0145 教育
盧安と李三祥が光幕に注目している時、白露もまた光幕を見ていた。ただ、白露が見ている内容は盧安たちのものとは少し異なっていた。
「今回の任務は完了しました。速やかにこの世界を離れてください。今から、血腥回帰の確率が発生します。」
白露は静かに首を振り、言った。「私はあなたには敵わないけれど、それでも留まりたい。この世界の物質的基盤の上で、あと二ヶ月は存在できる。二ヶ月後には、自ずと離れる。なぜ私を急かすの?」
元一は答えなかった。
光幕に何の変化も見えないのを見て、海面に立つ白露は大声で言った。「私はただ自分がすべきことをしたいだけだ!ここは私の起源世界だ。私はあなたの要求通りに世界を探索したのに、なぜ私に変える機会を与えてくれないんだ?!」
「空間的には、あなたはここに属している。時間的には、あなたはここに属していない。ここの未来はあなたが長居すべきではない。あなたは傍観者の心構えで、その後の歴史を見守るべきだ。」
これを見て、白露は周囲の海面を見渡した。海面の中では、最も原始的な藻類が複雑な生命体系を構成し、まるでスーパークラゲのように海水の中に潜んでいる。
白露はうなずいた。「あなたの言いたいことはわかる、あなたは正しい。でも我慢できない。すまない、来てしまった以上、自分の残留した死体がこの時代に腐っていくのを見ていられない。私はこの世界で生きていきたい。たとえ一瞬でも生きて、私は変えたい。」
「お望み通りに。」元一が言った。
元一にとって、低次元で進歩する文明は、あたかも苗床の中の一鉢の植物のようだ。「植物」自身にとって、何の干渉もないのが最善だが、常に「アブラムシ」が吸い取りに来て、元一が「殺虫」に来る。「殺虫剤」は「植物」にも有害だが、元一は「植物」への「殺虫剤」の害は許容できると考えている。
白露はまさにその殺虫剤の役割を果たしている。元一は白露が過去にこの世界で生きてきた積極性と世界への理解を利用し、この発展ライン上で世界が激変した際の状況を効果的に探求している。もし婕拉のような現地の傭兵たちがこの危険な世界に対して消極的な探求態度を持っていなかったら、元一が白露をここに投入することはなかっただろう。この世界には他の方向性もあり、今のこの方向性は最悪の数種類のうちの一つで、浅い亜廃墟区から深層亜廃墟区へと向かう発展ラインだ。睿脳紀元は神臨期の後にも他の発展ラインがあり、肥沃区へと発展できるラインも存在している。しかし、沃土区は元一にとって入り難い、なぜならそこは元一の管轄外だからだ。元一は、深度亜廃墟区へと続くこれらの発展線の上を歩き回ることしかできない。ここは元一のような存在にとって、最も不毛な場所である。元一は、これらの発展線上の重要な出来事や重要人物の近くで騒ぎを起こすのを好む存在を狩るため、白露を調査に派遣した。
白露は元一から与えられた任務を達成し、「大魚」を見つけ出し、その「大魚」を釣り上げた。その後、元一は盧安という「漁網」を使って「大魚」をすくい上げた。盧安が感知できた過去のあの巨大な静止空間こそが、この「大魚」である。この「大魚」を回収すること——盧安にとっては身体に刻まれた巨大な時空の痕跡を消し去ることになる——それこそが元一の今回の目的だ。この目的を達成するために、元一は白露、盧安、李三祥の三人にそれぞれ異なる任務を与え、系統的な誘導を行い、任務全体の流れを導いた。そして今のところ、この三人の中で白露だけが元一のやり方を理解している。
現段階の任務はすでに完了した。その他の時空傭兵、例えば婕拉などの旭起区の時空傭兵は、依然としてこの時代で大量に死亡しているが、それは元一のあからさまな腹黒さだ。元一は一部の時空傭兵を放棄しており、まるで釣りで手当たり次第に餌を撒くようなものだ。婕拉たち時空傭兵は一定の時間生存し、もがく中で自身の価値を示さなければ、救われる機会を得られない——元一にとって、各時空傭兵の価値を搾り取る前は決して手を放さず、価値を搾り取った後はすぐに捨て駒のように捨てるのだ。
そして今、白露の反応も元一の想定の範囲内なので、元一は後手を用意した。盧安の側ではすでに任務を受けている(詳細は0142章参照)。
盧安は小舟にもたれかかった。無阻膜で覆われた小舟は水面を高速で進む。海面に広がる導力網が三百メートル範囲の波の運動エネルギーを導き、盧安の小舟はモーターボートの全開出力に匹敵する速度を出していた。これ以上速くなれば、小舟は水切りのように海面を跳ねることになる。船酔いしないために、盧安は速度をそれ以上上げなかった。
盧安の任務は白露を撤退させることだった。友誼による説得は明らかに不可能で、何らかの手段を取らざるを得ない。今の盧安は、元一の幾つかの言葉から一抹の悪意を感じ取り、仕方なく説得に向かうしかなかった。これまでのところ、白露はこちらの通信に応じていなかったため、盧安は小舟を漕いで向かうしかなかった。
