0224 私の責任のすべて
盧安は自転車に乗り、上海交通大学の前にあるファストーーフード店へとやってきた。店内に座った盧安は、この先数年間、この世界で自分がどう経済的にやりくりしていくかを考えていた。
盧安はやはり平凡な道を歩むことに決めたが、絶望蘿拉ーワールドでの経験がすでに盧安の性格に微妙な影響を与えている。盧安は無意識のうちに、ある事柄において少し積極的になってしまっている。
盧安は現在、主世界での肉体は十五歳だ。元一の任務世界や自分の予行演習の中では、すでにとても長い時間を経験しているが、この世界では自分は依然として一人の少年である。盧安は、この年齢の自分は学校に通うべきだと考えている。
盧安は天數プロジェクトを離れようとしており(この時、盧安はまだプロジェクトがまもなく中止されることを知らない)、その後この世界で普通の人と同じように大学入試を受け、良い大学に進むつもりだ。
そして今、盧安はノートに、数年後の自分の学費を含む出費を記録している。盧安はインターネットでいくつかの大学の学費、宿泊費、教科書代を調べ、さらに近くのレストーーランの出前価格まで確認した。あれこれ計算してみると、一年で約六万元かかることがわかった。これは、盧安が以前接していた上流社会にとっては何でもないことだが、今では盧安にとって計算する価値のあることだ。盧安はすでにメインワールドで自分が居たいと思う場所を見つけている。
ただし、これらのことを調べている間、盧安は、自分のコンピュータに実際にバックドアがインストールされていて、調べたことがすぐに監視している人に知られるかもしれないことを悟っていた。
三時間後、張天闕が状況を盛儒星に報告すると、盛儒星はうなずいて言った。「よろしい、彼の好きにさせておけ。」
盛儒星のこの態度を見て、張天闕は、盧安がもはや完全に盛儒星の関心の範囲外にあることを悟った。
しかし、虎部が盧安への関心を失った一方で、別の一団が盧安に関心を持ち続けていた。すべては盧安の予想外の出来事だった。
北方龍部。統帥は南方からの監視データを仔細に眺めていた。
統帥の視線が盧安が調べていたそれらの学校に留まった時、彼は微笑んで言った。「最良の学校は北方にあるんだよ。君がこうして我々を見て見ぬふりをするのは、本当に我々を悲しませる。」
傍らの姬流が説明した。「彼は……北方の風砂気候は自分に合わないと言っています。」
統帥は笑った。「ははは、彼は盧家の人間だ。盧家は西北にある。あそこの風砂は我々の所よりもずっと厳しい。彼が来れば、すぐに慣れるさ。」
「すぐに行動を手配する必要がありますか?」
「自分で一度行ってこい」
姬流は少し驚いた様子で、その後うなずいた。
「もし彼が本当に全く疑わしくないのなら、どうすればいいか分かっているな」
「わかっています。彼を失踪させ、面倒は起こしません」
失踪の方法については?上海の黄浦江には人を沈める長い歴史がある。そして河海こそが、姬流の絶好の舞台なのだ。
「もし彼にまだ超能力があると確認できたら、速やかに制圧しろ。虎部が反応する前に、その者を私のもとへ連れてくるんだ」
「虎部の縄張りでそんなことをするのは、少々やりすぎでは?」
「人を手に入れた後で、我々は彼らと値段交渉をする」と統帥は説明した。「盧家の祖先は追いはぎで、盛家の祖先はならず者だった。盧家が強気な時に道理を説くな、あの時は強盗面だからだ。盛家に頼み事がある時に商談をするな、あの時は奸商の本性が出るからだ」
姬流がうなずいた。「では行動は、大学入試が終わってからにしましょう」
統帥もうなずき、それから別の話題に移った。
「李家のあの小僧、南の方で美人を抱きしめたのか?」
姬流は笑って言った。「彼から何も探り出せなかったよ」
統帥も笑った。
夜、盧安は壁に掛けられた地図を見ていたが、現実の盧安は黙って口を開かなかった。
地図を見終えた後、盧安は息を吸って言った。「天數、実に馬鹿げた呼び方だな……この世界にはもともと天數なんてなければいいだけじゃないか。」
盧安は浴室に入り、蛇口をひねった。水の流れは導力の脈絡の作用で盧安の体の上を急速に駆け巡り、汚れをすべて洗い流した。
