0309 収穫
未知こそが最も人を恐怖させる。生き延びた後の幸運と、熟考した後の後悔が、盧安のすべての感情状態を前例のない緊張状態に陥れている。
この時、盧安のすべての感情状態ははるかに厳粛になり、プレッシャーの中で生存の方法を模索している。
生命は危機に直面したときに変革を遂げることができる。これが生命の本質であり、この本質を持たない生命は死体と化す。次元の高低を問わず同じことだ。カンブリア紀の生命大爆発の時期は、生命にとって決して気候が安定した時期ではなかった。そして第四紀の繁栄も、氷期と間氷期が交互に繰り返される時期だった。
前例のない強敵に対応し、未来の自分が生き残る確率を高めるために、盧安はこの時、再び予行演習の使い方を変更した。
今では、高い層から低い層へと第一層第二層第三層……というように下位層が上位層に情報を提供し、最終的に情報が現実にまとめられる予演構造の他に、盧安は新たな予演構造を形成した。
この予演構造のもとでは、それぞれの予演は個別の予演である。予演の中で、自分がこの出来事に遭遇した際、他の予演から思考の補助を得ることなく、自分がやりたいことを独立して達成する。そして現実の自分も同じことを成し遂げた時、これらの予演で同じ条件で達成した感覚が自分に伝えられる。
盧安がこれらすべてを行う目的はただ一つ、自分が無知な状態から任務を達成する状態へと至るのが必然かどうかを判定することだ。まるで、未来に会心の作を生み出すことを全く知らない作曲家が、会心の作が生まれるのが必然なのか、ヒントが必要なのか、無知の中で一度創作できたのなら、記憶を消して過去に戻ったら、なぜ二度目は創作できないのかというように。
この種の事前検討はこのタイプに属する。未来について全く未知の状況で未解決の事態を解決するには、盧安は、諦めず焦らず困難に立ち向かう自己に頼るべきで、幸運に頼るべきではないと考えている。そうしてこそ、未来における自分の生存率を高められるのだ。
多連合同状態の盧安は再び自省する。「私は現在の時点から全ての問題を解決するにあたり、自己の要素が生み出す必然に頼るべきであり、他の要素が生み出す幸運に依存してはならない。」
軍の護衛の下、盧安は住居に戻り、間もなく最初の客を迎えた。
英洛卡が入って来ると、まず盧安の様子を尋ね、それから心配そうに盧安に問いかけた。「最近どうしたんだ?少し精神的に過度に緊張しているんじゃないか?」
英洛卡がこう尋ねたのは、もちろん盧安がここ数日、自分の身分にそぐわない冒険行動をとり、そして死亡率が極めて高い「神を造る」という実験に参加しようとしていることを知ったからだ。
これまで、英洛卡の目には盧安は依然として政界で重要な役割を持つ人物と映っていた。ところが今、盧安は身分にそぐわない様々な戦闘に身を投じている。英洛卡の見方では、もし盧安がこれからの無謀な行動で命を落とせば、東部財団はフィックの死後、一歩先手を失うことになる。もちろん、生きてこの世界を抜け出したいと考えている盧安が一体何を緊張しているのか、英洛卡には分からなかった。
英洛卡は言った。「私のあの未熟な息子だけが、非現実的な個人の力に強い関心を持つのです。そしてあなたは……あなたはもうその年齢を過ぎていますよね。」
盧安は反問した。「もし私が、誰かにこの年齢層に引き戻されたと言ったら、信じますか?」
英洛卡は首を振った。「ああ、前回のあの暗殺があなたに大きな影響を与えたようだ。心理医に診てもらったほうがいい。」
「心理医?ふん、そうかもね。」
盧安は知っている。今の自分は正常な人の目には心理的に正常ではないと映る。しかし、正常な人なら初代が自分に作り出した環境に直面すれば、高度な緊張状態でなければ、それは自殺行為だ。
たとえば戦争がそうだ。戦争という環境下では、人の生活リズムや食事は平時の基準では極めて異常だが、平時の生活リズムや食事も戦時下では極めて異常だ。平時には食後にお湯で弁当箱をすすいで水を捨てるのが正常だが、戦時下では前線の淡水資源が貴重なため、お湯で弁当箱をすすいだ後はその水を飲み干すのが正常なのだ。
ある人が正常な状態にあるかどうかは、単純に自分の生活環境で他人を判断してはならず、相手の環境に立って判断しなければならない。だが、盧安は今、初代派遣の輪廻者から命を狙われており、このような環境は想像を絶するもので、他人に話すこともできない。
英洛卡を見送った後、盧安は自分の部屋のドアと窓をしっかりと施錠し、各通風口のガス成分検出器も設置した。外部の各部署の兵士と電子警報システムが正常であることを確認した後、盧安は休息を始めた。
盧安が休息する寝室は地下四十メートルに位置し、小型核弾頭の攻撃にも耐えられる最も安全な環境である。盧安のリラックスぶりとは対照的に、他の帝然菲斯に残っている輪廻者たちは悲惨だった。
四時間後、禍叢然の通信ビデオがつながった。
ビデオ上で、禍叢然は通信をつなぎ、盧安を起こして言った。「第十三号目標が発見されました。一度お越しになりますか?」
