じるしかなかった。彼の報告書には「基地は盧九重の部隊を待ち伏せした場所かもしれない」と記載されており、組織が派遣した戦力は当然ながら非常に強力なものとなった。
鄧大能は玄鳥部を巻き込んだだけでなく、中国の三つの超能部すべてを巻き込んだ。盧九重が外部勢力の襲撃を受けた以上、同じ国の超能力組織としてこの時にいい加減な対応をすることは許されない。超能力者たちの世界はそう広くはなく、各超能力組織の行動様式や姿勢は、こうした一つ一つの出来事を通じて形作られていくのだ。
鄧大能が龍部に通報したということは、当然玄鳥部にも通報したことを意味し、ならば玄鳥部でも当然ながら動きがあった。
玄鳥部のある荘園では、鳥のさえずりと花の香りが漂い、毎朝色とりどりの羽根を持つ鳥たちがこの荘園でさえずり交わしている。荘園の外の四十ムーの斜面は壮観な庭園となっている。
ここはまるで西洋のおとぎ話に出てくる城のようだ。そんなおとぎ話では、城には時に姫が閉じ込められているものだ。
ここには姫はいないが、謝彤がここに軟禁されている。前に盧九重の研究室で騒動を起こして以来、謝家はこの区域を区画し、謝彤にここで「面壁思過」をさせている。ただ、ほとんどの貧しい人々の目には、これがどのような種類の反省なのか分からず、むしろ休暇や静養のように映った。さらには、謝彤がネットである服を見かけると、数日後にはヘリコプターで品物が届けられることさえあった。
現在、謝彤の軟禁は終了し、玄鳥部の上層部の意思決定者たちは熟考の末、ある任務が謝彤にふさわしいと判断した。彼らはこの任務を、謝彤がもう少し言うことを聞くようになる良いきっかけにしたいと考えていた。
謝彤も確かにこの任務を拒否しなかった。一族の者がこの任務を伝えに来た時も、謝彤は青いワンピースを着替えもせず、そのまま飛行機に乗り込んだ。この任務は一年前の親友(盧九重)の重傷に関わるものだった。彼女がこの任務を断る理由は当然なかった。
神龍架地域にある盧家の屋敷の応接室で、盧穹は手元の情報ファイルを眺め、やや興味を引かれた様子で「機械力?」と呟いた。その口調には濃厚な好奇心と疑惑が込められていた。
はい、ある人々の示唆によって、盧穹は今や鄧大能に対して深い疑念を抱いている。原作の筋書きでは、盧穹は鄧大能が自分とは同類ではないと感じていたが、筋書きを熟知した輪廻者たちの扇動により、すでに成長した盧穹は機械力に対して探究心を持つようになった。
二十人の白銀超能者(輪廻者を含む)が応接室に入ってきた。盧穹は新たに迎えたこれらの部下を見渡し、うなずいて言った。「皆さん、一族から任務が来ました。皆さんに参加をお願いしたいのです。」
盧穹側の展開も、輪廻者たちの意図的な干渉によって変わり始めている。
結婚して新婚旅行を終えたばかりの劉宇は、この新しい任務を見て困惑した表情を浮かべている。
劉宇は不平を言う。「くそっ、上の老いぼれどもはどうしてこんなに空気を読まないんだ?!」
夏星瑞は寝巻きを着て鏡の前に座り、長い黒髪を整えながら言った。「もう一度海外旅行に行くと思えばいいわ。北の雪景色はとてもいいし、私もちょうど見に行きたいと思っていたの。」
しとやかな後ろ姿を見て、劉宇は突然彼女を抱きしめて言った。「僕は構わないけど、僕たちの赤ちゃんが風邪を引いたら大変だ。」
夏星瑞は顔を赤らめて劉宇を押しのけ言った。「真面目にしてよ、まだ妊娠もしてないんだから…」
超能力者たちの物語はゆっくりと展開し始めている。一方、盧安の方はまだ表面的には穏やかだ。
そして太平洋艦隊の上海基地では、盧安が港に停泊する退役した戦艦をじっと見つめていた。
艦船のモジュールが分解されるのを見て、盧安は少し寂しげに言った。「なんて良い鋼材なんだ、直接俺にくれればいいのに。俺なら無料で全部解体して、しかも一切費用は取らないのに。」
ある予行演習で、盧安は原子炉を切り開き、強い中性子線によるかすかな痛みを感じていた。
普通の人なら短時間ではこの痛みを感じず、ただ目眩を感じるだけだが、盧安の現在の位階は高く、全身のニューロン密度が極めて高いため、体内の特殊なタンパク質が破壊される際の電流放出が盧安に痛みを感じさせるのだ。
プレ演習で核放射線に耐えながら、盧安はこの船舶用原子炉の構造を把握した。しかし、構造を理解しても見て楽しむだけで、核燃料はそう簡単に入手できるものではない。たとえ核燃料を入手したとしても、盧安の側では関連実験はまだ全くの白紙状態だ。
これは、盧安が核研究所に自由に出入りできないからだ。盧安は軍のコネを利用して他の研究所を見学することしかできず、誰も盧安がデータを盗んでいるとは考えもしなかったからだ。しかし、核研究所は門禁制度を厳格に実施しており、誰でも簡単に出入りできるわけではない。彼らはデータの窃取を心配しているのではなく、内部の破壊を懸念しているのだ。盧安は現実で自由に出入りできないため、プレ演習でもデータを盗む機会がなく、盧安の個人核技術プロジェクトの進捗は非常に遅れている。
盧安は核技術をひとまず棚上げにし、他の分野に目を向けるしかなかった。
ゴミ捨て場の金属ゴミは枯渇したが、海底の沈没船はまだ誰も手をつけていない。第二次大戦時、上海付近の海域には数隻の商船の残骸があり、これらはすべて第二次大戦中に沈没した商船で、これらの残骸には爆発物が付着しているため、関係当局の引き揚げ作業は無期限に延期されている。
今こそ、海底鉱脈を開拓する時だ。




