0107 反逆者気質
上海市の天卓研究所で、盧安は実験室に入った。
実験室の周囲には巨大な生命維持装置があり、その内部には多数の機械アームが設置されている。生命維持装置全体の内部は盧安の要求に従って改造され、主に一連の関連ボタンと、装置を強制的に破壊するためのチタン製ハンマーが設置された。
これらのボタンを使えば、盧安はいつでも実験データを照会したり、実験の強度を調節したりできる。例えば、酸素供給濃度や各種薬剤成分の比率を調整することが可能だ。チタン製ハンマーは通常は使用しないが、実験機器に機械的故障や「人為的故障」が発生した場合、盧安はこのハンマーを使って装置を破壊し脱出することができる。
これらの設計は盧安の要求によるもので、異変を察知した場合に超能力の殺傷力を露呈させることなく装置を破壊して脱出し、命を守るためのものだ。無論、これらの設計の最大の目的は、一部の者の企みを未然に防ぐことにある。厳重な防御を示さなければ、人に大胆な行動を起こさせる隙を与えるようなものだ。
もし本当に事が起これば、事前演習によるリードタイムと、集団状態で無阻超能力を迅速に展開できることを活かして、意念が向かう先では、演習でガラスを破壊する際に見えたひび割れ面が、現実で盧安が無阻フィルムを展開する際の基準点となる。これにより、広範囲のガラス内部に演習と同じ断裂紋が生じ、生命維持装置の水圧によってガラス全体が急速に破砕される。
盧安は顔を上げて、生命維持装置の内部で自分の血管とつながっている一つ一つのパイプを見た。これらのパイプは上方にある特殊な機器につながっており、その中には大量の結晶があった。これらの結晶格子の中に密集して組み合わさった活性タンパク質が、超エネルギーの貯蔵機能を果たすことができる。システム全体は、超能力者の体内にあるとも言えるし、体外にあるとも言える。なぜなら血液が循環しているからだ。超能力者の体内を流れ、このシステムに流れ込み、そして再び超能力者の体内へと流れ込む。もしこの循環システムの仕組みを完全に理解していなければ、盧安はこの生贄の祭壇のように見える生命維持装置に、絶対に乗ろうとはしなかっただろう。
盧安は全身の衣服を脱ぎ、パンツ一枚だけの姿でこの四十立方メートルの生命維持装置に入った。酸素マスクをしっかりと装着し、盧安は二十五度の培養液がゆっくりと装置全体に満たされていくのを感じた。長さ四五メートル、直径二三センチのか細い機械腕が、液体の中でゆっくりと自身の体へと近づいてくる。第二類の予行演習で伝えられた感覚の中に、これらの機械腕をへし折りたい衝動があった。これらの機械腕は自分の体に貼り付き、超音波で部位を確認すると、皮下静脈に狙いを定めて針管を刺し込んだ。
四時間後、虎部、龍部、玄鳥部の三組織のメンバーが一堂に会した。
龍部の研究員が球形の容器の投影を指さして言った。「目標は五級の超能力を非常に完璧に制御している。」
巨大な缸体の中の流体投影モデルは地磁場のように見える。流体は缸体空間の上方から拡散し、下方に集まり、中心軸を通って循環を完了する。
盧安の無阻場はある領域の物理現象を変えることができる。無阻場を平たい状態で物体表面を覆うと、絶対的平滑現象が現れ、もし空間の中に完全に満ちていると、超流動現象が現れる。あるいは、薄い無阻場が重ね合わされた流体が超流動体の性質を示したからこそ、絶対的平滑現象が生じたのだ。
固体、液体、気体という三つの一般的な物態と比べて、超流動体もまた一つの物態であり、最も顕著な特徴は粘性が完全に欠如していることだ。超流動体を環状の密閉容器に入れると、摩擦力がないため、それは無限に流れ続けることができる。
これらの研究者たちの見解では、4•23事件の超能力暴走現象に比べると、今や盧安は超能力に対して絶対的な制御力を示している。すべての現象は直径15メートルの球形容器の中に集中している。この球形容器内の液体は粘性を完全に失い、装置の制御下で高速に流動し始め、最大速度は既に秒速600メートルに達している。
