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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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189/546

0187 厳しい

 後方支援を担当するサポーターとして、元一(ユエン・イー)の制御能力は非常に優れている。四時が張銘(チャン・ミン)の真気の力を強制的に回復させようと決めた時、四時の空間は張銘(チャン・ミン)にカウントダウンを示した。そして元一(ユエン・イー)は、自分には四時の空間を止められないと見るや、盧安(ルー・アン)にもカウントダウンを表示した。


 いわゆる強制回復とは、張銘(チャン・ミン)の真気だけを回復させるのではなく、盧安(ルー・アン)体内の真気も回復させることができる。この回復はまるで闇雲な物資投下のようなものだ。投下は特殊部隊に十分な弾薬を持たせるために行われるが、闇雲な投下は時に敵対武装勢力の手に渡ることもある。


 四点がこのように行動したのは、四点空間が張銘(チャン・ミン)は真気が満ちた戦闘に慣れていると考えたからだ。今のような凡人の戦いでは、どう見ても張銘(チャン・ミン)の戦闘経験を発揮できない。一方、盧安(ルー・アン)はこのような超能力を一切付加しない格闘において、極めて鋭い戦い方を見せる。盧安(ルー・アン)の一挙一動には淀みがなく、呼吸と筋肉の発力や力の保持の連携、さらには胸筋の運動による呼吸量の微妙な調節までもが、巧みに全身と連動している。四点空間から見れば、いかなる超能天賦も付加されていないように見える二階が、これほどの精密な制御力を達成するには、低魔世界でいったいどれほどの殺し合いを経験してきたのか。このまま肉弾戦を続ければ、四点は判断する、この時すでに怯えを抱いている張銘(チャン・ミン)は、ほぼ間違いなく喉を掻き切られるだろう。そのため、四点は戦いを張銘(チャン・ミン)が慣れ親しんだ局面に引き戻すことを決意する。


 要するに、張銘(チャン・ミン)が交換した血統を強制的に回復させたことで、盧安(ルー・アン)もまた四時点から投下された力を得ることができた。こうして、四時点は今回の駆け引きでもまたミスを犯した。元一(ユエン・イー)が突然抑圧を緩めたため、四時点空間が張銘(チャン・ミン)に与えるカウントダウンは、元一(ユエン・イー)のそれよりも零点零一秒遅れることになった。


 元一(ユエン・イー)は盧安(ルー・アン)に正確な時間を提供したが、四時点空間は張銘(チャン・ミン)に正確な時間を提供できなかった。そのため、両者の体内に同時に高エネルギーな真気が現れたにもかかわらず、盧安(ルー・アン)の真気が先に漏れ出し、手にした短剣が一歩早く鋭い罡気を放ち、先に攻撃を仕掛けた。一方、真気の回復後に反撃しようと準備していた張銘(チャン・ミン)は、真気の回復が一瞬遅れたことに愕然とした。こうして、張銘(チャン・ミン)が熟知する真気の力は後手に回らざるを得ず、盧安(ルー・アン)の短剣からほとばしる同種の力に対抗しなければならなかった。


 攻撃は最大の防御だが、一拍遅れると、受動的な防御しかできなくなる。張銘(チャン・ミン)は無傷の腕を持ち上げ、罡気の盾を形成して、防ごうとした。それが罡気の短剣と衝突し、数キログラムのTNT火薬相当のエネルギーを放出した。張銘(チャン・ミン)は盧安(ルー・アン)に打ち飛ばされ、砲弾のように地下車道の左側にある厚いコンクリート壁に激突した。張銘(チャン・ミン)の全身の真気が力を分散したため、彼が衝突した壁には破片ではなく、亀裂が生じた。しかし、張銘(チャン・ミン)が防御に使ったその腕の中の骨はすでに粉砕されていた。張銘(チャン・ミン)の両手はともに使い物にならなくなった。


 張銘(チャン・ミン)は痛みを顧みず、一気に跳び上がり、地下車道上部のガラス床を粉々にした。大量のガラス破片が散らばった。そして、この視界の悪い環境で、盧安(ルー・アン)は罡気で制御する短剣を振り出し、弧を描く一条の流光を描いて、張銘(チャン・ミン)の腹部に向かって殺到した。張銘(チャン・ミン)は空中で脚を使って反撃キックをしたが、刃は張銘(チャン・ミン)の脚に切り口を付けた。短剣は「カーン」と音を立てて地面に突き刺さった。


