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 奴隷商という初めて見る存在に私は目が釘付けになった。


 小説やアニメだと、こういうシチュエーションでは数多の種族が囚われているイメージだったが、売られているのはオークばかり、しかも傷だらけだ。

 彼等は酷く傷付いていたが、大して治療も施されていなかった。一般的に考えて、奴隷商というのは治療を施し、少しでも高く売る筈である。奴隷は財産の筈なのに、この仕打ちとはかなり悪徳な業者に思えた。

 彼らを見ていると、灯火の塔(タワー・オブ・コロッセオ)での一幕を思い出し、何とも居た堪れなくなる……と思った矢先、見覚えのあるボディペイントの数名が目に飛び込んで来て、私は声を上げた。


「バジー!セバロ!ミダ!ゾーデ!『うすのろや』のンゴラゴ!!どうしたのッ、そんな所に!一体何があったのよッ!!」

「こと……ナノカ……」


 か細い声で反応するオーク。まさか、どうして!?どういう事なのか、ローゼンガルドに無数にいるオーク達の中で、檻の中には私の戦友達も含まれていたのだった。


「なんで、なんでこんな事になってるの!?」

「……ッ」


 彼等はかなり衰弱している様子だ。一刻も早く助けなければ……


「お客さん、商品と勝手に話されては困りますよぉ!」

「商品?こんな傷だらけで商品なんて笑っちゃうよ!アンタ、マトモに売る気あんの?それとも、負傷したオークに付加価値なんてあるってぇの!?そりゃ知らなかったわ!」

「ずいぶんと、威勢の良いお客さんですね?そのオーク達は、訳あり商品でしてね。南方の諸侯連合の最北、ロズマーク家と大森林帯最南端に住まうゼム・ナヴ氏族の争いに雇われた、ローゼンガルドのオーク傭兵ってヤツですよ。ロズマークの客分騎士、『風炎』のオーディールに斬られた連中でね。その戦の勝者であるロズマーク家が売りに出した訳ですが、一つ条件を付けたんですよ。奴隷として金に変えるのは結構だが、二度と逆らう事のない様、見せしめと報復のため治療は施すなって。こっちだって治療して売った方が金になるけど、お得意様の言い分だ。そんな内容で出してるから、売れずにこんな北方まで来る羽目になったんでさぁ。哀れと思うなら買ってやって下さいよぉ。複数まとめ買いなら、割引しますんで!」


 正直、ムカついてはいる。が、コイツを消しても商人としてリオレ市の通門許可された者を害した私に前科が付くだけだ。

 それに領主とやらが関連してるならば、この奴隷商は言いなりなだけの小物という事。

 ここは、金を払って彼等を助ける他ないだろう。


 モノクルを素早く装着し、先程得た値踏みも使用。

 モノクルで鑑定をすると、目利きと値踏みは自動に動作してくれる様だった。


「全員をまとめて買うのなら、かなり割り引いてくれるって考えていいんだよね?」

「え、ええ。もちろん!勉強しますよ。オーク14体で、105000パカシでお譲りしましょう!」

「は?冗談でしょ?一人7500じゃん!」

「オーク兵の健康体なら、9000〜12000位が相場っすよ!ちゃんと値引きしてますぜ!」

「健康体がでしょ?鑑定したけれどさ、14名中、衰弱した中傷者が9名、四肢欠損が4名、極めつけはあの奥の倒れてる人、顔が削がれて高熱出してるし、意識もない重体でしょ?それに、鑑定は騙せないよ!一日一回の粗末な食事しか与えないなんて、例え傷が無くても健康体とは言えない。負傷、衰弱、欠損、重体、栄養失調!そんな額で納得出来る訳がないでしょ!中傷者750、欠損者400、重体150で!」

「そ、そんなぁ……」

「それと、すぐ亡くなっちゃったりしたら大損だから、保険としてあの檻の端の方に蹲ってる精神疾患のチト族と、その隣にいる足の不自由な部族民の少女もおまけに付けてもらうね!」

「それじゃ商売あがったりだ!」

「じゃあ、私以外で全部売る宛あるの?リオレで何日掛かるのかな?あんまり長く()たなそうだし、市内で死臭とか漂わせつつ商売なんかしたら、リオレの『16覇』が黙ってないよ!あのさ、アナタのいる此処って中央広場のすぐ脇じゃん。神殿も行商組合も冒険者ギルドもあるし、各グループも目を光らせてる。もし睨まれたら、もう商売どころじゃ無くなるから長居はおすすめしない」

