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無窮重阻  作者: 核动力战列舰
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0106 タン・ホンカンの転機

 湯宏康(タン・ホンカン)はぼんやりと歩き、周囲の環境すべてに対する反応が極めて鈍かった。彼が道路を横断するとき、車が彼のせいで急ブレーキをかけ、運転手たちの怒鳴り声が海風のように彼の耳元を通り過ぎていった。


 彼はもう何も気にしていなかった。


 二十八日前、無影灯の照明の下、笑顔を浮かべた医療スタッフたちの見守る中、湯宏康(タン・ホンカン)は期待に胸を膨らませて自動手術台に横たわり、やがて手術台は大型医療機器の円形の開口部へと入っていった。医療ポッドに入ると、何本もの針管が湯宏康(タン・ホンカン)の皮膚に刺さった。湯宏康(タン・ホンカン)は不快感をこらえ、医療ポッドから流れる音声の指示に従って、何度も超能力を発動させた。


 十七日前、老教授が笑顔で湯宏康(タン・ホンカン)に新しい超能促進手段を紹介した。「破壊なくして創造なし、多くを得るには取捨選択が必要だ。抑制し、そして新生し、再び抑制し再び新生する。毎回破壊されるのは君の限界だ」と。


 十五日前、最初の超能抑制の後、湯宏康(タン・ホンカン)は弱まった自身の超能に対して非常に不安を感じていた。その後、湯宏康(タン・ホンカン)は自身の超能が回復成長を始めたのを感じた。培養カプシェル内の十分な栄養物質の供給の下、五時間後に湯宏康(タン・ホンカン)の超能は抑制前の状態に戻り、かつ抑制前の限界を越えた。湯宏康(タン・ホンカン)は鼓舞されたのを感じた。実験室の更なる実験の要求に対して、彼は迷わず承諾した。


 その後の七日間、繰り返される抑制の中で超能力は何度も弱まり、しかし急速な新陳代謝によって元より強い段階に回復した。しかし六日後、すべてが終わった。抑制された超能力はもう二度と回復しなかった。大量の栄養液を消費し、二日間寝ていた湯宏康(タン・ホンカン)は、静養に戻って様子を見るように言われた。


 その後の待機の日々はさらに悪夢だった。静養の日々の中で、湯宏康(タン・ホンカン)は恐怖に気づいた、自分の超能力が絶えず弱まっているのだ。しかし、抑制による弱化効果は、まだ周期的に繰り返されているようだ。今では、彼の超能力の等級は二級になってしまい、しかもこの悪影響はまだ続いている。


 一日前、教導主任は湯宏康(タン・ホンカン)が校則に違反し、学校の承認を受けていない実験を校外で受けたことを厳しく叱責した。通常、学校の承認手続きは非常に長く、一般的に一年かかるため、皆多かれ少なかれ校外で検査を受けることはある。しかし、湯宏康(タン・ホンカン)は今に至るまで、なぜ学校が自分の校則違反と規格外の実験参加を知り得たのか、という問題に考えが及んでいない。ここ数日、学校で健康診断は行われておらず、本来なら学校が知るはずはない。にもかかわらず今、実験に失敗した湯宏康(タン・ホンカン)に対し、まるですべてを見透かしていたかのように叱責が行われている。


 そして本日、学校は校則違反を犯した湯宏康(タン・ホンカン)に対し、停学観察という処分を決定した。


 今、茫然自失の湯宏康(タン・ホンカン)は、四十メートル先にいる盧安(ルー・アン)の存在に全く気づいていない。事前の繰り返しの問答を経て、盧安(ルー・アン)はようやく事の経緯を把握した。


 数十日前、湯宏康(タン・ホンカン)の超能力が増大した時、盧安(ルー・アン)は彼に連絡を取っていた。最初は返事があり、しかも得意げな口調だった。しかし15日前から、一切の返事がなくなり、ますます忙しくなっていったようだ。それでも盧安(ルー・アン)は彼に出会い、祝福の言葉をかけた。7日前、湯宏康(タン・ホンカン)は盧安(ルー・アン)を避けるようになった。


 今、盧安(ルー・アン)は前方の茫然自失の様子の湯宏康(タン・ホンカン)を見て、彼がどんな挫折を味わったかを知った。気まずさを避けるため、盧安(ルー・アン)も彼に会いに行かなかった。もちろん、予行演習では何度か第二類の予行演習があり、劣等感から「この件は以前から言っていた」と何度も口にせざるを得なかった。しかし現実の盧安(ルー・アン)は、自分でも嫌になるそのような行動はしなかった。


