0276 散り散りの心
思想統制で最も簡単な方法は、人々を無知にすること、すなわちいわゆる愚民政策である。
地球21世紀では、ほとんどの人が理解する愚民政策とは、高圧的な政策で情報を遮断し、人々が情報を知ることができないようにして、麻痺した感情の中で情報不足に甘んじさせることである。しかし、地球22世紀の民衆から見れば、その手段はあまりにも時代遅れであり、伝説のトロイの木馬のように、どの城の領主が騙されるだろうか?
地球21世紀、すでにネットワーク時代に入り、誰もが情報を入手できるというのに、いまだにこのような高圧的な封鎖モデルの愚民政策を理解しているのは自分だけだと考え、自分だけが酔いしれた世の中でただ一人醒めていると思い込む者がいる。しかし実際には、それは別の愚民政策の深い穴に飛び込んでいるに過ぎない。
情報時代の愚民政策とは、あなたの傲慢さや偏見を利用して、別の視点から真実を発見するのを妨げ、惰性に陥り学びを止めるように仕向けるものだ。そして新たな愚民政策はおとぎ話を作り上げ、自ら選択して人と人との利益の本質を理解するのをやめさせ、ポリティカル・コレクトネスが作り上げた蜜の壺の中で安楽に浸らせ、自ら学びを止める理由を見つけるように仕向け、世界の人と物質との間にある生産改造の本質を理解するのをやめさせ、生産を理解できず、決まった仕事のポジションで他者の命令を受け、まるで機械のように価値を生み出す存在へと変えてしまうのだ。
思想統制者たちはもはや厳しく高圧的な表情を見せず、温情あふれる笑顔であなたをなだめ、欠点を育み増長させ、自己閉鎖的な無知へと導く。これこそが地球二十二世紀の人々の目に映る愚民政策だ。
一方、天域の城で神降ろしを試みるこの組織は、神降ろしの前に神躯に多数の導き手を配置し、神躯を操るのに上述の愚民化手法を用いている。この物欲が氾濫する時代、純粋な信仰者を見つけるのは極めて難しく、彼らは産業革命前の宗教信者とは大きな隔たりがある。信仰心が薄い理由は、当然ながら社会全体が裕福になり、神にすがる必要がほとんどなくなったからだ。
神々の思想を悪用し、秘められた目的を果たすため、黒弓組織は古代の神の契約を含むあらゆる条件を揃えた。彼らは神を無理やり降臨させようと企てたのだ。そして、その強制降臨に伴う最大の問題は、神格と神躯が育んできた人格との不一致であり、最終的に人格と神格が共存する二重人格現象が発生することである。
もちろん、二重人格は長くは続かない。数回の融合を経て、神格は第二の人格として、神躯が本来の成長過程で形成した人格を安全に抑圧できる。最終的には意識の戦いの中で神躯の元の人格を完全に否定し、別の性格の人間へと変貌する。
しかし、神躯の中の人格と神格との戦いにおいて、前者には勝算がまったくないわけではない。
神体のすべての記憶は、神体の人格が成長過程で選択したものである。これは、これらの記憶が人格によって主導されていることを意味する。そして、これらの記憶の中で、神格は毎回断片的な情報を投入するだけで、今何をすべきかを決定する。神格が決定する記憶が増えれば増えるほど、神格は人格を圧倒できるようになる。つまり、融合前において、神格はアウェーでの戦いのようなものである。
そして、人格が完全で論理が通っていれば、神格がもたらす衝動に容易に左右されることはない。なぜなら、神格がもたらす情報には別の論理があり、その論理に従って考えていくと、別の自分自身の理性が形成されてしまうからだ。
本来であれば、この神体の中の人格は間違いなく不完全なものだったが、彼は白露と出会った。白露の神職は、多くの神々の目には、まさに最高レベルにお節介を焼く聖母そのものだ。数年にわたる交流の中で、白露は神体に多くの道理を教え、様々な出来事を通じて自己省察を促し、同時に神体の多くの困惑にも答えてきた。神体のこの年齢段階において、最も必要とするのは仲間と両親の愛であり、白露は絶妙なさじ加減でその役割を演じ、決して召使いのような態度で神体に接することはなかった。
もちろん、白露がそうするには代償も伴う。なぜなら、神格がこの世界に降臨しようとすれば、人格がもたらす感情のしがらみを絶対に背負いたくはないからだ。神格は二重人格の段階を完全に脱却するために、必ず白露との因果を断ち切るだろう。
黒弓組織の基地内、ある大広間で、六人の黒弓組織の上層部が高い台に座っている。一方、白露は中央のプラットフォームに立っており、上層部が白露を審査しているかのような雰囲気だ。
"蘿拉、最初の神降ろしの儀式がまもなく始まる。"
"あなたはこの世界における神の導き手の一人として、多くの作業をこなし、我々は満足している。あなたの信心深さを疑ってもいない。しかし、一つだけ確認しておきたいことがある。" 上層部の一人が真剣に、そして厳かに尋ねる。 "あなたは神の御体に慕情を抱いているのか?"
