0292 帝政
利益の衝突点とは、勢力と勢力の間の衝突によって生じる焦点のことだ。そしてほぼすべてのストーリーの展開には、大きな矛盾の衝突点が必要となる。それがなければ、輪廻者の目に留まるストーリーのホットスポットにはならない。
白露と盧安の連携は、ほとんど時空傭兵の連携行動の模範として記録できるほどだ。翠弓の周囲にいる輪廻者たちは、翠弓に従って千里を転戦し、多くのストーリーに参加したが、彼らが仕組まれた状況に足を踏み入れているとはまったく思いもよらないだろう。
もし盧安などの時空傭兵がこの世界に入らなければ、ディランフィスは崩壊し、ドゥンレンは元々ディランフィスに属していた地盤で広大な勢力範囲を手に入れ、ベイファンの支援の下、バカラはドゥンレンと対抗し始める。もし翠弓が予定通り誕生していれば、翠弓はバカラとドゥンレンが対抗する大プロットの下で行動する。そして翠弓の身の回りのプロットに入る輪廻者たちも、バカラがドゥンレンに抵抗するこの大プロットを巡るものだ。
そして今、ディランフィスがバカラに対して戦争を仕掛けたとき、大プロットに大きな転換が生じた。まるで大きな網が、翠弓の活動するこのプロットラインをすくい上げるように。バカラはもうすぐ占領され尽くすところで、翠弓がビシンとケンドンの戦場にとどまっているはずがない。
主人公である翠弓を中心とした小さなプロットは必然的に大局に従い、大局に従った後、大局が翠弓の成長に無意識のうちに影響を与える。神体の案内人として、白露はこの世界でいくつかの出来事を起こすだけで、翠弓が自ら寄ってくるように引き寄せることができる。これはもはやプロットを変更するのではなく、物語のメインラインを自分の要求に応じて変化させることだ。
一方、盧安が見たのは巨大な仕掛けだった。盧安はこれが白露一人で仕組んだものだとは信じず、白露の性格に基づいて推論すると、これは白露のスタイルではないと盧安は考えた。ならば、この仕掛けは、白露に任務を与えた元一が仕掛けたものだ。
盧安は即座に自分自身のこの局面での立ち位置を考えた。「この世界に来て十年、元一は俺をまるで放置しているかのようにまったく関わってこなかった。それは決して単純に俺を脇に追いやったわけじゃない。奴は俺がこの世界で果たす役割を十分に考慮し、あらゆる布石の中に俺の可能性を織り込み、俺の取りうる行動すべてを変数として計算に入れていたのだ。」
そう思い至った瞬間、盧安の心には言いようのない無力感が広がった。
力においても頭脳においても、元一は自分よりはるかに上を行く。そして、そのような相手が人を陥れるのは、食事や水を飲むのと同じくらい当たり前の日常なのだ。
「ただ、今日の標的が俺ではなかった、とい宇田けだ。」ある感情の側面がもの寂しげに呟いた。
すると、今度は戦慄の感情を帯びた盧安が言った。「ちょっと待て、すでに俺は計算の中に組み込まれていて、ただ状況を把握できていないだけなんじゃないのか?今、翠弓の周りを取り巻いている五人組みたいに、現状にまったく気づいていないだけだとしたらどうするんだ?!」
盧安は元一と知恵や勇気を競うことは決してなかった。なぜなら、盧安は自分にその面で元一と戦う資格がないことを理解していたからだ。しかし、たとえ盧安が服従しても、元一は盧安を見逃しはしないだろう。盧安は、自分には瀕死のあがきのような感覚があった。元一の策略に何度もはめられてきたが、盧安は様々な策略への対処法も手馴れたものになっていた。それでも、もし自分の行動がルールの保護条件を満たせなければ、いつ元一に策略で殺されてもおかしくないと感じていた。
会議で、盧安がバカラに関する後続計画を述べた後、フィックは即座に拍手しながら言った。「素晴らしい、非常に素晴らしい。では、これで盾刃に対する戦争の準備に取り掛かれますね?以前、二正面作戦は国内の後方支援にとってほとんど厳しいものだと言っていましたが、今は…」フィックは期待のこもった目で盧安を見つめた。
盧安の心には様々な感情が入り混じっていた。この皇帝は自分が一歩一歩ここまで導いてきたのだ。自ら醸した苦い酒は、鼻をつまんででも飲み干すしかない。
盧安は戦争が嫌いだ。過去も、現在も、そして今はさらに戦争を憎んでいる。戦争は一連の社会問題を引き起こすからだ。
物資が不足する時、人間の善良さは神聖に輝くこともあるが、一般的には善良さを踏みにじる醜悪さが蔓延する。言い換えれば、善良さが輝けば輝くほど、それは道徳の退廃によって際立たせられているのだ。
そして多連合状態の盧安は、周囲の環境を非常によく理解しており、当然ながら周りのあらゆる醜悪さを見ることができる。これは新聞の文字による描写や、写真にぼかしが入ったものなどではなく、予演の中で確かに目にすることができるものなのだ。
帝然菲スの現在の社会状況は表面的には明るく見えますが、大部分の貴族は優雅で礼儀正しく、商人たちは法に従って公正に売買し、労働者は仕事帰りに居酒屋で一杯やっています。しかし、盧安の予演は社会のあらゆる隅々を見ることができ、貧しい女子学生が露天で軽食を売り、労働災害で障害を負った家族が次の食事に困り、少年が風俗店に行き、ある種の富裕層の異常な嗜好を満たしている……これらは地球の22世紀では大ニュースであり、発覚すれば社会全体から非難されます。しかしながら、このような暗部は帝然菲スでは容認される現象として黙認されています。
