0210 警告は不要
巨大な軸の上の存在目的は不明で、盧安はもう一度探る必要があると感じている。ただし、探る方法は盧安が突っ込んで一気にこの巨大な軸を破壊することではなく、別の方法で行う。
予行演習で、盧安は超能力を発動して虚空に立ち、回転大地の上方三キロメートルの位置で、回転大地を見下ろし、笑いながら言った。「私がやらなくても、誰かがやる。私が壊さなくても、他の人が壊す。限られた資源環境の中で誰かが前進の第一歩を踏み出した時、遅れた者は淘汰されることになる。」
この感情状態の盧安は感傷的だが、意味は一つだけだ。それはこの回転大地の上で、人類の原始社会の快適な生活が終わったということだ。
原始社会では、体力さえあれば、20~30年は美味しい食事と自由な交配の日々を享受できた。この良好な身体条件は、情報化時代の栄養過多な人々には備わっているものである。しかし、原始社会の人々はほとんどが体が弱く病気がちで、地球の21世紀の栄養過多な人々はその虚弱さを実感したことがなく、まったく共感できない。そのため、現代社会の人々から見ると、原始社会は素晴らしく自由に映るのだ。
盧安は部族の骨のように痩せた老人や負傷者から、原始社会の悪い面を見た。ひとたび自由に走り回れなくなると、ちょっとした怪我でも、原始社会では食事の序列が下がるのだ。
これが盧安の世界を見る目である。まず悪い面を見て、次に良い面を見て、最後にすべての要因を考慮し、自らの選択を行う。
蘿拉ーワールドの北方では多くの者が死んだ。殺戮は恐怖をもたらし、恐怖は人々に思考を強いる。ゆえに盧安のいくつかの政策には、実行への人心がつかめた。
ただし政策実施前、現実の盧安は今回のチームメイトに一度対応せねばならない。
龍部族の使者が来た、彼は楊傑である。これらの原始人にとって、その名は理解しがたい。龍部族の使者として、当然盧安の部族に大量の食糧と女を貢がせ、龍部族に朝貢するよう要求する。
しかし、楊傑は盧安を見たとき、自分の腕の光幕を見て、ぼんやりした表情から驚きに変わった。その後、茅葺きの小屋で、楊傑と盧安は単独で会談した。
楊傑は盧安に対して、来た時の仰々しい傲慢さとは異なり、非常に平静で、やや伺うような口調で盧安に尋ねた。「お尋ねしますが、あなたのご計画は何ですか?」
楊傑がこれほど礼儀正しいのは、元一がゼロ化ミッションで設定した階級制度のせいだ。楊傑の光幕には、盧安が楊傑に八つの強制命令を下せるという表示が出ている。
この表示を見て、楊傑は最初、元一が冗談を言っていると感じた。補助型の傭兵が何も消費しなくても、自分に八つの命令を下す権限があるはずがない。しかし、元一はすぐに楊傑に納得せざるを得ない答えを出した。盧安は一度のゼロ化で既に二つのゼロ化ミッションを遂行しており、今この正式なゼロ化ミッションは盧安の三つ目のゼロ化ミッションなのだ。
楊傑がさらにどうすればゼロ化ミッションを前倒しで行えるのかと尋ねると、元一の答えに彼は舌を巻いた。前倒しでゼロ化ミッションを行うのは全くの骨折り損で、リスクの高い任務を一つ二つ多くこなしても、最後には最終的なゼロ化ミッションから逃れられない。楊傑は自問してみたが、自分ならそんなことはしないだろうと思った。
しかし、楊傑の盧安を見る目つきは違っていた。「間違いなくやり手だ」と楊傑は心の中で盧安を評価した。
その時、盧安が尋ねた。「君たちの部族は龍と名付けたのか?」
「龍と名付けなければ、他に何と名付ければいいんだ。君は華人じゃないのか?」
「私は華人だ。だからこそ、良い名前を君たちに取られたように感じるんだ。」
楊傑は笑って言った。「簡単なことだ。君が僕たちのところに来ればいい。ずっと不思議だったんだ、なぜ君が来ないのか。権限レベルがとても低いんじゃないかとさえ推測していた。来る前は、君の疑いをどうやって解こうかと考えていたくらいだ。ただ、君は僕に大きな驚きを与えてくれた。」
「もっと早く君たちを訪ねなかったのは、本当に申し訳ない。こちらで少しやることがあってね。」
「今は終わったのか?我々の第一歩は兖4983区を統一することだ。君のいるこの部族は、いつ我々と合流するつもりだ?」
楊傑は当初、この部族を力で征服するつもりだったが、盧安を見てから、そんなに強硬な態度を取るのはやめることにした。
盧安は言った。「君たちは引き続き戦争の準備を進めて、計画通りにやってくれ。」
「まさか、この部族に俺たちの部族を倒させて統一させたいのか?」楊傑の口調には少し奇妙な響きがあった。
楊傑の推測では、盧安は自分たち三人と競い合って、自分の部族の勢力で圧倒し、三人が持ち出した力は借りたくないと考えているのだろう、ということだった。