「も、もうちょっとだけ、何とかならんですか?」

「え?だって、私これから全員を治療して、動ける様になるまで食事を与えて、それで始めて回復するか否か、なんだよね?そんな賭けみたいな商品の売買で、まだ請求すんの?それだったら逆に、駄目だった時の保証金の話とか、してもいい?」


 こうして、紫ローブの奴隷商は折れた。

 だって、さっき『売れずにこんな北方まで』って言ってたし、こちとら新人とは言えさんぽ部だ。こんな一等地に店を拡げる奴隷商なんてリオレには存在しない。

 どうみてもモグリの余所者だし、顔役たる16の組織の名を挙げれば脅しが効くだろうと思ったのだ。

 私とて、普段は街で阿漕(アコギ)な商売などしたくはないが、バジー達にこんな仕打ちをした連中に意趣返し位はしたい。そして何より、そんな奴を儲けさせたくはなかった。

 『じゃあ、売らない!』とか言われるのが一番の懸念だったが、売れ残りを1秒でも早く金に変えたいと思うのは、一般的商人の思考として必定だろう。

 さあ、何にしても早く彼等を治療しなきゃ……


… … …


 コトがオーク達の件で騒ぐ直前の事。


 奴隷商の檻をまじまじと見ている彼女の後ろでは、見物するバカンスの背後にアカシとふらりぃが音もなく立った。


「怪しいネズミが入り込んだので見物してましたよ」


 アカシの言葉に『鼠は自分自身だろ!』とは突っ込まなかったが、今はギルド通信より高速で気軽に使える【テレパス】を用いて話しているので、もしかするとオブラートに包んでる位の濁し具合で、伝わっているかも知れない。まあ、お互いに詰まらぬ世辞も嫌味も通用しないから、一々確認はしないが。


「コトはああいう輩、初めてじゃないか?反応が楽しみだ……ってか、きっとノンもそう思ってるだろな」


 ふらりぃが同じく【テレパス】で言うが、当のノンは一瞬の往来の視線の空隙を突いて死角を作り、すでに影の中へと潜っている。

 リオレに現れた怪しげな訪問者は、基本的にノンが尋問し、闇へと葬る役割を担っているのだ。


 さて、各国それぞれにお集まりの所、悪徳クランのネズミ一匹ではコレほど雁首揃えるまでも無かった程度ではあるが、どうしたもんかね。

 そう思った矢先だったのだ。コトが大声で騒ぎだしたのは。


 ただの売り手と客のトラブル、では済まされない、ちょっとした緊張が走った。

 BNGと各陣営揃い踏みの所で、BNGの新人が何かを仕掛け始めた様に映ったのだから、皆が何事か!?と思った事だろう。


 バカンスは、みんな一端落ち着こう!とばかりに、すぐ横で売ってるラップサンドを購入して口に運んだ。ふらりぃもポン菓子の様なもの、アカシもドリンクで一服する。それすらも怪しい、と見られるかも知れないが、少なくとも三人で周囲を()めつけたりするよりかはマシであろう。

 そんな中で、こちらの事など伺いもせずに、コトは奴隷商と話を付け始める。彼女の知人だというオーク達の事は情報になかったが、恐らくローゼンガルドの闘技場での事だろう。ならばブキョウ以外は知り得ないが、あの街の宿『戦乙女の食っちゃ寝』亭を手配したのはバカンスである。彼の地に耳目のあるバカンスとしては、何となく察する事が出来た。


 その後もコトは、一人でどんどんと話を進めていく。はじめ、一瞬だけ殺意が漏れて、周囲の力ある者達にも改めて緊張が走ったが、その後のやりとりを聞いて皆が見守る形に移行した様だった。

 殺気を放った瞬間は流石にどうするかと思ったが、値切りつつも金で全員を買い取る事にしたコトの方針は褒めるべきだろう。

 悪徳組織を富ませるのは頂けないが、口八丁で上手いこと買い叩くのは御の字である。万一、高くついたとしてもどっちみちノンが回収する事だろう。


 そうこうしている内に、コトは奴隷商をダメ押しで丸め込みに入った。

 コトからしてみれば、リオレはホームで、奴隷商としてはアウェイである。しかも、バカンス達が政治的に根回ししているので、ドレッドノートを含む、犯罪ギルド、危険視されている都合の悪い連中の関係者は基本的に市門で引っ掛かる仕組となっている。