超高線速度が容器の壁に巨大な圧力をもたらしている。研究室全体ではこの容器の壁の外側に油圧プレスで加圧し、壁の内外の力のバランスを維持し、内部の超流体が秘める恐るべき機械エネルギーが壁を破って放出されるのを防いでいる。
龍部のメンバーたちが喜色満面であるのに対し、虎部は一筆一筆丹念に記録を取り、玄鳥部は遺憾そうに資料を調べている。
龍部が顔を輝かせているのは、彼らがちょうど関わったこの技術分野で大きなブレークスルーを達成したからであり、一方虎部が一字一句丁寧に記録しているのは、傍観者に徹する準備が整っているからだ。虎部の計画では、盧安は離脱する可能性があり、その可能性が現実になれば、虎部はこのプロジェクトの後続に参加できなくなる。
玄鳥部については、彼らは盧安の超能力発現に類似した研究資料を有している。盧安の超能力は「力の伝導」という大分類に属し、玄鳥部はまさにこの種の超能力研究を得意としている。鄧大能と盧九重という二人の五級超能力者は、超能力場の属性において非常に近似しており、現在盧安が示している無阻場もまた、これら二人の五級超能力者と近似している。この両名の五級と比較すると、盧安の超能力は根本的には同一ですらある。それは、人類が皆炭素基であるにもかかわらず、高矮胖痩の異なる人を構成しているのと同じだ。ただ、自己の重点の置き所が異なるために、原子物質世界において超能力が発現する効果にも差異が生じているのだ。鄧大能の超能力は空間を跨越する機械的力の伝導であり、引力場に対する集中と発散を示す。一方、盧安が示しているのは、一定領域内における機械的エネルギーが、無秩序化した内部エネルギーへと転換しないようにすることである。
つまり、玄鳥部の人々からすれば、これは明らかに自分たちの超能者である。このプロジェクトは自らの理論体系を完璧に補完できるのに、結局は皆で共有することになり、実に残念だ。
研究チームが発生した現象について熱心に議論し、次の実験の進め方を分析している間、盧安は自分のデータを調べていた。体温、酸塩基平衡、心電図、脳波などのデータと平常時の差異を確認していたのだ。いわば、研究者たちは超能力の使い方を考え、どうすれば盧安がよりよく発揮できるかを模索しているが、盧安自身は自分が失敗しないか心配しているのだった。
実験中と平常時とで一致しない自分の身体データを、盧安は赤い丸で囲み、重点的にマークしていた。もし再び異常な上昇が起これば、すぐに実験を緩めるつもりだった。
人体は恒常状態である。健康でない人と健康な人との違いは、部分的に上記の一連のデータに現れる。データに異常があれば、恒常状態に問題が生じていることを示す。
盧安はこの一連の赤丸で囲んだデータを描き終えると、それを直接これらの人々に送り、体内のデータ上昇を抑え、正常なバランスを保つ方法を探すようにさせた。例えば、培養液の温度、酸素含有量、アミノ酸、糖類、脂質の成分比を調節することなどだ。これらの人々は非常に不愉快に盧安の任務を受け入れた。彼らからすれば、盧安が強調するこれらの身体バランスの変動は、いずれも正常な変動値の範囲内であり、超能の進歩のためには許容すべき代償だった。しかし、盧安の態度は極めて断固としており、それが衝突を生んだ。他のことであれば、盧安は気ままにしていられたが、自分の健康な身体に対して盧安が抱く態度は、ほとんど厳格な職人気質と呼べるものだった。
一方、巨大な演算基地では、盛儒星はてんてこ舞いの忙しさだった。なぜなら全国の原子時計がちょうど日数が再び爆発的に増加したことを検出し、盛儒星が大量の演算タスクを引き継いだからだ。
突然、彼の電話が鳴った。それは虎部の研究者からの着信だった。この研究者の言葉によれば、どうやら盧安が偉ぶって実験を続けるのを嫌がっているようだ。
