0299 狂熱の中で密謀
領土資源への渇望は、ほとんどの民族が自らを強盛だと思うときに持つ感情である。
この感情はごく素朴なもので、決して間違っているとは言えない。しかし、分断を抑止する思想と統一を堅持する思想に別の思想が混ざり込むと、もとの思想は変質してしまう。
それはちょうど、勤勉によって富を築くことが大多数の人々の金銭欲の表現であり、詐欺やペテンが一部の人々の表現であるようなものだ。もし後者と前者を一緒くたにすれば、前者への侮辱となる。
この時、ディランフィスでは盛大な観兵式が行われていた。各学校の生徒や各工場の労働者たちは統一された衣装を身にまとい、意気揚々と国旗を振っていた。彼らは歓呼し、誇りに思っている。
歓呼の理由は、ディランフィスが再び統一され、再び強大になったからであり、誇りの理由は、ディランフィスの経済が今年、世界最高水準にまで発展したからである。しかし、この誇らしげな民族感情は、上層部の利益集団に引きずられ、破滅への道を歩み始めている。
ディランフィスの広場では、大部隊の軍隊が広場を通過していく。大勢の民衆が「陛下万歳」「偉大なるディランフィス万歳」「大地の民族は大地を享受すべし」「世界最優秀の血統」と叫んでいる。拡張主義思想に満ちた言葉が広場で次々と沸き起こり、より多くの土地と資源を獲得せよと声高に叫んでいる。
ガラス窓のそばに立ってこれを見つめる盧安は、胸が詰まる思いだった。
帝然菲斯で今はびこる領土観は、盧安に不条理さを感じさせた。それはもはや自国の安全のための国土戦略ではなく、拡大のための拡大という邪道だった。
「国土の完全性を守り、一歩たりとも領土を譲らず、同時にあらゆる外交手段で周辺国を味方につけ、地政学的に足元の領土の安全を保障する。」もし盧安が今この持論を口にすれば、帝然菲スの多くの者は肩を組みながら、自分たちの考えが盧安と同じだと主張するだろう。彼らの考えはこ宇田。「周辺の領土をできるだけ多く占拠し、絶えず戦略的安全圏を前方に押し進める。従わない国は即座に征服し、鉄と血で服従させる。」
一見すると両者は似ているが、しかし全く異なる。拡張主義が“同じ”と考えるのは、彼らが領土の大小から問題を見ているからだ。一方、盧安は“全く異なる”と考えている。それは盧安が国土の安全から問題を見ているからだ。前者の視点から問題を見る彼らは、拡張戦略がより効果的だと考え、さらには盧安の慎重すぎる見解を軽蔑している。
盧安は今、ディエンフイースの拡張主義者たちに双方の考え方の違いを説明する気もない。なぜなら盧安にはわかっているからだ。これらの拡張主義者たちは軍事占領後、その地域への教育、交通、インフラといった様々な投入問題を決して考慮せず、占領地の人々を自分たちと同じ追求を持ち、共に働き、共に生活し、経済的地位が平等であるように改造することがどれほど困難かも、決して知ろうとしない。彼らは占領後にその地域の資源を得ることだけを気にかけ、高貴で優れた「大地民族(ディエンフイース自称)」の特権階級となることだけを重視し、現地の人々が征服後、召使いや農民、馬丁になるかどうかだけを気にする。彼らは占領地の貧困、犯罪、その他様々な社会問題には関心がなく、現地の富裕層の購買力が自国の産業にどれほどの市場を提供できるかだけを気にかける。地球の言葉で言えば、彼らが土地を一つ拡張するごとに、それは実際には植民地を一つ建設していることになる。
この思想は前工業時代においては適切であった。世界の多く、次の発展段階に入る潜在力を持つ民族がまだ農耕時代に留まっている一方で、最初の工業国が猛烈に植民地拡大を進めると、世界各地の小農経済を打破し、工業時代に入る潜在力を持つこれらの国々を、生き残るために世界的な工業変革に参加させることを余儀なくさせる。初期産業革命の工業国の植民地思考は、確かに実質的に先進的であった。
しかし、ポストーー工業化時代において、もし工業国が工業拡大を続けようとしても、投資コストーーを回収できない状況に陥るだけだ。なぜなら、植民地化できる土地はほぼ分割し尽くされ、植民地時代はとうに過ぎ去ったからだ。この時、帝然菲斯がいるこの時代はすでに産業革命の初期段階ではなく、工業文明に参入する条件を持つ国はとっくに参入し、そうした素地のない国もほぼ完全に強国の支配に甘んじている。小農経済を打破するという歴史的任務はすでに完了している。この時に拡大を選択し、自らの優秀さを強調しながらも、一つの時代を超える先進的な科学、生産力、生産制度——こうした実質的な資本を持たないのは、傲慢以外の何ものでもない。
