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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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0133 禁忌なき地

 危うく雷に打たれかけた盧安(ルー・アン)は堤防を転げ落ちる際、うっかり無阻球殻の維持を怠ったため、全身ずぶ濡れになった。体の熱が水分の蒸発とともにどんどん失われていくので、盧安(ルー・アン)はこれ以上堤防の上に立って大波を見続ける興味もなくなった。


 盧安(ルー・アン)は最後に遠くの水平線を一目見た。遠方の嵐雲がますます近づいてきていた。


 盧安(ルー・アン)はデパートの洋服店にやってきた。店員の誠実な笑顔と行き届いたサービスのもと、盧安(ルー・アン)は清潔できちんとした服に着替え、スマートフォンで支払いを済ませた。


 盧安(ルー・アン)は、自分が支払いを済ませた後、店員たちがほっとした様子であることに気づいた。事前のシミュレーションを通じて、盧安(ルー・アン)はこれらの店員が自分が支払えないのではないかと心配していたのだと理解した。なにしろ泥まみれでみじめな姿で入ってきたし、年齢から見ても、この歳の支払い手段は明らかに親に依存しているからだ。


 この店員は盧安(ルー・アン)が支払えないかもしれないと心配しているが、それでも不満を表に出すことはできない。この社会では誰も不満を露わにできない。それは21世紀の地球人が自分の日常の生活が他人の指摘の的にカメラに映されるのを望まないのと同じで、この世界の報復手段――電磁スタンドは簡単に手に入るからだ。この世界では、若者だけが無邪気に振る舞うことができ、大人は慎重に行動しなければならない。もし不適切な表情を見せたり、不適切な行動をとって誰かに嫌悪感を抱かせたら、幽霊がやってくるかもしれない。だから、このような誠実な笑顔のサービス、社会全体の人と人との友好的な現象は、幽霊が社会を監視する下で作り出されたものだ。


 衣料品エリアを出た後、盧安(ルー・アン)は飲食エリアに来て、店員の熱心なサービスで料理を注文した。


 この路上のファストーーフード店でさえ、店内のサービス態度と厨房の衛生状態は地球の21世紀の五つ星レベルだ。幽魂はこういった公共の場所、例えば飲食店の厨房などに自由に立ち入れるからだ。ここでは期限切れ食品の粗悪品混入はなく、期限間近だがまだ食用基準内の食品はすべてビルの下のシェルフサービスエリアに置かれ、他の人に無料で提供されている。しかし、これらの無料食品を受け取る貧しい人々でさえ、受け取った後に一滴の食料も無駄にせず、食事が終わればゴミを分別し、洗剤で共用食器をきれいに洗ってから消毒保管庫に入れている。そうしなければ、撮影され、公開される。夜に徘徊する幽魂がそのような表示に引き寄せられ、悪事を企てるからだ。


「高素質な社会だ」と盧安(ルー・アン)は心の中で思った。「誰もが社会矛盾の捌け口になることを望まないから、こうした高素質が形成されたのだ。」


「ピピピ……」と盧安(ルー・アン)の腕に光幕がポップアップ表示された。これは李三祥(リー・サンシャン)からの通信だ。


 盧安(ルー・アン)は李三祥(リー・サンシャン)の通信をつなぐ際、少し躊躇したが、その後、遡行状態に入り、自身の過去のその時点に戻った。その時点には、惑星全体を位相的に覆う静止空間が存在しており、静止空間の中では、李三祥(リー・サンシャン)がその瞬間に何をしていたかを調べることができた。このような地図が全開になる神の視点は三十日間だけで、一か月後には元一(ユエン・イー)に完全に回収されてしまうので、今使わない手はない。先ほど盧安(ルー・アン)が躊躇したのは、こんなふうに覗き見ることに道徳的な問題があると感じたからだ。しかし、少し躊躇しただけで、盧安(ルー・アン)はこの手段で三十分前のその瞬間の李三祥(リー・サンシャン)の状況を調べた。


