それぞれの道
運営より、執筆の継続にあたってAI使用の有無を設定に表示する必要があるとの事でしたので、活動報告に拙作のAI使用状況に関する説明を記載しております。気になる方はそちらをご覧下さい。
急ぎ、バカンスさん達を呼び、彼の鑑定結果を見てもらった。
流石の先輩達はこういった事象にも明るく、プレイヤー……特にチト族が奴隷化してリタイアというのは、南部では有りがちだとの話だった。
『ドレッドノート』が人材を集め、『プレジャー・トレーズ』がそれを買い取ってチトの固有アイテムをアーティファクト化して競売に掛ける。
リオレを拠点とするBNGとしては、積極的に潰しては来なかったが、それはある程度把握しており、リオレの周辺に縄張りを拡げさせない様にして来たのだという。清廉潔白や勧善懲悪ではない、彼等らしいと言えばらしいやり方である。
でもやっぱり、私としてはPKに勝るとも劣らない悪辣な連中である。例えいつ殺されてもおかしくない、甘いと潰されるゲーム世界観とはいえ、組織立って卑劣な誘拐を重ねる彼等のビジネスは、まだ世界に馴染まない新人達を根こそぎ潰す様な感じで好きになれない。
『慎重』でも『愚か』でもお構いなし、相手の事はレアアイテムか否か以外どうでもよいというスタンスには、嫌悪感しか沸かなかった。
紫のローブが、連中の系列の下っ端らしく、見た事があるか?と先輩方に聞かれた私。
そう言えば、壁外スラムで『エターナル何とか』に襲われた時に一人居たな……。
あの時のあいつの吹き矢、アレ拉致用の武器だったのか!?だったらあの時、見逃さずに『墓石化』してやれば良かったかな。
今後は、悪人認定して倒したり、捕縛した方が良いかと聞いたのだが、リオレ周辺の闇の勢力についてはノンさんの領分との事で、報告を入れるのがベストだそうだ。
「もちろん、目の前で無法をする様であるならば、そこはコトさんの判断となる事は留意下さい。露見した悪事を挫くのも、冒険者登録をした者の模範的務め、という建前はありますから」
アカシさんが補足する。
「もっとも、負ける相手に無謀をしても、それは褒められないからね!トマホークとか言う輩も、一人じゃ無理だったろ?」
ふらりぃさんには釘を刺された。まあ、当然だ。死んでも王様が執拗に回収・蘇生してくれる世界じゃないもんね。
一先ず、彼には身体の治療を施し、バカンスさん所有のこの建物内にある小部屋(ログイン・ログアウト可)に寝かせる事となった。後は彼が復帰した時に聴き取りをする事となった。
このバカンスさんの所有物件(めんどいので以降、アジトとする)は、一階が古い平屋建ての民家で、元は商館か何かの物置小屋だったらしいが、買い取って廃材・古材で民家に作り直したもだった。
地下には大部屋と小部屋があり、バカンスさんの諸々の隠し場所になっているとか。
一階の民家部分には、バカンスさんの雑用やアジトの維持・清掃を担うNPC家族(夫妻と兄妹)が住んでいて、一般家庭を形成していた。
上流区である北街区には似つかわしくない佇まいだが、商館の使用人の家という設定だそうだ。
民家も地下も古く見せてるだけで、造り自体は『建築王』たるライオンテール老の建築だから、実は一流の戸建てであったりする。
… … …
オークの皆には、地下でゆっくりと休んでもらう事にしていた。
彼等を安心させる為にも、ローゼンガルドへは自由に帰還して良い事は伝えていたが、返すにしても私としては、辛く長い生活を経てすぐ帰れとは言いたくはない。
彼等には当分、ここで休んでもらった方がいい様にも思える。道中の安全を考えると、私が買った手前、武装も与えた方がいいのかも、とも考えていた。
まあ、それは明日以降だ。私はバカンスさん達と共に、一先ずラチュを連れて部屋へと戻る。
アジト一階の玄関を出てみれば、BNGギルド会館裏の門の斜向いだった。小さな木戸を出ると、ここまで近い隠れ家とは思わなかったな。
裏門を開けた所で、ノンさんが合流してきた。
「終わったよ。純粋に金目当ての下っ端の独断だね。金にさえなればリオレはどうでもよかったみたい。ただ、販促の為に上からは新しい偽造技術身分証を渡されていたわ。それは没収しといたから。次からは通過出来ない様に特徴を調べて、後で情報を提出するわ」
「ごくろーさん。アルカム家と市議会に働き掛けて、今後は水際で対策してもらわないとねぇ」
バカンスさんは、もう何も問題ないという口調で声を掛けた。
「東の妖国との領境に馬車毎持ってって、盗賊の仕業に見せかけて処理しておいたから。馬車も半分ほど焼いておいた」
「いいんじゃないですか。暫し、領境には盗賊の噂が続くかもですが、いずれ消えますし、冒険者や護衛の需要が増えて、多少は経済効果にも繋がるでしょう」
ノンさんの報告を受けて、アカシさんも分析する。成程、ただ悪徳ギルドの力を削ぐだけでなく、そういう事を考えるのがウチのやり方だと、改めて思わされた。
… … …
裏口からギルドの廊下を通り、自室の隣にある工房へと入る。
ギルド内では、小さい個室が私の自室(ログイン・ログアウト用)で、工房が、工房兼銃士隊下宿部屋となっているので、こちらにラチュを案内した。
コルベル、プルカリ、フレデリック、シュロ、がじゅまるに彼女を紹介する。
ラチュは戦闘に参加をさせられないので、銃士隊ではないけれど一応の所、お手伝いさん見習いとして下宿してもらう事になった。
彼女は北大陸東南部の森林部族だが、プルカリは北大陸西南部の山岳から来た辺境出身らしく、比較的すぐに打ち解けそうだった。
え?プルカリの記憶、戻ったのかって?いや、なんかマタリスの帰りにオリハルコンを融合した事で少し成長したせいか、ずっと南のずっと西の山から来たっていう事はぼんやりと思い出したらしい。
リビングメイルが珍しいのは辺境の種だからなのかもね?
