0261 愚かな戦争
経済が不況に陥り、政府の行政力が衰弱すると、地方の不法組織が蔓延し始める。
貝斯坦、フィゴ、漢克斯といった分裂を企てる公国は、外国の経済システムに依存しているが、確かに生き残ってきた。そして、これらの地域の密輸業者がディランフィース東部にやって来て、安価な商品でディランフィースの鉱石や重工業品を転売しており、それはソビエト連邦解体前に国境で活動していた「転売屋」のように、政府の統制力不足のために、これらの利益連鎖が多くの社会組織を育んできた。
これらの組織の人間は頭が回り、凶暴に振る舞っており、裏社会での商談を少しでもスムーズに進められることから、東北地方に裏社会が多いという錯覚を与えている。裏社会は人を切って遊ぶためではなく、金を稼ぐために存在する。一部の社会経済活動が政府の管理下に置かれなくなると、それらの活動は裏社会の主導のもとでルールが生まれ、俗に言う「筋の通し方」となる。
ディランフィス工業の再始動は、社会に大量の雇用を提供し、国家機構が再び動き出した。ディランフィスなどこれらの地域の小組織は次々と足を洗い、更生した。彼らに言わせれば、政府や警察と対立するリスクはあまりにも大きすぎるからだ。
もちろん、依然として政府内の腐敗分子と癒着して、密輸業務を横暴に行い、さらには国家工場に押し入って労働者の生産環境を乱し、工場に最安値での製品販売を強要し、税関の関門を迂回して密輸する無法者たちも存在する。
神は滅ぼそうとする者をまず狂わせる。この一年、これらの無法者勢力の勢いは増すばかりだったが、当然、そのすべてはフィックのブラックホーク情報部によって記録され、一つの驚天動地の大事件が明るみに出た。
「9・2」鉄鋼密輸事件の摘発に伴い、無法者の頭目たちは次々と逮捕・投獄された。しかし、長年好き放題やってきたこれらの頭目たちは、自分たちに迫る破滅の危機をいまだに自覚しておらず、相変わらず恐れを知らぬ態度で国家機関に挑発を続けていた。
「私が誰か知っているのか?!早く私を解放しろ!お前らポリ[1]に言っておく、お前らは大変なことになったぞ……」威張った声が牢屋に響き渡った。
国家情報部からの「警部」は、冷然とその騒がしい牢屋を見ていた。
一年間、政府はこれらの地元の暴力団に対して一歩一歩譲歩し、ついにこの暴力団をこの天も地も恐れない気性に育て上げてしまった。
あの牢屋に収監されている密輸犯は単なる小頭に過ぎないのに、何かにつけて政府機関を血祭りに上げると息巻いており、貝斯坦将軍の名前もたびたび口にしている。案の定、記者のインタビュー映像を目にしたこの自称貝斯坦将軍の親戚筋にあたる密輸の元締めは、相変わらず自らの言動を顧みることなく、レンズを指差しながら激しく罵倒した。「お前たち、自分が何をしてるのか分かっているのか?俺に対するこの仕打ちは貝斯坦への侮辱だ。こんなディランフィスならいっそ分裂してしまえ!」
このメディアは以前、その暴力団に強要された売買を強いられた多くの工場を調査していた。工場の労働者たちの訴えを聞いた後、多角的に真実を明らかにするという職業倫理に基づき、この記者はもともとこの暴力団のボスに何か弁解があるか聞いてみたいと思っていた。十分後、怒りに満ちた顔の記者は取材を終え、署長に詰め寄った。「こんなクズを、なぜまだ処刑しないんだ?! 税金は、国家の財産を盗み、法律に違反するこうした害虫が世の中に生き続けるのを許すためにあるのか?」
その「署長」はため息まじりの口調で言った。「貝斯坦地区のことなので、上級検察庁の命令を待っているところです。」
記者は愕然とし、続けて怒りを込めて言った。「待つ?! いいだろう、命令を待ち続けるなら、私が代わりに急かしてやる!」
この記者は急いで資料を持ってテレビ局に戻った。報道規制を担当する部門は、上層部の特別な命令により、この熱血漢の記者がこの取材を報道するのを黙認した。この驚くべき取材記録は、夜のニュースで放送された。すると瞬く間に、東部の主要都市の世論は騒然となった。
戦争は単に軍事的な問題だけではなく、生産、外交、情報、世論なども含まれる。有能な指導者は戦争を決断する際、国家の各方面の状態を最適な状態に整え、かつ最適なタイミングで開戦するものだ。
帝然菲斯の東部で明らかに戦争勃発の前兆が現れた時、ベイスタン側はこれを好機と捉えた。彼らの漸進的計画では、あらゆる条件を捉えてディランフィス中央に少しずつ譲歩を迫るつもりだった。そして今、ベイスタンの大公羅昌は危険を察知せず、単にこの事件をディランフィス中央への圧力を継続し、「軟弱な」フィック皇子に再び譲歩させる好機と見なしていた。
過去一年余り、先帝の衣鉢を継いだフィックは基盤が不安定で、名目上の国家統一を保つために、すでに多くの面で国内の地方勢力の行動を黙認していた。羅昌の目には、自らが最強の三地方勢力の一つとして、この軟弱な皇子は今この危機に直面しても、再び譲歩するに違いないと映っていた。実際、これはフィックに対する彼の重大な誤判断であった。
今や、羅昌は十二分の神経を集中させ、動員できるあらゆる力を動員し、この出来事で最大の利益を得ようとしている。彼は夜を徹して自領内の公使館を訪れた。公使館で、彼は心配そうな表情を作り、盾刃帝国の公使にこの件を報告した。
