0289 「核」の足跡
六ヶ月の時間はあっという間に過ぎ去った。
六か月の間に多くのことが起こりましたが、その中でも特に目立たない出来事が二つあります。一つ目は、ジンルイ合衆国側のある大資本家がバカラの先物を激しく投機的に操作し、大量の物資を東部の某所に蓄えたことです。二つ目は、バカラに善良な女貴族がいて、発展めざましい荘園を売却し、多数の労働者を雇って東部の山岳地帯に簡易道路と工場を建設することにしました。大量の食糧、コンクリート、鉄鋼、機械がここに運び込まれ、警備隊も同行しました。
目立たない出来事と比較すると、ディランフィスはこの六ヶ月間、何度も使者をベイファンに派遣し、大量の貿易協定を締結していた。それらの多くはベイファンに譲歩した内容で、ベイファンの艦隊を東部へ招待するものさえあった。ディランフィスが新たに見せた戦略的傾向を、ベイファンは当然歓迎していたが、しかし、ベイファンは知らなかったのだ、ディランフィス東部の陸軍が既に頻繁な集結演習を開始していたことを。
戦争前日、フィックは電話でベイファンの大統領に親しげに挨拶し、対話の中で再び双方の戦略的協力パートナーシップを確認した。そして、ベイファン国の大統領はその四時間後、睡眠中にぼんやりと起こされることとなる。ディランフィスが再び戦争を引き起こしたのだ。
今回の戦争で、帝然菲斯は堅盾を迂回せず、まずミサイルの一波でバカラの空港を奇襲し、続いて空軍力がバカラの地上への攻撃を開始、その直後に大量の空挺部隊が帝然菲斯とバカラ間の七十五か所の重要な橋梁地帯を制圧した。これらの重要な交通の要衝を掌握した後、帝然菲スの地上部隊は列車輸送の下でバカラ内部へと猛烈に進撃した。前回の世界大戦では、ここの険しい地形と急流の河川が帝然菲スの舟橋部隊を大いに悩ませた。数十万の大軍がこの険しい地形に阻まれ、堅盾を迂回するしかなく、堅盾を攻撃すれば盾刃を引き入れることになった。
ミサイルによってバカラの広範な軍事基地が麻痺すると、14時間後には、一個重機械化師団、四個機械化歩兵師団、総勢7万人の部隊がバカラの奥深くへ直接切り込んだ。こうしてディランフィスによるこの「千湖の国」への侵攻が始まった。
ディランフィス後方の軍司令部は、各部隊の進捗があまりに速いために興奮した空気に包まれていた。バカラの80万を超える部隊は、この戦争において全く機能しなかった。大量の航空機が飛行場で高熱によってアルミの溶解液と化し、膨大な数の戦車がスクラップ同然に放置されていた。
なぜバカラ軍は何の効果も発揮できなかったのか?装甲兵力を例に取ってみよう。装甲部隊の攻撃には必然的に完全な兵站組織が必要だ。しかしこの混乱した状況下では、司令部が麻痺し、戦車への燃料補給を担当する近隣部隊は関係部署を全く見つけられない。たとえ独自に燃料補給や輸送などを手配したとしても、途中の交通渋滞のために戦車部隊の駐屯地に時間通りに到着して給油することができない。現在の混乱した状況では、一つの戦車師団が攻撃を開始するための燃料補給を完了するのに数日かかってしまう。そしてこれは燃料補給を得るだけの話だ。戦車は燃料を得たとしても、どこへ進撃するのか?バッカラは戦争が始まって以来、内部はまるで目のないハエの群れのように大混乱に陥り、各部署が混乱しきっていた。数時間のうちに、ある機甲部隊は近隣部隊からの支援要請、地方行政長官からの共同防衛要請、さらには議会臨時権力機関からのものとみられる重要物資の避難援護要請まで受け取った。これらの要請に文字通り従えば、部隊全体は複数に分割され、その場で解散するに等しい状態だった。
この戦争はまるで現代の格闘技のように、顔面に強烈な一撃を受ければ、視界がくらみ、その後も殴られ続けることになる。バッカラは今、まさに強烈なパンチを受けたボクサーのように、軍と末端組織はまだ壊滅していないものの、重要部署はすでに思考と反応の能力を失っている。各信号塔は爆撃され情報伝達が途絶え、各駅はミサイル攻撃で破壊され物資の交換が断たれ、各発電所は爆破され都市の生産活動が停止した。各浄水場が爆破されると、人々は都市から脱出し、都市はさらに麻痺状態に陥った……これらすべての破壊は、軍需工場で製造された爆弾を搭載した航空機によるものだった。
爆弾の生産は、工場で高性能爆薬を金属製の筐体に詰め、回路システムとチップを追加するだけの作業だ。爆弾1発はわずか1時間で生産ラインから出荷される。しかし、爆破された工場の再建には数ヶ月を要し、破片に奪われた命が育つには20年以上かかる。このような工業製品は破壊のためだけに存在し、生産ラインから出荷された瞬間から、人類の破壊能力を証明している。
戦争開始から4時間以内に、航空機は延べ4500回出撃し、各出撃は搭載した爆弾を破壊に変えることを意味する。弾道ミサイルは戦争初期に敵の優先的かつ重要な目標(レーダーや飛行場など)を麻痺させることしかできず、一撃で敵国を麻痺させる。しかし、損害の大部分はこれらの航空機によるものだ。航空機が安全に敵上空に到達し、誘導爆弾を正確に投下できれば、弾道ミサイル1発分の任務を完了したに等しい。