それに、シトリンも冒険を夢見る位だから、知らない地から来た彼女に興味津々だし、自分の在り方を探すという所から、コルベルも仲間意識が強く芽生えたみたいだった。
一先ず、彼女がここに馴染む様、銃士隊には協力をしてもらおう。
そんな感じで、取り敢えず今日はここまで。
… … …
翌日、オーク達の様子を看る為に改めてアジトへ。
地下へ降りると、昨日とは違い綺麗に整列している。
「コト殿、改めて礼を言わせて欲しい。自分は、ローゼンガルド所属のオーク盗奪戦士隊『オルク・ブリガンズ』の南方支援第4137分隊隊長、ダゴモと申します」
一際、流暢な言葉を話すオークが代表してそう言った。
ダゴモは中肉中背で平均的な体躯のオーク戦士という感じで、部隊一の戦士というよりも平均的なタイプのオークだったが、隊を率いる士官としては、バランス型で逆に丁度良い様にも見てとれた。
「あなたが、このオーク部隊の代表者さん?」
「今はそうです。コト殿の知り合いという者達は、第4136分隊の所属でしたが、分隊長が戦死しました。今は生存者の中で唯一の隊長である私が、この一団を率いている状況です」
成程。この集団は、2個分隊から成る敗残兵の集まりという訳だね。何にしても、昨日全員を治せて良かった良かった。
そんな事を私が考えていると、ダゴモは隊員達の方へ合図を送り、それに合わせてセバロとヨラドが前に出て来る。
「コト、俺たちヲ救った。今度ハ俺達コト助ける番。俺達、コトの元デ戦う!」
「コト、チルリも、俺も、仲間たちも救った!今度ハ俺、恩返す。セバロ、大剣デ先陣きる!だが、俺も剣、負けない。役ニ立つ!」
おお、ちょっと流暢になってる!練習したのかな?
どうやら、セバロは切り込み隊長的な存在で、ヨラドはそれに対抗してる感じなのかな。
そんな二人の後ろからは、追従する様にバジー、ミダ、ゾーデ、ンゴラゴ、チルリ、あとドレッドヘアでフェイスペイントの人が前に出てくる。
「コト殿の旧知の者達は、失われた部隊の所属です。ぜひ、お連れ下さい。また、ヨラド、チルリ、ポルタスは私の隊所属ですが、戦士としては再起出来ない所を貴方に救われた者達。彼等も共に残りたがっています。私自身も、恩義を感じてはいますが、隊を預かる身として、敗戦処理の為に帰還しなければなりません。後ろの5名は、私の古くからの側近。共に帰らせて頂きますが、我ら六名も、貴方への恩義は決して忘れません!」
---従士隊に加わりたいメンバーが揃いました。承認をお願いします。※部隊の増員は今後も可能ですが、現状の物件規模・現状のプレイスタイルから見た部隊運用的に限界に近くなっております。隊員から不満が出て、部隊解散などしない為にも、それらを踏まえた運営を推奨します。集まったメンバーを隊員として加えるか否か、選択をお願いします---
◆オーク隊(八名)
元ローゼンガルドのオーク兵、『オルク・ブリガンズ』に所属していた者逹。彼の国のオークは、闘技場で一定の結果を出した者が傭兵として国外へ派兵される。その特徴から、部分鎧やプロテクターを愛用しており、着ると精神高揚のフィートが発動して能力が向上する。逆に全身鎧などを着せるとデバフが掛かるので装備品には注意が必要である。能力的には一般兵レベルだが、鍛え上げれば今後も成長が見込めるだろう。
・『出っ歯』のバジー 斥候兵 ♂
両利きのナイフ二刀使い。隊では一番小さく痩せぎすだが、代わりに俊敏で器用。スカウトとしての技能を有する斥候役。おしゃべり好きな情報通でもある。