もし張天闕がこの光景を見たら、盧安の超能力が消えていなかったばかりか、これほど自在に使えることに衝撃を受けるだろう。しかし、浴室の中には監視カメラは一切ない。まず隠して設置するのが難しく、たとえ設置しても、水霧でレンズが曇り、水蒸気で電子機器がショートしてしまうからだ。
元一から交換した天賦は、間違いなく非常に強力だ。盧安の無阻超能は五級の敷居を越えた後も、超能の総量はなおも上昇し続けている。精密な操作をしなくても、盧安は直接、機械力(鄧大能)、硝煙(托爾卡)、波濤(金羊社のある五級)といった五級超能者と一対一で対抗できる。
盧安はこれほど強力な超能を掌握しているが、数ヶ月前のような破壊衝動に満ちた衝動はもうない。盧安は無数の凡我によって構成されており、自分の持つ力で何をすべきで、何をすべきでないかが非常に明確になっている。そして、これほど強力な超能がこの世界に隠れているのが、今の盧安の多くの凡我の決定なのだ。
シャワーを浴びた後、盧安はデスクランプをつけ、この世界の大学入試模擬試験の紙を一枚一枚広げた。まず数十セットの問題を解き終え、それから十六科目の高校課程をマスターするのも、盧安の凡人としてすべきことだと思った。
盧安の前で、複数の解答用紙が机の上に広げられている。ペン先のインクが導力脈絡の作用で速く流れ出し、この世界の大学入試模擬試験に一つ一つの答えを書き込んでいる。
数学。代数演算、関数、幾何証明……
物理。機械力解析、電磁力解析、光学解析、回路解析……
化学。分離精製、物質同定、化学プロセス、実験操作……
盧安は同時に七枚の試験用紙を解いているが、実際にはもっと多くこなせる。盧安には予演能力があり、時間は普通の人の数倍で、マルチスレッドで思考し、自らの超能力でインクを制御して文字に変え、正確により多くの試験用紙に印字できる。七セットしかできない理由は机がこれ以上置けないからだ。もし横のベッドに置けば、窓の外の監視者がその過度な光景を見てしま宇田ろう。
これらの試験用紙を解くことで盧安は少し寂しい気持ちになる。前世では、これらの試験用紙はまるで行く手を阻む虎のように立ちはだかっていた。しかし今振り返ってみると、大学入試で問われるのはどれも特定の仕事で最も基本的な常識に過ぎない。
もし仕事で電気工事士を選んだなら、振り返って大学入試で出題された回路図を見れば、それが最も児戯に等しいものだと気づくだろう。もし化学工業を選んだなら、大学入試の化学反応の動的平衡に関する問題は最も簡単な記述に過ぎず、日々の仕事で扱うわずかな触媒でさえ大量の論文に言及していることを知るだろう。もし有機化学を選んだなら、実際の生産におけるプラスチックの分子式の複雑さは、教科書にあるような高分子ポリマーと比べれば、まさに高層ビルとあばら家ほどの差があることを発見するだろう。
大学入試の難しさは、単にその対象となる知識が非常に広範であるとい宇田けで、そのどれもが真に現代の生産現場に深く踏み込んだものではなく、すべては表面をなぞったものに過ぎない。しかし、まさにこのような試験が、知識量が乏しく視野が狭い子供たちの前に立ちはだかるのだ。三度の受験を経験し、様々な仕事や様々な生産現場をすべてこなしてきた盧安は、これらの試験問題を目にして非常に感慨深かった。なぜなら、これらはすべて最も基礎的な知識だからだ。
試験を終えた盧安は、立ち上がって答案用紙を片付け、ベッドに横たわると、意識を元一空間に入れた。
元一の交換シーケンスを見ながら、盧安はふと思い立って言った。「元一、ここで俺の元の世界の今年1年分の大学入試問題を買えたりするのか?」
元一は盧安に驚きの答えを返した。「功績ポイント1点です。交換しますか? 親切なヒントですが、最近の宝くじの番号も購入可能です。これで現在の元の世界におけるあなたの財政的プレッシャーを軽減できるでしょう。」
元一のこの斜め上の対応を見て、盧安は思わず言った。「元一、お前は正義の立場からきっぱり断って、こんな馬鹿げた考えを打ち消させてはくれないのか?」
元一なら後年の大学入試の過去問が買えると聞いて、盧安は本当に買いたい衝動に駆られたが、理性が自分を抑えろと告げていた。だから今、盧安はなぜ自分がそんなことを尋ねてしまったのか、ひどく後悔していた。
