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夢の終わりと始まり

 お茶会編後編、よろしくお願い致します。

 摩訶不思議で夢みたいな夜のお茶会は、順調に進んでいった。

 時折、ディアドーネさん経由で様々な変わったお菓子等も差し入れされ、私の普通なハーブティーに花を添えてくれる。

 皆も特に文句などなく、純粋に会を愉しんでくれている様で嬉しい限りである。


 拙い茶会初心者の私だったが、それぞれの参加者とは、とても良い形で知己を得る事が出来た。それぞれと一体どういう話が出来たかをここに記しておきたい。


※なお、名称は彼等との話し合いの中で何となくどう呼ぶか決まった呼称で呼ぶ形とする。


 宅配サービスをしているというポルー君は、おっとりのんびりな食いしん坊キャラだった。これでも、あの電車ごっこの先頭にいたらしく、移動は決してスローじゃないみたい。そして、彼は次に会った時には境界輸送の依頼を受けてくれるとの事だった。現し世と幻夢境間でのアイテムの橋渡し、つまり宅配依頼を可能にしてくれるというのだ。今日は初お目見えで顔見せの様なものだから具体的な話は出来ていないが、次回からの契約を約束してくれた。これまで、私が向こうの品に干渉出来たのは、カレイドスコープでのスクリーンショット位だから、これはすっごく大きな発展である。


 そして、彼の従姉弟にあたるレディー・プピヤンは、相応の宝石を持ってくれば魔除や護符と交換をしても良いと言ってくれた。彼女の作る品は幻夢境では一級品とされているらしい。一体、どれだけの宝石を要求されるのか分からないけれど、可能な限り持っていく価値はあると思う。

 彼女は、牧歌的なポルーと違い外出しない研究者タイプの淑女らしく、ちょっぴりお高くとまったこまっしゃくれのお嬢様な感じだが、若干舌足らずな喋り方が可愛く、憎めない子だった。


 ズートさんは今回初めて出会ったリザードマン種だが、沼地の戦士という様な荒々しい感じではなく、普通に街暮らしをしている紳士的な人物だった。

 リザードマンは現し世にも幻夢境にも住んでいるとの話で、青みがかった灰色の様な体色をしている彼は幻夢境固有の種なのだという。対して現し世にいるのは緑色に近く、水地の深奥にいるほど暗く濃い緑色で、乾燥地方に住まう者ほど黄緑へと変わっていき、荒地に行くほど淡く、黄色っぽい体色であるという豆知識を聞けた。  

 そんな彼とは、なんと有難い事に骨董のやり取りをしようと言われたのだった。

 互いに骨董品を持ち寄り、トレードをしようというもので、もちろん互いに釣り合う品は必要だが、異世界の骨董品の開拓ルートが出来たのは大きな事である。特に私の様な者には一際重要懸案となりそうな予感。


 ハルハフィアとズネビヤからは、現し世の辺境を中心に世界を巡っているとの事で、僻地や人里離れた地方の話を聞かせてもらった。

 私も力を付けて、地方や辺境を旅したい旨を伝えると、嬉しい事に新らしき友とまで呼んでくれ、友なる者に敬語は要らんとの言により名前で呼び合う様になった。悠久を生きるハイ•エルフの賢人と幻夢境のダークエルフの姫君とタメ口とか、なんか恐れ多いんだけど、彼女達はそういうの気にしない質であった。

 森の長命種は気位が高く、排他的な種族との噂もチラホラと聞いていたのだが、彼女達からはそういったものが感じられず、種としては異端なのかも知れない。

 そして今度、リオレ付近へ来たら訪ねてくれるという約束までしてくれた。まさか地元で美しすぎる長命種の賢人達と語らう機会が来るとは思ってなかったよ。でも悠久の旅人である彼女達のテンポでの話だから、きっとすぐにではないだろうし、今は只々いずれの再会を楽しみにしておきたい。それまでにどうもてなすかを考えなきゃだね。


 マレンは、幻夢境の僻地を旅するレンジャーだが、あちらの世界では【未開の宿なし(ストレイ)】と呼ばれる有名な辺境博物学の第一人者でもあるらしかった(自称ではなく、周りの参加者の言)。

 彼は私のセブンリーグシューズをみて、もし興味があったら、辺境の歩き方から、幻夢辺境の豆知識、伝承や旅での出来事などを色々と聞かせてくれると言った(彼は吟遊詩人でもあり、詩や語りでそういう話を今回も少し披露してくれた!)。

 マレンは旅のお供にリラと呼ばれる小さな竪琴を持っており、それを弾きながら荒野の動物の話や草や虫の話等を聞かせてくれた。

 綺麗な恋物語や冒険譚などではない、ささやかな生態系の物語だった事が逆に私には新鮮で刺さったよ。

 普段はその楽器をバラして持ち運び、時折組み上げては調律して現地で奏でているのだという。

 プロの旅人でありプロの詩人でもある彼は、ハルハフィアやズネビヤとはベクトルがちょっと違うが、これまたカッコいいね!

