第4話 情緒のフルコース
第4話 情緒のフルコース
僕は今小型犬みたいな勢いで詰められている。
さっきから、胸元にささっている人さし指が若干食い込んで痛い。
あと、なんかあいつの顔が若干デレているのは何故だろうか?
「いや、いきなり出てきてそんなこと言われても……」
「なに?答えられないとでもいうの?」
地味にめんどくさいな。
「もう一回聞くわ、あの女は誰なの??」
「……はぁ、わかったよ。」
「同じクラスの那須さん、那須琴音さん。」
あいつの顔が、なぜか不満そうだ。
僕ちゃんと言ったのに。
「ち・が・う!!!!」
あいつは背伸びして頑張って僕の顔に体を近づけて、睨んでくる。
そして、周りにも響くぐらいのため息を吐いてくる。
「だから、あのピンク女との関係の事を聞いてるの!!名前ぐらい知ってるわ!!」
いや、名前知ってるなら聞かなくてもよくない?
あと、ピンク女って言ってるし……
「あんたってほんとに昔から鈍感よね……だからモテないのよ。」
ひとこと余計だ。
さっきから質問攻めなこいつは僕の中学からの幼馴染、東雲花凜だ。
ロングの茶髪でデコ出しスタイル、そして時代に似合わない赤メガネが特徴のやつだ。
相変わらず気の強いやつだ。
「……那須さんは期末テストのために勉強教えてほしいって頼まれただけ。ただの知り合いだよ。」
「ふ〜ん、その割に楽しそうな顔してたじゃん。」
僕そんな顔してたのか?それより……
「どうして、そんなこと知ってんだ?花凜」
「だって……雨宮たちが来てからずっとロッカーの中にいたから……」
こいつ、忍耐に全振りしただろ。
「だとしても、どうして図書室にいるの?用事なんてそうないじゃん。」
余程のことがない限り、こんな図書室なんて来ないはずだ。
一体何が理由だったんだろうか?
「……私、一緒の図書委員だけど、、」
「え?嘘でしょ。」
「私がこんなくだらない嘘つくと思うわけ?」
「そんなことないです……」
反射的に敬語が出ちゃった。
「もう最悪。私が低いから見えなかったとでもいうの?」
誰もそんなことは言ってない。
「まぁ、落ち着いてよ。あと、そろそろ離れてほしい。」
「わかったわよ。」
やっと距離をとってくれた。
ほんと、ここ数日女子との距離が近すぎる。
心臓に悪い……
「……にんとってよ」
「ん?」
「責任とりなさいよ!」
「はい?」
「私をロッカーに閉じ込めた責任!!」
いや、自分のせいでしょ。
そういやこいつ、こういうの断ったらめんどくさくなるよな……しかたない。
「わかったけど、どう責任をとればいいの?」
「わからないわ!」
そんな事自信満々でいうな。せめて用意してからそのセリフを吐いてくれ。
「とりあえず、一緒に帰るわよ。」
「え……うん。」
「私と帰るのが嫌なの?」
「いや、そういうわけじゃないけど……」
「じゃあ、決まりね。」
また満足そうな顔をする。
そしたら、彼女はバックを素早く取りに行った。
彼女は感情がすぐ変わるからほんと疲れるな。
帰る準備をしながらそんな事を思う。
はぁ…最近は忙しいです。僕の人生。




