0344 それぞれに悩みがある
湯宏康は盧安が興味津々で取り出した計画書を見て、何か重要なものだと思った。しかし、湯宏康は最初の数ページをじっくりと読んで、困惑して尋ねた。「君、これは……冗談じゃないのか?」
盧安は言った。「これが私が将来やろうとしていることだ。知っての通り、この社会では一定の後ろ盾がないと、どんな商売も苛められやすい。」
湯宏康は盧安の言葉を遮って言った。「本当にこんなことで満足しているのか?」
盧安は湯宏康の驚きを無視して、続けた。「ゴミ廃品処理業界は利益が比較的小さいから、君は地元の部門にちょっと口を利いてくれるだけでいい、ついでに株を少し買っておけば、君に迷惑はかからないし、私も手間が省けるんだ。」
盧安の言葉が終わると、その場はしばらく静まり返った。湯宏康は理解できない表情で盧安を見つめ、盧安は微笑みを浮かべて応じた。
五秒後、盧安は淡々と言った。「君が見ていることは必ずしも真実ではない。表面上の親切は、実は裏に利益が隠れている。誰もが君の想像するほど単純ではない、人間はみな利己的なんだ。」
湯宏康は一瞬固まった。そして盧安は物憂げに言った。「ごめん、俺はようやく以前の環境から逃げ出してきたんだ。今、君から与えられた友情のためなら、本来なら君にすべてを話すべきなんだけど、でも自分の利益のためには、言えないんだ。」
「君は俺に何か隠しているのか?」
「実は、君にはそんなに友達はいないんだ。私でさえ、君にとって完全に心を許せる友達にはなれないんだよ。それに、私は血のつながった兄との間に情があるとは思っていないし、西のあの豪門と私に関係があるとも思っていない。」
湯宏康の思考は高速で回転した。彼は真剣な表情で盧安に尋ねた。「君は誰が私をここに連れてきたのか知っているのか?」
盧安は言った。「知っているよ。どうやって知ったかは、ごめん、これが私の利己的なところだ。」
「彼は君の敵なのか?」
「いいや、ただ彼と協力しても何のメリットもないんだ。そうだ、君が彼と一緒にいても、何の得にもならないと思うよ。」
湯宏康は立ち上がった。「分かりました、失礼します。」
盧安は湯宏康を呼び止めて言った。「そうだ、手伝いのこと、まだ承諾してくれてないじゃないか。」
湯宏康は尋ねた。「今、何をしているのか教えてもらえますか?」
盧安は首を振って言った。「説明できないが、大きな利益を得られるんだ。」
盧安の足元に電流が走ったが、盧安の体はわずかに震えただけだった。家庭用電源の漏電はかなり痛い。これは盧安がわざとやったことで、もし盧安が本当に超能フィールドを展開していれば、余計な操作は一切必要なく、湯宏康の超能フィールドは抑え込まれていただろう——五級が四級を抑えるのは極めて容易だ。しかし、盧安は自身の超能を完全に収縮させ、単なる試し打ちに過ぎないこの一撃を受け止めたのだ。
盧安が湯宏康を信じていないわけではない。ただ、湯宏康は自分の周囲の利益ネットワークについて、まだ明確な認識を持っていないのだ。
湯宏康は慌てて電流を切った。「すまない、君の超能力は失効していないと思っていたんだ。」
盧安は息を吸って言った。「超能力を持たない身分こそが、私にとって最大の保護だ。友人として言わせてもらうが、自分の核心的な利益に関わることは、そう簡単に気前よくなってはいけない。もちろん、私は君の友人ではあるが、親友ではない。将来的に私たちの利益が衝突する可能性もあるのだから。」
湯宏康は意味ありげに笑って言った。「君は私にずっと『自分はペテン師だ』と言い聞かせているように思えるが、そうだろう?」
盧安は説明した。「将来、私たちの間に利益衝突が起きないとは限らないからだ。私はとても利己的だから、場合によっては君の味方をする可能性はごくわずかだ。」
「利益か、お前の利益って一体何だ?」
「説明するのは難しい。もし俺がこのまま平穏無事に、静かに暮らしていけば、誰も俺の利益を侵害することはないだろう。」
「簡単なことだ。よし、俺は行く。お前が頼んだ件は承諾した。お前と話すのは、本当に骨が折れる。」
数分後、湯宏康は盧穹の車に戻った。
「どうやら、結果はかなり不満足だったようだな」と盧穹は言った。
湯宏康は盧穹を見て言った。「我々は楽しく話し合った。ただ、彼は超能力に興味を失い、ビジネスをやりたいと言って、私に手伝ってほしいそうだ。」
盧穹は非常に意外な表情を浮かべ、湯宏康は盧安から手に入れた資料を盧穹に放り投げた。
盧穹は資料をパラパラとめくった。ガチャリと音がして、椅子の金メッキの肘掛けが彼の手でへこんでしまった。盧穹は冷ややかに言った。「ゴミ拾いか!?彼はますます落ちぶれてしまったな…」
盧穹は微笑みを取り戻し、湯宏康に言った。「弟の幼稚な考えでお笑いぐさになりました。」