 背丈はプルカリと同じ位の少年サイズだが、長く生きて旅をしている裏付けされた知識を持ったプロフェッショナルな人物だった。


 ケヒタ婆(地元ではそういう呼び名で通ってるらしい)は、始めに香炉の匂いを一生懸命嗅いでいた事もあった通り、実は私の持つ薬草が懐かしくて堪らなかったらしい。

 最初は、この会に来た新参の小娘がどんな者かとひやかしに来たらしいのだが、始まってすぐに薬草で香を焚いた事で、更に私を気に入ってくれたみたいなのだ。

 なんでも幻夢境の住人は現し世の民と違い、精神世界(アストラル)の生命に近いらしく、リラクゼーション機能を持つものは心身共に大きな癒しとなるらしかった。

 それならば、と私は残る中級薬草を彼女にすべて渡す事にした。すると、返礼として月光草✕5(薬)、夜光草(強化)✕5、夜陰草(毒)✕5と色々な幻夢境由来の薬草を逆に沢山頂いてしまった。

 そして有難い事に、彼女とも今後の薬草トレードの話を頂けた。これはいつ次回が来ても良い様に薬草を集めておかなきゃだね!


 生活魔術師のテムラスさんは、魔法のアイデアや他の人の魔導具などの見分を広め、語り合う事が目的で会に参加している方だった。

 特段、お茶に興味があった訳ではないが、魔導コンロや加温ポット、全自動ミル等といった物の改良についてなど、考えたい事は沢山あるらしい。

 私が茶会で準備した魔導具やアーティファクト、湯呑み等にとても関心を寄せてくれたみたいで、話はそこから始まり、使用している簡易魔法についてまでに到った。

 私は狼煙や四換を披露して見せると、興味深くメモをとっていた。

 せっかくなので、私は具現化した砂利を合成してダークマテリアルを一つ創り出して見せ、全員に一つずつプレゼントした。闇の魔力結晶は、幻夢境の住人である皆には非常に魅力的なものだったらしく、多いに喜んでもらえた。

 そして、テムラスさんは返礼とばかりに3枚のカードをくれた。なんと、彼のお手製の簡易魔法のスキルカードである!


闇刃(あんじん)

暗闇となっている場所に指を入れた状態の時のみ発動する術。指先に闇の刃を宿して、刃物として使用出来る。但し、斬れ味は切り出しナイフ程度なので殺傷力は低い。


暗雲の瞳(かすみめ)

見つめた視線の先に50センチ程の闇の霧を発現させる。闇刃との併用や物の隠蔽などに用いる事が出来る。霧は光を通さず、発現範囲内部を見透す事が出来なくなるが、あくまで視覚遮断になるだけでその他の効能はない。複数発現が可能だが、使用の度に微弱の魔力を消費する。また、有効射程は視界内とあるが、遥か遠くに発現させると距離に応じて消費が多くなるので、見極めが必要。


崩閃禍(インパチェンス)

護身魔法。1回の行使で片手(利き手)の爪に紅をさす事が出来る術。重ね掛けでもう一方の手にも使用可能。

 爪紅は、術の装填数を示しており、発動を念じて手による攻撃時のインパクトで対象の部位の神経系を約1秒麻痺させる事が出来る。足止め目的の術なので殺傷力はなく、術の制約によって殴り殺せる程の威力を以てしてもこの一撃で相手は絶対に死なない結果となる。

 但し、生命体なら動きが1秒阻害されるのは、確定なので、他の技と組み合わせて二撃目で殺傷をする事は可能。

 この術は小手や手袋等で爪を隠していると発動が出来ない。一回の使用で片手の爪五つがマニキュア状態になる。使うと念じて平手、パンチ、張り手、裏拳、突き、チョップ等で発動。魔法生物や霊体には無効。

 一発使うと指一本分の爪紅が消える。発動後、使用を念じるまで爪に術式が永続装填されているので、随時マニキュアをしている呈で生活していれば、おしゃれと護身の両面で活用出来るだろう。夜眠る前などに術を使っておけば、いざという時にノーコストで使用可能。


 カードには説明とイラストが書かれており、トレーディングカードゲームみたいだが、れっきとしたスキルカードだった。

 こういういぶし銀なスキルは大好きである。本当に貰っちゃってもいいの!?

 驚く私だったが、テムラスさんにカードを持ったまま習得すると念じる様に促され、カードが消えるとスキル書同様に容易くスキルが会得出来た!


