↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無窮重阻  作者: 核动力战列舰
PR
313/546

0311 この次元の奇妙な現象

 盧安(ルー・アン)はディランフィスの極秘の特殊生物医薬基地に足を踏み入れた。


 この基地の設備条件は非常に優れており、資金の消費も非常に恐ろしいほどだ。試験区域では、幾重もの消毒手順を経てようやく防護服を着て実験区域に入ることができる。試験区域から出る時は、防護服を必ず焼却炉に投げ入れて焼却しなければならない。防護服の消耗だけを見ても、この実験室がどれほどの金食い虫かがわかる。


 そしてここでは、禁断の技術研究も集中的に行われている。バカラとシールドブレードの実験データを収集し、ディランフィスの最先端の遺伝子編集技術を大規模に使用した後、特殊な品種の獣がこの実験室の隔離区域で飼育されている。ガラス越しに、盧安(ルー・アン)はいくつかの軌跡に記録されている魔獣を見ることができる。見た目は魔獣のようだが、実際には体内に能術ラインが埋め込まれている。


 今や人類がこの星で築き上げた繁栄は、古代の魔法時代に匹敵しようとしている。これまでのところ、既存の科学技術をもってしても、盧安(ルー・アン)は能術というものに対して依然として浅薄な認識しか持っていない。能術現象は何か特殊な物質の仕業ではなく、この世界の様々な元素は地球と同じだが、むしろ地球上の元素と一致するすべての粒子のうち、不安定な部分が存在する。これらの不安定な部分は特定の粒子に固定されているわけではなく、例えば純鉄の場合、ごくわずかな鉄元素が奇妙な跳躍現象を起こすことがある。一握りの土であれば、ごくわずかな原子がこの跳躍現象に陥る。盧安(ルー・アン)は現在の限られた知識量から、簡易に推測するしかないが、これは一種の強い量子もつれ現象のようだ。


 この惑星では、この現象はマクロ的に見て常識外れと思える現象を引き起こす。例えば、大量の水素ガスが自発的に温度を維持するなどだ。地球の条件では、水素は核反応を起こす条件を備えていない。しかしこの惑星では、極めて少数の水素原子が遷移状態に入る。この確率に従えば、4つの水素原子が同時に突然このような高エネルギー状態になり、かつ互いに十分近ければ、極小規模の核融合が発生する。もちろん、この程度のエネルギーでは、水素ガス全体に点火することは到底できない。


 記録によれば、上古時代の秘術使いたちはこの現象を観察し、天地万物にエネルギーが存在すると考えていた。通常の物質におけるこの現象は、各原子に均等な確率で現れるが、生命の存在によってこのエネルギー遷移現象が特定の領域に集中して発生するようになる。上古の秘術師の資料によると、おそらく遠い昔、すなわち上古時代には、この世界の物質は現在よりも活発だったが、それでも物質に固有のこの現象を集中的に爆発させ、無から膨大なエネルギーを得ることは極めて困難だった。


 古代の奥術師たちの記録によれば、古代の魔獣、例えばドラゴンの施法器官は結晶体であり、この遷移現象は結晶体内部の領域で集中的に発生する。この遷移現象が集中すると、ちょうど綿のような構造を形成し、ドラゴンが全力でエネルギーを解放する際には、稲妻のようにひらめき揺らめくこの綿状の構造がますますはっきりと現れる。魔法を解放していない時には、この綿は綿菓子が水中に溶け込むように結晶体の中で消え去る。


 これらの資料は、現代の能術の基礎を築き、上古では神霊、奥術、魂などの他の理論の基礎を築いた。上古の奥術師の認識では、物質中で何もないところからエネルギーが発生するこの現象は、魂の呼びかけにのみ従って制御可能になる。上古の奥術師の記録では、いわゆる魂の火とは、ある物質領域に集中して爆発するエネルギー現象である。思考や感情の影響を受け、それによって変化する。奥術師が魂を定義する指標は、エネルギー物質構造においてこのような秩序ある遷移現象が発生するかどうかである。