このような国家全体の民衆を狂気に駆り立てる行為は、多くの命を人質に取り、拡張の野望を満たすための戦争を引き起こす賭けである。盧安の見解では、この時代の帝然菲斯がなすべきことは解放の名のもとに、小国が大国の軍事支配から脱するのを助け、小国内の武装勢力が権力を奪取するのを支援し、この世界の植民地体制を瓦解させることだ。それこそが帝然菲スの現在の国力で実行可能な戦略である。
盧安は決して善人ではなく、正義を叫び、自分が世界の他の民族に解放をもたらせると考えるようなことはしない。盧安はただ、帝然菲スの高官たちがあまりにも愚かで、同様に頭の冴えない民衆を巻き込んで破滅の道を歩んでいると感じているだけだ。
窓越しに左側の高台で熱狂する群衆に手を振るフィック一家を見ながら、盧安は彼に一発殴りたい衝動に駆られ、大声でこう言いたかった。「目を覚ませ、自分を見つめ直せ! ディ藍菲スには独立自存の力しかなく、世界を譲歩させる力などまだない!」もちろん、理性は盧安に告げている。自分の拳ではこの皇帝を殴り覚ますことは到底できず、利益集団に煽られて熱狂したこの国を殴り覚ますことも到底できないと。この国には復興へ向かう多くの道があったが、一部の集団の欲望にまみれた計画の中で、最も愚かな方法を選んでしまったのだ。
盧安が現在のディ藍菲スの不条理な光景に悩んでいるちょうどその時、群衆の片隅で、男女が顔にディ藍菲スの国旗のペイントを施し、周囲の人々と同じようにディ藍菲スの国旗を振っていたが、互いに暗号を使って会話を交わしていた。
遠くの皇帝を見つめながら、男の檀宏は隣の女性隊員に尋ねた。「当ててみてくれ、我々の標的はあの中のどれだ?皇帝か、皇子か、それとも将軍か?」
女性隊員は言った。「どの人物であろうと、通常の方法では近づくことさえできません。」
檀宏は頷いた。「そうだな、テロ攻撃なら可能だが、いざ実行すれば無事に撤退はできない。たとえ攻撃を成功させたとしても、標的が正しいかどうか確かめる術はない。」
この二人のリンネ者は、彼らが所属する初代異世界転移システム(リンネ者たちは主神と呼ぶ)によって、この次元に初めて帝然菲斯首都に潜入した最初のグループのリンネ者である。しかし、この大都市で帝然菲スの中核権力圏内の任務目標——盧安を見つけ出すのは、やはり極めて難しい。帝然菲ス全体の戸籍政策は非常に厳格に施行されており、首都内には多数の監視カメラが配置されている。さらに、初代は目標を確定する前に、リンネ者たちにあまり多くの力を投入しない。なぜなら、これはもう一つの異世界転移システムとの戦争であり、行動の痕跡を隠すことを考慮しなければならないからだ。
もちろん、主神は初代異世界転移システムとして、疑いようもなく絶対的な強さを象徴しており、異世界転移者が自らちょっかいを出してくるのは非常に稀である。そして、元一はまさにその度胸が据わっていて、自分の操作に自信を持っているタイプだ。
檀宏は核爆弾や生物化学ウイルスでこの街を一掃し、良し悪しを見分けずにこの地域の人類を全滅させることも考えたが、初代がその考えを打ち消した。初代の配下の輪廻者は、自身の狭い視野に制限されているため、あまり深く考えない。まるで小さな子供がおもちゃを見ると大人に買ってほしいとせがむだけで、値札にゼロが何桁あるか全く気にしないのと同じだ。
元一が初代のノードを手に入れた後、初代が元々この世界に配備を完了していた超魔法兵器、核兵器、生物化学兵器はすべて回収された。なぜなら、これらの兵器がひとたび発動すれば、その影響は計り知れないからだ。高次元から見ると、どの地点で発生したかが非常に簡単に特定されてしまう。もし高次元の知性がこの地点を特定すれば、全く別の並行時間軸に小隊を派遣し、その時間点上で戦闘を行い、ノードを回収することが可能になる。だから今、これらの輪廻者は力ずくで事を運ぶわけにはいかないのだ。
その上、帝然菲ス高層のこの時の警備措置は非常に厳重で、檀宏の二人はどうすることもできなかった。この二人は、自分たちの標的がこの観閲台にいると確信していたが、どうしても手を出すことができなかった。
街をパレードする部隊を眺めながら、檀宏は言った。「我々はこの世界の混乱度を高めなければならない。さもなければ永遠に標的に近づくことなどできない。」
二人の輪廻者が帝然菲スの皇帝と将軍たちが集う観閲台を注視しているとき、盧安は隣の部屋から退出したが、元一がこの世界に派遣した敵対穿越システムの戦士がすでに自分から三百メートルも離れていないことを全く知らなかった。
この二人の戦士は現在、目標さえ決まっておらず、一方盧安はこの世界での自分の重労働に忙しかった。
盧安は普通の職員と同じような服装で道路を渡り、車を呼んだ。広場を横切る際、盧安と檀宏の距離はわずか210メートルだった。この距離は時間の可能性から見れば、ほぼすれ違いに近い。
しかし、この二人の輪廻者は気づかず、盧安も気づかなかった。