 そして、喜ぶ私に更なるサプライズはつづく。


「ダークマテリアル……この心地良いエネルギーに満ちた品の返礼を、わたくしからもすべきでしょう」


 ディアドーネさんは私に近付くと、掌から黒いオーラを放出し、私を一瞬だけ覆った。


闇刃(あんじん)(かい)

力ある夜魔の加護を得て改良が施された闇の刃。使用方法は同様だが、斬れ味は高品質のダガー程に底上げされており、殺傷力が上がっている。

 また、追加能力として、魔力を込めていく事で刀身を小剣サイズ(30センチ程)まで伸ばす事が出来る。霊体や物理の効かない魔法生物等にも攻撃が可能になった、戦闘用の闇刃。


 覚えた【闇刃】スキルの下に、応用スキルが派生する。

 そして、ロロポとヒャムグーさんからも同様にオーラ飛んできて私を包み込んだ。


星の飛槍(スターダストジャベリン)

闇刃の能力を応用して開花した射出型の光の槍。星空の下で極星(ポールスター)を指差して発動。指先が煌めきを宿した状態で、敵に向けると15センチ程の光の槍を射出する術技。実際は象獏族が固有で伝承しているもので、元来は鼻から発射する。

 星の見える夜限定だが、邪悪な属性を持つ存在には特攻となる。霊体や不死者にも覿面の効果アリ。


月光刃(ムーンシックル)

闇刃の能力を応用して開花した月の魔力を具現化して造る小型の光の鎌。月に両掌、もしくは片手の掌を翳して発動する事で装備出来る。刃が10センチ、持ち手が10センチと小振りだが、手持ちでも投擲でも使用が可能。月の魔力を宿しており、幻夢境の生物や闇属性の者に特攻があるが、闇の道化師の制約により使用者に悪意を持つ相手にしか殺傷力がなく、友好的な闇の眷属に使用すると無散化し、衰弱レベルに精神力を持っていかれるので要注意。


 いいのかな?お茶会のイベントの筈が、私の強化イベントになってない?

 とにかく、皆に感謝だよ。


 ダウダールさんは、この遺跡の衛兵隊に所属する戦士だ。なんでも、この遺跡を中心に森と荒野に囲まれる様にして隔絶された【辺獄(リンボ)】と呼ばれる小世界を管理している【母君】なる存在との契約で、この地を守護しているとの話を聞いた。

 母君は辺獄から幻夢境を統治しているという事なので、じゃあ何と戦う為の兵士かといえば、この小世界の狭間から滲み出す【(ヨドミ)】という敵性思念体とそれに影響を受けた小動物の変異した【穢れの獣】との戦いが主な使命なのだという。

 この遺跡の始まりというのは、現し世に存在していた【母君】が亜神と呼ばれる存在とその眷属が巣食うアストラル界の一つ、【不毛の果て】へと遠征をした折に前線基地として創り出した、砦を設ける為に創り出した疑似世界で、現し世とアストラル界(不毛の果て改め、幻夢境)の中間に位置するという。


 そんな彼は、山林地帯での戦闘に興味があるかと聞き、一振りの短剣を差し出して来た。


毒喰の山刀(どくばみククリ) レア度B 短剣

 幻夢境の山林に稀に生える吸精樹(きゅうせいじゅ)と、同じく幻夢境内で成長し広がっていく『夢幻洞』の奥で採れる『幻石』を用い、バグベア族の秘術でまじないを掛けて造り上げた黒い刀身を持つ山刀。

枝打、草刈、薪割、登攀補助など多岐の用途と、くの字型の刀身からくる重心効果で非力な者も強撃を放てる特性に加え、斬ったものから毒素を吸収し無毒化する特殊機能を有する。吸毒を七回使用後、次の一振りで貯蓄した全ての毒を対象に付与する【呪毒の刃】を発動する。バグベア族はこれを山刀の呼吸と称している。

※『七を吸い、一を吐く(七吸一吐)』なる幻夢境のバグベア族の諺があり、これは秘術の刃を使い熟す一人前の戦士を形容する意味があるという。夜の森で音もなく忍び寄る彼等と交戦する事は決しておすすめしない。

