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三章開始
君たちの声を聞かせてほしい。
君たちの言葉を聞かせてほしい。
君たちは言葉という最も簡単に思いを伝える方法を持っているんだから。
恐れないで言ってほしい。
自分の心を、心のうちを。
そうしなければこの先、君たちは絶対に後悔することになる。
さあ、言葉にして。
わたしは──。
俺は──。
十月三十一日。
世間一般で言うところのハロウィンである。
しかしながら、仮装をしている人間などこの場にはいない。この場にいるのはたった二人だけ、そのたった二人をカメラで覗きこむ──ちゃんと許可は取ってある──ゲスな野郎を一人としてカウントしていいのならば、この学校の屋上にいる人間は、悲しいかな三人ということになる。
カメラで覗きこんでいるとは言っても、僕は屋上の死角にいるわけではなく、安全な自分のクラスにいる。
直で見たいという気持ちもなくはなかったけれど、その気持ちを抑えこんでカメラという形にしたわけである。
僕としては不本意すぎる形なのだけれど、僕がそれを言ってもどうにもならない。
どうにもならないついでになんだけれど、一節これにて終了である。
理由?
そんなものは……ないことはないけれど、今は話すべきではない。少なくとも二節の解説を見てくれればすべてがわかると言ったところだ。