 ゆえに、今回入って来たのは新しい流れを組む偽造通門許可証なり、身分証を使ったという事だ。この都市の政治に関わる上位プレイヤーが周辺にいるのは、その辺の確認を含めての行動なのであった。

 そして奇しくも、コトは16覇についての話をした。それをダシにして畳み掛けるのは流石なものだ。コトはハッタリとして使っているのだろうが、その顔役当人達がこの辺にいっぱい屯ってる最中だし、ソレを出されては悪の下っ端に設定されてるNPCなどに、反撃する甲斐性などないだろう。

 そんな評価を考えていると、コトはオーク兵に、売れ残った精神疾患の男や部族の娘を付けさせて引き取る事に成功した様だった。   

 そうする理由として、檻に入った人々全員の救出に加えて悪徳商人をリオレから早く追い出す為という思惑もあるのかも知れない。何にせよ行幸である。万一、売れ残りが居たら、バカンスが買おうと思っていた。そうなれば、あとはノンにお任せである。


 檻を開けさせ、コトがズカズカと中へ押し入っていく。


 流石にこれはマズイと、バカンスは檻へと向かう。

 アカシとふらりぃも追従するので、スリーマンセル体制である。コトは中の様子を見ながら、カバンをゴソゴソと探り始めた。流石にこの大衆の面前で大量のポーションやらエリクシールは開示すべきではないだろう。


「あー、コトさんや。急ぎ友人の治療という所悪いが、この場での治療や処置は流石に衛生上良くないだろう。ここは僕が一つ、凄くてカッコいい所を見せようかねぇ」

「有難うございます。格好いい所……なんて、あったんですねぇ♪」

「あるんだよねー、コレが!」


 バカンスは、ポケットよりキューブ状のアーティファクトを出して見せる。


「アーティファクト、『マヨヒガの結晶』。保有物件が3つ以上ある者が使用する事で、【聖域漂流(ホーム・ドリフト)】という能力を発動。使用者と使用者許可のある者が何処かの物件にランダムワープする」

「おー、良いですね!」

「ほい、じゃあ発動!」


 バカンスは、間髪入れずにコト、アカシ、ふらりぃ、オーク14名、人間奴隷2名を対象にして能力を発動した。


 この時、各陣営の者逹は一瞬焦ったが、世界中に宿を持つバカンスのランダムワープには、流石に対応のしようがなく、一先ず状況の把握はここまでとなるのであった……


… … …


NAME:【曰く付きの骨董(ミスティック・アンティーク)】コト・イワク 種族:タト族・マニスリング(獣化箇所:センザンコウの鱗の手甲)


LV58 キャラクタークラス:アイテム合成師 RANK:C

STR216 VIT212(+1) DEX214 MEN208 SPD211


《所持金》

999678P


《師事》

『弧を描く餓狼』ガラム・マサラ


《習得技能》

【工芸】(LV20) ※工芸品知識及び製造におけるプラス補正。補正値はレベルに準ずる。

【目利き】(LV30) ※一定の商業系スキルにプラス補正。NPC商店訪問時にレアアイテム出現率が微細にUP。

【値踏み】(LV−) ※品物の相場を読み取る様になる。目利きに統合され、レベルは目利き準拠。

【体術】(LV62) ※格闘系スキル。強力な武術ではないが、あらゆる格闘技の基本となっているスキル。

【シンセサイズ】(LV45) ※二種のアイテムを合成して別の何かを造り出す事が出来る固有スキル。

八十五式和合婚刻拳(ブライドアーツ)】(LV12) ※相手の回避にマイナスの補正が掛かる固有武術。レベルに応じ覚える三連打突技毎に威力が上がって行く。

【活眼】(LV25) ※周囲の者の力量を推し測ったりオーラを見たりするスキル。成功率はレベルに準拠。

【調理】(LV3) ※簡単な料理を作り出すスキル。レベルに応じて成功度が上昇する。

【暗闇の歩法】(LV8) ※暗殺者などが用いる歩行術。盗賊の忍び歩きの上級版で、足音・気配を消して達人ともなれば存在まで希薄にし、ステルス化する。戦闘にも組合わせて使用が可能。

