↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無窮重阻  作者: 核动力战列舰
PR
325/546

0323 ぼんやりとしている中で一歩

「有給休暇、二年?!」


 盧安(ルー・アン)は元一(ユエン・イー)からの自分の処遇を聞いて、頭の中にそんな言葉が浮かび、同時にこれには何か裏があるのではないかと考えた。ある疑い深い感情状態は心の中で思った。「私の元一(ユエン・イー)が、こんなに部下を気遣宇田(ウダ)ろうか?」


 2年間何の任務もしなくても、他の時空傭兵には多少の影響がある。なぜなら、任務世界に入って力を蓄積できないからだ。しかし、盧安(ルー・アン)にとっては影響がない。盧安(ルー・アン)が位置づける世界は、自身の超能力にマッチした世界だからだ。しかも主世界では、盧安(ルー・アン)の超能力は安定して急速に成長しており、2年後の無阻超能は、同時期の時空傭兵たちの中で当然ながら群を抜いている。そして重要なのは、盧安(ルー・アン)が何もしなくても、無阻超能は急速に成長し続けるということだ。


「しかし、これは常識にかなっているのか?」盧安(ルー・アン)は自問した。盧安(ルー・アン)は元一(ユエン・イー)に何度も陥れられすぎて、今は少しぼんやりしている。


 元一(ユエン・イー)の光幕には、続けて一連の報酬が表示された。


 まずは3つ目の戦利品スロットであり、しかも以前は自分が使えなかった戦利品がアンロックされた。これは良い報酬だ。なぜなら、盧安(ルー・アン)が輪廻者を討ち取って得た戦利品が多すぎて、問題はスロットが少なすぎて、使えないものが多かったからだ。今は3つの戦利品スロットがあり、以前よりも戦利品アイテムを1つ多く持ち運べる。


 元一(ユエン・イー)の不思議な采配により、盧安(ルー・アン)という小さな新兵は、わずか7つの任務の中で、他の時空越えシステムの時空越え者たちとの衝突を何度か経験した。非常に頻繁な衝突によって、盧安(ルー・アン)は想像できる限りの、使える限りの戦利品を、SFスタイルからマジックファンタジースタイルまで、東洋から西洋まで、中東の古代文明伝説の神器からアフリカ地域の上古文明の神秘的な神器まで、すべて鹵獲し尽くした……戦利品の数だけで言えば、盧安(ルー・アン)は同時期のあのベテラン時空傭兵たちに完全に匹敵する。だから時空傭兵にとって最も重要なのは権限なのだ。


 次の報酬は、任意の3つのタスクの権限と大量の功績ポイントだ。これらは今のところ重要ではない。現在、空間内はがらんとしており、多くのタスクを自由に選択できるため、大量の功績ポイントや権限を使ってタスク参加権を購入する必要はない。もちろん、騙されるのに懲りた盧安(ルー・アン)は、今はもう購入しようとは思わないだろう。


 報酬をまとめ終えると、次に話し合うべき別の事柄が出てきた。


 元一(ユエン・イー)は光幕にこう表示した。「あなたの生命体系には別のエネルギー体系が存在します。規則に従い、このエネルギー現象はすでにあなたの生命の成長に4ヶ月間付随しており、あなたの生命体系の一部となっています。保持しますか?」


 元一(ユエン・イー)の言うそれは、神降の儀式で得た能術体系のことだ(詳細は0314章参照)。盧安(ルー・アン)はためらうことなく答えた。「消去してくれ。」


 元一(ユエン・イー)の言葉はとても心地よく響く——「お前の生命体系の一部」というのは、つまり「保持しても構わない」という意味に聞こえ、非常に思いやり深く保持する理由を見つけてくれる。しかし、生命の一部であることが、その生命の特徴が環境に適していることを意味するわけではない。人類は環境に適応するために、どれほどの進化の過程を経てきたか。その結果、人間の遺伝子鎖には、起動できない無数の遺伝子が存在している。それはまさに、人類が現在の環境に適合するために行ってきた機能的な取捨選択なのだ。だから、様々な機能をすべて自分に取り付けてはいけない。むしろ、自分の置かれた環境を見極めなければならない。より良く生き抜くためには、環境に適合し、自分が常用するものを重視し、常用せず精力を大きく消耗するものを捨て去らなければならないのだ。


 一方、他の異世界転生系システムでは、あの楽観的な周回者たちは、ほとんどあらゆる力を自分の身に取り込もうとする。転生システムが止めなければ、彼らは天使と悪魔の血統が共に羽ばたき、魔法と気が百花繚乱するのを望んでいる。


 盧安(ルー・アン)から見れば、このような大量の力のロードは強そうに見えるが、瀕死のあがきの過程では、自分の生存率を高めるのには不利だ。なぜなら、ほとんどの力は同時に使えないからだ。獅子吼を使っているときは口で呪文を唱えられず、魔棒を振り回しているときは重剣を振り回せない。死にそうな時、体にあるどの力を使うか考えるよりも、どの時間、どの場所、どのような外援を求めるべきかを選ぶことの方が、自分の生存確率を高めるのにずっと役立つ。


