0321 去り際に必殺技を放つ
他人の時間、他人の精力、他人の財産を消費しながら、それに見合った答えを与えないのは、罪である。
ふと振り返ると、盧安はこの世界で長年にわたり、これほど多くのことを成し遂げてきた。この世界の歴史上の誰よりも多くのことを為したにもかかわらず、やはりこの世界に答えを提示することはできなかった。おそらく、盧安がこの世界を去った後、この世界に積み上げられた体系は、波に洗われる砂の城のように音を立てて崩れ去るのだろう。
計画経済を実現するための制度体系は、社会主義国家の管理手法にもなり得るし、資本寡頭が共同で国家を支配する手法にもなり得る。情報化の技術体系は、人民が相互に理想を交流し、中核的価値観を集約するための基盤にもなり得るし、反動的なメディアが発言権を拡大し、世論を操作する手段にもなり得る。これまでのところ、この世界の動きを掌握しているのは、依然として血統と金銭を核とした理念である。この世界に根深い貴族主義的統治思考が、盧安のあらゆる努力を、自らの支配を強固にする手段へと変えてしまっているのだ。
もし十分な時間があれば、盧安は徐々に変わっていただろう。しかし、輪廻者の介入により、盧安には時間がなくなった。
もし盧安にこの世界に対してまだ心残りがあるとすれば、それは自分がこの世界の十数年、さらには数百年の時間を無駄にしてしまったことだ。
この世界のすべての人々は歴史の輪廻の中でぐるぐる回り続けており、自分たちが歴史の悪循環に陥っていることに全く気づいていなかった。たとえ盧安が介入しなくても、この世界の歴史はおそらく循環し続けただろう。しかし盧安が介入したからこそ、盧安には責任が生じた。
盧安は、自分がこの世界に対して深い罪を負っていると考えている。自分の敷いた道が、他人の生命や財産を消耗するだけの行き止まりの道ではなく、後継者がいてさらに切り開き続ける道となって初めて、罪は償われるのだと。
そして今、一人の|演変《演変》士官が降臨した。未来には良くなる可能性がある。たとえほんのわずかな可能性でも、それが盧安を救済するのに十分なのだ。
もし可能であれば、盧安は盼明にこの世界の状況をきちんと説明するだろうが、この世界での盧安の評判はあまりにも悪名高く、そのようなことを不可能にしていた。
赫光を倒してから数十秒後、盼明は這い起き上がり、冷たく盧安を見ながら言った。「私の認識に基づいて、あなたに対する印象は非常に悪い。」盼明は高次元から転送されてきた、盧安の位面上の全行動に関する完全な情報を得ていなかったため、この時、盼明の盧安に対する認識は、自身がこの世界に生まれて得た情報に基づいている。
盧安はこれを聞くと、低い声で認めた。「この戦争の死、この世界でのあなたの両親の離別、そして帝然菲斯があなたのいる集団に対して行ったすべての抑圧的政策は私に関係している、ごめんなさい。」
「あなたはもうすぐ死ぬ。」盼明は促した。
盧安は今、体から大量出血している。元一が設置した帰還ルートに従って、盧安は確かにこの世界を去ろうとしている。
盧安は言った。「そうだ、もうすぐこの世界からおさらばだ。たぶん、今の私はこの世界ではとても醜いだろう。」
遠くから近づいてくる一群の黒い点を見ながら、盼明は言った。「誰かが迎えに来た、私は隠れる。」
「ちょっと待って、」盧安は盼明を呼び止めて言った。「ありがとう。四日後、この世界の情報ネットワークに最後のメッセージを残すつもりだ。」
十分後、大量のヘリコプターが着陸し、一人ひとりの軍人が現場の全てを封鎖し、同時に都市全体の全住民を制圧した。盼明は既に一般人の中に紛れ込んでいた。十代の少年である彼は疑われることはなかった。一方、腕や脚を失った盧安は緊急で病院に搬送された。盧安の打ち砕かれた太ももの付け根にはまだ鋼条が巻かれており、この戦闘の激しさを物語っていた。
帝国の皇帝フィックは大殿で全員を激しく罵った。このような国家高官に対する暗殺はあまりにも大胆不敵すぎる。