 湯宏康(タン・ホンカン)に対して、盧安(ルー・アン)は同情していた。しかし他の一部の人間に対しては、盧安(ルー・アン)は心の中で怒りを感じていた。「ふん、学生が外部に出て私的に実験に参加することを許さない校則を定めた学校と、実験の結果は実験者が負うとする実験室……本当にちぐはぐな組み合わせだ……」


 二日後、臨淵学院の教師が湯宏康(タン・ホンカン)を訪ね、自主退学の申請をするように伝えた。数時間後、寮で荷造りを終えた湯宏康(タン・ホンカン)は、寮で友人たち一人一人と最後の別れを告げていた。


 かつて共にキャンパスで生活した少年たちにとって、仲間が去らなければならないことは非常に辛い。友人たちはそれぞれ別れの記念品を贈った。


「きっと後で君に会いに行くからな。」


 湯宏康(タン・ホンカン)は力なく笑いながら言った。「悲しまないで、これからだって機会はあるさ。」


 楼下に着き、友人たちと一人一人手を振って別れを告げた後、湯宏康(タン・ホンカン)は顔を伏せまいと必死に堪えながら校門を出た。しかし、校門を出ると、一台の黒いセダンが彼の前に停まった。


 車が停まると、一人の中年の研究員が湯宏康(タン・ホンカン)の前にやって来て、こう言った。「こちらの学生さん、お名前は湯宏康(タン・ホンカン)さんですか?」


 スーツケースのハンドルを引きながら、湯宏康(タン・ホンカン)は警戒した様子でその人を見つめ、「あなたは誰ですか?」と尋ねた。その研究員は笑いながら言った。「ここ数日、あなたは実験に参加しましたよね?」


 湯宏康(タン・ホンカン)は「どうして知っているんですか?」と尋ねた。


 中年の男は言った。「我々はその研究室のデータを購入し、彼らの実験方法に疑問を持っています。あなたが遭遇した状況は、我々の検算では別の可能性があります。」


 湯宏康(タン・ホンカン)は彼を見て言った。「もう悪い知らせは聞きたくないんだ。」


 この中年の男は言った。「最悪の知らせは、崇明区から離れることだろう。だが、君はまだ離れていない。」


 湯宏康(タン・ホンカン)がまだ迷っているのを見て、この中年の男は言った。「我々はすでに君のために四百万元の生命保険をかけた。そして君の超能力は、適時に修正しなければ、四十日で完全に消滅してしまう。どうして一か八か賭けてみないのか?」


 湯宏康(タン・ホンカン)は眉をひそめ、突然顔を上げて言った。「ただ不思議なのは、君たちがなぜこんなことをするのか、ということだ。」痛い目にあった湯宏康(タン・ホンカン)は突然盧安(ルー・アン)を思い出した。盧安(ルー・アン)が見送りに来なかったことも、気まずさを避けられると安堵する一方で、少しがっかりさせた。今では彼は盧安(ルー・アン)の考え方を少し受け入れ始めていた。


 この研究者は湯宏康(タン・ホンカン)の問いを聞いて、含みのある口調で言った。「この世の中、予想外の良いことはめったにないが、それでも何度かは起こるものだ。」


 湯宏康(タン・ホンカン)はついに車に乗った。


 その夜、上海の天卓研究所で、潘陽(パン・ヤン)はある実験室に入った。実験室の中では、盧安(ルー・アン)が関連する試験資料をめくっていた。


 潘陽(パン・ヤン)が入ってきた時、盧安(ルー・アン)は顔を上げずに言った。「来たのか。」


 潘陽(パン・ヤン)は言った。「明日、お前は初めての試験を始めるんだな。てっきり気にかけていると思っていたのに、今は他人の実験の心配をしているとはな。」


 盧安(ルー・アン)は虎部(フー・ブー)との協力関係を利用して、湯宏康(タン・ホンカン)の今回の実験データの一部を調べていた。


 盧安(ルー・アン)は湯宏康(タン・ホンカン)の実験過程全体をめくりながら、言った。「失敗例を多く読むことは、常にためになる。例えば彼の失敗は、すべての実験がリスクを考慮せず、一度の実験で誘発される人体への悪影響の潜伏期間をまったく考えず、何度も無理に成果を急いだことだ。」