【狼煙】(LV2) ※指先から煙を出す簡易魔法。レベルに応じて少ない魔力でより多く発煙させる事も可能。

【四換】(LV8) ※掌中で魔力を属性に関する物質に変換する。✡変換可能物質:小石(地属性)、煤塵(闇の加護)

【魔銃】(LV9) ※指先から魔力を弾丸にして発射する簡易魔法。指先への魔力の集中次第で威力変化。

【魔力撃】(LV3) ※魔力を込めた拳撃を放つ技。鍛える事で威力上昇や属性付与等の応用技が使用可能。

【睡夢撃】(LV3) ※夜魔族の用いる催眠性の魔法拳撃。レベルを上げる事で高位の相手にも催眠効果が見込める。✡加護により成功率上昇。

【魔睡銃】(LV2) ※催眠効果のある魔弾を撃つ技。攻撃威力は極少で、催眠成功率はレベル依存。連射不可。✡加護により成功率上昇、弾速上昇。

【乗馬】(LV0) ※馬に乗る為の技能。このレベルが高いと早駆けや遠乗り、スタミナの調整や馬との意志疎通も可能となる。

【反作用受け】(LV11) ※シンセサイズを応用して産み出された固有技。失敗時の反動で相手の力を相殺する。

【気功】(LV5) ※体内エネルギーを操り、攻撃力・防御力を補強するオーラへと転換する。

【縮地】(LV1) ※戦闘時、周囲30m四方に対して高速移動を可能とする。その速さはスキルレベル、オーラ、SPD依存。

【部分獣化】(LV7) ※タト族及びチト族の獣人(ライカン)病患者専用のスキル。全身獣化に至る前の基本スキルで、レベルが上がる程に自在に素早く任意部位を獣化する。獣化時の能力はタトの種に依存。

闇刃(あんじん)】(LV1) ※暗闇となった場所に指を入れて発動する闇の刃を指に宿す生活魔術。殺傷力は低い。

闇刃(あんじん)(かい)】(LV1) ※高位の夜魔の力で改良が施された闇の刃。斬れ味が高品位の剣程度に底上され、殺傷力が上昇。✡追加能力:魔力消費で短剣→小剣に変化。霊体・魔法生物に攻撃可能な戦闘用の闇刃。

星の飛槍(スターダストジャベリン)】(LV1) ※星空の下で極星(ポールスター)を指差して発動。指先が煌めいた状態で光の槍が射出可能。象獏族の固有術で星空の夜限定。邪悪な存在、霊体、不死者に特攻。

月光刃(ムーンシックル)】(LV1) ※月の魔力を具現化した光の小型鎌。月に両掌ないし片掌を翳して発動。手持ち武器、投擲に使用可。月の霊力を宿し、幻夢境の生物や闇属性の者に特攻。技の開祖たる闇の道化師との制約により、良き闇の眷属に使用すると無散して精神力がゼロになり昏倒する仕様。

暗雲の瞳(かすみめ)】(LV1) ※視線の先に50cm程の闇の霧を発現させる。複数発現が可。有効射程は視界内だが、距離に応じて消耗が多いので注意。

崩閃禍(インパチェンス)】(LV1) ※護身魔法。任意の手に爪紅をさす。爪紅は術式装填数を示し、手による攻撃で対象の神経系を1秒麻痺させる。殺傷力はない。肉体を持つ生命にのみ有効。


《タト族の力》

◇尖山甲 ※生命エネルギーを込めた拳撃。打撃系『突き』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇暗帰路 ※生命エネルギーを込めた裏拳。打撃系『払い』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇破斬 ※生命エネルギーを込めた手刀。打撃系『斬り』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。


《フィート》

*【闇の加護】∶夜を紡ぐものの加護。属性に闇を加え、闇の力を帯びた攻撃時と被弾時にプラス補正が入る。

*【夢渡り】∶念じる事で、辺獄(リンボ界)へと渡る事が可能。

【綺羅星の加護】∶NPCに好印象を与え、助力を得やすくなる。

【寄り道の王者】∶秘匿エリア、秘密の店等の看破率アップ。

【応用技術万能】∶組合せスキル、新スキル開発にプラス補正。

【野生の超反応】∶不意打ちや狙撃等をパッシブにオート反応。

【進化創造の手】∶生産品や発明品が大きく化ける可能性有り。


《装備品》

木綿のセーラー、布のナックルガード、腕輪『乾坤一擲』、星虹の腕輪『三色』、鼬鼠のベレー(1)、セブンリーグ・シューズ『昼夜を駆け廻るもの(ハイ・デイライト・ウォーカー)』、毒喰の山刀(どくばみククリ)、転ばす先の杖、クローバー・ピンズ、黄色いマグネット、マタリス入場バッジ、肩掛けカバン(12)×2、鼬鼠のウエストポーチ(3)、鼬鼠のプラントホルダー、魔笛『アムネシアの呼び声』、子鹿の根付