「盧安(ルー・アン)、ちょっと手を貸してくれ」その時、李三祥(リー・サンシャン)は算筹の才能で幽魂のコア情報を読み取っていた。


 これより前、この幽魂は配管を通って各棟の部屋を巡り、大量の発見をしていた。例えば、ある部屋には誰かの裸の写真が、別の部屋にはある人物と別の人物が密か取引した日記帳があった…この幽魂は秘密を覗き見ることを楽しみ、当然さらに多くの秘密を求めて上へ上へと探っていく。


 この幽魂が下水管から漂い上がってきたところを、李三祥(リー・サンシャン)が磁場で形成した閉鎖網の罠で捕まえた。しかし、この幽魂を倒した後、李三祥(リー・サンシャン)の信仰の指輪が反応を示し、彼をとても驚かせた。


 通常、信仰の指輪の力は、誰かを殺した際にその者の記憶をすべて奪い取るというものだ。ところが幽魂を倒した後、李三祥(リー・サンシャン)は指輪が取り込んだのがほんの数日分の記憶だけで、しかもその記憶が時が進むにつれて常に移り変わっていることに気づいた。つまり、この幽魂の操り主はまだ生きており、死んだなら記憶は完全に途絶えていたはずだということだ。


 李三祥(リー・サンシャン)は指輪を通じて、これらの幽霊を放つ者たちが昼間の人間生活の中でどのような状況にあるかを察知でき、さらに彼らに追加でいくつかの考えを植え付けることもできる。例えば、対象に再びこのビルへの好奇心を抱かせ、夜間に再び幽霊を派遣してこのビルを探索させ、続けてもう一度陥れるのだ。なぜなら、人間の意志は幽霊の中の記憶として、幽霊が本体に戻って初めて記憶されるのであり、さもなければ外で消滅しても、本体の感覚はただ一眠りしただけに過ぎないからだ。だから、幽霊が外から戻れなければ、本体は外での経験を覚えていない。


 もちろん、この幽霊をもう一度倒せば、李三祥(リー・サンシャン)は相手の考えを読み取れるようになることに気づいた。理論上、十分な回数殺せば、李三祥(リー・サンシャン)はこの人物の思考を支配できるようになる。まるでカルト教祖が信者を支配するように。


 李三祥(リー・サンシャン)が今操作している幽魂のコアは、あるサラリーマンのものだ。このサラリーマンは昼は一言も発さずに仕事をし、夜になると熱狂的な夜遊び者になる。昼間は規則だらけの抑圧を受け、夜に狂ったように解放する。


 現実では、李三祥(リー・サンシャン)は自分が算筹を通じて幽魂の操り手に影響を与えられることを、半ば隠しながら語った。しかし、事前演習の中の多くの情報のまとめから、盧安(ルー・アン)は李三祥(リー・サンシャン)の状況を推測した。幽魂のコントロールに言及した時、李三祥(リー・サンシャン)が必死に隠そうとしても、盧安(ルー・アン)は彼に支配欲があると判断できた。


 李三祥(リー・サンシャン)の頼みに対し、盧安(ルー・アン)はこう答えた。「いいよ、ちょうど宅配の受取所にいるから、関連機器を郵送してくれ。」


 李三祥(リー・サンシャン)は窓の外、ビルの間に架けられた宅配便のレールをちらりと見た。彼は光幕で盧安(ルー・アン)の位置を調べて言った。「25分後に、荷物を受け取ってくれ。」


 通信を切った後、盧安(ルー・アン)は心の中で思った。「幽霊が何に従うべきか、これまで定義されたことなど一度もない。すべては幽霊が従わなくてもいいものだ。」


 盧安(ルー・アン)は社会のルールを一つ一つ厳格に守っている。それらの社会ルールは、多くの人の目には道徳と映り、時には盧安(ルー・アン)が生まれつきの善人であるかのような錯覚さえ生む。しかし、そう考えるのは間違いだ。慈愛に満ちた人間は善行をすること自体を自己の楽しみとするが、盧安(ルー・アン)が道徳ルールを厳守するのは自分のためであり、人類の秩序の下でうまく生存していくためなのだ。盧安(ルー・アン)が秩序を望むのは、秩序の中ならばより安定して生きていけると考えているからである。