 張銘(チャン・ミン)が逃げ去った後、ガラスはやっと半空からがらがらと地面に落ちた。ガラスの落下が遅すぎるのではなく、張銘(チャン・ミン)の逃げ方が速すぎるのだ。日差しの下で、道路の欠け口のそばのガラス床は、冰糖をまぶしたかのように真っ白だ。


 戦闘終了後、元一(ユエン・イー)はすぐに光幕を表示した。「先ほどの目標は重要目標であり、この穿越怪は彼の体に多くのノードを配置している。追跡を勧める、大きな戦果を得られるだろう。」


 盧安(ルー・アン)はつぶやいた。「今は報酬の話すら出なくなったのか?」


「もし必要なら、今回の任務終了後、君が採集した輪廻者の能力を君用にカスタマイズできる。」


「もういい。今わかったよ、お前のところでやってると、力だけは一番不足しないってな。」盧安(ルー・アン)は、力を投入することが元一(ユエン・イー)たち穿越怪にとって、ゲームプログラマーがゲームの数値をいくつか変えるのと同じくらい簡単だと気づいた。


 盧安(ルー・アン)が輪廻者を一人片付けると、元一(ユエン・イー)はすぐにまだ機能している力の体系を盧安(ルー・アン)にインストールできる。すると、主世界では使わずに我慢しなければならず、任務世界ではばれないように我慢しなければならない。普段からあまりに多くの能力を持っていても何の役に立つのか?


 張銘(チャン・ミン)の真気はなかなか良いが、盧安(ルー・アン)に無阻超能があれば、既に主世界で欲しいものを手に入れられている。さらにこのような強力な真気を持てば、それは錦上添花ではなく、むしろ面倒が増える。この面倒とは、元一(ユエン・イー)が盧安(ルー・アン)の力が十分だと判断し、危険な世界へ任務に放り込むことだ。


 元一(ユエン・イー)の性分は、盧安(ルー・アン)がよく分かっている。与えられる力は絶対に自分の保身のためではなく、厄介事を解決させるためだ。だから、盧安(ルー・アン)は元一(ユエン・イー)の“思いやり”ある手配に大いに“感動”した、しかし断る。


 鹵獲した複数の力が互いに衝突しないように、元一(ユエン・イー)は盧安(ルー・アン)に切り替え機構を設定した。しかし、切り替えの過程で、複数の力を同時に使用する現象が生じることがある。そこで、盧安(ルー・アン)はすぐに“切り替え”を柔軟に活用する状態に調整した。


 美樂(メイラ)の剣気能力を青で示し、張銘(チャン・ミン)の武道能力を緑で示すとしたら、盧安(ルー・アン)の体内では青と緑は一方が伸びれば他方が縮む関係にある。盧安(ルー・アン)が攻撃を必要とする時、青が全身を覆い、鋭さをあらわにし、緑は血管に沿って心臓や骨格の部位へと内にこもり、保護および全身の運動を補助する。


 もちろん、この二つの力は実際には相反するものである。緑と青は盧安(ルー・アン)の人体モデル上で一度も接触したことがなく、そのため二つの力が接触しない身体の部位は弱点となる。適切なタイミングでそこを一突きすれば、盧安(ルー・アン)の体内の複数のエネルギーが混ざり合い、混乱を引き起こし、最終的には暴走してしま宇田(ウダ)ろう。


 しかし、盧安(ルー・アン)から適切なタイミングを見つけるのは難しい。盧安(ルー・アン)は切り換えの際、体内での各種力体系の増減リズムを非常によく把握しており、敵がそれを見抜いて隙を突くのは確かに難しい。しかも、盧安(ルー・アン)には予演機能もあるため、状況に応じた予防が可能だ。


 盧安(ルー・アン)は車線の中で一分三十四秒かけて適応し調整を終えると、真気を外に現し、足下から罡気を爆発させて飛び上がり、六メートルの深さの地下車線から跳び出した——これは無阻超能で構築した導力回路よりもずっと使い勝手がいい。


 街の移動する影を見つめながら、盧安(ルー・アン)の指先から一筋の冷たい光が迸る。慕容沖(ボヨウ・チュウ)は寒星のような剣気が掃き寄せるのを見て、慌てて隣のビルの中の暗闇深くへと潜り込んだ。