フィックや帝然菲斯の高官たちは、自分たちが実際には輪廻者の暗殺を招くことはないと知らなかったが、自分たちも重要な標的だと確信していた。彼らにしてみれば、敵には盧安を暗殺する理由があるから、自分たちを暗殺する理由もあるだろうと考えたのだ。
盧安の悲惨な様子は、これらの帝然菲斯の上層部を震撼させた。今回の暗殺事件は一見盧安だけを狙ったものに見えるが、この世界の歴史の流れを変えた。この戦争で、帝然菲斯上層部は基本的に公の場に姿を現さなくなり、厳重な警護に隠れて、もはや末端の状況を見る機会もなくなるだろう。
帝然菲斯だけでなく、暗殺による影響は世界的なものである。帝然菲斯はただ打たれるだけで手をこまねいていることはなく、まるで地球の21世紀にある国に核爆弾が落とされたら、他国から核爆弾を投下される結果を考慮しなければならないのと同じである。帝然菲スで暗殺が起きたのだから、帝然菲スも他国に報復するだろう。
世界的に双方の上層部を狙った暗殺が活発化する時期が始まった。戦争中、すべての貴族は幾重もの護衛の中に身を隠し、貴族と平民の間には鉄のカーテンが下りることになる。輪廻者たちの無心の刃はこの世界に深く突き刺さったが、最後の一歩が足りなかった。
二日後、盧安は病床に横たわり、体の各部位が急速に老化していた。これは元一への帰還の手配によるものだ。
一方、盧安の意識は、もはや完全にはこの世界の肉体にはなく、その大部分はすでに元一空間へと戻っていた。盧安はその回収の全過程をはっきりと感じ取ることができた。盧安の視点では、一部の予演で時空トンネルを移動する自分が見え、また別の予演では、元一空間に戻った後の自分の肉体が見えていた。
この現象が生じるのは、他の輪廻者に比べて、この時の盧安は高次元での情報量が非常に膨大であるからだ。元一はそれを回収するのに、どうしてもゆっくりと進めざるを得ない。
能術世界で、盧安の病床のそばに英洛卡が座っている。盧安の古い友人として、英洛卡は幾分悲しみを帯びているが、しかし話題は結局、現在の情勢に移っていった。
英洛卡が尋ねる。「古い友よ、今、軍の勢力がますます大きくなっているが、我々は彼らの圧力の下で何をすべきか教えてくれないか?」
すると盧安は弱々しく笑いながら言った。「君の視点は相変わらず狭いね。これは変革の時代だ。君が今頼りにし、しっかりと握りしめているものは、未来には負担になるかもしれない。」
英洛卡はやや不満げに問い返す。「君の言いたいことは、我々に軍が権力を得るのを放任しろということか?!」彼の顔には「友よ、真面目に答えてくれないのか」という不快感が色濃く浮かんでいる。
盧安は弱々しく言った。「未来など誰に定められよう?全身鎧をまとった二人の騎士が橋の上で出会う。狭い道で鉢合わせすれば、己の名誉のために戦うしかない。彼らは手にした剣を握りしめ、鎧の紐を締め直し、剣と鎧で相手を譲らせようとする。しかし、彼らは足元の橋の気持ちを考えたことがあるだろうか?いったん橋が崩れ落ち、彼らが水中に落ちれば、これらの重厚な鎧や武器は何の意味があるのか?」
英洛卡は考え込む表情を見せ、続いて信じられないといった顔をし、それから低声で尋ねた。「つまり、帝然菲斯が敗北するということか?」
盧安はうなずいた。「そうだ、私の遭遇のせいで、皆が道を見なくなり、道はますます狭くなっている。」
「君の見立てでは、帝然菲斯はあとどれくらい持ちこたえられる?」
「道を見ていないのは、帝然菲斯だけではない。この世界の戦争がここまで激しくなれば、貝帆、金瑞……一体誰が道を見ているだろうか?」
英洛卡が去った後、盧安は病床から起き上がり、四台のコンピューターを取り出してネットワークに接続し、暗号化されたネット空間にログインした。
盧安は導力システムで素早く文字を入力し、同時に他のコンピューターで国家内部サイトを開き、いくつかのデータをコピー&ペーストーーした。
盧安は一時間に一万字のペースで一冊の本を編纂していた。この本は上下巻に分かれており、それぞれ『資本論』と『共産党宣言』である。