(予備装備:肩掛けカバンにクラウン・ピンズ、タンブラー・ピンズ、ドロップ・ピンズ、ハートフル・ピンズ、赤マグネット、青マグネット、緑マグネット、白マグネット)


《所持品》

水筒(小)、ペン付き手帳、遠眼鏡、小型ナイフ、初期財布(100)、お菓子の巾着、指ぬき軍手(白、赤、橙、緑、黒)、クルリエっぽい銀のカトラリー、クルリエっぽい銀の包丁、コルキントンの香炉、バンジーの急須、水琴窟の小壷、30%ポーション×20、80%ポーション×10、中級薬草×40、月光草(薬用素材)×5、夜光草(強化素材)✕5、夜陰草(毒物素材)✕5、石のサイコロ、茶碗『湧水郷』、ナットリング×62、小さなメダリオン×66、リサイクル・ピンズ×68(内訳:クローバー13ヶ、王冠9ヶ、酒杯11ヶ、雫石5ヶ、ハート11ヶ、剣9ヶ、渦巻9ヶ)、ワッシャー・タグ×36、付与マグネット×21(内訳:赤4、黄6、青4、緑2、白5)、石器ナイフ×6、火口箱×2、ティンダースティック、砥石×3、石筆×5、茶壺『密林の欠片』、翼竜の卵×3、念話の結晶石、ダークマテリアル×35、高原の花、宝石(10万P)×2、宝石(5万P)、ふしぎなルアー、彷徨うボトル、薬の小瓶、虫の化石、きれいな石ころ、オリハルコンインゴット×1、エリクシール×35、山伏茄子×3、蛇玉×1、シルバーダガー×2、リオール鉄貨×1、頭陀袋(陶器の破片入り)、頭陀袋(端切れ・糸屑入り)、歪んだ蹄鉄


《アーティファクト》

鑑定魔のモノクル(C) ※レア度C以下のアイテムの鑑定。

蒼き水源の水差し(B) ※清水が無限に湧く(ON/OFF可)。

夢幻のカレイドスコープ(C) ※夢幻郷の一部を覗き見る事が出来る。


《所属ギルド》

【B・N・G】

◆【混沌(コントン)】バカンス・デカダンス

◆【禍つ女(マガツメ)(トモ)

◆【檮杌(トウコツ)】ブキョウ・キナガシ

◆【饕餮(トウテツ)】ゲイン・バショク

◆【窮奇(キュウキ)明石・暮紅人(アカシ・クレコウド)

◆【獣王(スタンピード)】ふらりぃ

◆【インビジブル】NON(ノン)EMPTY(エンプティ)

◆【大蟒蛇】魅酒螺(ミシュラ)

◆コト・イワク

◆ミミナガ・メデカ


《フレンドリスト》

●『第三使徒』【治の司祭】ぷみら・みにま

●ぐすたふ

●アイアン

●ライ・クライ

●エスプレッソ・デミタス

●『メルティ・ローズ』【奈落に咲くもの】ヘルベティア・ローゼンリース

●【採集者】ロータス・ピットフォール

●『黒閃』【十輪の剣匠】TOWA

●『第四軍司令』【百錬将】方天画戟

●【埃の錬金術師】ノックス・N・トリノ

●『戦闘代行業者(バトルジャンキー)』【喧嘩屋】殴路羅

●『梟熊(アウルベア)』【ねじくれ】ちろる

●『梟熊(アウルベア)』【闇食い】ハクア

●【試し屋】リュウザ・ラッシュ

●【棘山猫】ローゼン・リンクス

●【オーバーキル】レッド・ナイヴス

●【古城の貴婦人】ラディアン・ブリリアンツェ・バームクーヘン

●【白き玄武(タートル・パラディン)】グレゴル

●【流騎士】フランベル

●【五色の雲舞う】韮井カナエ

●【飛刀使い】エンジ

●【楽匠】久遠

●『第十一使徒』【黄の司祭】シャンメリー・スパークル

●【鉄節】アイゼンヘルツ・ハイマン

●【木陰の瞳】エルツェ

●『剣の獣王』【片角】サクラン

●『死霊術パティシエール(マジカル・スウィート)』【煉獄の蔓薔薇(フロレンティーナ)】ふろらんタン

●『黒き魔弓(エクリプス・ルナティカ)』【蒼丘の主】ラン・(チーア)・ストラトス

●『黒き輝き(リュミエール・ノワール)』【瞬速の貴公子】ステイン・グレイ

●【理の助祭】ライラック・(リラ)・シチョーカ

椎野くぬぎ(シイノ・クヌギ)