製作者・所持者:【追い縋る影】のダウダール 鑑定者:コト・イワク


「これ、すごく大事な物なんじゃ?」

「それ、オレ昔作った。今では予備の得物。今、『毒喰マチェーテ』使う。オマエ、オレに森の戦い習うか?オレがしてやれる、森の戦。それ、オレの友好、そして生徒の証!」


 とまあ、こんな風に話がまとまった。確かに先輩方にも教わる事は出来そうだけど、異界の種族に教わるというのもすごい経験なので、私はお受けする事にした。

 正直、歩法を始めとして私が習ったのは、街や平地の戦闘がメイン。現にミミナガ君に森に潜まれて負けてるし。

 という訳で次回からお茶会の合間に少しずつ森林戦闘を習う事が決定した。


… … …


 かくして、私にとって夏の夜の夢の様な茶会は、終わりを告げた。

 お茶会に参加しただけの筈だったが、恐ろしい位のリザルトである。


 私は彼等と再会を約束してお茶のセットを片付け始めた。新しい友人達も、再会の約束や挨拶を交わして三々五々に散っていく。

 さて、私の帰りはどうなるのだろうか。

 そんな事を考えていると、ディアドーネさんが一人、私の元へとやって来て言った。


「コト、宴も佳境に入りましたが、そろそろ母君に挨拶に参りましょうか。初参加の貴女は、顔を見せておくべきでしょう…」


 この空間を造った主がどの様な種族で、どれほどの力を持つ存在なのか未知数だけど、ゲストならば、ホストに挨拶するのは礼儀というものだ。


 私は、彼女に連れられて遺跡に隠された入口から地下へと降りて行くのであった……


… … …


NAME:【曰く付きの骨董(ミスティック・アンティーク)】コト・イワク 種族:タト族・マニスリング(獣化箇所:センザンコウの鱗の手甲)


LV58 キャラクタークラス:アイテム合成師 RANK:C

STR216 VIT212(+1) DEX214 MEN208 SPD211


《所持金》

1028745P


《師事》

『弧を描く餓狼』ガラム・マサラ


《習得技能》

【工芸】(LV20) ※工芸品知識及び製造におけるプラス補正。補正値はレベルに準ずる。

【目利き】(LV30) ※一定の商業系スキルにプラス補正。NPC商店訪問時にレアアイテム出現率が微細にUP。

【体術】(LV62) ※格闘系スキル。強力な武術ではないが、あらゆる格闘技の基本となっているスキル。

【シンセサイズ】(LV44) ※二種のアイテムを合成して別の何かを造り出す事が出来る固有スキル。

八十五式和合婚刻拳(ブライドアーツ)】(LV12) ※相手の回避にマイナスの補正が掛かる固有武術。レベルに応じ覚える三連打突技毎に威力が上がって行く。

【活眼】(LV25) ※周囲の者の力量を推し測ったりオーラを見たりするスキル。成功率はレベルに準拠。

【調理】(LV3) ※簡単な料理を作り出すスキル。レベルに応じて成功度が上昇する。

【暗闇の歩法】(LV8) ※暗殺者などが用いる歩行術。盗賊の忍び歩きの上級版で、足音・気配を消して達人ともなれば存在まで希薄にし、ステルス化する。戦闘にも組合わせて使用が可能。

【狼煙】(LV2) ※指先から煙を出す簡易魔法。レベルに応じて少ない魔力でより多く発煙させる事も可能。

【四換】(LV8) ※掌中で魔力を属性に関する物質に変換する。★変換可能物質:小石(地属性)

【魔銃】(LV9) ※指先から魔力を弾丸にして発射する簡易魔法。指先への魔力の集中次第で威力変化。

【魔力撃】(LV3) ※魔力を込めた拳撃を放つ技。鍛える事で威力上昇や属性付与等の応用技が使用可能。

【睡夢撃】(LV3) ※夜魔族の用いる催眠性の魔法拳撃。レベルを上げる事で高位の相手にも催眠効果が見込める。

【魔睡銃】(LV2) ※催眠効果のある魔弾を撃つ技。攻撃威力は極少で、催眠成功率はレベル依存。連射不可。

【乗馬】(LV0) ※馬に乗る為の技能。このレベルが高いと早駆けや遠乗り、スタミナの調整や馬との意志疎通も可能となる。

【反作用受け】(LV11) ※シンセサイズを応用して産み出された固有技。失敗時の反動で相手の力を相殺する。

【気功】(LV5) ※体内エネルギーを操り、攻撃力・防御力を補強するオーラへと転換する。

【縮地】(LV1) ※戦闘時、周囲30m四方に対して高速移動を可能とする。その速さはスキルレベル、オーラ、SPD依存。

【部分獣化】(LV7) ※タト族及びチト族の獣人(ライカン)病患者専用のスキル。全身獣化に至る前の基本スキルで、レベルが上がる程に自在に素早く任意部位を獣化する。獣化時の能力はタトの種に依存。

闇刃(あんじん)】(LV1) ※暗闇となった場所に指を入れて発動する闇の刃を指に宿す生活魔術。殺傷力は低い。

闇刃(あんじん)(かい)】(LV1) ※高位の夜魔の力で改良が施された闇の刃。斬れ味が高品位の剣程度に底上され、殺傷力が上昇。★追加能力:魔力消費で短剣→小剣に変化。霊体・魔法生物に攻撃可能な戦闘用の闇刃。

星の飛槍(スターダストジャベリン)】(LV1) ※星空の下で極星(ポールスター)を指差して発動。指先が煌めいた状態で光の槍が射出可能。象獏族の固有術で星空の夜限定。邪悪な存在、霊体、不死者に特攻。