保有スキル∶短剣二刀流、追跡、気配感知、情報分析
・『大痣』セバロ 剛剣士 ♂
大剣が得意な偉丈夫。寡黙で実直な性格。部隊ではオフェンスの要となっている。非常にオークらしいステータスビルドで鍛え上げている生粋の戦士。
保有スキル∶大剣、練気剣、バーサーク、戦闘指揮
・『早食い』のミダ 斧兵 ♀
大食漢の女傑。隊ではセバロの斬り込みに続いて追撃を与える2番槍。大食の割に細マッチョで茶髪の三つ編みが特徴。好奇心旺盛で様々な物に興味津々。
保有スキル∶斧、追撃万能、ブーメランアックス、情報収集
・『ずんぐり』ゾーデ 闘士 ♀
ミダとは義姉妹の大食漢娘その2。ぽっちゃり体型で目隠れのボブカット。鎖鉄球が得意で後衛から的確に敵を打ち据える。抜け目のないしっかり者タイプ。
保有スキル∶鎖鉄球、鎖操作魔術、慧眼、アクロバット回避
・『うすのろや』ンゴラゴ 重戦士 ♂
のっぽ体型で、動きは鈍いが大きく発達した手で巨大メイスを操る力持ち。性格は穏やかで呑気者。腕力だけならば、部隊内で随一の実力がある。
保有スキル∶メイス、剛腕、頑健な皮膚、後の先
・『早駆け』チルリ 剣盾兵 ♀
部隊のアイドル的存在。美形で小柄なグラマラスオーク。性格は好戦的。剣と盾で堅実に攻める速攻を好む。顔を潰されても戦意を失わない戦士脳のオーク娘。
保有スキル∶剣、小型盾、ヘイト管理、速攻
・『舞刃』のヨラド 舞剣士 ♂
セバロをライバル視する筋肉質な小兵の武人。剣舞が特技な半月刀使い。向上心が強く、負けず嫌い。少々脳筋気味だがひたむきな性格で任務には人一倍忠実。
保有スキル∶半月刀、超バランス感覚、戦意高揚、斬り斬り舞
・『戦紋』のポルタス 短槍兵 ♂
部隊のシャーマン的存在で戦闘前に仲間達に戦化粧を施すのが得意。ドレッドヘアの中肉中背で、全身にボディペイントを施している。よく神に祈りを捧げている。
保有スキル∶短槍、サバイバル、天啓、暗示の紋様
おー!オーク隊が仲間になるのか!?彼等なら、かつて闘技場で苦楽を共にした様な間柄だから無問題だ。オークはモンスター枠ではなくて、亜人枠だから身元をしっかりとさせればリオレ市内に在住も可だ。
新しい三人も、程よく癖があって面白そうだしね。
コルベル、シュロ、フレデリック、がじゅまるは優秀だが、『兵』という括りにしては扱い辛い。
プルカリ、シトリンの二人とキミとボクでは、小隊として部隊運用は出来ないが、ここに彼等が加わってくれれば、部隊としての戦術が取れるかも知れない。
私は、従士隊増員のウィンドウに『OK』と操作をした。
彼等は八人だが、オーク隊として一枠で加わるらしい。
私は彼等を連れ出して、ギルドの裏手へと向かう。
裏庭に集合して、まずはコルベル達と引き合わなきゃ、である!
… … …
コルベル達を呼ぶと、バコツ氏やラチュも連れて皆でやって来た。アジトの地下室を借りてる手前、バカンスさんは最初から同行していたが、面白いものが見れるとばかりに、ギルメンも全員やって来てしまった。いやぁ、何かお騒がせしちゃったかなぁ。
新旧隊員が向き合う中、プルカリが愛用の鉄槍の石突きで、石畳を打ち鳴らした。
「よくぞ、来てくれたっ!ローゼンガルドの戦士たちよ!私は従士隊副隊長のプルカリだ!隊長は、こちらのコルベルだ!諸君にはこれから『ししょ』の配下として……」
ストップ、ストップ!途中で声を掛けると、プルカリは中断してこちらを見る。こういう所、律儀でカワイイ。
(『ししょ』じゃ誰か分かんないでしょ?コトでいいんだよ、コトで!)