●キーラ・キラルル

茴香(ウイキョウ)


《従士隊》

◆プルカリ【リビングメイル】♀(ガーディアン)

◆コルベル号【ロットワイラー】♂(番犬)

◆シュロ【白猫】♂(ストレイキャット)

◆フレデリック【うりぼう】♂(ゴミ漁り)

◆がじゅまる【アギル・カクタス】?(観葉植物)

◆シトリン【マーモットリング】♀(バトル・ファーマー)

●バコツ・ドコゾノ【エクウスリング】♂(無頼漢)


《積載獣》

◆アンドレイア号【荷馬兼乗用馬】♀

◆ディムナール号【荷馬兼乗用馬】♀


《ギルド部屋の金庫(99)》

ロセオの花瓶、クロウトの皿、耳長新報(創刊号)、厚手の手袋(左)、紺のベレー


《工房の所持物品》

古びた荷車、空の頭陀袋×40、石のフィギュア×11、宝石の卵×2、バルグナン・パフェグラス、もっと黒い塵芥×1、すごく黒い塵芥×1、黒い結晶×1、すごく黒い結晶×1


… … …


 転移した先は、平らに磨かれた石壁の広間であった。

 バカンスさんのアーティファクト能力で転移した20人が居ても、まだまだ余裕のある広さだ。


「これは、当たりを引いた感じですかね?」


 私は、ありったけのポーションを地べたに丁寧に撒き散らしつつ言った。


「いや、精神力五倍消費で指定転移が出来る仕様でね。ここはBNGのアジト傍に買ってある倉庫の地下さ。彼等を匿う為の隠れ家にはうってつけだろう?」


 成程、あの場では差し支えない様、『ランダム転移』と言っていたけど、抜け目のないバカンスさんらしいやり方である。

 確かにBNGで匿うなら、居場所まで世間に教える必要はない訳で。


「さあコトさん、治療の処置はキミが指示して下さい。彼等はキミが抱え込んだ客人だからね。私達は手伝いますが、どうしたいかは貴女次第です」


 アカシさんがそう告げる。確かに、悠長にしてる暇はないし、これは私が首を突っ込んだ事である。


「御三方には済みませんが、中傷者の処置を。度合い毎にここのポーションを使い分けて下さい!重症者、欠損者、チト男性と部族女子は私が担当します!」


  言うが早いか、三人は素早く移動してポーションを使い始める。あごで使うようで恐縮だが、優秀な三人に任せておけば問題はない。一流のプレイヤーが、HPの計算配分で間違う訳がないのだから。

 私がまず向かったのは、一番の重症者の下である。

 周りに複数の中傷オークが囲んで元気付けているので、人望が厚いオークなのか、もしくは仲間意識の強い集団なのかも知れない。

 患者は顔を剣の斬撃(恐らく、魔力か何かを帯びたもの)により、顔半分が削がれてしまっている。そこが化膿して高熱を発している様だった。栄養状態の悪さ、衛生面の悪さ、全てを加味してもあまり長くは持つまい。


「ちょっと、場所を空けて!」


 私は、患者の顔に手が届く場所へと入り込む。


「オイ、オマエッ!ナニヲスルツモリダッ!!」


 一際筋肉質なオークが、怒りを顕にした。左手を失っているが、それをものともしない凄い覇気だ。

 すぐにでも治療したかったが、屈強そうなそのオークはフーッ、フーッっと荒い息で肩を怒らせており、今にも飛び掛ってきそうだ。仕方がないが、コイツを先に癒して黙らせるかな?