服を着て、防身用の道具をいくつか身に着けた後、盧安はビデオの中の禍叢然にうなずいて言った。「もちろん、必ず行くよ。彼らが捕まったのを確認しないと、安心できない。」その後、盧安はこの地下安全区を離れた。
この十数日間、盧安は警備部門を通じてここ数年突然特殊な力を示した人々を一通りスクリーニングし、すぐにこれらの人物を調べ上げた。
盧安は十数年前に一度だけ力を発揮しただけで、輪廻者たちに見つけられた。あれほど慎重な盧安でさえ、輪廻者たちに国家の力を通じて手がかりを見つけられたのに、盧安よりも隠れるのが下手な輪廻者たちは、今度は逆に盧安が国家の力を使って捜索する側に回り、ほぼ間違いなく見つけ出されている。檀宏(0299章に登場)を含む27人の輪廻者が盧安によって特定された。盧安は単に特定しただけで、安全局という国家機関により証拠もなしに拘束されてしまった。
しかし、輪廻者たちは決して自分たちが数十メートルの厚さの鉄筋コンクリートの牢獄に閉じ込められることを甘んじて受け入れたりはしなかった。これらの輪廻者のチームは互いに統率されておらず、もし彼らが一つの組織だったなら、捕まった者はすすんで犠牲になって、刑務所の中で何も話さなかったかもしれない。もしかすると、盧安のような気まぐれな証言で治安局に人を捕まえさせる行為は、すぐに上層部によって盧安の神経症の発作によるでたらめだと見なされたかもしれない。しかし、これらの輪廻者たちは結局反抗することを選んだ。これらの輪廻者たちが力を振るったことは、まさに盧安の指摘が正しく、でたらめではないことを裏付けた。ディランフィスは現在戦時中であり、現在の重要地域にこうした非常に高い破壊力を持つ勢力が潜伏していることに非常に警戒しており、盧安の提案を非常に重視している。
盧安が指摘した標的は、最終的に権力が極めて高い地方勢力にまで及んだ。帝然菲斯の安全部門は、疑わしきは罰せよの原則で、これらの標的を洗い出した。
そしてこの出来事を通じて、盧安は初代と元一の違いを完全に見極めた。
初代には「陣営」という概念が全くなく、単に養殖のルールを守るだけだった。もし陣営を守るという態度で臨めば、元一のように時空傭兵の指揮に関与し、一部の輪廻者を待機させ、一部の輪廻者を潜伏させることになるが、現在のように各小隊が互いに統制を受けず、互いに足を引っ張り合う状況には決してならない。
しかし、初代から見れば、盧安がすでに露出し、各小隊のメンバーに盧安の現在の身分を明らかに通知したにもかかわらず、これらの小隊が依然として安全地帯へ速やかに避難せず、帝然菲斯に留まり続けたこと自体、危険に対する反応の鈍さであった。一方で盧安が今、世界の力を借りて極めて低い損失でこれほど多くの人を殺したことは、初代によって合理的と判断された。初代から見れば、消された変数はいずれも思考の枷を打ち破れなかった。これらの思考の枷には、傲慢不遜、力崇拝、目先の利益に囚われる浅はかさが含まれる。これらの思考の枷はすべて慣性思考である。本来これらの輪廻者たちは盧安の死に物狂いの抵抗に警戒すべきだったのに、反応できず、かえって帝然菲斯という国家の力に圧倒されてしまった。これこそが変数がもがき失敗した兆候である。
この時間線では、盧安はすでに二十七人の輪廻者との直接戦闘を避けることに成功した。この時間線では、盧安は生き延び、彼らは死んだ。盧安は軽々と十分なポイントを収穫し、初代の最終任務も正式に開始された。
ディランフィスの軍事特務部門の取調室で、盧安は防護服を着用し、霊安室に入った。
ここには数人の輪廻者の遺体がある。盧安は遺体を調べ、ついでに元一に彼らのノードを回収させた。そばの禍叢然が言った。「どうやら君は彼らの生死を気にかけているようだが、なぜ私たちの尋問を現場で見ようとしないんだ?」
「結果しか気にしない。過程はどうでもいい。」盧安は何気なく言い、心の中でこう付け加えた。「もし尋問現場に出向いて、最後に輪廻者の大技で心中させられたら、かなり損じゃないか?」
「じゃあ、彼らが一体何を言ったのか、気にならないのか?」
事前の尋問を通じて、盧安はこれらの輪廻者たちが様々な奇妙な理由をでっち上げていることを知り、最終的には災禍の根源にもいくつかのことを理解させた。災禍の根源から見れば、これらの者たちはみな粗末な組織から来ているようだが、彼らには共通の目標、一人の神秘的な人物がいた。そしてその神秘的な人物が盧安であることを、災禍の根源は百パーセント確信しており、盧安もまた自分が彼らの目の上のたんこぶであることを隠そうともしなかった。そのため災禍の根源は不思議に思った、盧安はいったい何をしでかしたのか、これほど多くの奇妙な連中が彼を暗殺しに来るとは。
災禍の根源の疑問に対して、盧安は笑いながら言った。「尋問や情報の真偽判断はあなたたちの仕事だろう。でも、私が気になるのはただ、敵が死んだかどうかだけだ。」
災禍の根源はうなずいた。「うん、実に潔い理由だな。」