(わかった……)
「諸君等にはこれからコトの配下として存分に働いてもらう!諸君等は戦士だ、戦いに、警護に、その力を存分に振るってもらいたい。しかーしっ、従士隊は戦うだけでは勤まらぬ!コルベルは隊を仕切るだけでなく、移動時の馬車周辺地域の索敵と、ギルド会館での周囲の索敵を担っている。フレデリックはコルベルの次に匂いに敏感で、コルベルの助手枠だ。シュロは気配感知だけならばコルベルを凌ぎ、がじゅまるは従士隊唯一の魔術使い。シトリンは槍持ちとしては見習いだが、アーティファクトの分体とで三人分の戦いをし、ギルド会館の花壇や菜園の管理もしている。そして私は、主であるコトの槍であり、盾でもある。後、戦闘には参加せず、従士ではないがラチュがギルドの庶務係見習いとなった。今後、彼女には会館内で活躍してもらう。それと、一人忘れていたが、こちらのデカいのがバコツ。ろくでなしだ!」
「オイッ!!チビ助、そりゃあんまりだろうがっ?」
「オマエ、強いけどあんまり忠誠心ない。だから、ロクデナシ!」
「そりゃ、工芸の師事の為の従士化であって……いや、もういい。自分で紹介しとく。バコツ・ドコゾノだ。通称は『カトブレパス』!!従士隊の特殊枠。助っ人兼、アドバイザー的存在だぁ!」
私も、そうだったの?と思う位に知らない皆の役割やら特徴やらが語られた。バコツ氏はグダってたが、カトブレパスという名称には、後ろで静観していたダゴモとその一党を中心に何人かざわついていた。オーク達も戦闘種族の為か、強い奴の通り名はある程度知っている様であった。
「……以上っ!出自は違えど、これが、現従士隊の面々と、その役割である。オーク隊、諸君等の入隊を歓迎するッ!」
「おおー!」
ミミナガ君、シトリン、ラチュがパチパチと拍手をする。
先輩方は、面白いものが見れたという表情と、微笑ましいものを見た表情に別れて、見守っている感じであった。
こうして迎え入れられたオーク達は、プルカリの歓迎の言葉に対して左手で胸を二度叩き、オーク流と思しき敬礼を取った。
何だか今日のプルカリは凄いね、と思ったがオーク達の中からは、『リビングメイルだ……』という呟きが聞こえていたので、戦闘民族であるオークにとって、リビングメイルは戦闘民族の中でも上位種の様で、一目置かれているらしかった。
こうして、無事に新旧従士隊の顔見せは完了したのであった……
… … …
NAME:【曰く付きの骨董】コト・イワク 種族:タト族・マニスリング(獣化箇所:センザンコウの鱗の手甲)
LV58 キャラクタークラス:アイテム合成師 RANK:C
STR216 VIT212(+1) DEX214 MEN208 SPD211
《所持金》
999678P
《師事》
『弧を描く餓狼』ガラム・マサラ
《習得技能》
【工芸】(LV20) ※工芸品知識及び製造におけるプラス補正。補正値はレベルに準ずる。
【目利き】(LV30) ※一定の商業系スキルにプラス補正。NPC商店訪問時にレアアイテム出現率が微細にUP。
【値踏み】(LV−) ※品物の相場を読み取る様になる。目利きに統合され、レベルは目利き準拠。
【体術】(LV62) ※格闘系スキル。強力な武術ではないが、あらゆる格闘技の基本となっているスキル。
【シンセサイズ】(LV45) ※二種のアイテムを合成して別の何かを造り出す事が出来る固有スキル。
【八十五式和合婚刻拳】(LV12) ※相手の回避にマイナスの補正が掛かる固有武術。レベルに応じ覚える三連打突技毎に威力が上がって行く。
【活眼】(LV25) ※周囲の者の力量を推し測ったりオーラを見たりするスキル。成功率はレベルに準拠。
【調理】(LV3) ※簡単な料理を作り出すスキル。レベルに応じて成功度が上昇する。
【暗闇の歩法】(LV8) ※暗殺者などが用いる歩行術。盗賊の忍び歩きの上級版で、足音・気配を消して達人ともなれば存在まで希薄にし、ステルス化する。戦闘にも組合わせて使用が可能。
【狼煙】(LV2) ※指先から煙を出す簡易魔法。レベルに応じて少ない魔力でより多く発煙させる事も可能。
【四換】(LV8) ※掌中で魔力を属性に関する物質に変換する。✡変換可能物質:小石(地属性)、煤塵(闇の加護)
【魔銃】(LV9) ※指先から魔力を弾丸にして発射する簡易魔法。指先への魔力の集中次第で威力変化。
【魔力撃】(LV3) ※魔力を込めた拳撃を放つ技。鍛える事で威力上昇や属性付与等の応用技が使用可能。
【睡夢撃】(LV3) ※夜魔族の用いる催眠性の魔法拳撃。レベルを上げる事で高位の相手にも催眠効果が見込める。✡加護により成功率上昇。
【魔睡銃】(LV2) ※催眠効果のある魔弾を撃つ技。攻撃威力は極少で、催眠成功率はレベル依存。連射不可。✡加護により成功率上昇、弾速上昇。
【乗馬】(LV0) ※馬に乗る為の技能。このレベルが高いと早駆けや遠乗り、スタミナの調整や馬との意志疎通も可能となる。
【反作用受け】(LV11) ※シンセサイズを応用して産み出された固有技。失敗時の反動で相手の力を相殺する。
