0034 敵を確認
飛龍が低空で羽ばたき、内側に搭載された機銃が地上を掃射している。
この機関銃の構造はガトリング砲の回転式と同じだ。回転する過程でチェーンソーのような轟音を立てる。飛龍の翼の付け根はエンジンの逆噴射で、白鶴が羽を広げるような姿勢で空を斜めに滑る。そして機銃が打ち出す弾幕が地上を鞭打ち、地表にいるすべての人間を震え上がらせた。
建物に身を潜めた李三祥は砂まじりの痰を吐き捨てて罵った。「クソッタレ、ここは中東の戦場かよ!」
十数時間前、李三祥は盧安の異常さを感じ取っていた。一人の中学生がこのような災難に遭遇しながら、常識に反した行動をとっている。李三祥には、どこの国の中学生がこれほどの心理的資質を見せられるのか理解できなかった。
通りの向こうで身を縮めている白露を見て、李三祥の眉は無意識のうちにひそめられた。白露の動作はまるでチーターのように、常に壁角の影のエリアに身を潜めている。これが教師として備えるべき素養なのか?李三祥がどう見ても、白露は特殊工作員か殺し屋の類いに思えてならなかった。
今回の任務の状況によって、白露と盧安が日常で培った習慣がすべて露呈し、李三祥もそれを目の当たりにしていた。李三祥は心の中でつぶやいた。「竜虎潜伏といったところか。」
空から響くドラゴンの咆哮が、李三祥の思考を遮った。彼は笑いながら言った。「いずれみんな互いに知り合うことになるだろう。」
飛竜が嘶くのは、ミストーーパーソンの戦闘機が戦闘に参加したからだ。平べったい戦闘機が次々と後方のミストーーエリアから飛び出し、尾部から噴射される青い炎が隊列を組んで空を駆け抜ける。これは無人機だ——ミストーーパーソンの体格では、有人戦闘機はほぼ縁がない。
大量の無人戦闘機が戦場へ飛び、遠方の空へミサイルを発射する。ミサイルは無人機の弾倉から飛び出し、火の舌を引きずりながら遠くの標的へ高速で進む。これは超視程外攻撃だ。これらの無人戦闘機はステルス設計であり、ミサイルの標的は米軍の大型早期警戒機だ。
早期警戒機の周囲には、米軍のステルス戦闘機が護衛についている。両軍のステルス戦闘機は十数分後に遭遇し、その時、空では至近距離の空中格闘戦が繰り広げられる。
今、地上での混戦が始まった。
「ガチャン!」金属の重い槌と壁の強い衝突音とともに、背の高い霧の者が鋼鉄の銃床で飛竜の爆撃後の壊れた壁を叩き開ける。彼らは砕けたレンガを蹴り開け、百キロ余りの重さの機関銃を担ぎ、自走砲塔のように路地で掃射している。
百キロ余りの重さの機関銃が、彼らの手の中では木の枝のように軽い。機関銃の掃射とともに、薬莢がカチャカチャと落ちていく。
霧の人のこの機関銃弾は口径が12ミリメートルを超え、威力は非常に大きく、一発で簡単に数枚の壁を貫通する。ケブラーファイバー製ヘルメットは7.62ミリメートル口径の弾丸を防ぐことができるが、口径12ミリメートル以上の弾丸に対しては、現代の科学技術では対処できない。より強力な弾頭を防ぐには、ケブラー素材の厚さを増やすしかないが、これでは戦術的な価値が失われる。人間の兵士にはそれほどの体力がないからだ。
しかし、ミストーーマンは巨人であり、人間の及ばない身体能力を持っている。この市街戦では、熱狂的な信者たちが手にした突撃小銃で、路地に入ってくるミストーーマンに発砲するが、すぐに効果は現れない。これは、ミストーーマンが数メートルの高さの大盾を掲げているためだ。突撃小銃の弾丸は、大盾の数層の材料を引き裂いただけで盾に食い込み、貫通することはなく、さらにミストーーマンの防弾ベストーーのセラミックプレートが銃弾の衝撃を効果的に緩和する。
この市街戦では、人間の「矛」がミストーーマンの「鎧」に敗れた。ミストーーマンの鎧を打ち破るには、少なくとも重狙撃銃が必要だ。しかし、民間人はそのような武器を持っていない。
霧人は人間の「水鉄砲」に怒りを買ったようだ。霧人は盾を構え、重機関銃で交互に射撃しながら援護し、この小路から撤退した。
数十秒後、大きなドスンドスンという音とともに、空から次々と黒い影が通りに落下してきた。
200キロの弾薬、これは第二次世界大戦中に日本が真珠湾を奇襲した際の航空爆弾クラスだ。そして今、この重量級の砲弾を霧人は軽々と背負って前線に運んできた。彼らは巨大な箱を開け、ビールを手にするかのように巨大な砲弾を箱から取り出し、巨大な臼砲の砲身に詰め込んだ。
この技術は何も誇るべきものではない。人間もこのような巨大装備を作ることができるが、しかし人間は絶対にこれらのものを背負って廃墟を軽々と走り回ることはできず、この武器を運搬するには車両を使うしかない。人間がこの重量級の武器を組み立てるには、バールやレンチを使って二十分ほど作業しないと発砲できないが、ミストーーマンはこれらのものを背負って射撃陣地に到着し、五分の調整で発砲できる。同重量級の装備でも、ミストーーマンの手にかかれば圧倒的な機動性を持つ。
巨大な砲弾が次々と地面に落下し、爆発した大量の燃料が周囲の空気と混合した瞬間に爆燃を引き起こした。強力な衝撃波が街路全体を襲い、通り道のすべてを破壊した。ミストーーマンを悩ませていた市街戦は、こうして消え去った。