 初代(ショダイ)支配者の養蠱場を目の当たりにした盧安(ルー・アン)は、複数の予演線を通じて、もがき苦しむとはどういうことかをはっきりと理解し、輪廻者が持つ力が自らの生存確率にどのような影響を与えるかも見抜いた。多重の力を持つ輪廻者が別の輪廻者と遭遇し、互いに戦わざるを得なくなった時、多能力を持つ輪廻者はまず我慢できずに自分の持つ能力を一通り使い、今ある特定の能力で戦局を直ちに覆そうとする。しかし、複数の時間線から見ると、彼の選択のほとんどは間違っているのだ。普段から多くの能力を持つことで培われた自信が、この輪廻者を慣性思考の束縛から抜け出せなくし、自分を弱者として位置づけることができず、そのため極めて状況判断を誤りやすい。しかし、もし輪廻者が能力を一つか二つしか持っていない場合、死に物狂いで足掻く時に、どの能力を選ぶかで注意を無駄に浪費せず、戦うか退くかの選択肢と、敵がいつ強く、いつ弱いかを考えることに集中できる。もし天の時、地の利、人の和がすべて自分に味方しているなら戦い、そうでなければ退いて、適切な時、適切な戦場、適切な支援を選び直すのだ。だから、自分が使える力を無限に積み込むことは、自身の対応能力の限界を無視することになり、死亡率はむしろ高まる。


 実のところ、元一(ユエン・イー)が今こうして自分をけしかけているのは、完全に盧安(ルー・アン)が二つの能力を扱えると見込んでおり、今後盧安(ルー・アン)に任務を与える際、より高魔な次元に放り込めるようにするためだ。そしてそのような結果を盧安(ルー・アン)は極力避けたいため、清算時に残りの力量体系を保存したくないのだ。


 今回の任務終了後、予演能力の成長の傍らで、盧安(ルー・アン)の遡及能力は質的に変化した。これにより盧安(ルー・アン)は以前にも増して死を恐れるようになった。


 高次元での取引により、初代(ショダイ)は現実の時間線を含む他の時間線上の盧安(ルー・アン)が死亡した後に遺したノードをすべて盧安(ルー・アン)に返還した。これらのノードが返還されると同時に、盧安(ルー・アン)のこれらの膨大な情報も返還された(第0321章参照)。


 これらの盧安(ルー・アン)が死に際に見せる、死に物狂いの記憶はあまりにも膨大で、盧安(ルー・アン)の炭素基盤の脳ではこれらの情報を受け取るのは難しい。そのため、初代(ショダイ)によって盧安(ルー・アン)の身契の高次元構造に押し込まれたのだ——実際には、それでも多くの情報が高次元構造に忘れ去られてしまった。そして、自分が巻き戻しを発動させると、これらの死の場面が潮のように遡ってくる。今では、盧安(ルー・アン)が何を巻き戻そうと、一部の情報は能術世界で輪廻者に斬り殺される場面として再現され、しかも異なるものだ。これは、さまざまな時間軸における盧安(ルー・アン)のあらゆる死に方なのだ。あの死に物狂いの後、自分で努力しても解決策が思いつかず、やけくそに反抗した記憶が、まるで蛇口が開かれたかのように、自分の脳裏に溢れている。


 現在、盧安(ルー・アン)が毎回遡行する際、ほぼ三分の一の情報はこれらの死亡再生である。そしてこの三分の一こそが、盧安(ルー・アン)の二つの使用方法の予演の割合なのである。第一の方法は遺伝子ロック式――各予演ラインを他の時間線における自己の生存の真実の反映として扱う。第二の方法は意志ロック式――ただ一つの現実の時間線を認め、次に多層の予演を分けて再帰を行い、現実におけるすべてのミスを可能な限り排除する。


 人類は進化の過程で、脳という周囲の環境情報を記憶する器官が発達する傾向にある。そしてすべての生命が脳を進化させる需要は、過去の危険情報の記録に由来し、未来に類似の状況に遭遇した際に再び右往左往しないようにするためである。脳のような記憶器官であれ、盧安(ルー・アン)の遡行能力の高次元における構造的基礎であれ、いずれも危険情報を記録するために生まれた。例えば、盧安(ルー・アン)は今、自分が過去に苦闘した様々な再放送を十分に感じ取っている。


 進化から見ると、記憶の出現は過去の良いことを覚えるためではなく、自分の生存に有利な情報を覚えるためだ。甘酸辛苦の記憶は、どの食べ物が食べられ、新鮮かどうかを判断するためであり、スリリングな記憶は、危険に直面した時に素早くもがきの状態に入るためだ。言い換えれば、教訓を汲み取るために、生命は記憶を進化させたのだ。


 盧安(ルー・アン)が巻き戻しを行うたびに、返ってくる情報は死の再生だけだ。なぜなら、死に際のもがきの時こそ、生命が最も真剣になる時だからだ。盧安(ルー・アン)の高次元での構造は限られているため、こうした情報だけが記録される。死のたびに、盧安(ルー・アン)が思うのは良い生活ではなく、「生きたい」ということなので、返信されるのはいつも死の再生の記憶なのだ。


 高次の視点から見ると、能術世界の盧安(ルー・アン)が大きな敷居を越えたのは、カンブリア紀の生命が複雑化において重要な一歩を踏み出したようなものだ。そして盧安(ルー・アン)自身の視点から見ると、身契の予行という重荷に加えて、もう一つ身契という重荷が増えた。


 このような重荷が普通の人間にのしかかれば、おそらく狂人を作り出すことになるだろうが、盧安(ルー・アン)はそれでも生き続けることを選んだ。このような背負いに比べれば、能術構造を除去した後に盧安(ルー・アン)から大量の知覚が消え去った喪失感など、取るに足らないものだった。


 高次元から見ると、盧安(ルー・アン)の身契の高次元構造の変化は、地球上に存在した生命に例えるなら、脳のない腔腸動物が原始的な魚類へと発展し始めるような変化に似ている。


 盧安(ルー・アン)は無知のままこの一歩を踏み出したが、今はそれが何を意味するのかわかっていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。