湯宏康は笑って言った。「いえいえ、約束しましたよ。彼のアイデアは素晴らしいと思いますし、彼とそんな会社を始めるのも悪くないでしょう。」
盧穹の表情はくるくると変わりながら言った。「まさか…冗談で言っているんじゃないですよね?」
湯宏康は真剣に言った。「本気です。」
虎部主催の超能交流大会が終了し、各勢力の参加者たちはそれぞれの陣営へと帰還していった。
龍部のメンバーは列車で北へ向かい、玄鳥部のメンバーは空港で専用機に搭乗し、一方で偷天部と蛇部は同じ埠頭でそれぞれ来る時に乗ってきた巨大な船に乗り込んだ。
高層ビルが立ち並ぶ都市では、2キロは非常に遠い距離だが、何もない海岸線の端では、2キロ離れて船体に標識が塗られたこの二隻の巨大な船は、互いの目にはひどく目障りに映っていた。
遠くにある蛇部所属の船が去っていくのを見つめながら、鐘鳴は拳を握りしめた。
この交流会で、鐘鳴はある人を憎むようになった。彼は忘れられなかった。自分が最も得意げになっているときに、寝巻きを着た狂った女にあっさり倒されてしまったことを。特に、相手が自分と同い年でありながら、すでにその境地を超えていると知り、自らを天才と自負していた鐘鳴は耐え難い打撃を受けたのだった。
群を抜く実力で心の円満を得て、閉関して修煉に励み突破し、出関するとちょうど新たな挑発者に遭遇し、再びその挑発者を完膚なきまでに打ちのめす……こうして永遠に同世代より一歩先を行き、同時代の天才たちが常に自分の絶え間ない勝利の後を付き従うように追いかけてくる――これはある種の文学作品における主人公のテンプレートだ。鐘鳴は、このテンプレートこそ自分にふさわしいものだと思っていた。しかし、鐘鳴は自分の運がとことん悪いと自覚している。彼は今、突破まであと一歩というところまで来ているのを感じているが、他の誰かにその小さな一歩で先を越され、他人をわずかに圧倒する天才の座を逃してしまったのだ。
鐘鳴にしてみれば、あと数ヶ月早ければ、寒澈より先に突破し、先に皆の注目を集められたはずだ。あと数ヶ月早ければ、淺空明子と遭遇した時に面子を失うのは淺空の方だった。鐘鳴は、自分はたった数ヶ月遅かっただけで、万衆の注目と称賛を浴びる唯一無二の最強天才という称号が、こうして自分の手から離れていったのだと思っている。鐘鳴は自分に対して、限りない惜しさと、限りない不満を感じている。
そして鐘鳴は、今突破したとしても、全球組の順位では必ず寒澈と淺空の後塵を拝することになるだろう、突破してもう一度戦い、かつそれに勝たない限りは、と考えている。
鐘鳴は自分の超能力が寒澈より強いと思っていた。なぜなら、トウティエン部内部の評価では、鐘鳴の超能力の攻撃力は寒澈より殺傷力が高いとされていたからだ——ほとんどすべての5級超能力ランキングは破壊力を優先して見ており、4級も同様である。
実は、淺空が鐘鳴を圧倒したのであり、鐘鳴が思っているような辛勝では決してなかった。淺空は鐘鳴にほんの少し懲戒を加えただけで、このことをまったく気にしていなかった。一方、宇田という蛇部の責任者は淺空に影響に注意するよう警告しに来て、トウティエン部が蛇部にかける圧力が大きいなどと苦言を呈した。淺空は苛立って空間ゲートを開き、宇田に「お引き取りください」というジェスチャーをした。
一人で自室に座っている淺空は、自分専用のタブレット端末を取り出し、暗号化フォルダを開いた。これは夏星瑞からもらったすべての能力者の写真とランク情報である。
夏星瑞はもともと渡したくなかったが、淺空は直接蛇部の資料と交換し、半ば脅迫調子で夏星瑞に口外しないよう要求した。双方は合意に達し、今回交換した資料は各々の所属組織に明かさず、自己使用に限ることとした。
淺空はタブレット端末を手に、上海の現行データベースにある全てのトップクラスの超能力者を何度も何度もくまなく調べた。しかし、淺空は眉をひそめた。自分が探している人物は、夏星瑞の提供したデータベースにはいないと考えたからだ。
淺空は不審に思い、独り言をつぶやいた。「まさか彼女、不完全な資料をよこしたのかしら?」
実のところ、この資料は最新のものだった。そして最新であるがゆえに、虎部のこの版のデータベースには、泥鰍という名のレベル4超能力者は全く存在しなかったのだ。
盧安の四級超能の消失は、虎部研究部門の汚点であり、黒歴史は決して表に出せないものである。盧安の超能が急落した後、虎部は迅速に超能者の名簿を更新した。
淺空は再び全員の名簿を注意深く確認し、超能者たちを逐一丁寧に比較し、数名の不審者に印をつけ、さらに数名の女性にも印をつけた。淺空は画像処理プログラムを開き、それらの女性に対して「髪を切る」処理を施し、自分の記憶にあるあの謎の人物のシルエットと比較しようとした。
一枚一枚の写真を見ながら、淺空は自分のポニーテールを握りしめ、苛立ちながらぼやいた。「一体誰なんだよ……」