 これらの秘術師の定義によれば、彼らが製作した多くの魔法人形の思考を収容するプログラムの結晶核において、物質のこのような遷移現象が集まっていることは、魂が存在し、魂がまだ散逸していないことを意味する。もちろん、秘術師の目には、全世界が魂を持っていると映る。なぜならこの世界では、小さなスケールで見れば、例えば小さな石の中のすべての粒子が起こす高エネルギー遷移現象は非常に安定しているはずだが、視野を広大な領域に拡大すると、大きなスケールでの波動を発見できるからだ。これは気圧のようなもので、室内に立っていては気圧の変動を感じ取れないが、中国全土ほどの広大な場所では、各地の気圧は異なり、それぞれの地域で変動している。この全世界的な物質の秩序立った遷移の波動は、秘術師たちによって、神の意志が世界を覆っていると定義されている。


 現在は古代とは異なり、物質の特異な遷移現象はすでに非常に弱まっている。古代の奥術師もすでに能術師へと退化し、神々はもはや自らの意志を信徒の意識に投影することができなくなった。しかし、奥術師たちが残した概念は依然として能術師たちに継承されている。


 その一つが、混沌、中立、秩序の概念である。これは生命の物質体系が三つの発展方向へ向かうことを説明するものである。


 これら三つの概念を説明する際に、まず地球のようなこの現象の影響を受けない空白対照を例に挙げる。


 地球上では、すべての生命が支配する事物には発展過程があり、最初の簡潔さから、大量の誤りを経て、試行錯誤を繰り返し、最終的に最も適した複雑な道へと向かう。


 遺伝子とはそういうもので、小さなネズミの遺伝子と人間の遺伝子は99パーセント似ています。これは、ネズミの遺伝子の99パーセントは人間にも存在する一方で、人間にはネズミにはない遺伝子が多くあるということです。ネズミと人間には共通の祖先がいますが、ネズミは足踏み状態にあるのに対し、人間は進化の中で急速に発展しました。


 しかし、人類の進化に誤った道がないわけではありません。サル、類人猿、ヒトだけでも、数多くの種の分岐が存在します。現在の人類の遺伝子鎖のうち、生命活動においてタンパク質生成に積極的に関与しているのはごく一部であり、大部分の遺伝子鎖は休眠状態にあります。これらの遺伝子は時に一代限りで活性化し、人体に尻尾が生えたり、体毛が異常に濃くなるといった先祖返りの現象を引き起こすことがあります。つまり、地球上の人類の遺伝子には、膨大な種の情報が同時に保存されているのです。


 地球上の生命がこの世界に来ると、この世界の粒子の異常な遷移現象の影響を受け、三つの方向性がある。


 混乱へ向かうと、大量の遺伝子が活性化し、狂ったように先祖返りし、内部で衝突と崩壊を起こす。秩序ある他の遺伝子を絶えず取り込むことで、さらに壊れ続けるしかない。


 秩序へ向かうと、活性化した遺伝子の中から最も活発な遺伝子だけを選び、不活性な遺伝子は終了する。活発な遺伝子は絶えず強調され、例えば脇臭を表現する遺伝子は猿の時代には人類の祖先が匂いでコミュニケーションを取る手段だったが、今では無用な遺伝子として削除される。人間型の種が秩序へ向かうと、その生命の遺伝子鎖は地球上の人類よりもずっと短くなる。


 混乱と秩序の現象は、遺伝子という生命を主導する体系に現れるだけではない。この世界のいわゆる魂の現象においても、それは見られるのだ。


 混乱とは、既存の存在に基づいて無秩序な追求を続けることである。一つの円が混乱に従って発展すると、それは無数の小さな円となり、小さな円はさらに小さな円へと変わり、最終的には無数の点となる。一方、秩序に従って発展すると、その円はますます大きくなり、極端へと向かって発展していく。正常な人の意識は様々な欲望を抑制し、主要な欲望を確保するが、混乱現象は様々な欲望が制限なく爆発する状態である。秩序はもう一つの極端であり、正常な人が様々な欲望を抑制するのに対し、秩序は唯一の欲望だけを保持し、その他の考えをすべて排除してしまう。彼らが特定の神を信奉することを選んだとき、ますます執拗に一つの欲望を保つようになる。これが、この世界の物質跳躍現象が単極化し、崩壊へと向かうことによる、すべての生命への影響である。


