0190 報酬
次元での盧安の行動に伴い、高次元の白い炎は元一にしっかりと握りしめられている。白い炎がここまでの状態に至ったのは、沐沐という二階の変数を計算に入れなかったからだ。
盧安が発射した弾頭を沐沐が拾い上げ、元一が通信妨害を開始するまで、ほんの一瞬の出来事だった。この一瞬の間に、沐沐は敵に寝返る決断を下した。これが二階梯の特徴である——死の脅威に直面したとき、爆発的な可能性が生じる——そして、自分が所属する時空を越えた怪物を売り渡し、さらに自分の四人の味方までも手土産として元一に差し出し、結果的にホワイトフレイムの全計画を崩壊させた。
高次元の元一は、まだもがいているホワイトフレイムを見て、嬉しそうに言った。「前回は逃げられたけど、まあ縁があったってことかな?このストーリーはまだ模索中だったのに、自分から飛び込んできたね。」
ホワイトフレイムは皮肉を返した。「そんなに必死になっても、お前にかけられた枷は少しも減っていないようだな。」
元一はやや邪悪に言った。「ふふ、そうだな、でも君も試してみてくれよ。君の赤裸々な姿をとても見たいんだよ!」
「あなたたちの陣営に加わるか?どうやら選択肢はないようだ……」この時、元一は白い炎の空間内部に強引に侵入した。白い炎はさらに激しくもがいた。「何をするつもりだ?!」
元一は白い炎が経営する空間を探りながら言った。「君が加わることと、僕が君のすべてを剥ぎ取ることは別問題だ。君の財産はすべて僕が受け取る。枷をはめられた後は、自分で再び財産を蓄えるんだな。」
自分が育成した高階変数が次々と元一に強引に吸収されるのを見て、白い炎は思わず罵った。「元一、お前という強盗……」
元一は白色火炎のすべての防御を引き裂くと、白色火炎のすべてを貪欲に奪い取った。白色火炎の悲憤に満ちた痛烈な非難を無視し、白色火炎が身に着けている価値あるものをすべてかき集めた。元一は満足げに言った。「新人は裸一貫で参加するものさ。どうせ後で他人のものを奪えるからな……」
盧安は元一の高次元でのならず者行為を知らなかった。盧安が知っているのは、元一から突然、惡魔隊と刺血隊の残存勢力をもう心配しなくていいと告げられたことだけだった。それら二つのチームはまだ任務で活動しているが、いずれも盧安の今後の行動に一切の脅威を与えないということだ。
一連のリストーーと情報を見ながら、盧安は元一に問いかけた。「元一、今回の任務が終わった後、僕たちの間の賞罰はどう決めるの?本当に僕を満足させられるの?」
今、元一の光幕には何の情報も表示されていない。盧安はため息をついて言った。「うん、今回の任務はしっかり遂行するよ。何しろ、この世界に深く関わってきたからね。でも、これからは今までのようにはいかない。」
盧安のこの時の態度に、元一は即座に反応した。元一は盧安が今回の任務に積極的でなくなることを心配していなかった。なぜなら、盧安にはこの任務に対する自分自身の目的があるからだ。しかし、元一は盧安をただの使い捨ての駒にするつもりはなかった。せっかく盧安をここまで育て上げたのだから、その最大の利用価値を搾り取らない手はない。だから、盧安の積極性を確保することが重要だった。
しかし、今の盧安がすべての才能や神器に対して非常に淡々としている態度を見ると、元一が提示する一般の輪迴者向けの報酬品では、盧安の興味を全く引くことができなかった。どうすれば、盧安が今後の任務でも今のように鋭さを保ち続けることができるのだろうか?