月光刃(ムーンシックル)】(LV1) ※月の魔力を具現化した光の小型鎌。月に両掌ないし片掌を翳して発動。手持ち武器、投擲に使用可。月の霊力を宿し、幻夢境の生物や闇属性の者に特攻。技の開祖たる闇の道化師との制約により、良き闇の眷属に使用すると無散して精神力がゼロになり昏倒する仕様。

暗雲の瞳(かすみめ)】(LV1) ※視線の先に50cm程の闇の霧を発現させる。複数発現が可。有効射程は視界内だが、距離に応じて消耗が多いので注意。

崩閃禍(インパチェンス)】(LV1) ※護身魔法。任意の手に爪紅をさす。爪紅は術式装填数を示し、手による攻撃で対象の神経系を1秒麻痺させる。殺傷力はない。肉体を持つ生命にのみ有効。


《タト族の力》

◇尖山甲 ※生命エネルギーを込めた拳撃。打撃系『突き』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇暗帰路 ※生命エネルギーを込めた裏拳。打撃系『払い』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇破斬 ※生命エネルギーを込めた手刀。打撃系『斬り』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。


《フィート》

【綺羅星の加護】∶NPCに好印象を与え、助力を得やすくなる。

【寄り道の王者】∶秘匿エリア、秘密の店等の看破率アップ。

【応用技術万能】∶組合せスキル、新スキル開発にプラス補正。

【野生の超反応】∶不意打ちや狙撃等をパッシブにオート反応。

【進化創造の手】∶生産品や発明品が大きく化ける可能性有り。


《装備品》

木綿のセーラー、布のナックルガード、腕輪『乾坤一擲』、星虹の腕輪『三色』、鼬鼠のベレー(1)、セブンリーグ・シューズ『昼夜を駆け廻るもの(ハイ・デイライト・ウォーカー)』、毒喰の山刀(どくばみククリ)、転ばす先の杖、クローバー・ピンズ、黄色いマグネット、マタリス入場バッジ、肩掛けカバン(12)×2、鼬鼠のウエストポーチ(3)、鼬鼠のプラントホルダー、魔笛『アムネシアの呼び声』、子鹿の根付

(予備装備:肩掛けカバンにクラウン・ピンズ、タンブラー・ピンズ、ドロップ・ピンズ、ハートフル・ピンズ、赤マグネット、青マグネット、緑マグネット、白マグネット)


《所持品》

水筒(小)、ペン付き手帳、遠眼鏡、小型ナイフ、初期財布(100)、お菓子の巾着、指ぬき軍手(白、赤、橙、緑、黒)、コルキントンの香炉、バンジーの急須、水琴窟の小壷、30%ポーション×7、80%ポーション×1、月光草(薬用素材)×5、夜光草(強化素材)✕5、夜陰草(毒物素材)✕5、石のサイコロ、茶碗『湧水郷』、ナットリング×64、石器ナイフ×6、火口箱×2、ティンダースティック、砥石×3、石筆×5、茶壺『密林の欠片』、翼竜の卵×3、念話の結晶石、ダークマテリアル×34、高原の花、宝石(10万P)×2、宝石(5万P)、ふしぎなルアー、彷徨うボトル、薬の小瓶、虫の化石、きれいな石ころ、オリハルコンインゴット×1、エリクシール(3ダース)、山伏茄子×3、蛇玉×1


《アーティファクト》

鑑定魔のモノクル(C) ※レア度C以下のアイテムの鑑定。

蒼き水源の水差し(B) ※清水が無限に湧く(ON/OFF可)。

夢幻のカレイドスコープ(C) ※夢幻郷の一部を覗き見る事が出来る。


《所属ギルド》

【B・N・G】

◆【混沌(コントン)】バカンス・デカダンス

◆【禍つ女(マガツメ)(トモ)

◆【檮杌(トウコツ)】ブキョウ・キナガシ

◆【饕餮(トウテツ)】ゲイン・バショク

◆【窮奇(キュウキ)明石・暮紅人(アカシ・クレコウド)

◆【獣王(スタンピード)】ふらりぃ

◆【インビジブル】NON(ノン)EMPTY(エンプティ)

◆【大蟒蛇】魅酒螺(ミシュラ)

◆コト・イワク

◆ミミナガ・メデカ


《フレンドリスト》

●【治の司祭】ぷみら・みにま

●ぐすたふ

●アイアン

●ライ・クライ

●エスプレッソ・デミタス

●【奈落に咲くものメルティ・ローズ】ヘルベティア・ローゼンリース

●【採集者】ロータス・ピットフォール

●【黒閃】TOWA

●【百錬将】方天画戟

●【埃の錬金術師】ノックス・N・トリノ

●【喧嘩屋】殴路羅

●【ねじくれ】ちろる

●【闇食い】ハクア

●【試し屋】リュウザ・ラッシュ

●【棘山猫】ローゼン・リンクス

●【オーバーキル】レッド・ナイヴス

●【古城の貴婦人】ラディアン・ブリリアンツェ・バームクーヘン

●【白き玄武タートル・パラディン】グレゴル

●【流騎士】フランベル

●【五色の雲舞う】韮井カナエ

●【飛刀使い】エンジ

●【楽匠】久遠

●【黄の司祭】シャンメリー・スパークル

●【鉄節】アイゼンヘルツ・ハイマン

●【木陰の瞳】エルツェ

●【片角】サクラン


《従士隊》

◆プルカリ【リビングメイル】♀(ガーディアン)