この二冊の、既に地球の、そして間もなくこの世界の大作となるものについて、盧安は前世の知識をそのまま写したわけではなく、帝然菲斯での各生産部門での十数年にわたる見聞や、ブルジョアジーと王権の所業を結びつけ、この思想を論じている。
上巻『資本論』は、この世界の歴史を引用し、金銭欲に支配された世界の概況と、人類文明発展の理想が多くの金銭欲の短期目標と一致する資本主義の上昇期を論述している。しかし、金銭欲と発展の理想は最終的に異なる目標を持つ。上巻は、両者が分岐するとき、この金銭欲に支配された社会に一連の弊害が現れることを明らかにする。
そして下巻『共産党宣言』は、社会弊害が改良不可能になったとき、いかなる利益階級が人類社会の統治権を引き継ぐかを明らかにする。新しい統治階級が遵守すべき約束と条例は、社会が無限ループに陥るのを避けるために何か。
盧安は今では理解している。地球上の馬克思がなぜヨーロッパ各国政府から追放されたのかを。馬克思自身は労働者階級とは言えず、実際にはブルジョワジー出身だったが、ブルジョワジーにあまりにも精通していたため、資本による社会調整の最終的な弊害を明確に暴くことができたのだ。もし彼のこの本がなければ、底辺の労働者階級は上層部のあの厄介な仕組みを全く知らなかっただろう。下層が上層の幕の後ろの統治手段を理解したとき、上流社会はもはや下層に対して神秘を保てなくなり、それゆえ下層に革命を決意する種が蒔かれたのだ。
利益のためなら、資本家は何だってやりかねない。利益と道義が矛盾するとき、資本家はまず利益を優先する。「アメリカのイラク侵攻が中東に民主主義をもたらしたのは、自由な価格決定権のためではない」という嘘は、地球の二十一世紀にはもう誰も騙されない。なぜなら、イラク国民の生存環境問題――この最も基本的な道義的問題こそ、アメリカが生み出したものだからだ。そして『資本論』が登場して以来、ブルジョワ階級がどう取り繕い、どう世論を操作しようとも、もはや言い逃れはできなくなった。
《共産党宣言》は赤裸々に宣言している。生産力が一定の程度に達した時、社会は私人が主要な生産手段を掌握する必要がなくなる。世界はすでに工業と知識の蓄積を完了し、金銭で社会のすべてを制御する欲望は不要であり、民衆の中の少数を駆使して創造性を発揮させ、技術を研究させる必要もない。事実、個人の能力がどれほど天才的であっても、社会システムの支えがなければ、複雑な科学技術のさらなる発展を推進することは難しく、ただ全人類が結束してこそ、発展を続けられるのである。そのため、未来の生産力の下では、生産手段を私産と化す階級はより先進的な生産力の発展を推進できず、生産手段の使用者である――労働者が生産力の進歩を推進する重任を引き継ぐことになる。人類の発展に必要なもの、必要とされるものだけが生き残れる。これは、現在この世界で金融の権杖を掌握する者たちが、自らの天命で高貴だと称する統治権を譲り渡すことができると赤裸々に宣言しているのである。
この二つの大作を書き終えた後、盧安は自分のIDを使って政府公共ネットワークの全メンバーに一斉送信し、同時に実名でネット上に公開した。
盧安は理解していた、この本は必ずや封殺され、禁書になるだろうと。しかし、思想は一度生まれれば、消えることはない。思想の最大の担い手は紙でもなければ、磁気ディスクでもなく、思考する人間なのだ。
この二つの大作は盧安のこの世界での幕引きの曲であり、この世界での自身のすべての行いを贖う方法でもあった。そう、盧安はこの世界で、この世界の利益集団によって、自身の道徳規範に反する多くのことを強いられてきた。そして今、これらの過去に道徳に背いた行いは、最後の行為をもって補完され、すべてに合理的な答えが与えられた——この世界の人々のために、上流社会の神秘のベールを引き剥がしたのだ。
救済者が盧安に手を差し伸べたとき、盧安も精一杯手を差し伸べていた。




