0215 臆病でいれば安全だ
今回の戦争で、龍部落の攻勢を食い止めた。
二百名の壮年男性は、龍部落にとって大きな損失である。予見されるのは、将来的に龍部落が戦車の開発に力を入れ、他の小部落への攻撃を続けるということだ。絶対的な人的優位と技術的優位を獲得するまでは、南への拡張は続けないだろう。
そして龍部落を食い止めた槐樹部落も、北へは進まなかった。槐樹部落の中には北への拡張を望む者もいたが、盧安によって抑えられた。
盧安の理由は一つだけだ。ここは地中海地域ではない。拡張を続ければ、部族全体が奴隷制経済へと向かう。地中海のような有利な交通環境がなければ、龍部族と対立し征戦が絶えない槐樹部族は、盧安にとって意味がない。
盧安の最終目的は、巨軸の反応を探ることだ。人類が大規模に農業活動を行い生態圏の圧力を強めるとき、巨軸上の勢力は何をするのか。覇権争いは確かに痛快だが、しかし盧安は自分の最初の目的を依然として覚えている。
戦後、盧安は奴隷を川の近くに配置して大規模な農地を開墾させ、牛車を製造し、都市を建設させた。現在の領土を十分に開墾すれば、生産される食糧で五万人を十分に養うことができる。もし領土の拡大を続ける一方で、生産人口が集住地を形成する要素を軽視すれば、広すぎる領土はかえって掌握しにくくなる。春秋時代、面積が最も大きかったのは楚であったが、最も強かったのは中原の農耕国であった。人口が多かったからである。しかもこの時代、国家の領土の中で農地の地域だけが最も価値が高かった。
そこで、盧安は槐樹部族に五カ年計画を定めた。これからの四回の五年間で、最も重要なことは四つの城を築き、その四つの城を拠点として周辺の土地を開墾することである。
覇権争いなどについては、盧安はこの蘿拉ー内で覇権を争うつもりはない。未来については?盧安はとっくに足を洗って立ち去る。リーダーシップも必要なく、盧安の勢力は五年ごとに一都市を前進建設し、最長五十年で絶対的な人的資源と生産力をもってこの蘿拉ーの大地に圧倒的な覇権を樹立する。
もちろん、これは後の話だ。現在の盧安は同じ時空傭兵である北方三人組と争うつもりはない。北方三人組から見れば、盧安は非常に臆病な態度で、数ブロックの農業用地を守るだけで拡張しない。もう一点、盧安は強制命令を発令できるが、一度も使っていない。最初は、この三人は少し心配していたが、この世界での盧安の行動がますます保守的になるにつれ、数か月後、この三人の行動もますます開放的になった。于憾たちの考えは、「盧安が主役を演じたくないなら、私たちが演じよう」というものだ。
龍部落の軍隊は南で挫折を経験した後、すぐにより大規模な部隊を編成した。もちろん、このより大きな部隊は南に攻めて面子を取り戻すためではなく、より速く他の弱小な部落を攻撃するためだった。
龍部落もこれらの小さな部落を攻撃するしかなかった。もし新しい奴隷が農地に入らなければ、彼らの経済は軍事拡大後に崩壊するだろう。槐樹部落を攻めて奴隷を得るのが容易か、それともこれらの小さな部落を攻めて奴隷を得るのが容易か?明らかだ。
龍部落の軍隊が次々と部落に現れ、男女の群れを縛り上げて連れ帰るに伴って、龍部落の敗戦の傷はすぐに回復した。しかし、大量の奴隷が加わるに伴って、龍部落内部でいくつかの思想が芽生え始めた。
「えっさ、えっさ……」奴隷たちはかけ声をかけながら、巨大な丸太を次々と押し動かしている。これらの奴隷は泥まみれで、全身で腰の部分だけに草縄で結んだ樹皮が一枚、隠すようにつけられている。彼らの髪は雑草のようで、汗の臭いを放っている。
奴隷のそばにいる監督は鞭を手に、奴隷の列の周りを歩き回り、さぼっている奴隷を見つけると「ピシッ」と打ち下ろす。ある奴隷の背中にまた数本の赤い痕が増えた。そのうちの一人の奴隷は鞭を振り上げる監督をちらりと見て、歯を食いしばり、何を考えているのかわからない。
二時間後、巨大な木材が工事現場に運び込まれた。黄土を足で踏み、水と土を均一に混ぜる奴隷もいれば、石器で樹皮を剥ぐ奴隷もいた。石器は金属ではないため、簡単に割れてしまい、石器を壊した奴隷は鞭打ちを二度受けた。
このような厳しい統治の下、かつて部族で自由気ままに暮らしていた人々は、今では戦々恐々としながら労働に従事している。一方、工事現場の左側にある獣皮の帳の中からは、性交の歓喜の声が漏れていた。
