0316 唯一のチャンス
この世界の流行りのネット小説では、戦意の高い主人公は、ある期間は往々にして一つの邪悪な勢力にしか直面しない。その邪悪な勢力を倒して初めて、より大きな邪悪な勢力が現れ、そして主人公がまたその邪悪な勢力を倒す……邪悪な勢力はこうして次々と死にに来て、主人公が最終的な邪悪な勢力を倒すまで続く。主人公は終始戦意が高く、一路高歌猛進で圧倒する。
暇な時に盧安も予演中にこの世界のネット小説を覗いて暇つぶしをする。盧安はその中の主人公たちをとても羨ましく思う。なぜなら彼らは剣先を一人の敵に向ければいいだけだが、盧安は同時に多くの敵の脅威に直面しなければならないからだ。
盧安は帝然菲斯の高層を務めた後、軍部に対応しなければならず、皇権にも対応しなければならず、国内状況にも国際情勢にも対応しなければならない……今は、高次元からの輪廻者のチームの標的にも対応しなければならない。多連合状態の盧安は、海上戦艦のフェーズドアレイレーダーがあらゆるミサイルと敵機をロックオンするように、現在自分と利害が衝突するすべての敵をロックオンし、将来利害関係によって敵になり得るすべての者をロックオンする。そして、盧安はどの相手に対してもミスを犯すことができず、さもなければ引き起こされる間違いは雪だるま式に拡大し、最終的には盧安を絶境に陥れる。
盧安は少し疲れた。この世界に来てから、自分と共通の利益を持つのは李三祥と白露だけだった。しかし今、その二人は元一空間に戻り、盧安だけが一人ぼっちでこの自分に属さない世界に立ち向かっている。
英洛卡を送り出した後、盧安は書類を片付けた。その書類は大量の自動化工場の建設に関するものだった。盧安が工場の人員を準備している間に、工場設備もすでに生産され、設置が完了していた。ディ藍菲スはいずれ滅びる運命にあるが、盧安はディ藍菲スがこんなに早く衰退するのを許すわけにはいかなかった。
書類を片付けた後、盧安は軍の戦闘諮問を開いた。ある文書に、北方遊撃隊におけるシールドブレードの神出鬼没な超限戦が詳細に記されているのを見て、盧安はつぶやいた。「動きが大きいな、何か起ころうとしているのか?」
超限戦は非常に複雑な体系だが、盧安はディ藍菲スの戦争能力を損なう戦闘をすべて超限戦と総称している。最近の戦報には、ディ藍菲ス上層部が頭を悩ませている次の事実が記されていた。
一、ダンテダムが爆破されて崩壊し、川の水が下流の広大な農地を水没させた。
二、カラス市で疫病が発生し、調査の結果、水道局が市内に供給する主要水道管に生物兵器が投げ込まれたことが判明した。
三、正体不明の勢力によるラジオ放送局が夜間に様々な文芸作品や物語を流し、ディランフィスの多くの工場の生産に悪影響を及ぼした。
文学作品は平和な時代には大した問題ではない。しかし、この労働のプレッシャーが大きな戦時環境下では、労働者にくつろぎを促し、個人の生活を第一に、仕事を後回しにするように仕向けることは、まさに消極的な戦意阻喪に他ならない。すべての工場は増産体制をしいているこの時こそ、国家が最も人民の高い士気による効率的な生産維持を必要としているのだ。平和な時代であれば、こうした士気をくじく話題について議論しても大したことはない。やる気がなければ代わりはいくらでもいる。だが戦時下ではそうはいかない。
これこそが超限戦である。戦争が始まれば、いわゆる後方や前方は存在しない。民間人であれ軍人であれ、戦争の脅威にさらされ、様々な形の妨害や攻撃を受ける。
テロリズム危機、環境悪化危機、生物化学兵器危機を経験した後、地球の二十二世紀の人々は基本的に超限戦が何かを知っており、全体的な視点から戦争を考えることができる。しかし、地球の二十一世紀の大多数の人々にとって、戦争への理解は依然として一線級の武器装備の比べ合いに留まっており、各国の兵器システムのパラメータを比較することに熱中し、戦争をシステムとして全く見なしていない。これが遅れた思考である。
古い考え方で新しい環境を見ると、必ず痛い代償を払うことになる。例えば、唐末の士族たちは天下大乱の理解が漢朝のまま停滞していた。なぜなら、漢末ではたとえ餓死者が満ちていても、良好な荘園を掌握する士族たちは生き残ることができたからだ。しかし、生産力の進歩に伴い、鉄鋼精錬技術が向上し、鉄製農具や工具が普及し、唐末の農民反乱軍の破壊力は質的に向上し、士族たちの荘園はもはや安全ではなくなった。唐末の士族たちは天下大乱に対してまだ古い考え方を持っていたため、痛い代償を払った——黃巢の反乱軍による掃討の後、これらの荘園は草一本も残らなかった。
例えば、大英帝国の植民地時代には、現地の部族は槍を使う程度で、爆薬を買えるはずもなかった。当時のアフリカ先住民が爆発物を入手する困難さは、地球の21世紀に中東やアフリカの勢力が全窒素爆薬を入手しようとするのと同じくらい困難だった。しかし、地球の21世紀の工業製品は安価で、窒素を含む化学製品は肥料の名目で輸入し、それから爆薬を作ることができる。基礎工業を持たない勢力が引き起こせる破壊力は、数十年前よりもはるかに恐ろしい。なぜなら、世界のいくつかの工業大国からの工業物資の輸出が、世界中の他の勢力に工業消費の基盤を築いているからだ。中東の武装勢力は、鋼管や化学用品を使ってロケット弾を作り、溶接したガスボンベで威力の大きい砲弾を製造できる。