◆コルベル号【ロットワイラー】♂(番犬)

◆シュロ【白猫】♂(ストレイキャット)

◆フレデリック【うりぼう】♂(ゴミ漁り)

◆がじゅまる【アギル・カクタス】?(観葉植物)

◆シトリン【マーモットリング】♀(バトル・ファーマー)

●バコツ・ドコゾノ【エクウスリング】♂(無頼漢)


《積載獣》

◆アンドレイア号【荷馬兼乗用馬】♀

◆ディムナール号【荷馬兼乗用馬】♀


《ギルド部屋の金庫(99)》

ロセオの花瓶、クルリエの錆びたスプーン、クルリエの錆びたナイフ、クルリエの錆びたフォーク、クルリエの錆びた包丁、クロウトの皿、耳長新報(創刊号)、厚手の手袋(左)、紺のベレー


《工房の所持物品》

古びた荷車、空の頭陀袋×42、リサイクル・ピンズ×73(内訳:クローバー13ヶ、王冠9ヶ、酒杯11ヶ、雫石10ヶ、ハート11ヶ、剣9ヶ、渦巻9ヶ)、小さなメダリオン×67、ワッシャー・タグ×38、付与マグネット×26(内訳:赤5、黄7、青5、緑3、白6)、石のフィギュア×11、宝石の卵×2、バルグナン・パフェグラス、もっと黒い塵芥×1、すごく黒い塵芥×1、黒い結晶×1、すごく黒い結晶×1


… … …


 古めかしいながらも、大きな損傷はない階段を降りる。

 遺跡の内部は真っ暗なのだが、ディアドーネさんから魔力を含んだ闇が放出されており、それに当てられている私は暗視が効く様になっていた。不思議な術だが、松明やランプが照らす灯りの逆バージョンみたいなものだと認識しておこう。


 壁面には何やら象形文字の様な紋様が刻まれているので、解読出来たら大戦中の歴史とか分かりそうだが、この長い階段の壁全体を解読し続けるのは無理があるよね。


 そうして階段を降りきった先には、ぼんやりと闇が光っている奇妙な空間があった。

 ここでも、どうやらお茶会が開かれていたみたい。

 そこには、ディアドーネさんとよく似た人々がいて、静かにお茶やシーシャなどを愉しんでいる様だった。上座には、寝返りが出来そうな位大きなソファが鎮座していて、そこに寝そべっているのが部屋の主、母君だろうか?


「御母君様、ディアドーネ只今戻りました。本日は新たな参加者をお連れしましたわ」

「よく戻った、【夜色の貴婦人】。新しい娘との茶会はどうであった?」

「わたくし達の不意の訪問にも関わらず、即席の宴を設けてくれた器用な娘です。とても善き宴となりました」

「それは重畳」

「母君、こちらが新たな参加者のコト・イワクです」

「あ、あの……お招きを頂き、光栄ですっ。母君様!」


 ディアドーネさんに習う感じの言い回しで、ぎこちなくだが挨拶をしてみる。


「よく来たね、コト・イワク。私はラケル。そなたの茶会の模様は、ここで見ていたよ」

「お目汚しでしたか?道具だけは普段から持ち合わせておりましたので、素人ながらもお茶を振る舞わせて頂きました」

「面白い。突然ここに連れて来られて、茶を供する者は少ない。そなたの茶会で見せた品、私にも見せてたも」


 ソファより立ち上がる母君に、私は度肝を抜かれる事になった。


 頭に着けたヘッドドレスから伸びる漆黒の闇色ヴェールが全身を覆い、口元を真紅のフェイスヴェールで隠したミステリアスな方だというのは始めから認識していたけど、着ているのはシルクのロングネグリジェで、思いっきりシースルーだった。

 ズネビヤで多少は慣れたと思ったが、ボディが丸見えなのである。

 両腕に着けた金色の腕輪からはスリーブヴェールがひらひらとしているが、これも同じくスケスケなので、隠せたりは出来ない。

 一応、ブラとショーツ部分は、銀河の如き煌めく深淵になっているので安心したけど、大事な部分が宇宙になってるって、どういう原理だ?