元一。「自己制御はあなた自身の責任です。もう一度質問しますが、あなたのメインワールドの20日後の大学入試の試験問題を購入しますか?」
盧安。「うるさい、私は成績のためじゃなくて試験を受けるんだ。」そして、盧安のある予演の中で、元一は小声で「答えは本当に心にもない」と言い、その後現実で手続き的に「あなたの選択を受け取りました、頑張ってください。友情のヒントですが、今のあなたの予演は蛙視能力と組み合わせることで、試験会場全体のすべての受験者の解答を統計できます。お尋ねしますが…」と応答した。
盧安は予演の中で罵倒して元一の更なる叙述を遮った。「くそったれの元一、どうやってカンニングするかなんてヒントはいらない!」
しばらくして、盧安は李三祥と白露に会った。盧安が来るのを見て、李三祥は盧安に言った。「もう納諾團の人に連絡して、彼らは私たちの加入を許可してくれた。今の本部は第七街の4階にある。」
李三祥は続けて言った。「納諾團に加入すれば内部でアイテムを売買でき、価格は元一よりお得だ。情報を得たり、任務の種類を選んだりもできる……」
その時、白露が口を挟んだ。「ごちゃごちゃ言わないで。彼は全然聞いてないよ。」白露は盧安を見て言った。「なんだか最近、上の空みたいだね。」
盧安はかろうじて笑みを作り、答えた。「主世界で高考が近いから、少し緊張しているんだ。」
李三祥は笑って言った。「緊張しなくていいよ。交換コーナーをよく見てごらん。」
盧安。「見たよ。ある理由があって、自分で受験したいんだ。」
李三祥は眉をひそめて言った。「大学への執念か?それとも高考失敗のリベンジか?」
盧安は笑って話題をそらした。「李叔、この前言ってた、選択権限で入ってほしい任務があったでしょ。」
予行演習では、盧安は李三祥がこの枠を必要としないことを知っていたが、現実の盧安は光幕を開き、やはりその選択権を李三祥に委ねた。李三祥は手を振って言った。「しまっておけ、もう必要ない。ゼロリセット任務の後は人が少なくなり、空間内で任務を奪い合う者もほとんどいない。あの任務はもう強制枠を必要とせず、直接入れる。」
白露。「じゃあ、次の任務はそこに行こう。」
李三祥の顔の表情がこわばり、白露に言った。「あの、白露、忙しくないのか?実はもう俺に付き合わなくていいんだ。自分の能力を鍛えに行ってもいい。他の世界の方がお前に合っているかもしれない。」
帰零任務の前、李三祥が盧安にその任務を勧めたのは、彼が入りたかったからであり、盧安には任務に強制参加できる枠があったためだ。まさか帰零任務の後、任務の購入に功勲ポイントが不要になるとは思わず、李三祥は自分が二つのお邪魔虫を連れてその任務に入ることになると気づいた。
白露。「あなたのその世界の紹介を聞いて、私はとても興味を持ったわ。まさか私を歓迎しないなんてことはないでしょうね。」
李三祥は目尻をピクリと動かして言った。「それはもちろん歓迎するよ。盧安の高考が終わったら、この任務を始めよう……さっきまで何の話をしていたっけ。」
盧安が口を挟んで言った。「納諾團の状況を説明していたんだよ。その中で時空傭兵が物々交換できる福利について紹介してたじゃないか。」
李三祥は不審そうに白露を見てから、盧安に向き直り頷いて言った。「うん、それじゃあ続けよう。」
“私たち三人はもうすぐ平民から脱却し、さらに一定の戦闘力も持っている。特に盧安だ。”李三祥は盧安を見て言った。「君のその二つの戦利品空間のマスはとても強力だ。納米團隊の人たちに、平民階級で二つも戦利品空間のマスを持っていると言ったら、誰も信じなかったよ。後で一緒に来て、彼らを見せて驚かせよう。」
盧安は謙虚に笑った。
白露が遮って言う。「他の情報について話そう。例えば、元一が制定した法則や、元一を制約するルールなど。いくつかの任務を通じて、私たちは元一への理解不足で損をした。」
李三祥はうなずいた。「そうだ。元一が存在する目的はただ一つ、他の時空穿梭システムを狩ることだ。そのために、彼が従う道徳は私たちとは全く異なる。」そう言って、李三祥の表情が歪んだ。明らかに前回の任務で元一の節操のない任務設定を思い出したのだ。