【気功】(LV5) ※体内エネルギーを操り、攻撃力・防御力を補強するオーラへと転換する。
【縮地】(LV1) ※戦闘時、周囲30m四方に対して高速移動を可能とする。その速さはスキルレベル、オーラ、SPD依存。
【部分獣化】(LV7) ※タト族及びチト族の獣人病患者専用のスキル。全身獣化に至る前の基本スキルで、レベルが上がる程に自在に素早く任意部位を獣化する。獣化時の能力はタトの種に依存。
【闇刃】(LV1) ※暗闇となった場所に指を入れて発動する闇の刃を指に宿す生活魔術。殺傷力は低い。
【闇刃・改】(LV1) ※高位の夜魔の力で改良が施された闇の刃。斬れ味が高品位の剣程度に底上され、殺傷力が上昇。✡追加能力:魔力消費で短剣→小剣に変化。霊体・魔法生物に攻撃可能な戦闘用の闇刃。
【星の飛槍】(LV1) ※星空の下で極星を指差して発動。指先が煌めいた状態で光の槍が射出可能。象獏族の固有術で星空の夜限定。邪悪な存在、霊体、不死者に特攻。
【月光刃】(LV1) ※月の魔力を具現化した光の小型鎌。月に両掌ないし片掌を翳して発動。手持ち武器、投擲に使用可。月の霊力を宿し、幻夢境の生物や闇属性の者に特攻。技の開祖たる闇の道化師との制約により、良き闇の眷属に使用すると無散して精神力がゼロになり昏倒する仕様。
【暗雲の瞳】(LV1) ※視線の先に50cm程の闇の霧を発現させる。複数発現が可。有効射程は視界内だが、距離に応じて消耗が多いので注意。
【崩閃禍】(LV1) ※護身魔法。任意の手に爪紅をさす。爪紅は術式装填数を示し、手による攻撃で対象の神経系を1秒麻痺させる。殺傷力はない。肉体を持つ生命にのみ有効。
《タト族の力》
◇尖山甲 ※生命エネルギーを込めた拳撃。打撃系『突き』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。
◇暗帰路 ※生命エネルギーを込めた裏拳。打撃系『払い』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。
◇破斬 ※生命エネルギーを込めた手刀。打撃系『斬り』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。
《フィート》
*【闇の加護】∶夜を紡ぐものの加護。属性に闇を加え、闇の力を帯びた攻撃時と被弾時にプラス補正が入る。
*【夢渡り】∶念じる事で、辺獄(リンボ界)へと渡る事が可能。
【綺羅星の加護】∶NPCに好印象を与え、助力を得やすくなる。
【寄り道の王者】∶秘匿エリア、秘密の店等の看破率アップ。
【応用技術万能】∶組合せスキル、新スキル開発にプラス補正。
【野生の超反応】∶不意打ちや狙撃等をパッシブにオート反応。
【進化創造の手】∶生産品や発明品が大きく化ける可能性有り。
《装備品》
木綿のセーラー、布のナックルガード、腕輪『乾坤一擲』、星虹の腕輪『三色』、鼬鼠のベレー(1)、セブンリーグ・シューズ『昼夜を駆け廻るもの』、毒喰の山刀、転ばす先の杖、クローバー・ピンズ、黄色いマグネット、マタリス入場バッジ、肩掛けカバン(12)×2、鼬鼠のウエストポーチ(3)、鼬鼠のプラントホルダー、魔笛『アムネシアの呼び声』、子鹿の根付
(予備装備:肩掛けカバンにクラウン・ピンズ、タンブラー・ピンズ、ドロップ・ピンズ、ハートフル・ピンズ、赤マグネット、青マグネット、緑マグネット、白マグネット)
《所持品》
水筒(小)、ペン付き手帳、遠眼鏡、小型ナイフ、初期財布(100)、お菓子の巾着、指ぬき軍手(白、赤、橙、緑、黒)、クルリエっぽい銀のカトラリー、クルリエっぽい銀の包丁、コルキントンの香炉、バンジーの急須、水琴窟の小壷、30%ポーション×17、80%ポーション×4、中級薬草×40、月光草(薬用素材)×5、夜光草(強化素材)✕5、夜陰草(毒物素材)✕5、石のサイコロ、茶碗『湧水郷』、ナットリング×62、小さなメダリオン×66、リサイクル・ピンズ×68(内訳:クローバー13ヶ、王冠9ヶ、酒杯11ヶ、雫石5ヶ、ハート11ヶ、剣9ヶ、渦巻9ヶ)、ワッシャー・タグ×36、付与マグネット×21(内訳:赤4、黄6、青4、緑2、白5)、石器ナイフ×6、火口箱×2、ティンダースティック、砥石×3、石筆×5、茶壺『密林の欠片』、翼竜の卵×3、念話の結晶石、ダークマテリアル×35、高原の花、宝石(10万P)×2、宝石(5万P)、ふしぎなルアー、彷徨うボトル、薬の小瓶、虫の化石、きれいな石ころ、オリハルコンインゴット×1、エリクシール×28、山伏茄子×3、蛇玉×1、シルバーダガー×2、リオール鉄貨×1、頭陀袋(陶器の破片入り)、頭陀袋(端切れ・糸屑入り)、歪んだ蹄鉄
《アーティファクト》
鑑定魔のモノクル(C) ※レア度C以下のアイテムの鑑定。
蒼き水源の水差し(B) ※清水が無限に湧く(ON/OFF可)。