目標が近づくのを見ながら、盧安は元一に言った。「私は彼女に敵わない。彼女の基準に反したら、容赦はしてくれないよ。私は消されてしま宇田ろう。」
「君の目標は彼女を帰還させることであって、彼女に勝つことではない。」
「この任務には報酬がないのか?」
「本任務にはいかなる報酬もありません。」
「罰則は何ですか?」
「いかなる追加の罰則もありません。」
盧安はここに「追加」という二字があることに気づいた。彼は少し落胆して言った。「この世界での78日間は私にとって何の危険もないが、君の言い方だと、この任務を離れたら、私は不運に見舞われるということか。」
元一はこの質問に答えず、盧安は追及した。「私は何に直面するのか?」
元一は依然として答えなかった。
盧安はしつこく問いただした。「彼女と敵対するのは大きなリスクがあり、永久に彼女の怒りを買う深刻な結果を招く。そんなことをする理由を教えてくれ。」
元一はやはり答えなかった。
元一のその様子を見て、盧安は少し気落ちした。
船は海面でゆっくりと停止した。穏やかな海面で数十分過ごした後、小船を中心に巨大な水しぶきが炸裂した。盧安は狂ったように超能力を発動させ、海面から幾筋もの水流が空へ向けて激しく噴き上がり、大量の水が小山のように積み重なって数十メートルの水の丘となり、やがて轟音とともに崩れ落ち、四方へと広がっていった。
盧安は発散していた。それは普通の人がイライラして物を壊すのと同じだった。クラスター状態の後、盧安は徹底的に発散した。開けた海面なら誰にも影響を与えず、誰にも見られることはない。
未来には何があるのか?私は何をすべきなのか?この二つの問いを理解せずに、多くの時間を手に入れると、人は迷いの中に陥ってしまう。時には、特定の二次的な行動が「自分は何をすべきか」という主要な目的の推進力によって、菌のように増殖することがある。恋に破れた若者は過食に走り、試験に失敗した学生はゲームに没頭し、事業に失敗した経営者はギャンブルに溺れる……こうした行動は、彼らが主要な目標を失った後に、菌のように増殖していくのだ。
盧安は凡人である。だから時間がこのように積み重なった段階に達すると、凡人の持つ長所が集まる一方で、凡人の欠点もまた蓄積されていった。
1分後、盧安のいる海上はまるで核爆発のようになり、大量の水が粉砕されて水霧となり、海風に乗って漂った。白い水霧は垂直に吹き上げる風に乗って百米の高さまで一気に上昇し、そして拡散した。盧安は30分にわたって感情を爆発させ、海面全体は遠くから見ると巨大なキノコ雲のようになった。
ついに、盧安は海上での破壊に飽きた、というか発散し終えた。小舟が水霧の中から現れた。
盧安は元一が指し示す方向をじっと見て、低い声で罵った。「78日も待てって?死にたいのか!」本来、この世界がぐずぐずしていると感じて非常に不安だったのだが、今やこの78日を我慢して待つとすれば、待っているのは帰還ではなく、元一が周到に仕組んだ罠だと保証できる。
遠方に立ち上る巨大な水煙のキノコ雲を見て、白露はうなずいた。「血腥回帰か。わかった。あいつなら確かに面倒だが、それだけのことだ。」
盧安は白露を恐れ、白露もまた盧安を手強いと感じていないわけがない。白露は盧安の戦闘行動を見たことがある。幽魂のような雑兵を片付ける時、白露は盧安の操作が完璧であることに気づいた。白露は理解している、盧安と戦うには、隙を見せないか、あるいは盧安にやむなく隙を見せさせるしかない、と。
白露は手を上げ、広々とした海面に向かって朗々と告げた。「私は知る必要がある……」大言霊術のような効果が、彼女の軽やかな一言とともに、天地に現れた。
彼女の指先が指し示す方向に、大量の水蒸気が立ち上り、蜃気楼を形成した。蜃気楼には盧安のいる海域が映し出されていた。
海面を疾走する漁船に乗っている盧安を見つめ、白露はうなずいて続けた。「あなたは冷静さが必要です…」彼女の言葉が終わると同時に、盧安のいる海域では、大量の気体が海水から分離し、無数の泡が海底から浮かび上がった。白露のこの一手は、巨大な船すら海に沈めることができる。
船が沈む。予演でこの光景を見た盧安は、動力を制御し、足元の船の速度を急激に上げた——十分な速度さえあれば、レンガも空を飛べる。十分な速度さえあれば、密度の異なる二つの流体の間を、物体は浮遊できる。
盧安付近の海域は大量の泡で満たされ、海面は乳白色に染まり、盧安の足元の船はトビウオのように海上を疾走していた。
白露はため息をついて言った。「仕方がない、私もこの子を少し教育したいと思った。」