「ヨラド!コトヲ信ジロ!俺達ハコトト暫シ共ニイタ。敵デハナイ!」


 なんと、彼を諭したのは『大痣』のセバロだ!彼も右腕を失っていたが、私の知人のオークの中では一番の戦士だけあり、未だしっかりとした意識を保っている様だった。


「セバロッ、キサマ程ノ男ガ何ヲ腑抜ケタ事ヲ!」

「受付ふろあノ同胞ニ聞イタ。我ラガ主ノ矛タル【七凶星】、【戦酔い(バトルジャンキー)】ノ薄荷ガ奴隷剣闘士トナッタ時ノ話。暴レタ薄荷、コトガ倒シタ!コト、薄荷ニ受ケタ『針の枷』癒セル!ソレニコト、弱者チガウ。コト、【ぶれいどますたあ】ノ弟子ニシテ【肉壁魔人】殺シ。コト、『名誉上級闘士』!!」

「……ッ!?」


 驚いたね。セバロは茶飲み仲間のオーク達の中で、一番無口で余計な事は言わないキャラだったのに、私の事でこれ程説得してくれるとは。

 筋肉質オークのヨラド?も、ヌゥ……とか唸って黙ってしまった。いや、周りのオーク達も滅多に話さないセバロの演説に聴き入って、こちらを見る目が変わった様な……。


 閑話休題、私は顔を失ったオークを背中から抱える様にして、右手にエリクシールを構える。


(私なら、大丈夫だ!あの時を、なぞるだけだ。思い出せ、サクランさんの時を……)


 元来、エリクシールは全回復薬と考えて良いのだが、私が懸念しているのは、生命力に限界がある場合の治療に関してである。

 サクランさんの時は、ポッカリと大穴が空き、多くの内臓を損傷していた。エリクシールを飲ませただけで、胃腸にしっかりと渡って吸収するか否かとか、アニメなんかである様な、身体は完全に修復したけど、魂がもうここに居ない……的な事を恐れてのシンセサイズ(細胞の一つ一つと、魂とエリクシールの融合的なイメージ)の実施であった。

 今回の場合は、戦闘で負傷してから長期に渡って衰弱している事と、長期の状態保存によって顔が完全に戻るのかどうか?要は顔がグシャグシャなままでHPのみ全快!なんて事にならないかが、重要でなのある。


(顔中心に治療を集中させつつ、全身にも薬効を浸透させる。細胞の一つ一つへの、浸透をイメージ……)


 意識をそれだけに集中して、シンセサイズを行った。患部を中心にして強く輝くと、顔の傷も身体中の擦り傷も綺麗に消え去った。


「「「オオ……ッ!!」」」


 周囲からざわめきが漏れる。うん、治療成功だね!


「おお、力が湧いてくるッ!!また、戦える力!感謝だよッ、『リトルチャンプ』!!」


 めっちゃ聴き取り易い、綺麗な共通語!切れ長の目、牙出てるけどめっちゃカワイイ顔!戦いを気にする所は戦士そのものだが、戦士は戦士でも美形女戦士オークである。

 成程、彼女の周りに沢山集まってるの、そういう事か。


「ウォーッ、チルリッ!!チルリ蘇ッタ!ウオー、オマエアリガトウ!!」


 ヨラドが大声で騒ぎ出す。彼に呼応して、周りの連中も歓喜の声を上げる。


「さあ、さあ、アナタも腕を見せて!」


 私は、ヨラドの左手、セバロの右腕と治していく。

 二人とも、問題なく全快・修復した。二人共によく動かしてもらい、問題が無い事を確認してもらう。

 次にミダだ。彼女は大斧使いの女戦士だが、斧が握れない様に両手の指を四本ずつ切り落とされていた。


「コト、ヒサシブリ!コンナザマダケド、アンタニ会エテウレシイヨ!」

「ミダ、すぐ治すからね!」


 セバロとヨラドは手首と腕を一つずつ集中したが、ミダの場合は左右の親指以外の八本だ。一本でも不具合が出たら、両手で斧が振るえなくなる恐れがあったが、何とかやりきってみせた。