夢幻のカレイドスコープ(C) ※夢幻郷の一部を覗き見る事が出来る。
《所属ギルド》
【B・N・G】
◆【混沌】バカンス・デカダンス
◆【禍つ女】点
◆【檮杌】ブキョウ・キナガシ
◆【饕餮】ゲイン・バショク
◆【窮奇】明石・暮紅人
◆【獣王】ふらりぃ
◆【インビジブル】NON・EMPTY
◆【大蟒蛇】魅酒螺
◆コト・イワク
◆ミミナガ・メデカ
《フレンドリスト》
●『第三使徒』【治の司祭】ぷみら・みにま
●ぐすたふ
●アイアン
●ライ・クライ
●エスプレッソ・デミタス
●『メルティ・ローズ』【奈落に咲くもの】ヘルベティア・ローゼンリース
●【採集者】ロータス・ピットフォール
●『黒閃』【十輪の剣匠】TOWA
●『第四軍司令』【百錬将】方天画戟
●【埃の錬金術師】ノックス・N・トリノ
●『戦闘代行業者』【喧嘩屋】殴路羅
●『梟熊』【ねじくれ】ちろる
●『梟熊』【闇食い】ハクア
●【試し屋】リュウザ・ラッシュ
●【棘山猫】ローゼン・リンクス
●【オーバーキル】レッド・ナイヴス
●【古城の貴婦人】ラディアン・ブリリアンツェ・バームクーヘン
●【白き玄武】グレゴル
●【流騎士】フランベル
●【五色の雲舞う】韮井カナエ
●【飛刀使い】エンジ
●【楽匠】久遠
●『第十一使徒』【黄の司祭】シャンメリー・スパークル
●【鉄節】アイゼンヘルツ・ハイマン
●【木陰の瞳】エルツェ
●『剣の獣王』【片角】サクラン
●『死霊術パティシエール』【煉獄の蔓薔薇】ふろらんタン
●『黒き魔弓』【蒼丘の主】ラン・C・ストラトス
●『黒き輝き』【瞬速の貴公子】ステイン・グレイ
●【理の助祭】ライラック・L・シチョーカ
●椎野くぬぎ
●キーラ・キラルル
●茴香
《従士隊》
◆プルカリ【リビングメイル】♀(ガーディアン)
◆コルベル号【ロットワイラー】♂(番犬)
◆シュロ【白猫】♂(ストレイキャット)
◆フレデリック【うりぼう】♂(ゴミ漁り)
◆がじゅまる【アギル・カクタス】?(観葉植物)
◆シトリン【マーモットリング】♀(バトル・ファーマー)
●バコツ・ドコゾノ【エクウスリング】♂(無頼漢)
◆オーク隊
・【出っ歯】バジー ♂(斥候兵)
・【大剣】セバロ ♂(剛剣士)
・【早食い】ミダ ♀(斧兵)
・【ずんぐり】ゾーデ ♀(闘士)
・【うすのろや】ンゴラゴ ♂(重戦士)
・【早駆け】チルリ ♀(剣盾兵)
・【舞刃】ヨラド ♂(舞剣士)
・【戦紋】ポルタス ♂(短槍兵)
《積載獣》
◆アンドレイア号【荷馬兼乗用馬】♀
◆ディムナール号【荷馬兼乗用馬】♀
《ギルド部屋の金庫(99)》
ロセオの花瓶、クロウトの皿、耳長新報(創刊号)、厚手の手袋(左)、紺のベレー
《工房の所持物品》
古びた荷車、空の頭陀袋×40、石のフィギュア×11、宝石の卵×2、バルグナン・パフェグラス、もっと黒い塵芥×1、すごく黒い塵芥×1、黒い結晶×1、すごく黒い結晶×1
… … …
オーク達の身の安全も考え、私は従士となった者とダゴモ達帰参組も含めて、千パカシを支給した。ラチュにも同様に支給したが、お金の使い方とかよく分からないそうなので、私が積み立てしつつ、従士隊や私と街での普通の暮らし(買い食いとか)を覚えてもらおうと思う。
それと余談だが、昨日手に入れた銀のナイフは、護身用に何も渡してなかったと気付いて、ラチュとシトリンに渡す事にした。
今からオーク達の装備品を買いに出かけるので、彼女達のナイフの鞘も見繕ってもらおう。ちなみに、コルク老の店にボロいのでもあれば、合成してリサイクルするのだけれど、あの店のナイフはどれも中古の抜き身でばかりであった。
てな訳で、私はオーク及び全従士隊、ラチュと出掛ける事に。
なんでもバカンスさんが中の中〜下の下までを取り扱う、装備品の格安店の会員だからと言って、そこを紹介してくれるとの事なのだ。リオレはアチコチ廻っているけど、特別な店や変わった店はこうして隠れているんだよねぇ。
バカンスさんに案内を頼み、裏口から出て少し行った所で、声を掛けられた。
裏口から、通りへ出る所を伺っていたのか、それぞれ違う細路地から四人が近付いて来る。
私達に向かって一斉に出てきてしまった所で、お互いの存在を確認し、牽制しつつも一先ずは穏便に、という感じで四人は近付いてきた。
「コトさんご機嫌よう。昨日ぶりですが、あの後神殿の近くで揉めたと伺いましたわ。大丈夫でしたの?」
「ぷみらさん、ご機嫌よう。はい、一悶着起きちゃいましたが、私は大丈夫です!」
「おう、嬢ちゃん!知り合いの徒弟から聞いたぜ、中央広場の面前で奴隷商とやりあったってな!」
「画戟さん!珍しいですね、店以外に居るの!」
「こんにちは。『リオレ中央市場商店会会長』兼『商店街広報部部長』兼『アイドル部門マネージャー』のフロレンティーナよ。この度は商店街に不審な商売人が出たと聞いて、お見舞いとご機嫌伺いに来ましたわ」
「あ、ああ……そういう設て…」
「何かしら?」
「い、いえ。何でもないデス。お会い出来て光栄です。お見舞い、感謝申し上げますです……」
