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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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0239 都市脱出

 自分がこそこそ盗みをした結果、潘達(パンダ)の家で何が起こるかについて、盧安(ルー・アン)は興味がない。


 盧安(ルー・アン)にとって、潘達(パンダ)という人物は恨むに値しない。盧安(ルー・アン)には復讐の快感は全くない。希瑞科(シリコ)はシレイカ、盧安(ルー・アン)は盧安だ。賃金を差し引かれて餓死した希瑞科(シリコ)も、盗みに遭った潘達(パンダ)一家も、こうした規則を守らない社会環境が引き起こした社会問題である。この社会が法による保障を深刻に欠いている以上、自分の行動を正義や善良、邪悪といった基準で判断することはできない。なぜなら、その判断基準は法治社会のものではないからだ。盧安(ルー・アン)の行いは、希瑞科(シリコ)の復讐でも、潘達(パンダ)を罰することでもなく、誰もが規則を守らない状況で、自分が生き延びるために取った行動に過ぎない。


 しかし盧安(ルー・アン)は、初めて盗みを働いた家、あの猫を飼っている家庭のことを特に気にしていた。金を手に入れた盧安(ルー・アン)は、まず数日前に食べ物を盗んだその家に損害を償おうとした。盧安(ルー・アン)は金を投げ入れるとともに、謝罪の手紙を添えた。


 そう、衣食が一時的に満たされると、盧安(ルー・アン)はすぐに道徳心を取り戻したのだ。ある心の状態としては、自分が無人の境を行くがごとく他人の家に侵入すれば、その家に大きな恐怖を与えかねないと考えた。今回の返金行為は金額の問題ではなく、「今後、あなたの家には迷惑をかけません」という態度を示すものだった。この家の人にとって、冷蔵庫から何が減ったかは二の次で、主に家の安全こそが気がかりだったのだ。


 この家の女主人と男主人は手紙を読み終えると、振り返って窓の外を見て、パンを一つ取り、窓の外に掛けた。それからカーテンを引いた。この家族の行動を見て、盧安(ルー・アン)は微笑み、跳んで行って、窓の下に掛けられたパンを取り、「さようなら」という最後の手紙を残していった。


 因果を終えた盧安(ルー・アン)は、次の行動を開始した。


 まずは服を買うことだ。盧安(ルー・アン)は大きなデパートには行かなかった。今の盧安(ルー・アン)は帝然菲斯人であり、こんなにボロボロの服を着て、突然大金を取り出してデパートに現れたら、それは泥棒が店に警察を呼ぶ口実を与え、警察に手柄を献上するようなものだからだ。そして艾克達斯は非常に排他的な地域なので、たとえ盧安(ルー・アン)が百貨店に行ったとしても、百貨店に入ることができたとしても、一軒として自分の相手をして商売をする店はないだろう。


 そのため、盧安(ルー・アン)は露天で服を買うことにした。露天の店主は一つの商売ができればそれでいいという考えで、まともな店に比べて融通が利く。ただ、露天ではブランド品は買えないが、盧安(ルー・アン)が服を選ぶ条件はシンプルで、汚れにくく、動きを妨げないことだ。


 露天の店主と精算を済ませ、盧安(ルー・アン)は安物の黒いスポーツウェアを身にまとい、駅へと向かった。


 今の盧安(ルー・アン)は、少し状態が良くなってきた。顔色は依然として栄養不足の青白さだが、全身が清潔で整っている。外見だけでなく、盧安(ルー・アン)は現在の超能総量と体内に新たに構築された導力経絡体系にも適応した。データ上では、盧安(ルー・アン)の超能総量は弱まったが、それによって盧安(ルー・アン)は自分の超能を見直すことになった。今の自分の超能は、未開発の宝の山のように思える。これまでの使用方法は通用せず、全く別の使用方法を開発することができるのだ。


 例えば今、盧安(ルー・アン)は高敏捷性への発展を始めた。以前は、盧安(ルー・アン)の超能力は主に遠距離攻撃に使われていた。超能力が弱体化した後、盧安(ルー・アン)は現実を認識し、火砲の弾丸のような激しい機械エネルギーを支えきれないなら、弾丸に作用させるのではなく、体内での使用に専念するようになった。


 現在の導力脈絡が耐えられる機械エネルギーの限界に従えば、自身の各身体能力はどうあっても普通の人の20倍まで強化されるはずだ。そしてこの目標を達成するために、次のステップは導力脈絡を全身に行き渡らせ、組織にまで細分化し、組織や器官を保護することだ。今は激しい運動をするとき、内臓の揺れがあまりにも盧安(ルー・アン)を苦しめている。