この研究者をなだめた後、盛儒星は通信ビデオを開き、盧安のいる場所の状況を見た。
大ホールで、自分に実験を続けるよう要求する数人の研究者たちを前にして、盧安はずっと自分の意見を曲げなかった。
虎部のある年配者が心を痛める口調で言った。「実験状態は確かに人体の数値に変化をもたらすものだ。そんなに過度にこだわっていては、どうやって大成できるというのか?」
この言葉を聞いて、盧安の目に一筋の不気味な光が走った。盧安は首を振って言った。「人体は睡眠状態には睡眠状態のバランスがあり、運動状態には運動状態のバランスがある。もし睡眠中に、心拍数が運動時の状態であれば、それはきっと悪夢の状態だ。お年寄り、私は一人で外に出ているから、自分をしっかり守らなければならない。立派な人になれるかどうかは、あなたが心配する必要はない。この世界は天才が私一人欠けているわけではないが、私はこの命しかない。この命は私以外、誰も気にかけない。」
そう言うと、盧安は引き出しから医療用アルコールの瓶を取り出し、老人に歩み寄りながら言った。「ご老人、体のデータが跳ね上がっても問題ないとおっしゃるなら、あなたの老いてますます盛んな気概を見せていただけませんか。そうすればわたくしも若者の意気を示す勇気が湧きます。これを一気に飲めば、血圧が少し上がり、目眩がして、一眠りすれば治ります。さあ、大丈夫です。後でわたくしが一瓶飲んで見せますから」
第二類の予演を通じて知るに、盧安はこの老人のポケットに即効性の救心丸が入っているのを知っていた。心臓に問題を抱える老人のポケットにだけあるものだ。濃度75%の医療用アルコールは普通の壮年男性なら飲んでも問題はないが、この老いぼれに一瓶を一気飲みさせたら? ふん
老人は盧安が一歩一歩近づくのを見て、激しく非難した。「何をするつもりだ? 目上の者を敬え。やめろ、ゴクン……」
盧安の周囲にある動力鎧のいくつかの機械部品の配線がちょうど切れており、しかも切り口は非常に整然としていた。この老人はまた盧安に頬を掴まれ、瓶の口を直接喉に当てられ、医療用アルコールを口の中に流し込まれた。そして横で止めようとした他の研究者たちは、全員重心を失って地面に倒れたが、床には無抵抗膜が施されており、立っているのが難しかった。
状況が制御不可能になったのを見て、盛儒星はすぐに投影姿となって広間に現れ、盧安に向かって言った。「やめろ!」しかし盧安が振り向いても、手の動きは変わらず、片手で老人の頬を掴み、もう一方の手で酒瓶をしっかりと押し当てていた。この老研究員の鼻の穴と口からは液体が流れ出し、顔は真っ赤になっていた。
「盛大叔、いらっしゃったんですね。大丈夫ですよ。私たちは体のデータが急変した場合に、影響が大きすぎないかどうか議論していたところです。こちらのお年寄りは、自ら実践して、血圧や血糖値といった身体データが少し上がっても大丈夫だと教えてくれたんです。明日も元気に実験の手配をしてくれるそうです。」常に理性を重んじてきた盧安が今していることは、感情と理性の両面で許容される行為だった。感情面は言うまでもなく、盧安は理性的に考えて、ここで威厳を示さねばならないと思っていた。さもなければ、経験を笠に着た研究者たちに実験の方向性を変えられてしまうからだ。
満面の笑みを浮かべる盧安に対し、盛儒星は青ざめた顔で制止した。「やめろ、やめろ。話せばわかる。」盛儒星は、盧安に口を押さえられた老人がすでに痙攣し始めていることに気づいていた。
このホールの状況を見ていたのは、盛儒星だけではなかった。龍部の本部では、姬流が拳で机を叩き続け、自分の額をポンポンと叩き、その笑い声は水道水が「ざあざあ」と流れるようにオフィス中に響き渡っていた。
その笑い声の中で、姬流は途切れ途切れに言った。「人畜無害な平民……それが問題児に変わるなんて、最初は信じられなかった……なるほど、こうやって変わるんだな……ハハハ……」