地球の19世紀には、「後装銃の時代に革命なし」という言葉が広まり、各国が軍事兵器の優位性に絶対的な自信を持っていたことを示している。しかし、地球の21世紀には、技術的優位性がより強い超大国が、テロリストーーのさまざまな破壊技術に対して自信を失っている。地球の22世紀がちょうど到来した時、軍事家がもし戦争が勃発すれば、人類に耐え難い代償をもたらすと予言した。
今や盧安は、軍事面において帝然菲斯軍がどこまで進軍したか、敵の無人機をどれだけ撃墜したか、何発のミサイルを投下したか、爆撃機が精密爆撃を何回完了したかなど、全く気にしていなかった。そんなことは無意味だからだ。軍が「もうすぐだ、もうすぐ勝利だ」と言うのを、盧安は何度耳にしたかわからない。確かに軍は貝帆へと向かう輸送船団を遮断し、ミサイルで貝帆艦隊を北西大陸の海岸線から追い払った。しかし盾刃国内では今なお、帝然菲斯軍の戦力が消耗され続けている。帝然菲ス軍部が、貝帆の支援を受ける盾刃をここ数年で平定しようなどと……盧安は、それはあまりにも純粋で世間知らずだとしか思えなかった。
盧安は軍事状況にずっと注目していたが、軍内部の煩わしい問題には一切関与しなかった。なぜなら、この時点で大部分の戦役の勝利は戦略的な勝利には全く意味を持たなかったからだ。盧安はこの戦争を全体的な視点で見ていた。軍が敵のディ藍菲ス軍への脅威を排除できないことは、ディ藍菲スに財力と人力を消耗させるだけであり、それらの占領地はディ藍菲スにとってずっと負の資産であり続けるだろう。
しかし、この時盧安がメールの状況を確認すると、何か異常があると感じた。これらの超限戦が引き起こす破壊が最近、ディ藍菲スの複数の場所で頻繁に発生しており、何か大きな作戦のための隠れ蓑をしているように思えたからだ。
超限戦はこの世界にとって、新しい戦争の形態である。この位面で突然、この新しい戦争概念を熟练に使いこなしているのは、必ず輪廻者の関与があるからだ。
地上の戦争技術と戦争思考の反復進化は確かに速いものだ。単純な特殊部隊の戦術や狙撃手の戦術は、数十年の間に極めて急速に変革されたが、それらはすべて無から生まれたわけではなく、第二次世界大戦終結後、各地の地域紛争の中で総括されてきたものだ。この時代に突然このような成熟した先進的な戦術が用いられ、しかも何の総括もないということは、明らかにこの時代の人々をはるかに超えた者たちが、この時代の兵士たちを訓練したことを示している。
そしてこの戦争方式の頻繁な運用が、もし何か最終的な行動目標のための隠れ蓑だとすれば、盧安には自分よりも価値のある標的は思いつかなかった。
盧安は自分の旅程を調べ直し、心の中で密かに思った、「もうすぐ来るのか…」と。
予行演習で顔を上げた盧安は、高高度で待機する膨大な数の飛行武装を確認した。この数カ月で盧安は超能力構造武装の製造を再開していたが、素材が紙から、機械工場でどこにでも見られる金属片やプラスチックなどに変わっただけだ。そして盧安の鼻腔と口腔内の導力ネットワークが作り出す、無阻膜空泡配列構造のチップもここ数カ月で最適化を進めていた。無数の能力のラインが盧安の周囲を取り巻き、新たに得た力に習熟しているかを確認する。初代穿越システムが生み出す高圧的な環境に備え、盧安はずっと切り札を蓄え続けていた。
戦闘が間もなく始まると確信した時、来たる戦いにずっと緊張を強いられていた盧安は、かえってほっと胸を撫で下ろした。
四百キロ離れたミンコ市、とある田舎の別荘で、全員が三階梯の輪廻者のある小隊メンバーたちは、一枚の地図を見つめている。
このマップはオートバイを生産する自動化工場のマップだ。この轮回者チームは、テレパシーなどの手段を用いて、ディランフィス人の口から、盧安が四日後、つまり任務期限の最終日に必ずこの場所に現れることを突き止めた。
このチームの隊長は言った。「ターゲットのスケジュールは確認できたが、我々のスパイも他のチームにテレパシーで操られてしまった。つまり、他のチームもこのターゲットを狙っているということだ。」
「今、我々の前には大きな利益があるが、リスクも非常に大きい。我々の最も重要な任務は、手柄を横取りしようとするチームを阻止しつつ、ターゲットを逃さないことだ。」
その後、このチームの隊長は手際よく任務の配置を始めた。
ミンコ市から四十キロ離れた場所で、同じく三階級のみで構成された別の轮回者チームも、手柄の奪取方法について人員を割り振っていた。
利益が大きければ大きいほど、リスクも大きくなる。そして利益が大きいほど、それに挑もうとする者も増える。初代が盧安に課したこの任務のS級報酬は、天地創造の初めに由来する神器か、あるいは古代の神々の力の継承かもしれない。しかし、報酬が何であれ、その報酬に含まれる力は、三階の輪廻者だけで構成されたチームにとって、最終任務で四階の強豪チームと対峙する際の唯一の生存のチャンスである。