報告の間、この老公爵は帝然菲斯に対して戦々恐々とし、この衝突の中で途方に暮れている様子を装った。老公爵がこのような態度を見せたのは、自分を支持する盾刃帝国から可能な限りの支援を引き出すためだった。
この公使は逞しい体格をしており、わずかに獣人とオーガの血を引いている。羅昌公爵の話を聞き終えると、この公使は一杯の透明な強い酒を手に取り、一気に飲み干した。羅昌公爵の口元が引きつる表情を見ながら、羅昌に酒を注ぎ、そして言った。「友よ、心配はいらない。自分の武力を示すことを勧めるよ。実際の行動でその皇子に伝えるんだ。ディ藍菲スの統一を維持し続けるには、事実を認めなければならないとね。」
同じくこの危機に軍事的威嚇を行使しようと準備していた羅昌は、盾刃帝国からこれほど明確な支持を得て、心の中では大喜びしたが、それでも表面上は自信なさそうな様子を装った。これはこの熟練した老練な政治家にとってはごく当たり前の技能だった。
羅昌が尋ねた。「軍事攻撃は……少し行き過ぎではないか?」
盾刃帝国のこの公使は、「自信がない」羅昌を見て、もどかしそうに言った。「公爵閣下、これは単なる武装パレードです。あなたは商業経済と自領の商人の生命安全を守るという名目でこの行動をとっているのです!これは正義の表明であり、国際的にあなたの行動に干渉する理由はありません。」
「公使さん、本当ですか?」
「盾刃帝国は外国勢力が帝然菲斯内部の状況に干渉することを許しません。」
羅昌は公使館を出ると、ほっと一息つき、痛快な笑みを浮かべ、まるでイタチが鶏を盗み損ねたような表情だった。彼は車に乗り込み、かなり得意げに小声で言った。「絶好の機会だなあ……」
ディランフェスの地下城堡で、国家各部門の重要人物たちが忙しく動いている。国境で密輸団を大規模に拘束することは、戦争のボタンを押すことであり、ディランフェスはすでに準備を整えている。
羅昌が盾刃帝国公使館を出てから半時間後、ディランフェスの情報部門はこの情報をフィックの前に置いた。
「始まった。」情報簡報を見終えて、フィックは顔を上げて外交部のメンバーに尋ねた。「キンルイとベイファンはどう反応している?」
この外交部のメンバーは答えた。「ベイファンは衝突に遺憾の意を表し、衝突を停止し、交渉のテーブルに着いて話し合うよう呼びかけている。一方、キンルイ帝国は大国勢力がディランフェスの内部に干渉し、より大きな衝突を引き起こそうとしていると非難している。」
フィックが立ち上がって言った。「我々はすべての外部勢力が干渉する前に、迅速かつ手際よく戦争を終わらせなければならない!」
フィックが軍部を見ると、軍の指揮官が立ち上がって言った。「作戦全体では、五日以内にベスティンの反乱勢力を一掃する予定です。」
フィックは笑い、自嘲気味に言った。「それなら結構、最後通牒の草案は私が書こう。今これを羅昌に送っても、彼はすぐに後始末をするだろう。なにしろ私は一年間も口だけで言い続けてきたからね!」
会議室にいる全員からどっと笑いが起こった。
皆の笑い声の中、盧安は無表情で一言放った。「まったくもって愚か極まりない!」
会議室の笑い声がぱったりとやんだ。フィックは乾いた笑みを浮かべて盧安に尋ねた。「希瑞科、どうしたんだ。」
「ベースタンの者たちは実に愚かだ! あらゆる角度から、これが小さな危機ではなく、我々の全面的な攻勢であることに気づくべきだ。それなのに彼らは依然として平時の方法で対応し、命令を下して軍を我々の支配地域へ進軍させるだけで、全面的な動員を行っていない。」盧安の声の調子は高まり、続けてこう言った。「武力を公然と行使しながら、戦火を迎え撃つ覚悟がない。これは戦争を侮辱しているのだ!」
盧安は三戦から来ている。戦争の惨烈さを身をもって経験しているからこそ、ベースタンのこのような不注意は、たとえ敵の立場から見ても許しがたい。戦争をまるで児戯のように扱う上層部は、まさに露骨な犯罪だ。戦争で死にかけた一平民として、盧安は誰かが戦争に対してふざけた態度を取るのを見過ごせない。
盧安が敵国を罵っているのだと分かると、会議室は再び賑わいを取り戻した。フィックは笑いながら盧安の肩を叩き、彼を席に押し付けて言った、「あの老人は耄碌している。年寄りを大目に見てやれよ」。フィックは振り返り、将軍たちに向かって言った、「同情は無用だ。あの老いぼれをとことん叩きのめしてやれ」。
将軍は言った、「はい、陛下。あの老人には最初の一発を撃たせますが、二発目を撃つ余力は与えません」。
この将軍は自信満々で、盧安にはその自信が実力に裏打ちされたものだと分かっていた。相手に最初の一発を撃たせても、二発目は絶対に撃たせない——これが可能なのは、反応速度が極めて速い軍事システムだけだ。敵側は部隊を展開するのに1時間を要するが、味方はわずか数分で各部門に火力反撃の指示を出せる——いわゆる敵に第一撃を許しても、第二撃を許さない能力である。
地球の21世紀において、中国は周辺の小国に対してこうした戦略を取っている。しかし、中国は同じように軍事体制が整った大国、例えばアメリカ艦隊に対しては、決して相手に先に撃たせるとは言わず、拒止能力と言う——火力で相手の目には不安全な区域を作り出し、相手の兵力配置を外側へ押しやるのだ。もしアメリカ艦隊を遠くに追いやらなければ、地球上のどの国の軍事力もアメリカの先制攻撃による破壊に耐えられない。
これから始まる戦争は、圧勝の一戦だ。
[注1]。隠語、警察。