テントの中にいるのは于憾だ。ドラムランド生態圏のすべての人は生命維持カプシェルから来ているので、女性の容貌は悪くない。風霜による損傷や労働による研ぎ澄ましを受けなければ、彼女たちの肌体は良い。そして、これらの肌が美しく容貌が優れた女性は、龍部族の上層部が専用にする貢物だ。北部の統一を達成し、同時に盧安の保守的な戦略を確固たるものにした後、大権を握った于憾は当然の如く人生の勝ち組の生活を始めたのだ。
この世界にはネットがなく、トランプをしたり、ゲームで遊んだりできない。だから、こういう娯楽だけをするしかない。他人の怒りを買うかどうかについては?「俺様は今や奴隷主だ。俺の軍隊はいつでも奴隷の暴動を鎮圧する準備ができている。」
心地よい発散の後、于憾は堕落した雰囲気が漂う天幕から出てきた。天幕の外にある滴り落ちる水時計を見て、于憾は陶製の煙管を手に取り、刻みタバコを一服吸うと、駐屯地へ向かった。
土台の上に立つ于憾は自分の宮殿を見つめながら、やや興奮して独り言を言った。「あと三ヶ月で、新しい家に住める。真夜中にムカデが顔を這い上がってくるひどい日々にはもううんざりだ……」
この世界で自分が建てる大きな家を思い描いて、于憾は微笑んだ。
二十分後、于憾は大木の下で他の二人の時空傭兵と会った。
于憾。「南の泥鰍はここ数日何をしているんだ?」
董明。「畑仕事だ。どうやら稲の施肥の法則を統計しているらしい。」
于憾は信じられない様子で言った。「彼はここを農業教育基地だとでも思っているのか?」
董明。「今のところ、彼は楽しんでいるように見える。」
楊傑。「女遊びもしていないし……女じゃないだろうな。」
于憾の顔に妙な表情が浮かんだが、董明は否定した。「彼には喉仏がある、くだらない推測はやめろ。」
于憾。「今の問題は、いつになったら帰れるのか?任務はどこまで達成すればいい?まさかドラム缶全体を統一しないと、元一は帰してくれないのか?」
董明。「もしそうなら、あの方と相談しなければならない。」
北の三人の時空傭兵と違い、南の盧安は奇妙なことに気づいた。これは盧安の予想外であり、元一がこれについて何も答えないのが、盧安をさらに意外に思わせた。
北の三人の時空傭兵は、盧安がこの蘿拉ーの世界で覇権を握らないことを認めなかった。しかし盧安から見れば、自分はすでに槐樹部族の100%の覇権の可能性を数十年後に残している。彼らから見れば、盧安が命令権限を使って四人チームの中心にならないのは向上心がないからだが、盧安からすれば、他人に無意味な要求をする必要はない。彼らから見れば、盧安がこの世界で放縦に生きないのは臆病な変人だが、盧安は常に自分に課した自尊、自愛、自謹を忘れず、元一に見張られていること、いつ罠を仕掛けられるかわからないことも常に覚えている。盧安は確かに臆病だが、その目は誰よりも遠くを見ており、潜在的な危険にもより敏感だ。
北方の龍部落は各地を征伐し、大量の死者を出し、血肉は機械鳥に採取された。そしてこの宇宙船は人数の安定を保つため、再び多くの人をこの世界に送り込んだ。その大部分は龍部落に略奪され、再び奴隷となった。
龍部落の奴隷が平民になる方法は二つだけある。一つ目は戦闘で軍功を挙げること、二つ目は赦免されることだ。一方、槐樹部落の奴隷は、もし田畑の収穫量が高ければ、庶民に赦免される。文字を理解し、算数の試験に合格すれば公民になれる。度量衡を使いこなし、水車の製作、土地の測量、貨幣の管理に参加できれば、士となり、さらに上へ進めば大夫となる。
上記の方案を比較すると、明らかに盧安が定めた規則の方が優れている。北の三人の時空傭兵が定めた規則は、より自分たちの気ままさを許すものだ。効果については、短期的には見えにくい。なぜなら現在双方の勢力の柱は軍事であり、今のところ勢力範囲は非常に小さい。二つの勢力の人口が数倍に拡大し、統治構造が完全に一巡りの人員交替を経て初めて、制度の優位性が現れるだろう。
では、なぜ北の三人の時空傭兵はより良い制度を使わないのかと問うかもしれない。野菜を多く摂り運動し、早寝早起きしてネットを控える。誰もがそれが健康的な生活だと知っているが、多くの人は「気ままさ」ゆえに実行しない。盧安の自律と慎重さは、自分の欠点を数百倍に拡大して自分が危うくなった後に初めて身についたものだ。一方、北の三人の時空傭兵、あるいは多くの普通の人々は、放縦によって危うく命を落としかけた経験がないため、自律などには無関心なのだ。
蘿拉ー大地の北にいる三人の時空傭兵が未来を全く知らぬ間、盧安は自分の領地に奇妙な新入りが幾人か現れたことに気づいた。