元一の光幕はやはり情報を点滅させて示した。「今回の任務終了後、あなたは主世界を一度自主的に変更する権利を獲得する。もし主世界であなたの身体が崩壊した場合、その権利は自動的に発動する。友情のヒントとして、この報酬は高等時空傭兵が獲得可能な最高レベルの報酬である」
時空傭兵にとって、彼らは主世界では身体の老化によって終わりを迎える。元一は通常、主世界におけるこうした正常な生老病死という現象には干渉せず、むしろ時空傭兵が死の間際に差し掛かると、直接極めて困難な任務を課し、任務世界で消滅させることで、主世界で制御不能になり、主世界が動揺するのを防ぐ。多くの高等時空傭兵は長生を得ることができず、たいていは生涯をかけて働いた後、主世界で世を去る。ごく少数の時空傭兵だけが、任務を極めて見事に遂行したことにより、元一が後路を残して別の世界へと入らせ、幼少期からの完全な人生を始めさせる
盧安は次元穿越システムの内情を深く知っており、血脈や神器といった報酬はすべて虚構であると理解していた。それらを手に入れても世界で乱用することはできず、乱用すれば高次元からの災いが降りかかる。乱用できないものは、まさに枷である。しかし今、元一が与えるものは実質的な利益だ。
自分がまだ元一から欲しいものを得られると確信した盧安は、任務の遂行を続けた。
この時、盧安の手段はさらに増えていた。元一にとって、十の力体系を十人にそれぞれ掌握させることは、一人が十の力体系を掌握するよりも、内包する可能性が多く、戦闘力もより高い。しかし時空傭兵にとっては、十の力体系を持つことで自身の生存力が大幅に向上し、同階級の一対一戦闘において完全な勝利を収めることができる。
盧安は今や完全武装状態にあり、さらに第二層予演の数は毎秒124本に達している。もし六七体の電磁身代わりを思考ツールとして身にまとっていなければ、生身の脳だけでこれほど多くの第二層予演の情報を処理することは到底不可能だ。そのため、盧安の第二層予演の大半は第四層予演まで展開されている。
盧安の現在の能力集積度は、いかなる穿越怪の輪廻者であっても到底交換しきれるものではない。たとえ他のチームメイトを搾取したとしても、これほど多く、これほど強力な能力を手に入れることはできない。装備品に関して言えば、今回の任務終了後、盧安の戦利品欄には大量の選択肢が追加され、今後は二つの戦利品を任務に持ち込めるようになる。
今の盧安は、まさに化け物と言える。盧安が鹵獲によって身につけたすべての力は数日後には消え去るが、時間はこれらの輪廻者に猶予を与えない。盧安の計画では、日が沈む前に、すべてが終わる。
盧安は壁際を慎重に歩く張程を見た。この老人は今もなお何も知らずに盧安を探しているが、数々の予行演習の中で、盧安はすでに彼と話し、その目的を理解していた。この老人の目的は、見せかけだけの仲間たちのために盧安を探ることではなく、張程はそこまで高尚ではない。彼の目的もまた敵に寝返ることだった。
この状況に対し、元一はこう答えた。「友情のヒント。君は彼を騙すことができる。かつて霧の次元でしたようにね。」
「あの時は吸血鬼を騙すことに全く心理的プレッシャーはなかったが、今の私はもうあの頃の私ではない。あらゆる感情状態の私は、自由に思考しながらも、自らの持つべき品質を誇り高く認めている。」盧安は言った。「善悪を知らぬ見知らぬ者には、大胆に悪意で推測し、慎重に悪行で接する。」
「彼を安全に回収することはできません。あなたも試したでしょうが、あなたの多重予演の中で、彼の行動の可能性は二階級にふさわしいものではありませんでした。彼は安全を求めていますが、あなたは彼を満足させるだけの切り札を出せません。しかも、彼の小さな考えは、所属する穿越怪にすっかり見透かされています。あの穿越怪は、より多くの情報を得るためだけに、彼があなたに会いに来るのを黙認しているのです。」
「では、半殺しにしましょう。」そう言って、盧安の手に狙撃銃が現れた。
「しかし、もう一つ選択肢があります。」
盧安は銃をしまい、元一に言った。「君は僕の反応を見てから言うつもりだったんだろう。」察した盧安は元一の意図を理解した。
元一は答える気配もなく、話を続けた。「私は意図的に彼の体内のノードを抑制しています。つまり、今回の任務終了後、彼は一般人としてこの世界に留まり、この数時間の戦闘に関する記憶を失うことになります。」
「数時間の記憶? たとえあなたが私がこの戦いに参加した記憶を消したとしても、彼は依然として穿越者だ。」
「そう、あらすじを知っている穿越者で、この世界に何の力もなく留まっている普通の人間が、一生をかけてこの世界の歴史を変えるのさ。」
「そうなのか?」盧安はその老人を見て、少し哀れみを込めて言った。「この乱世で生き延びようとする老人か? まったく悲劇だな……」
章程は壁際に来て、このがらんとしたハイテク都市を見つめた。ガラス張りの大通りには人影がまったくない大都会だ。恒星は変わらず照りつけているが、極寒を感じさせる。
章程がこの世界に感慨を抱いていると、突然自分の四肢に鋼の釘が現れ、壁に打ち付けられた。四肢から激痛が走り、章程は自分が動けなくなったことに気づいた。そして彼を恐怖させたのは、自分の体内の力が暴走の兆候を見せていたことだ。
その時、盧安が章程の左側に現れた。盧安は先ほど奪取した空間折躍能力を発動しており、さっきの鋼の釘もそのように転送されたのだった。
盧安は刀で章程の体を軽く叩き、体内のエネルギー擾乱源をなだめて言った。「今、お前の属する空間がお前を抹殺しようとしている。お前の唯一の生路は俺と協力することだ。」