路地全体が衝撃波で完全に破壊された。家の中に隠れていた人々は、なだれ込んだ千度以上の高温で炭化するか、気圧の激しい変化で内臓を破裂させられた。巨大な爆発音がメンフィス中に響き渡った。
五百名以上の霧の人は、この都市においては一個機甲連隊にも匹敵する存在だ。装甲戦車なら彼らを殺せるかもしれないが、照準を合わせる前に、彼らが携行する個人用重火器——人間にとっては対艦重火器——によって木っ端微塵にされてしま宇田ろう。生体は機械体より常に柔軟だ。同体積であれば、霧の人が行える素早い反応は、人間の戦車には決して真似できない。
二キロ離れた場所にいるビーモントは、遠くの通りが霧の人に血祭りにあげられるのを見ていた。彼は隊に向かって言った。「空飛ぶコウモリどもは今、必死に俺たちを探しているぜ。」
牧師エスは言った。「はい、今は彼らの捨て駒が皆殺しになるのを待つべきでしょう。」
ビーモントは空を旋回する飛竜を見て、首を振りながら言った。「いや、彼らの捨て駒が霧の人に皆殺しにされるのを待てば、あの空飛ぶ雌ネズミの度胸はゴマ粒ほどに縮んでしま宇田ろう。今こそ、彼女が自ら私たちに会いに来る勇気がある時なのだ。」
女戦士キャロルは眉をひそめ、空を旋回している飛竜を指さして言った。「少し冒険しすぎではないか。」
「私たちはいずれ大規模な集団戦に直面することになる。これからの敵は、様々な連携が完備された小隊だ。血愛のような隊伍は、今後はなかなか得難いものになるだろう。」ビーモントの顔から笑みが消え、続けて言った。「これは送られてきた褒美だ。私たちはあらゆる機会を捉えて強くならなければ。」
ミストーーマンの砲弾が通りの半分を洗い流した後、李三祥と白露は地下駐車場に隠れていた。
今のこの戦争に、李三祥は冷や汗をかいた。彼は戦争を初めて目撃したのだ。平和な時代の人間は現代火薬の力を見たことがなく、ガスボンベやガソリンスタンドの爆発が、現代人が遭遇しうる最大の爆発だ。しかし、平和な時代の不慮の爆発はみな穏やかな軽い鼻歌であり、戦争の爆発だけが咆哮と言えるのだ。
地下駐車場で、李三祥の心臓は激しく鼓動していた。一方、傍らの白露が淡々と言った。「今回の任務はなかなかやりがいがあるわね。」
李三祥は白露を一瞥して言った。「俺がどうして知ってるんだよ。明らかにSF生物怪獣シリーズの展開だったのに、突然戦争映画になっちまったんだ。」
「そうだね、私もわからないよ。霧三のプロットスタイルがどうしてこんなに大きく方向転換したのか」と白露は振り返り、少し息を詰まらせている李三祥を見て言った。「この背後には、何か物語があるのかもしれないね。」
白露の前半の言葉を聞いて、李三祥は彼女が自分の選んだプロットが間違っていると文句を言っているのかと思った。うん、李三祥自身も確かにプロット選択を間違えたと思っている。そうでなければ、こんなに興奮したりはしなかっただろう。図星を指されて取り乱すものだからだ。白露の穏やかな表情を見て、李三祥はようやく彼女が自分を嘲笑しているわけではないと気づいた。
冷静さを取り戻した李三祥は、白露の顔に動じた様子が一切ないことに気づいた。こんな態度ができる人が、このような危険な状況で軽々しく仲間を嘲ったり皮肉ったりするはずがない……では、白露の真意は?
ちょうど李三祥が質問しようとしたとき、この地下駐車場がざわつき始めた。一群の人が乱入してきた。正確には、十数人の黒いローブを着た人々が七八十人の平民を連行して地下駐車場に押し寄せてきた。
平民たちは頭を抱え、非常におとなしく、一言も余計な反論を言わない。李三祥は、彼らは銃弾で説得されたのだろうと推測し、李三祥と白露は慌てて隠れた。
「しゃがめ!しゃがめ!祈りを捧げよう……」銃を持った黒いローブの人が言った。「今日は審判の日、主の民が帰還する日だ……」宗教的な意味合いが濃い宣言が、広い地下駐車場に響き渡る。
そしてその後、地面に跪いた人々も一斉に、彼らに続いて殺気立った宗教的言説を唱え始めた。しかし、震える口調から、これらの人々が脅迫による恐怖の中にあることが判断できる。
李三祥がこれは普通の宗教儀式だと考えたその時、銃を持ったこの集団は金属製の缶を次々と取り出した。よく耳を澄ますと、中からは不気味な「シューシュー」という音が聞こえてくる。
人々の恐怖の中、この黒衣の狂信者は歯をむき出しにして笑みを浮かべながら言った。「聖痕を受け入れよ。」
百メートル先で、缶の中の虫を見た白露の瞳孔がわずかに収縮した。そしてその後、白露と李三祥は元一からの緊急通信を受けた。
「ご注意ください!ご注意ください!このエリアに制御不能な侵入者が現れた疑いがあります。その場にいる傭兵は戦闘準備をしてください!これより、皆さんの戦功は戦時賞罰制度に基づいて評価されます。時空傭兵戦時情報通信支援システムが起動しました…」
元一零零は多くのことを話したが、李三祥は理解した。自分が選んだ任務はどうやら大変なことになったようだ。




