0229 運命の手がかり
中国北部、渤海湾の葫芦島にある軍事基地の電子会議室で、上海の地図が広げられ、情報将校が現在の状況を説明している。
「上海上空の太陽光発電無人機からの空撮データによると、2035年7月13日午後4時38分、上海では数秒のうちに400以上の目標が衛星軌道砲のような火力攻撃を受けたと確認されました。」
我々はすでにその内の100箇所の攻撃地点を封鎖しました。しかし、現地政府と上海の特別部門(虎部)が先に現場に到着し、他の攻撃現場を封鎖しました。これまでのところ、我々の専門家はどのような方法で攻撃が実行されたのかをまだ分析できていません。
元帥の階級を持つある将校が言った。「関連事項は既に首相に報告しました。上層部は我々に現地部門と共同でこの事件を処理するよう求めています。現在のところ、外部からの侵略ではないことが確認されています。李兵強、君はこの分野の担当だが、どう見るか?」
龍部の司令官はまさに李兵強であり、彼は敬礼をして言った。「特別行動チームが南下中で、今回の攻撃が天數項に関連していることが既に確認された。13年前、西北の陳非教授は既に原子時計の停滞現象を発見していた。彼はこれに基づき、時間を乱すことができる特殊な超能力者が出現したと推測した。しかし、長年にわたり大量の装置を投入したものの、彼が仮定した時間超能力者の存在するエリアの範囲しか特定できなかった。今回の襲撃は、おそらく天數が初めて我々の部門に対して行った反撃だろう。」
元帥は補足して言った。「彼の反撃は非常に恐ろしいが、かなり控えめでもあり、一人も負傷しなかった。なぜなら攻撃が非常に精密だったからだ。彼を見つけ出し、国家のために尽力させることができるだろうか?」
李兵強は言った。「我々はこれまでずっとそうしてきた。しかし、南方の部門はおそらく仕事のやり方に問題がある。非常に悪い影響をもたらした。」
「彼らの仕事はどうなってるんだ?」
「私は、米振将軍が深い感慨を持っていると思う。」
李兵強は米振を巻き込もうとしている。李兵強の行為に対し、米振は心の中で罵りつつも立ち上がり、湯宏康に関する件を述べた。
これらの高級将校たちは、同じ利益を持っているからこそ、機会を見計らって報告を行うのだ。虎部は東部で独立性が強すぎる。軍は実際には超能者への需要が非常に高いが、この点で虎部と軍の関係はかなり険悪なものとなっている。
元帥は述べた。「この件は上に報告する。今の最重要目標は天數の安定化だ。私の一線は、このようなことが絶対に再発してはならないということだ。」
考えてもみてほしい、保険のない核兵器が都市の中に置かれていることが、国家上層部にとってどれほど不安なことかを。天數の抹殺については?この元帥はそのような妄想は抱いていない。実行可能性は極めて低く、リスクは甚大で、しかも何の利益もない。
この時、情報官は天數超能の等級を五級トップに定め、さらに「戦略級」という接尾辞を追加した。実は彼らは六級に区分けしたかったのだが、世間を驚かせないために、天數の具体的な状況が確定するまでは、五級トップに区分けしたのだ。
会議はすぐに終了した。この会議では、天數に関するすべての行動は慎重に行い、天數を刺激することを避けなければならないと総括された。
李兵強はフルフェイスヘルメットを外し、椅子に寄りかかり、こめかみを揉み解しながら、左手にある電話を手に取り、一連の特別な番号をダイヤルした。この番号は夜8時に姬流と定時連絡を取るための番号だった。
もう一方では、姬流はあるビルの上方の角にしゃがみ込み、暗視スコープを手に、遠くで麻辣烫を持って歩く盧安を観察していた。姬流はうんざりしたように息を一つ吐き出し、心の中が少しだけすっきりした。
盧安を監視する者は皆、倍の忍耐を消耗することになる。なぜなら盧安の行動は常に平凡だからだ。盧安が攻撃を仕掛けた時、ちょうどジー劉は不在で、盧安はバルコニーでの砲撃を終えると、すぐに運動場へ行き、ランニングを終えて家に帰り一眠りした。日が沈んで目覚めてからようやく街へ出かけた。にぎやかな通りで、盧安は一軒一軒の店のドアを押し開け、どの店がインターンを募集しているかを見て回った。――盧安はつい先ほど最高峰の超能力戦闘力のデモンストーーレーションを終え、この世界の三つの主要な超能力組織を震撼させたばかりなのに、今度はこの世界で普通の仕事を見つけ、普通の生活を維持する方法を考えているのだ。
普通の人は時折、どうしても理解できないことに直面したとき、自分に明確な理由を与えられなくても、そうすべきだと感じることがある。しかし、多連合状態にある盧安にとって、このような状況は存在しない。盧安は絶えず自己分析を行い、各予演の中のあらゆる感情状態が自らの理由を語り、明確な答えを自分に与える。この時盧安が自分に与えた理由は、「自分がこの社会の巨大な協力メカニズムに参加したい」というものだった。
もちろん、世界観の違いから、盧安は超能力者としてこの世界の人々と一部の面で協力することができなかった。盧安もまた、この資本主義世界のために自分の思考習慣を変えたくなかった。思わず馬克思・列寧主義理論で社会を分析してしまうのが、実は盧安の思考習慣なのだ。盧安はこの世界が赤色に対してタブー視していることを知らなかったわけではなく、蘿拉ーワールドから戻ってきた後しばらく自分の習慣を調整できずに、この世界の社会的属性を忘れてしまっていたのだ。