「うん、失敗を読んでも、わざわざ失敗を挽回する必要はないだろう?」


「他の人からもらったカード(盧九重(ルー・ジウチョン)が盧安(ルー・アン)に渡したカード)を使わないのはもったいないと思う。」


「彼を助けたのに、なぜ彼に知らせないのですか?」


「彼に知らせることは、ただ見下すような隔たりを増やすだけだ。私と彼にはもともと隔たりがある。彼がどん底の時に、私とあなたたちの協力状態を知られたら、彼は心のバランスを崩すだろう。」と盧安(ルー・アン)は言った。「淡々とした水のような付き合いを保つのがいい。」


「友達付き合いって、こんな風にするものなのか?」と潘陽(パン・ヤン)は疑問に思った。


 盧安(ルー・アン)は顔を上げて言った。「友達? あなたは見間違えたかもしれない。私と彼には共通の言葉がなく、友達とは言えない。」


「友達とは言えないなら、なぜそんなことをするんだ。」


「醜悪さが引き起こす悲劇を、少しでも自分から遠ざけたいだけだ。ただそれだけだ。」


 盧安(ルー・アン)の見解では、湯宏康(タン・ホンカン)は明らかに実験に悪意をもって急かされ、そしてまた悪意をもって放棄された。順調に見える時は、実験はますます大胆になり、最新手段を実施する際に結果を顧みなくなっていた。悪い結果が起こると、その成り行きに任せ、少しもその後の改善策を考えず、直接治療を断ち切ってしまったのだ。


 実験の全過程を読み終えた時、盧安(ルー・アン)は湯宏康(タン・ホンカン)の超能力減衰を折れ線グラフにプロットし、いくつかの明確な変曲点を発見した。最初の変曲点は、超能力が正常に回復できなくなった時点で、この時点では超能力は緩やかに減衰していた。二番目の変曲点は、緩やかな減衰から突然急激な減衰に変わる時点であり、この変曲点は培養槽の供給を断った後に発生した。つまり、仮に後期に救済措置を取り、体の代謝を通常以上に維持し続け、さらに彼に実験を続ける希望を持たせ、信念の面で支え続ければ、減衰がこれほど速くなることはないということだ。


 地球の二十一世紀のがん治療では、患者に楽観を保ち、決して絶望してはいけないと言われていた。ところが湯宏康(タン・ホンカン)が出会ったこの研究所は、超能力者をまるで少し高いレベルの実験用マウス扱いし、一片の希望さえ与えなかった。超能力が低下するという結末を判定すると、即座に実験を中止して資金を節約し、その一部の賠償金を臨淵学院に渡した。


 校則に従い、何の責任も負わない臨淵学院はさらに、湯宏康(タン・ホンカン)の最後に残った希望に踏みつける形となり、それは湯宏康(タン・ホンカン)というレベル3の超能力者を貴重な実験品として売り飛ばしたに等しい行為だった。しかし、湯宏康(タン・ホンカン)は売られても一切知らなかった。


 盧安(ルー・アン)はもちろん社会の闇を理解しているが、そういうことは普通遠くで起きることで、盧安(ルー・アン)にはとてもかけ離れたものに感じられた。孟位(モン・ウェイ)は、アフリカの地方に女性や子供を苦しめる残酷な呪術があることを知っているが、その悲劇は中国本土ではなくアフリカの話だから、孟位(モン・ウェイ)は「俺には関係ない」という気持ちでそのニュースを閉じていた。しかし今、社会の闇が自分の身近に起きて、安全に対する潔癖さの習慣から、盧安(ルー・アン)はなんとか手を打とうと決めた。


 ジシンレイの後、盧安(ルー・アン)はこの決断に一切のためらいがなかった。ためらいなく決めたものの、今の盧安(ルー・アン)には、この行動が厳しく道徳を守る理性に従っているのか、それとも衝動的な感性によるものなのか、自分でもわからなかった。


 潘陽(パン・ヤン)は改めて盧安(ルー・アン)を認識したようだった。「君は私が最初に思っていたよりも感情的だな。」潘陽(パン・ヤン)は首を振りながら笑って言った。「そういう君のせいで、人は簡単に見誤ってしまう。」

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