 いや、夜魔を率いて幻夢境を治める存在という事ならば、人ならざる大いなる上位存在なのだから、そういう事もあるのかも知れない。


 スケスケの上位存在というものとの邂逅にドギマギしつつも、私は卓上に先程まで使っていたアイテムを出していった。


「ほう、これはこれは……」


 水差しを手に取り、関心を示す母君。


「懐かしい波長ね。三番目の姉上の力が付与されている」


 なんと、『蒼き水源の水差し』は、『循環の乙女』の品だと鑑定結果で判明している……【波の魔女ウファ】。

 つまり、夜魔達の敬う『母君』とは、【夜を紡ぐ魔女ラッケ】の事だ!

 この私が魔女と話す瞬間が来るなんて、全く予想していなかったよ。

 だってこの世界では、神や竜に近い存在なんだよね!?


 その事実を頭で結び付けてパニクりつつも、流れに身を任せるしかない私を前に、虚空の母君(ナハト・ラッケ)は私の品々を手に取って楽しげにしていた。


「エレファントテイパー達の至宝に選ばれた者として、参加を認められたそなただが、他にも私の力を根源とする様な品を持っている様だね?」


 ラケルと名乗った彼女は私を凝視し、足を指差した。


「その靴、今は属性を持たずに安定しているが、光属性の魔法具に闇の属性を幾重にも重ねて融合させた痕跡を感じる。『昼夜を駆け廻るもの(ハイ・デイライト・ウォーカー)』、光と闇を超越・制御したセブンリーグ・シューズ。アーティファクトとは、偉大なる始祖と我等七人、そして古代王朝時代のごく一部の選ばれし賢人のみ、創造する事が出来た不壊の魔導具。『人造アーティファクト』……今の時代、私達姉妹を除いて擬似的にもそれを造り出すものがいたとはねぇ……」


 吸い込まれる様でいて、神秘の力を秘めた瞳で、私を見詰めるラケル様。

 その眼はまるで、私のステータスからこれまでの在り方の全てを見透かされているかの様に思えるものだった。


「光のアーティファクトの残骸を素体に、不壊なる魔法金属を仲介として、そなたの融合する技術と闇の結晶を用いる事で、本来交わらぬもの同士を結合化し、昇華させたのかい?」

「はい。これ…」


 ディアドーネさん達に渡したダーク・マテリアルを、ホストである彼女達にも渡すべきかと思い、出そうとした瞬間、部屋の横の扉が音を立てて開く。 

 そこからはトレイを持った女性が一人、現れた。


「お待たせを、しましたわ」


 女性はトレイにお茶と菓子を乗せており、テーブルに置いてラケル様に声を掛ける。


「おお、手間を掛けた。そしてコトよ、済まぬな。挨拶に来たのに茶の一杯も出さぬは無粋であった。我が茶会のゲスト一の猛者の茶と菓子を、一献しんぜようぞ」

「あら、アナタ……」


 トレイを持つ女性は、澄んだ瞳で私をじっと見た。

 その姿を見て、何故か私には妙に魅了されてしまった。

 もちろん、『美』という事でなら、ハルハフィアやズネビヤが頭抜けているし、妖艶な美しさなら、ラケル様もカンストしてる気がする。

 しかし私には女神の様な存在と定命の者の美では、比較にならない気がするのだ。


 例えるなら、人間と惑星の寿命を比較しても、時の流れ方や概念がすでに別次元の様に見えるのと同じ様な感覚だろうか。もしくは、私がこの世界で会った女性陣は皆、ブスか美人かで言えば美人に該当すると思う(グラフィックをいじっているかは不明)が、富士山や美術品と比べてどちらが美しいかと問われても答えられないのと一緒と言うか、そんな感じ?


 だが、彼女は神とか魔女とか妖精とかそんな雰囲気じゃなく、ゲストとの事だから現し世に生きる人として、現実的な美しさを持っていた。

 セミロングの髪は青みがかった艶のある黒で、同じく黒で合わせたミニのトークハットには、夜の茶会に相応しい黒玉(ジェット)のビーズが散りばめられて、煌めいている。

 濡羽色のテールコートドレスには黒檀の飾りボタン、純白のギュピールレースの付け襟、カボチャ型のカメオに彫られた髑髏とシックな装飾に施されており、裏地の深い紫は高貴さも感じさせた。

 カップを持つ手には、黒いレースの手袋をしており、フィンガーレスなので白魚の様な指先がより美しい所作を演出している。

 そして何より、一番私の目を惹いたのは、腰帯から下げられた銀細工の鎖であった。

 気になったので後に調べたら、シャトレーンという装身具だと知ったが、貴人が身に着ける鎖付きのアイテムホルダーなんだってね。

 彼女はそこから、手鏡やルーペ、スプーンにルージュ、懐中時計やピルケース等を下げていた。

 ヤバい、私も鎖型インベントリ欲しい!……なんて思ったんだけど、よくよく考えてみたら私の無課金コーデには恐ろしく似合わないぞ。

 私の無課金とは違い、前述のコーデに合わせ、白のシルクストッキングに黒のレザー・ボタンブーツと、全身が綺麗に洗練され、整っていた。

 私が腰から『転ばす先の杖』を下げている様に彼女も棒杖(ワンド)をベルトから吊っているので、魔術職だろうか。彼女の杖も特注品なのか、不思議な形をしていた。

 魔法金属と思しき白金色のグリップ部分の先端からは、針金みたいなものがアーチを描いている。これは……ホイッパー型のワンド?