盧安はようやく気づいた。自分の最終的な目的は自分の怠け者生活を送ることであり、自分は時に他人のために手取り足取り細かく気を配ることができないからだ。この世界の超能力への追求はいわゆる最強であり、そのためもし盧安が天數、あるいは五級無阻超能者としてこの社会に溶け込んだならば、盧安と協力できる勢力は最終的に盧安と袂を分かつことになるだろう。
ある予行演習で盧安はこう総括した。「この世に身を置き、壮大な理想を抱きながらも共に歩む者がなく、追い求めることもできず、自らここで指導する資格もないと感じている。しかし、孤独を気取って時代を拒否してはならない。自分は有用な人間である、この点は疑いも否定も必要ない。幻想を収め、現在に目を向けるべきだ。」これが、盧安が今この社会で積極的に仕事を探し始めた理由である。
天の数を観察する姬流は、盧安に強い者の気質を全く感じ取れなかった。車が行き交う中で、姬流は盧安が群衆と完全に溶け込み、普通の人に見えると感じた。
姬流が盧安の監視にうんざりしている時、李兵強の方はまだ何とかして姬流に連絡を取ろうとしていた。李兵強は何度も電話をかけ続け、最終的に、李兵強の目は一つの番号に留まった。李兵強は数日前の報告で、姬流が李星霽に言及したことを思い出した。最終的に、李兵強はこの番号に電話をかけた。
「どちら様ですか?」この時、李星霽はパソコンの横に斜めに寄りかかり、肩で電話を挟んで尋ねた。
「李星霽?」
「はい、あなたは?」
「私は李兵強です。最近の生活はどうですか。」
「ええ、とてもいいです。」
「星霽、君の超能力が昇格したと聞いた。明日戻ってきて、君の次の段階を進める時だ。」
「次の段階は何ですか?」
「現時点では君は知らなくていい。そうだ、姬流と連絡は取れているんだよな? 彼の電話番号を持っているか? もし持っているなら、彼に伝えて、君を護送して帰るように言ってくれ。」
李星霽は手早く姬流のこの都市で新しく取得した電話番号に電話をかけた。電話からは姬流のやや苛立った声が聞こえた。「李星霽、何のつもりだ?」
李兵強は冷静な口調で言った。「姬流、私が彼に電話をかけさせたんだ。」
この時、盧安を張り込んでいた姬流は少し驚き、それから言った。「何の用だ?」
「お前に用事がある。後で電話をくれ。」
姬流はすぐに電話を切り、携帯を分解して、服の中に隠していた別の通話チップを取り付けた。
李兵強は李星霽に二言ほど指示を与えた後、電話を切った。
李兵強との通話が終わった後、好奇心が非常に強い李星霽は非常に手際よく別の端末に移動し、素早く姬流のあの電話カードの位置情報を検索した。彼はすぐにもう一台のパソコンを開き、一連のコマンドとパスワードを入力した。パソコンに地図が表示され、すぐに姬流の居場所が彼によって突き止められた。
先ほどの李兵強との会話の中で、李星霽は自分が何か隠されているように感じた。李星霽はつい先日四級に昇格したばかりで、突然自分がまだ「組織」の末端にいて、まだ何か隠されたことがあると気づいた。龍部の重要な責務の一部がまさか自分に託されていないとは、李星霽は自分が軽んじられていると感じた。
この新たに昇級した四級超能者は地図上の座標を見つめ、内心の死にたがる魂を抑えきれず、急いで服を着て外出した。この点から見ると、李星霽と盛怡苒は非常に相性が良く、極めて好奇心(と死にたがる心)が強いことが分かる。
一方、電話を切ったばかりの姬流はちょうど電話カードを取り付けたところで、李兵強の電話をかけた。
「統帥、私は今日特殊な状況にあります。」
「余計な話はいい、私の質問に答えろ。第一に、お前は大丈夫か?」
「大丈夫です。」
「第二に、目標に何か動きはあったか?」
「目標は至って正常で、何も動きはありません。」
「第三に、そちらの場所で大きな出来事があったのは聞いたか?」
「今日の午後にヘリコプターが飛び立ち、市内の火災警報が鳴ったが、まさか……」
「早く戻ってこい。」
屋根の上の姬流は混乱に陥った。これまで姬流は、盧安と今日の午後の大量の火災警報、そして上空を飛ぶヘリコプターの状況を結びつけて考えたことがなかった。上海は今、とても平静で、今日の夜のニュースでも、上海地区が何らかの不明な勢力による攻撃を受けたことに触れたメディアは一つもなかった。なぜなら、もしニュースで取り上げられれば、金融センターにおける上海関連の株は一夜で暴落し、その後、各方面の勢力が消息を封鎖するだろうからだ。後になってから消息を封鎖するよりも、上層部が直接手を下して、先に上海の消息を封鎖した方が良いのだ。
そのため、盧安の監視を続け、せいぜいスマホでニュースを見る程度だったジー・劉は、今日何が起きたのかまだ知らなかった。彼は相変わらず普段通りの心構えで盧安を観察していた。そして彼の観察では、今日の盧安はこれまでと変わらず、すべて正常に見えた。実のところ、ジー・劉は自分がほんの少しぼんやりしている間に、盧安が百キロ以上の氷塊を空へ送り出したことに気づいていなかった。
今、李兵強はジー・劉に迅速な帰還を求め、二つの問題について真剣に考えるよう促した。
第一に、天數の能力とは一体どのようなものなのか?
第二に、もし天數が想像を絶するほど強力だった場合、自分はどう対処すべきか?
遠くにいる盧安を見つめながら、ジー・劉はまず最初の手がかりから始め、盧安を通じて自分の推測を検証しようと準備した。