「コトさん、ご無沙汰をしております。行商組合『鉄靴の足跡』の時雨です。突然お伺いして済みません」
「シグレさん!どうも、ご無沙汰しております!」
「コトさん、色々とお忙しい様で、なかなかご来店頂けませんでしたが、まさかBNGに所属の方だとはお見それ致しました!」
「いや、そんな事は……誤解をなさらないで頂きたいのですが、こちらの皆さんと初めてお会いした頃は、本当に無所属だったんです。その後、さんぽ中に変なアロハの人にギルメン皆、フダツキだから入らないかって言われて、ヤバそうだから付き合いのあった『さんぽ部』に助けを求めたら……ね?」
四人が、『ああ……』という目でバカンスさんを見る。当の本人は笑って誤魔化しているが。
ちなみに、誰も出てこなかった細路地の一本からは、金色の鎧らしきものがチラついている様だが、私はそちらは一切見ない事にした。
「バカンスさん、従士隊の皆、ちょっと待っててもらえますか?昨日のアレって、一応リオレ全体に良くない組織ですから、折角来て頂いた方々に共有したいです」
そんな私の談に、バカンスさんもヘラヘラとOKを出してくれた。
「まず、後ろに居るオーク達、ローゼンガルドのオークですが、知人だったんです。少し長くなる話ですが……あれは確か、行商組合を知って時雨さんの所に顔を出した前日、道端で怪我した折にぷみらさんと知り合って治してもらった日からは前々日の事です。私、助けを求めて来た女の子の話から、アンデッドと間違って緊急依頼を出してトモさんを襲って、返り討ちにあったんです」
「…………」
「三人掛かりでボロ負けで、しかも早とちりで死に損なって、悔しいやら情けないやらで自暴自棄になって冒険者ギルドの道場で無理に自分を痛めつけたりしてた時、ブキョウさんがいて、達人ぽいかもと思って修業付けてと頼んだんです。当然、部外者の私に修業なんか付けてくれませんでしたが、その後も、鉄屑が一杯必要な時に、知らずに画戟さんとこで買い付けて若い衆に目を付けられた時も助けてくれたりして、一応知人みたいになったんですよね。で、私って初日から狐耳の主婦とか、グラサンの大男とか変わった人達と遭遇してて、初日に適当に入ったのがヤシの木マークの宿だったりしてて、さっきのアロハの人との遭遇があって……」
(最初っから、目を付けられてるじゃないの!)
ボソリと突っ込みが入るが、否定は出来ない。
「で、入団初日から、修業したいんだろ?と言われていきなり修業が始まって、ローゼンガルドまで連れ出されて剣闘士させられたりしたんですよね。そこで知り合ったオーク達が戦場で負けて、ドレッドノートだかプレジャートレーズだかの構成員に売られたって流れで、昨日はソイツが新造の偽造パスで市門を抜けたみたいです。彼はもう、ノンさんが処した様なんですが……」
「詳細については16覇会議で提出するよ〜ん!」
「…………」
一応、この流れで皆さんには状況を理解してもらった。
こうして、情報交換が出来た方が、取り敢えず各陣営と争いたくない私としても安心である。
「コトさん、治療には大分薬品を消費したのでしょう?入用なら、また何時でも声を掛けて下さいまし」
「市場周辺の情報と治安維持、感謝しますわ。類似の敵性勢力が跋扈する様でしたら、こちらも協力は惜しまないつもりでしてよ」
「今から行く店で、良いもんが揃えられないってぇなら、ウチに声掛けてくれりゃあ都合するぜ!」
「市販品の武具で満足出来ない時は御用命下さい。少し値は張りますが、商会の名にかけて高品質の物を御用意しますので」
各代表の皆さんは、そんな言葉をくれて、帰って行った。
そうして私達は、最後まで金色がチラつく通りを見ない様にしながら、南街区へと向かうのであった。
… … …
様々な人種、旅人が行き交う西街区をゾロゾロと歩く。
オーク連れだが、民衆に恐れられたり、攻撃を受ける様な事は無かった。
この世界の初期設定現在では、RPGによくある敵性種族の亜人(人型モンスター枠)であったが、ディアナさんが湧きスポット諸共に調伏するという偉業を成し遂げた事で、彼等はモンスターから、辺境地域の亜人として友好的種族になった。
彼等はそれぞれ、ゲーム毎の世界観で闇の眷族にもプレイアブルキャラにもなる種族ではあるけれど、いちゲーム内の変遷で、魔物から人族に中途変更がなされるなんて、つくづく面白い展開だよね。
私は正直、西街区ってそれほど詳しくないのだけれど、バカンスさんは右、左と道を細い路地裏へと入って行く。細い路地裏でも、西街区は小さい商店や安宿、茶屋等が立ち並ぶが、バカンスさんについていくと、次第に店は途切れ、誰も来ない様な寂れた場所へと入っていき、そこで道は途絶えた。行き止まりには、古びていて場違いな曇りガラス付きのアルミ扉が一つだけあった。まるで、ここだけ昔のビルから切り取って来たような感じだ。
現代RPGか、ポストアポカリプス世界から持って来たか、もしくはそこへ繋がるゲートみたい。
「開けてごらん」