 しかし、別の角度から見れば、混沌であれ秩序であれ、本質的には何も新しいものは生まれていない。


 混乱とは、自分の体系にある古いものをすべて引っ張り出して、絶えず衝突させ、そして崩壊させることに過ぎない。混乱にして善なるものは、溢れ出る聖母のような心であり、混乱にして悪なるものは、敵も味方も関係なく狂ったように破壊することである。一方、秩序とは、自分の体系の中で現在あまり使われていないものをすべて捨て去り、自分が有用と思うものだけを追求し、それを極限まで高めることに過ぎない。秩序にして善なるものは、教徒のように自分の道徳基準を追い求め、他人の気持ちを考えず理解しようとしないことであり、秩序にして悪なるものは、悪魔のようにひたすら悪の体系を追い求めることである。たとえば部屋のようなものだ。部屋の中のものをどれだけひっくり返して混乱させようと、あるいは部屋の中のものを全部捨ててガランとして唯一つだけ残そうと、部屋には最初から最後まで新しいものは何も入ってこないのだ。


 この世界の混沌と秩序の敵は、盧安(ルー・アン)にとっては恐ろしくない、なぜなら彼らは定数だからだ。今盧安(ルー・アン)が直面しようとしている恐ろしい敵——輪廻者たちは、やや神経質で一見混乱しているように見えるが、盧安(ルー・アン)の予知の視点では、彼らは常に新たな可能性を噴出している。これらの新たに噴出した可能性を整理しなければ、彼らはとても混乱して見える、いわゆる心魔の劫である(初代(ショダイ)は彼らに整理する時間を与えず、四階心魔大劫が一斉に爆発するのを待つ)。しかし実際には、これらの輪廻者の混乱は、この世界の混沌陣営の混乱とは本質的に異なっている。この世界の混沌陣営は、既存の古いものを絶えず引っ張り出して互いに衝突させ、新たなものが入ってこない。一方、初代(ショダイ)が投入したこれらの輪廻者は、人格が絶えず新しい考えを派生させ、旧人格と衝突しているのだ。


 初代(ショダイ)の任務と、輪廻者の戦闘力の強大さゆえに、盧安(ルー・アン)は自身の力に不満を覚えた——減少した無阻超能は、輪廻者たちの能力と比べるとはるかに弱かった。そこで盧安(ルー・アン)はこの次元から、それに対抗できる力をできる限り得ようと決意した。


 そして神降は、盧安(ルー・アン)の数少ない選択肢の一つだった。力を得る過程で副作用をできるだけ回避するために、盧安(ルー・アン)は今ようやくこの世界を理解し始め、この世界の能術力体系の前世今生を理解し始めたのだ。


 帝然菲斯と他国の神降ろし計画は異なる。例えばバカラ黒弓組織のプロジェクトは秩序ルートを辿り、単一で強力な能術戦士を製造する。一方、前回の戦争で帝然菲斯側は混沌ルートを辿り、実験体に混沌能術の生命細胞を注入した。この力を注入された生命体は、混沌の中で虚無に変じないよう、絶えず貪り食い、混沌の力が十分なものを破壊するのを維持しなければならない。


 このようなものを人体に注入すると、細胞は急速に分化し、遺伝子は急速に変異する。この変化を制御しなければ人体は怪物と化すが、この分化を制御すれば、体の多くの部位が誤った遺伝子を放棄し、回復力と爆発力が非常に高まる。


 これは悪魔であり、しかも量産型だ。これらの体内に鋼釘、機械拘束システム、および頭部に電気刺激リングを埋め込まれた悪魔戦士は、連携して戦うように訓練される。


 これがこの地下基地の悪魔生産実験室で生産された悪魔戦士だ。盧安(ルー・アン)は生命維持ポッドに浸かる悪魔を見て、思わず息を呑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。