他の上層部たちは次々に白露に視線を向け、彼女の反応を探ろうとした。その一方で、暗闇の中で傍聴していた芙蕾娜は、陰謀が成功したかのような笑みを浮かべていた。
しかしすぐに、彼女は失望した。白露の顔には慌てた様子はまったくなく、淡々と高台の上の皆を見渡してから、皮肉を込めて言った。「凡人が自分の考えで神々を推し量ろうとしても、結局は無駄なことだ。それに、あなたたちの疑いは、方向が間違っている。」
白露が「疑いの方向が間違っている」と言った時、暗闇の中の芙蕾娜の体が突然震えた。後ろめたいことがある者は最も怯えやすい。なぜなら、本当に神の体に愛慕の念を抱いていたのは芙蕾娜だったからだ。神の体と親密な関係を築こうと必死に求めながらもできなかった芙蕾娜は、神の体と白露の関係を見て、ますます羨ましくなり、嫉妬の炎に燃えた芙蕾娜は白露を告発した。しかし、彼女は白露がこれほど無情に振る舞うとはまったく予想していなかった。
暗闇の中で芙蕾娜は心の中で叫び狂った。「ペテン師め、あの女はペテン師だ!偽りの清廉ぶりを!閣下、決してあの女の見かけに騙されてはなりません、このあばずれの偽りの外皮を剥ぎ取ってください!」
しかし、高台に座る審査員たちは、測謊能術システムによるテストーーを経て、白露が嘘をついていないと断定した。
白露は確かに嘘は言っていなかった。高台の連中は確かに疑う方向を間違えた。芙蕾娜に対してではない——白露はこの女を気にも留めていなかった——彼らが疑うべきは、白露の黒弓への敬虔さだった。旭起星で数十の神を斬り落とした白露が、どうしてこの世界のほぼ無信者と言える邪悪な組織に敬虔を捧げることがあろうか?
しかし、高台にいる上層部たちはまたも疑いの方向を間違えた。全員の上層部がうなずき、白露に神体の誘導を続けるよう促したとき、怒りが頂点に達した芙蕾娜は理性を失った。そしてその時、彼女は高台に座る上層部が自分をちらりと見たのに気づき、瞬間、彼女の内なるすべての怒りは冷たいもので覆われた。
審査終了後、芙蕾娜は残された。何が起きたかはもはや重要ではなかった。芙蕾娜はやむなく誘導者の列から外された。
白露は審査ホールを去り、元一光幕を開いて盧安への通信を開始した。
海辺の造船所で、盧安は造船所内の軍艦の建造状況を視察していた。白露からの通信を受けると、盧安はその場で他人には見えない元一通信用の光幕を開いた。
白露は言った。「盧安、ここでは四日後に最初の神降儀式を準備する。」
盧安は尋ねた。「何か必要なことはあるか?」
「ディ藍菲スの情報システムは何かメッセージを受け取ったのか?」
「情報システムは俺の管轄外だが、聞いてみるよ。」盧安は事前演習でフィックに直接この件を尋ねることができる。複数の事前演習でのフィックの表情から、彼がこの件を知っているかどうかを判断できる。
「じゃあ、安全に気をつけて、迷惑をかけないでね。」
通信を切った後、盧安は戦艦の舷側に歩いて行き、戦艦のミサイル発射システムを見た。
盧安は事前演習で十以上の感情態を分けて、白露から伝えられた情報を考え、その後つぶやいた。「拝金主義、物欲の横行、そして神を作ること……前情報時代は本当に馬鹿げている。」
旭起星任務を経験した盧安は、情報時代を前情報時代と後情報時代に分けた。前情報時代は情報爆発の時代であり、理屈から言えば、情報が豊富なこの世界では、詐欺師の手口はネット上で容易に見破られるはずだった。しかし、様々な情報がネットに溢れ、人々は自分の好むものだけを選んで偏って信じるようになり、軽ければ詐欺被害に遭い、重ければカルトが横行する——いわゆる情報の繭だ。混乱した思潮の中で、多くの言論が百家争鳴の名を借りて恣意的に拡大し、社会に有益なものも有害なものも、その時代には並存し、徹底的に打倒されることはなかった。戦争が訪れ、人々が生き残るために雑多な情報の中から選択を迫られ、情報を節制して取得する習慣を身につけて初めて、前情報時代は終焉を迎える。
白露に言われたことを覚えた盧安は造船所を離れず、手帳を取り出し、いくつかの代名詞を描いて白露の言いつけを書き留めた。
白露と話をする一方で、盧安は大量の感情態で別のことを考えていた。盧安には腹の探り合いをする気はない。このままならない世界に思い悩むなど、我ながら愚かしいことだと盧安は感じ、だからこそ自分の関心に没頭していた。
足元のこの戦艦は、盧に啓示を与えた。戦艦に並ぶ地対空ミサイル発射シェルを眺めながら、盧は自分が入手可能な材料でどのように弾道ミサイルを発射できるシステムを作り上げるか構想を練っていた。何しろ、常に浮遊戦艇を空に待機させて弾丸を運ばせるのはあまりにも目立ちすぎる。メインワールドでそんなものを空に置いておけば、厄介事を招きかねない。そこで盧は、水中にシステムを隠せないかと考え始めた。だから今、盧のさまざまな感情状態の頭の中は、潜水船舶の伝動構造と発射構造でいっぱいだった。
白露や李三祥と比べると、盧の思考はメインワールドに向いており、この世界に対してはやや無頓着だった。