 しかし、秩序がなく、盧安(ルー・アン)が秩序を築けない場合、混乱の中で、盧安(ルー・アン)の行動は聖母の行動と大きく異なる——自分さえ助かればそれでいい。生存のために、盧安(ルー・アン)は無秩序の状況で利己主義を極限まで推し進める。


 二十分後、盧安(ルー・アン)はデパートの屋上に到着した。ここは宅配便の受取所で、レールが、箱入りの宅配便をビルに運び上げ、そして人々は暗証番号を入力して、対応する宅配ボックスを受け取る。


 盧安(ルー・アン)は金属製の箱を受け取った。シミュレーションでは、盧安(ルー・アン)が箱を開けると、中には幽霊を捕まえる様々な器具が入っていて、シミュレーション内の通行人はそれを見て驚いた表情を浮かべた。明らかに、これらの器具は目立ちすぎる。それはまるで地球の21世紀の繁華街で銃器を取り出すのと同じで、だから現実の盧安(ルー・アン)は箱を持ってエレベーターに乗り、一気に下へ降りた。


 この街には多くの暗い隅々がある——日中は陽の光が届かず、誰もわざわざ訪れる者はいない場所。例えば下水道だ。普段は作業員がここを点検する際、大量のロボットと高出力の放射線探照灯を使って中の幽魂を一掃してからでなければ中に入ることはない。


 そして今、この陰曹の地で、足音が響き渡っている。無数の幽魂たちは音を聞きつけると、まるで吸血蚊のように一斉に群がってきた。彼らから見れば、こんな陰気な場所に足を踏み入れる者は、たいてい自殺志願者だ。


 肉体をここに差し出すことは、幽魂たちに施しを与えるようなものだ。自殺者はすでに自らを見放しており、抵抗する意志もなく、脊椎の後ろにあるチップは無防備で、あらゆる侵入を受け入れる。幽魂たちは容易にこの差し出された肉体を支配し、好き放題に操って弄び、その肉体が壊れるまで続けるのだ。


 他人の体を使って、現実では想像もできない禁忌のことをしても、誰も変態呼ばわりしない。幽霊には禁忌などないからだ。


 幽霊たちは、今回やって来たのが若く美しく無表情な少年だと知ると、電気信号の歓声を上げた。何しろ若く美しい肉体ほど、壊す感触が格別だからだ。特にこうした肉体は現実で自分が手に入れたことのないものであり、その破壊を今自分で操れるとは、なんと喜ばしいことか。


 幽霊たちはこの「自殺者」のうなじを見た。ガーゼで巻かれており、明らかに脳チップ埋め込み手術を終えたばかりだ。自由奔放で何のためらいもない少年時代から、規則だらけの抑圧社会に放り込まれ、こうして自殺する若者は珍しくない……とにかく、幽霊たちは一斉に群がった。


 幽霊が飛びかかってくるのを見て、盧安(ルー・アン)は心の中で愚痴をこぼした。「昔は虎のために役立つというが、今日の俺は何のために?仲間のために幽霊釣りか?」


 盧安(ルー・アン)の後ろ首のガーゼはわざと巻かれ、顔の表情もわざと作ったものだ。ネットには多くの資料があり、例えば自殺者が死ぬ前に録画したビデオなど、子供には見せられない場面が多い。そして先ほど盧安(ルー・アン)もそれらの自殺者の細部をわざと真似したのだ。


 多くの青い光を前に、盧安(ルー・アン)の顔に不気味な笑みが浮かぶ。暗闇の中、盧安(ルー・アン)の声が不気味に響いた。「今日は、百無禁忌だ。」

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