この光景を目にするたび、盧安の衝動的な感情の一部は、そういった場所のガスボンベに穴を開け、ガス漏れ爆発を起こして、見なければ気にならないようにしてしまいたいと思う。しかし理性は盧安に告げる。そんなことをしてもやはり無駄だと。貧しい女子学生は他の場所を見つけて露店を出すだろうし、労災で障害を負った労働者の手足が元通りになるわけでもなく、金持ちたちの奇妙な性癖がなくなるわけでもない……暴力でこれらのことを処理すれば、むしろ事態は悪化する。社会の徹底的な変革が起きなければ、こうした問題は必然的に存在し続ける。一時の快楽のための暴力的破壊は問題を解決することはできず、むしろより多くの問題を生み出すのだ。
社会主義核心価値観のもとで育まれた人格が、突然多くの醜悪な社会現象を目の当たりにすると、嫌悪感を抱くものだ。もし盧安が事前に予行演習していなければ、おそらくこの環境に慣れてしまっていただろう。逆に、自身の多様な感情状態の中で統一された栄辱心を育んだ後、盧安の社会状況に対する不満はほとんど偏執的なものになっている。
盧安は今、ますます「頑固」になり、ますます自分(孟位)の人格が育った社会を追憶し、ますます他の社会形態に適応できなくなっている。未来社会であれ、旧社会であれ、変わらない。
盧安は、この頑固さが自分が直面しなければならない新たな問題であると感じている。この問題は、おそらく集群状態での人格分裂の面倒に劣らず厄介なものだろう。
この時、フィックが別の戦争について興味津々に語るのを見て、盧安の心には潮のようにこの皇帝への嫌悪と、自らの無力さへのやるせなさが湧き上がってきた。
「希瑞科、何か問題でもあるか?」フィックは尋ねた。
現実の盧安は表情を変えずにうなずいた。「陛下、すべてはあなたの望みのままに。」
フィックは傍らにいる、ご機嫌取りをしようと待ち構えていた将校たちに向き直り言った。「準備を整えよ。我々に新たな敵ができた。」
フィックの盧安に対する物腰の柔らかさと、軍部に対する話し方の威厳は、誰の耳にも明らかだった。フィックの軍への態度と盧安への態度が全く異なる理由は、皇帝が軍内での自らの権力を掌握し始めた一方で、盧安は皇帝の権力が地方の財閥を掌握するための協力者だったからだ。利益がフィックをそうさせていたのだ。
盧安は王室の広間を出ると、すぐに行く手を遮る人物に出くわした。それはフィックの後継者、晟であった。
運命とはしばしば皮肉なものだ。英明な皇帝の後継者は、気弱だが現状維持には長けた皇子か、必死に小賢しさを装う愚か者かのどちらかになりがちだ。なぜなら、先代の皇帝があまりにも英明で、為すべきことを全て為してしまったからである。そして後継者は、先帝の偉大な業績という光輪を前に、黙って自分の運命を受け入れるか、あるいは己の力量を過信し、父祖とは異なる道を歩んで自らの英明さを打ち立てようとする。中国の歴史上、成功したのは李世民ただ一人で、他は皆、小賢しいだけの愚か者だったようだ。
しかし、盧安の目の前にいるこのディランフィスの後継者は、まさに能力に磨きが必要でありながら、自惚れが強いという人物で、しかも最悪の年頃――騒がしい思春期、反抗期の真っただ中にあったのだ。
この年齢層の人々は、最も輝かしい道にばかり目を奪われがちだ。その道は華やかで魅力的だが、成功の確率は宝くじに当たるようなもので、最も重要なのは、彼らが失敗の要素を完全に無視していることだ。
地球の21世紀のスター番組は、どれほど多くの男女を魅了し、芸術に一生を捧げる道へと導いたことか。そして十年後には、悲惨な境遇を競う番組で「歌こそが私の人生のすべて」と感情豊かに語り、再びどれほど多くの人の涙を誘ったことか。これは地球の21世紀初頭において、最も面白く、そして最も皮肉なブラックジョークだった。
今、盧安の目の前に立つこの少年は、格好良い軍服をまとい、胸にはキラキラと光る金属製の勲章をつけ、鼻孔を膨らませ、目の中の軽蔑の色を少しも隠そうとせず、盧安の前に立っていた。盧安は、かつての俾斯麥の心境をいくらか追体験していた。
「お前は、希瑞科か?!」ほとんど召使に命令するような言葉がこの少年の口から飛び出した。
盧安はうなずき言った。「王太子殿下、何かご用でしょうか?」
晟は盧安を蔑むように見て言った。「もっと敬意を払うべきだ!軍隊はこの国で最も重要な力であり、もし軍隊がお前を守らなければ、木の幹に築いたお前の巣穴はバラバラになるだろう。」
盧安はうなずき言った。「おっしゃる通りです、軍隊はこの国の重要な力ですが、王太子殿下、将来の帝国の後継者として、お心にあるのは軍隊だけではないでしょう。」
「我が民には、当然私が恩恵を施す。お前に教えられるまでもない。自分の本分を忘れるな!父王はお前を評価しているが、俺は……」ここで晟は傲慢に口調を区切り、言った。「お前に何か優れたところがあるとは思わない。」この少年は「俺が一番だ、お前は俺に乞うべきだ」と言わんばかりの態度だった。
盧安はうなずいて言った。「あなたの試験が来た時には、準備をしておきます。」
「ふん!」この少年は背を向けて去っていった。
そんな中、盧安は泣き笑いしそうな表情でツッコミを入れた。「ディランフィスはもう終わりだね。」