 よし、欠損者は後一人である。


 最後の一人は、ドレッドヘアで顔に複雑な紋様をペイントしているオークだった。欠損部分は左足で、他のオーク達と違い、座った状態で何やらブツブツと呟いている。


「アナタも治療するけど、大丈夫?」

「アア。痛ミヲ、打チ消ス為ニ(ディーネ)ニ祈リヲ捧ゲテイタ……」


 ほう、ディアナさんに鎮痛の効果があるんですかねぇ?信仰の力という事かな?それは兎も角、彼の治療も問題なく完了させた。

 周りを見れば、バカンスさん達もポーションで中傷オーク全員を治し終えていた。これで、オーク達の心配は無くなったと思う。


「感謝イタス。治癒師殿!」


 治癒師じゃないんだけどな。まあ、いいか。


 オーク達には、バカンスさんから食事が配給された。ローゼンガルド本国では、トコヤミタケというキノコが主食だが、彼等は雑食なのでリオレの食事でも問題はない。


 次に私は、部族民の少女の元へと向かう。彼女の足に巻いたミサンガからの鑑定情報によれば、彼女の動かぬ足は後天性、熱病によってのものらしいから、すぐに命の別状はない。まず、ゆっくり対話から入ろうかな。


「初めまして。私は、コトだよ。キミの名前を教えてくれるかな?」

「ラチュ。治療師様、私の足は怪我してない。元々」

「コトでいいよ。ラチュ、キミの足は小さい頃に病気してから悪くなったんだよね?」

「そう。熱病でこうなった。父様は、私の足の為に南の人間達の国からガクモン?っていうのを習いたがってた。でもそれ村の掟、ダメ。私と父様、村の端にしか居られなくなった」

「治るかどうか、私が試してみるね。暫くここでゆっくり休んで、帰りたくなったら村に返してあげるよ」

「父様、戦の時巻き込まれて死んだ。村の奴等、私達がキライ。だから帰るの、イヤ。コト、私と皆を檻から出してくれた。恩、返す」

「そっか。じゃあ、ここで何をしたいか、どう生きるか、一緒に探そうよ!」


 彼女の話を聞きつつ、エリクシールの準備をする。

 怪我は大分慣れたが、病気での症状は初めてである。

 まず、ブラックボックスである脳の全体から、脊髄や神経、血管、腰回り、そして動かない足全体へ。生命力が循環するイメージを心に刻み込んだ。


「身体が……足が熱いっ!!」


 ラチュが少し苦しそうに言ったが、それは徐々に治まった様であった。彼女を抱き抱えて、支えつつ立たせてみる。

 最初は怖がっていた彼女だが、その後すぐに表情が変わった。


「動く!?動くよ、コト!足が動く!!」


 はしゃぐ彼女を抱きしめて、頭を撫でる。


「大丈夫……もう、大丈夫だからね」


 彼女を座らせて、ふらりぃさん達に任せる。

 さあ、後一人だ。


 私は、精神を病んでしまっているチト族の男性を看る。

 異世界転生プレイヤーの為の種族が、NPC設定で存在するなんて珍しいと思ったので、引き取ったのだが、どういう設定の人物なのだろうか。


 彼は殴られたり、死なない程度に身体を傷つけられた跡があり、拘束衣の様な物を着けられていた。ひどい事を……。

 一先ず、彼をよく知るために拘束衣を鑑定する。


◆粗末な拘束衣 レア度F 拘束具


 『人身売買組織』ドレッドノートで反抗的な人間に着けられる枷。彼の場合はドレッドノートの協力組織である『アーティファクト違法収集ギルド』プレジャー・トレーズに目を着けられて捕らえられて、奴隷化させられ売りに出された様であるが、チト族は奴隷化するとプレイヤー操作権が凍結される仕様により、廃人化してしまう。拘束を解き、治療を行う事で、プレイヤーには通達が行き、復帰すればプレイヤーとして通常通りプレイする事が可能である。奴隷としてコレクションする場合、廃人化は解けない事を留意する事。


所持者∶ロデオ・ブル・ライズ 鑑定者∶コト・イワク


 囚われたプレイヤー!衝撃の事実に驚愕し、私は急ぎバカンスさん達を大声で呼んだ……

 ハレー達が仲間にしたシーフのトランスは、牢獄に入れられていましたが、奴隷化処理がまだでしたので、プレイヤーがINさえすれば鍵開けや交渉が可能な状態でした。

 プレイヤーを、本格的に奴隷としてずっと繋いだまま、ログアウト出来なくする事はゲーム上無理がある為、完全に奴隷化した時点でログインが出来ない形となり、生きてはいるので廃人化という状態になる仕様です。

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― 新着の感想 ―
コトの商人としての本領が見えたぜ、と思ったらロデオ生きとったんかわれ〜。 あの流れてっきり死んだもんかと思ってたで、オークや謎の部族もどう物語にからむか楽しみです。
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