盧安は楊傑の疑念を理解し、首を振りながら言った。「いいえ、君たち三人の行動計画を抑えつけるつもりは全くない。ただ、私にはどうしても戦争を通じてしか推し進められない制度や政策があるんだ」そこまで言うと、盧安は外の原始部落を指さした。「私には良い制度がある。だが、あまり強引に推し進めると、彼らは私の言うことを聞かなくなる」
楊傑が尋ねた。「言うことを聞かない者は、殺してしまえばいいのでは?」
盧安は首を振りながら言った。「最近、血を見ると気分が悪くなるんだ」
「ぷっ」と楊傑は口に含んだお茶を吹き出した。楊傑は宇宙人を見るような目で盧安を見つめ、それから尋ねた。「本気で言ってるのか?」
そこで、悪役を演じてもらうことになる。戦争がほぼ終わったら合併しよう。合併が早すぎると、そちらで一からやり直さなければならない。もし君たちが戦わず、合併が遅すぎると、ここでは危機感のない者たちが私の言うことを聞かなくなる。
楊傑は改めて尋ねた。「つまり、あなたは本当に血を見ると気分が悪くなるのか?」
盧安は言った。「私は今の君たちの行動に何の不満もない。果断な殺戮は理解しているし、今の君たちの行動に大賛成だ。」
楊傑は盧安を見てうなずきながら言った。「わかった、君は後方支援の才能を持つ時空傭兵か。大丈夫だ、この世界は後方支援の傭兵に適している。攻撃の才能を持つ時空傭兵には、元一が幾重にも警告を設定している。」
「警告?」盧安は驚いた。盧安が驚いたのは、自分が全く何の警告も受けていなかったからだ。
多重予演の中で、盧安はすぐに何の警告なのかをはっきりと尋ねた。楊傑たちの天賦について、元一はこの世界では天賦の力で人を殺してはならず、力を使う際には上空の撮影や人間の目を避けなければならず、山岳や密林、洞窟などの地帯に入ったときのみ、野獣に対して使うことができると命じた。
そして盧安はすぐに元一に、なぜ自分は警告を受けなかったのかと尋ねた。元一はこう答えた。「小心で慎重な人には警告は不要だ。」
盧安は一瞬呆然としたが、バックトラックを起動して元一に詰め寄った。「元一、今何て言った?もう一度言ってみろ。」
「すでに回答済みです。ご自身でご理解ください。」そう言ってその後、盧安の罵り声には耳を貸さなかった。
そうだ、元一がさっき盧安の見た多くの予演で答えたのは「用心深い者に警告は不要」。しかしある一つの予演で、盧安は元一の揶揄するような答えを聞いた。「臆病者は脅す必要はない、酒が臆病者の肝を太くする」。この言葉は多くの予演の答えの中に隠されていた。
元一は明らかに相手次第で態度を変えている。初めての帰零任務では、同じく帰還であるのに、盧安が受けた帰還命令と白露が受けた帰還命令は異なっていた。盧安と李三祥が受けた命令は白露の帰りを必ず待てというもので、「彼女を連れて帰らなければ、お前たちは痛い目を見るぞ」という意味合いだった。一方、当時白露に対して下された帰還命令は「任務は完了した、もう帰るべきだ」と説得するような口調だった。
今では、盧安も明らかに差別的な扱いを受けている。他の時空傭兵に対して、元一は細かい制限を設け「お前たち、何かやらかしたら俺が削るのを覚悟しろ」と言い放ち、一方で盧安の臆病な行動を嘲笑っているかのようだ。盧安が自分だけ差別されていると気づくと、元一はためらわずに皮肉の一言を浴びせた。
盧安はすぐに感情を落ち着かせ、自分に言い聞かせた。「怒らない、怒らない。つまり俺の探索の進捗に不満があるってだけだろ……はは、俺は慎重なんだ。臆病だと言うなら、誰か他の人を探索に派遣すればいいだろう。」
元一が与えた不快感を鎮めた後、盧安と楊傑はさらに数言交わした。日程を決めた後、この仲間を見送った。
時が経つのは早い。楊傑が訪れてから四十日後、盧安のいる部族はついに最初の穀物を豊作に収穫した。
農業について、盧安はあまり詳しくありませんでしたが、盧安は稲の成長各段階の時間周期を記録し、葦紙に各時期の特徴を描き、同時に稲を採取して乾燥させ標本を作りました。
盧安は導力構造を利用していくつかの機械構造を構築し、穀物の脱穀を試みました。法則を見つけた後、盧安は穀殻をすり潰し手動で送風して殻と粒を分離する装置をいくつか作りました。
これらをすべて終えた後、盧安は一碗を炊き上げ、部族の全員に試食させました。
味はまずまずで、粗糧のようで、中には砂が入っていました。盧安の言葉によれば、これらの穀物は肉には比べものになりませんが、これは食糧としての最大の役割が飢えを和らげることです。飢えが取り除かれる感覚は、現代人にはほとんど理解できません。
この部族の人々は、土地から食用になるものが生えてきたことに大いに興奮し、盧安は傍らで農民の苦労と大変さを嘆いていた。穀物が積み上げられると、盧安はその上に立ち、膝は穀物に埋もれた。その高く積まれた場所で、盧安は皆に向かって言った。「これは天地の恵みだ。明日、皆で私と共に天地に感謝を捧げよう。」
北方の三人の時空傭兵が行っていることを、盧安も自分自身でやる必要があると感じた。