バカンスさんに促されてノブを回すが、ビクともしない。
試しに無理に引っ張ったり、押したり、縦・横にスライドさせたりしても全く動かないし、ガンガンとノックもしてみたが、コンクリ塀を叩いている様な感触だった。
「ね?」
「いや、何がです?」
「この秘密の扉、会員証非所持だと開かないし、魔法や必殺技でも壊せないよ。そういうガード魔法的な奴が効いてるからね」
そうなんだ。てか、私がぶっ壊す所までやると思ったの?いや、やりませんよ。
私はバカンスさんに前を譲り、扉を開けてもらう事にした。
扉の先はコンクリ造で、地下へと階段が長く続いている。
一体、何処まで降りるの?と思ったが、地下3階分位降りた先にまた扉があり、それをくぐる。
その中は、大型のホームセンター程にデカかった。
広い室内には、縦横無尽に棚が並んでいて、無数の武器や防具が陳列されている。
扉の近くにはカウンターがあり、幾人かのプレイヤーとおぼしき人達がキャッシャーに並んでいた。
「どうだい?コトさん」
「凄い規模ですね。安価品や中古品主体の店と聞いてましたが、ここならデザインや、ちょっとした拵えの違いまで見ながらじっくり探せそうです!」
「だろう?掘り出し物は少な目だけど、一般武装ならオススメだよ」
「しかしまぁ、よくこんな深奥の店、見つけましたね?さすがですよ」
「ん?ああ、此処ね。僕が立ち上げた店だからね」
「えっ、宿屋専門なんじゃ?」
「いや、指名手配前の事だよ。世の経済を動かすなら、やっぱ『死の商人』とかやるべきかなって。戦争や傭兵達の流入・流出なんかの流れも操作出来たしね」
「『ドレッドノート』がこれまで放置されて来た理由が分かった気がします。要は、同じ穴の狢だったんですね……」
「一緒にしないでよね〜。彼等は、アイテムや販売奴隷の一つ一つがどれだけデカい金になるかってのに執着してるだろう?言わば、ブルジョワ間で1件1件ずつ金を集める様な商売さ。その1件は派手だけど、経済が動くのは二者間だけ。僕のこの店は、各国の一般兵や初級冒険者、街や村の守備隊、一般人の旅人から在野のならず者まで幅広く武具を流すのが目的だからね。あらゆる地域のあらゆる層から金を集めてたからねぇ」
「でも会員制で、リオレ滞在者だけなんですよね?」
「あっちを見てごらん!」
彼が指す方を見ると、階段があった。よく見れば、私等が降りてきたものとよく似た階段が壁沿いに無数にある事が分かる。その傍にはそれぞれにカウンターがある様だった。
「駅のホームと同じさ。東西南北、どの口からでもこのエリアには入れるよ。階段毎に大陸全土に繋がってるんでね。これ、色んなアーティファクトとか使ってエリア構築すんの、苦労したんだよ〜」
「な……ここって、ワープゾーンみたいな……」
「あ、好き勝手には使えないよ。基本は会員証に書かれた都市からの、一カ所のみの通行許可だからね。好きなとこに移動するには、ボクの持ってる様な『プレミアマスターカード』がないとね〜。二点間とか三点間移動可な、シルバーやゴールドのカードもあるけど、まあ、ゲームバランスを考えてあまり発行してないんだなぁ、これが!」
死の商人をやりつつ、好き勝手世界中に行けるのか、この悪辣な魔王は。
「会員証は今でも持ってるけどさ、各国に保釈金を払った折にここの経営も手放したんだよ。善良でやり手のNPCにね。もう、第二の人生に武器庫は要らないからねー」
そういう事か。まあ何にしても、当時のバカンスさんと会わなくて良かったよ。敵対してしまうかもだし。
「てな訳で、ここで皆に買い物してもらうといいよ。『剣を売るなら、【武っ具お古】』ってね!」
「何が『てな訳で』なのかよく分かりませんが、それ……アウトです!」
店名はともかく、こうしてオーク達は得意な武器や、肩や胸、膝や脛等に付けるプロテクター等を選んだ。全身鎧はデバフが掛かるので、グラディエーターみたいな武装が好まれるというのが、種族特性として面白いね。
その後は、帰還するダゴモ達が保存食や旅具などを、従士オーク達が生活必需品や道具などを他店で買い込んだ。
さて、大分大所帯となった我が従士隊。この先どうなる事やら不安も楽しみもあるが、いずれ宿舎が必要だなぁ、なんて思いを巡らせつつも、本日の買い物はこれにて終了するのであった……
以前にシトリン合流回にて、『残る従士隊は一人と一匹な感じ』と書きましたが、『一人』はバコツの事。そして『一匹』の方は特殊で、人外表現的にオーク隊を示していました。
数匹とか幾体とか書くと、複数と知れてしまう為、また亜人なのか動物なのかを濁す為に上記の表現にした次第でして、オーク隊は闘技場編を執筆してる頃に部隊で運用させてみたいからという理由で再登場と従士入りが決定してました。
茶飲み仲間達に名前とあだ名が全員付いていたのはそういう訳です。
結構な大所帯となりましたが、コトの普段の基本行動はあまり変わりません。
一先ず、従士隊加入者『は』これで恐らく打ち止めですかね。
それでは、次回も拙作をよろしくお願い致します。