 盧安(ルー・アン)自身の基準では、この体の導力ネットワークの密度はまだ十分ではなく、完璧とは言えない。導力ネットワークの密度が十分に高ければ、激しい運動中に速度変化による過負荷で内臓を傷めることはない。密集した導力ネットワークは弾力性のある大きな網のように、激しい運動エネルギーを吸収し、血液の一滴一滴を血管内の流れに固定し、組織の一片一片を体内の正しい位置に留めるのだ。


 今、盧安(ルー・アン)は街中を安定した足取りで駅へ向かって走っている。盧安(ルー・アン)の足と地面が接触する面は、全身の重みによって非常に大きな力を受ける。この巨大な機械的力は足裏から析出した導力の脈絡を通じて、全身の導力の脈絡へと蓄えられる。こうして盧安(ルー・アン)は、全身の導力ネットワークが呼吸するように機械的エネルギーを繰り返し収めたり放出したりすることで、少しの労力もなく安定した走りを続けている。


 一方、道路上の車が盧安(ルー・アン)の周りを通り過ぎるとき、まるで車が巨大な弾性ネットにぶつかり、それを通過したかのようだった。車が盧安(ルー・アン)の周囲にある無抵抗場が作り出す弾性ネットワークを通過する際、車の運動エネルギーは継続的に少しずつ吸収され、弾性ポテンシャルエネルギーの形で盧安(ルー・アン)の体内に蓄積された。盧安(ルー・アン)はこうして静かに周囲の運動エネルギーを吸収し、植物が日光を吸収するように、自らの体内の機械力循環システムのために機械的エネルギーを蓄えていた。


 数時間走り続けて、盧安(ルー・アン)はエクダスの駅にたどり着いた。多くの人々のスリへの警戒の視線の中、盧安(ルー・アン)は切符を購入し、ホームに入り、列車を探した。


 周囲の視線を感じ取り、ある予行演習中の盧安(ルー・アン)はため息をついた。「差別はどこにでもあるな」。


 差別は確かにどこにでも存在する。盧安(ルー・アン)が切符を買えたとしても、うまく乗車できる可能性は低い。三つの予行演習で、それぞれ三台の列車の改札係が直接盧安(ルー・アン)の切符を破り捨て、それから警棒を振り上げて盧安(ルー・アン)に出て行けと怒鳴りつけ、車内で物を盗まないように警告した。


 実際、これらの改札係は間違っていなかった。盧安(ルー・アン)の切符は確かに盗んだ金で買ったものだ。だから盧安(ルー・アン)も怒らなかったし、相手の疑いは確かに正しかった。敗戦国の難民がこの排外的な都市で、どんな仕事もなくいつもこそ泥をしないと生きていけない。これは、難民が大量の社会問題を意味することを示している。そして、国境は難民の流れを完全に封鎖することはできず、常に網の目をくぐり抜けるものが出てくる。


 したがって今、盧安(ルー・アン)はどうやって列車にこっそり乗り込むかを考えていた。盧安(ルー・アン)は事前のシミュレーションで、各車両の改札係をすべて試してみた。すると、ある改札係はチケットを破らなくても、盧安(ルー・アン)のリュックをめちゃくちゃに引っ掻き回し、最終的に中のお金を全て没収して、「盗品の没収」と称するのだった。


 最終的に、盧安(ルー・アン)は自分の方法で問題を解決することにした。検札の段階がこんなにも酷いなら、改札の手続きを経らないでおこう。


 駅に停まっている列車を見て、盧安(ルー・アン)は先に行動を起こすことにした。


 列車の中では、能術師英洛卡(インローカ)がそっとため息をつき、隣の美女に苦笑いした。「菲蜜娜(フィミナ)、君が一緒にいてくれなかったら、本当にどうすればいいかわからなかったよ。」


 隣にいた青みがかった藍色の髪の海族女性菲蜜娜(フィミナ)が怒りを込めて言った。「くそっ、この硝煙(トカ)ゲ野郎ども、人をまともに見ようともしないのか?!」


 英洛卡(インローカ)は首を振った。「今はどこの国へ行ってもこんなものだろう……ディランフィスはもう敗れたんだ、敗戦国の国民はうつむかざるを得ない。」


 菲蜜娜(フィミナ)は顔を上げて言った。「能術師はうつむく必要などない!能術に国境はない、今回の戦争が能術の強大さを証明したのだ!」


 菲蜜娜(フィミナ)の言うことは事実だ。ここ数年、能術技術は飛躍的に進歩し、戦局全体を左右してきた。戦後、能術師という集団の地位はますます高まっている。


 英洛卡(インローカ)は自嘲気味に言った。「これはディランフィスの崩壊という代償を払って、世間に能術の価値を理解させたということだ。」


 英洛卡(インローカ)は窓の外に目を向け、目を細めた。彼は遠くの駅のプラットホームで、人影が走っているのを見た。その小さな影は非常に執拗に見え、英洛卡(インローカ)は一瞬ぼうっとした。


 汽笛の音で英洛卡(インローカ)は考えを戻し、列車はあと20分で発車する。

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