 ついさっき、張銘(チャン・ミン)はへこんだ車道から飛び出し、両腕が無惨に傷つき、さらに一太刀で脚を切り裂かれて、狼狽して逃げ出した。十数秒後、慕容沖(ボヨウ・チュウ)は盧安(ルー・アン)が飛び出すのを見なかったので、見に来ることにした。可能であれば、慕容沖(ボヨウ・チュウ)は戦況を確認し、それから残り血の張銘(チャン・ミン)にトドメを刺しに行きたいと思った。慕容沖(ボヨウ・チュウ)の見解では、張銘(チャン・ミン)は逃げるのが速いので、これは得難いチャンスだ。このチャンスを掴めば、自分の大敵を完全に排除できる、だから彼は慌ててやって来た。


 しかし今、彼は盧安(ルー・アン)に捕まえられた。そして慕容沖(ボヨウ・チュウ)は感じる、盧安(ルー・アン)は彼を待っていたのだと。


 盧安(ルー・アン)は左手から剣気を点射し、両目から大量の黒い気が溢れ出る。黒い気体は墨のように盧安(ルー・アン)の右手指先へと流れ、盧安(ルー・アン)が右手指先を素早く動かすと、黒い符文が空中に次々と形成され、そしてまるで水を撒くように暗い影へと放たれる。


 地面のその一筋の影がこれらの剣気によって点撃される。瓦が砕けた暗闇の中で、腕と髪の毛が露出し、まるで墨絵の中の人物が姿を現すかのようだ。慕容沖(ボヨウ・チュウ)が再び地面の影に没入しようとしたとき、あるいは再び墨絵の中へ歩み入ろうとしたとき、次々と符文が点じられると、地面の影はまるで黒い墨の中に赤い墨を点したかのようになる。鮮やかな炎の赤色が影の中で広がっていく。


 慕容沖(ボヨウ・チュウ)はスーパーの中で強制的に姿を現し、全身に火傷の跡があり、煙も上がっていた。慕容沖(ボヨウ・チュウ)が息をつく間もなく、盧安(ルー・アン)が窓から「ドン」と飛び込んできて、戦略的制圧を仕掛けた。


 盧安(ルー・アン)は棚に掛かっていた長刀をさっと手に取った――どうやら肉切り包丁のようだ。もう片方の手でフライパンをつかんだ。盧安(ルー・アン)がこの格好で突っ込んでくるのを見て、一瞬驚いた後に慕容沖(ボヨウ・チュウ)は自分の能力が消えていることに気づき、そばの消火器を振り回した。


 張銘(チャン・ミン)との戦いと比べると、盧安(ルー・アン)と慕容沖(ボヨウ・チュウ)の戦いは一瞬だったが、慕容沖(ボヨウ・チュウ)の運は張銘(チャン・ミン)ほど良くなかった。同じく二階級の者でありながら、張銘(チャン・ミン)は攻撃に失敗した後もなんとか逃げおおせたが、慕容沖(ボヨウ・チュウ)は逃げることさえできなかった。


 五秒後、盧安(ルー・アン)は自分の頭を撫でた。今は盧安(ルー・アン)が最も重傷を負った回である。フライパンで遮ったものの、右の頭蓋骨にひびが入り、盧安(ルー・アン)は頭がぼんやりとした。一方、慕容沖(ボヨウ・チュウ)は喉をナイフで大きく切り裂かれ、地面で喘ぎつつ血が一面に流れている。


 この低レベルの戦闘では、双方とも重傷を負ったが、盧安(ルー・アン)はなお行動する力があった。彼は商品棚を慕容沖(ボヨウ・チュウ)の上に倒して火をつけた。大火の中、慕容沖(ボヨウ・チュウ)は最後の力を振り絞ってもがき、盧安(ルー・アン)は落ち着いて自分の頭に薬水を吹きかけながら、予行演習で炎の中の人影を見ていた。


 一分後、盧安(ルー・アン)は息も絶え絶えの慕容沖(ボヨウ・チュウ)を踏みつけ、手を彼の後頭部に当て、彼のノードを取り除き、同時に元一(ユエン・イー)のノードを植え付けた。盧安(ルー・アン)の予想に反して、慕容沖(ボヨウ・チュウ)は高次元間のノード争奪で死亡しなかった。


 人道主義の精神に則り、盧安(ルー・アン)は戦略的抑制を解除し、慕容沖(ボヨウ・チュウ)の空間袋から丹薬を取り出して彼の口に放り込んだ。


 白い炎が提供する力を失った後、慕容沖(ボヨウ・チュウ)はこの丹薬を飲み込み、盧安(ルー・アン)を見つめて言った。「お前は容赦がないな。」


 盧安(ルー・アン)は淡々と言った。「少しは冷酷でなければ、お前たちの手から生き延びられない。」

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