航空機の1回の出撃に比べれば、弾道ミサイルはやはり高価すぎるが、初期段階で敵の防御網を引き裂ける手段なら、どんなに高価でも使わざるを得ない。例えば、古代中国の攻城戦では、将軍は決死隊への褒賞に決してコストーーを惜しまなかった。城壁の防御を破らなければ、城内へ突入して徹底的に殺戮することができないからだ。
ミサイルとステルス戦機は防御体系を無力化するために使われ、防御システムを麻痺させた後は、これらの空中「トラック」が爆弾を運んで麻痺した防御設備を完全に破壊し、最後に地上の反撃力を徹底的に破壊するのだ。
戦争が始まると、各国の大使はフィックのもとを訪れ、帝然菲スが一体何をしようとしているのか問いただした。帝然菲スの現在の行状は、各国に二十数年前のあの世界大戦をかすかに思い起こさせた。
帝然菲ス外交部は一日で数回の外交照会を開いた。その外交照会の中で、帝然菲スの外交官は次々と、化学薬品保管地域に潜入した部隊や撮影された写真、さらにはバカラ駐留部隊がまだ処分しきれていなかった文書を公開していった。
バカラのこれらの書類には、ある条件が満たされた時、これらの化学兵器が川に投入され、どのように散布されるかが書かれている。その条件とは一体何か?その一つは、デ藍菲スとシールドブレードが完全に同盟を結んだ時、国際情勢が許す場合(陸上でベイファンと多国籍軍を結成した時)、これらの化学物質を大規模に散布し、デ藍菲ス西部の農業を減産させるというものだ。
能術印章が押された書類がこうして各国の外交官に展示される。能術印章は偽造不可能で、すべての曦日能術師の能術印章は異なり、まるで人の筆跡のように、基本的に否認できない。
デ藍菲スが出してきた証拠に対して、各国の外交官からさまざまな意見が出された。
ベイファンの外交官はこう発言した。「事態は調査を待つ必要があり、ディランフィスが戦争を停止し、各国が詳細な調査を行った後、ディランフィスに説明を行うことを望む。ディランフィスには冷静さを保ってほしい。」
一方、盾刃の外交官はベイファンの偽善を痛烈に非難した。「これはバカラの自業自得であり、理由なく隣国を挑発した報いを受けたのだ!」
ベイファンは引き延ばそうとしているに過ぎない。なぜなら、陸上におけるベイファンの戦略配置において、バカラは欠かせない要だからだ。これこそが、かつてディランフィスがバカラを攻撃した際、ベイファンが躊躇なく陸上部隊を動員してディランフィスを阻止した理由である。もしディランフィスがこれらの化学兵器の証拠を提示できなければ、ベイファンは盾刃とある種の妥協を図り、盾刃を使ってディランフィスを抑え込もうとするだろう。
しかし、現在の盾刃は明らかに貝帆と妥協したくない。盾刃から見れば、バカラは貝帆の犬であり、この犬がこんなに多くの小細工をしているのは全く貝帆がけしかけたからだ。盾刃は今、躍起になって帝然菲斯と貝帆が衝突することを望んでいる。
金瑞合衆国は沈黙しているが、その沈黙の中で密使を派遣して帝然菲斯に将来一体何をするつもりなのかを尋ねている。
各勢力の思惑の中、帝然菲スの装甲部隊は炎のようにバカラの広大な地域を制圧し始めた。しかし計画では、これらの地域は占領するつもりはなかった。なぜなら上流の水源地域を掌握すれば、帝然菲スは食糧生産地帯に事欠かなくなるからだ。占領しないこれらの地域は、帝然菲スと貝帆が交渉のテーブルで取引する品物、すなわち政治取引の「商品」となる。商品とは、現在の自分に必要がないからこそ取引に出すものだが、取引の前には惜しむ素振りを見せて価格をつり上げなければならない。すべての売春婦が商売の前にわざと澄ました態度を取るように、政治家たちの利益交換もまた同様の姿勢なのである。
世界はすでに混乱し始めており、混乱の拡大に伴い、さらに多くの干渉勢力が到来した。
大洋のとある島で、李三祥は史塔克家の招待を受け、激しい大爆発を見学していた。
真っ白いキノコ雲が島から立ち上ると、李三祥は呆然とし、すぐに元一通信を使って二人の仲間に連絡を取った。
核兵器はこの世界にあってはならない産物であり、この世界の核物質はとっくに巨竜をはじめとする生物によって使い果たされていた。そして李三祥は金瑞合衆国の権力階級として、大規模な電力を消費する地域を一つたりとも見逃すことはできない。なぜなら兵器級の核原料の精製には大量の電力を消費するからだ。だから李三祥は、金瑞には核原料を研究開発するプロジェクトは存在しないと確信している。では問題だ、この大洋上での核爆発は一体どこから来たのか?
史塔克族の族長は、呆然とする李三祥を見て、非常に得意げに言った。「我々は古代魔法の遺跡を発見し、そこには一定数の神殺しの武器があった」
史塔克族の族長がもったいぶった表情をしているのを見て、李三祥は一発殴りたくなった。李三祥は心の中でこう毒づいた。「古代だって?ふざけるな!核兵器の部品は数年ごとにメンテナンスが必要なんだぞ。核崩壊の時間はほぼ一定だ。古代なんてくそくらえだ!」
しかし李三祥は顔に「喜び」を浮かべ、族長に近づき、声を潜めて尋ねた。「それ、たくさんあるのか?」