「あ、私……コトと言います」

「そう、アナタが新しい茶会のメンバーなのね。よろしく、フロレンティーナよ。レディ・ラケルからは、フローラって呼ばれているわ」


 私はそんな彼女のお茶と焼き菓子を頂く事になった。


「南方のエルデフト産の中でも一番芳醇なカルワート・ビーンズを適量の夢香草(ドリームシュガーミント)と一緒に浅煎りしたものをドリップしたハーブコーヒー、通称『辺獄(リンボ)珈琲(コーヒー)』よ。糖度の高いハーブが使用されているから、ブラックで飲むものなの」


 幻夢境の香草も混ざったハーブコーヒー。確かエルデフトというのは、南部の新人リスポーン地点となる島国だった気がする。

 未知の体験だったが、その味は奇をてらったものではなく、スッキリとしていてほのかに甘みもあり、飲みやすかった。もしかして、新人(わたし)の為に選んでくれたものなのだろうか?

 一緒に出されたお菓子も口にしてみる。


「か……硬っ」

「夢と現、両界の木の実を用いた二度焼き(ビスコッティ)よ。堅焼きが基本なの。お茶に浸して食べるのよ」


 な、なるほど。浸すと丁度よい塩梅になる。

 こんな調子で、私はレディ・ラケルとフロレンティーナさん、ディアドーネさんと四人の副主催者(サブ・ホスト)達とシメのお茶を頂いたのだった。

 大物である魔女とのお茶だが、別に大仰な内容という訳でもなく、お互いの最近のマイブームや、普段何をしているとかそんな調子だった。

 驚いた事にレディ・ラケルは、時々お忍びで両界(ゆめ・うつつ)の街へも出掛けているらしい。


「オフィシャルとプライベートを別ける為にも、お忍びのコーデくらいは当然ね」


 フロレンティーナさんもサブホスト達もそう言って頷き合っている。そう言えば、ディアドーネさんらは五人ともイタリアのカーニバルとかで使う様な仮面をしている。

 私は地味なんで、普段からお忍び姿みたいなもんですね、と言ったら皆が楚々として笑っていた。うーん、所属ギルド的には二つの顔を用意しなきゃいけないのかな?


… … …


 そんな感じに気さくで楽しい会も終わり、私はレディにお暇を告げる時がきた。


 改めてのお招きへの感謝と、夢の様な楽しいひとときであった旨を伝え、ディアドーネさんを除くこの場の全ての人に、先程出しそびれたダークマテリアルを差し出し、今日の楽しい茶会への返礼とした。


「そなたはまこと、この会に相応しい存在の様だ。今後もまた、私の開く宴に参加してくれる気はあるかい?」

「はい、喜んでお伺いさせて頂きます!」

「そうか。では、闇の結晶の礼も兼ねて、いつでも此処に来られる様に私の加護を与えようぞ」


 そう言ってレディは私に近付くと、そっと口元のヴェールをはだけて額にキスをした!皆の前でそんな事されるのは、ゲーム上の演出とはいえ恥ずかしくなってしまい、顔が火照りまくる私。


「再会を願って……この私、ラケルが『夢渡り』の能力と闇の加護を授ける!」


 私は期せずして夜の魔女の外様眷属みたいな立ち位置になったのであった。


… … …


 レディの間を辞し、教わった通りに遺跡から去るように離れて行き、『夢渡り』を使用してみる事にした私。

 そこへ、現し世へと戻る直前に二つのイベントが起こった。


「『渡り』を使う時、慣れない内は帰る、戻るという事だけを念じなさい。雑念が多いと、辺獄(リンボ)の彼方で永劫に彷徨う羽目になるわよ」


 歩き始めた私の背中に、フロレンティーナさんが言う。

 転送事故の様なシチュエーションを想起してゾッとしてしまった。


「先に使って、見せてあげるわ!」


 その有難い申し出を、私は受けさせてもらう事にする。


「……そうだ、アナタももうこの秘密の茶会のメンバーなのよね?何でしたら、フレンドになってあげても構いません事よ!」


 ツンツンしているが、何とも可愛らしい事を言ってくれたので、私は喜んでフレンド登録をお願いした。

 そして彼女は少し紅い顔のまま、告げる。


「いいですこと?ここの話は現し世では御法度ですわよ。二度と参加出来ないのは勿論、どんなペナがあるかも不明。茶会の参加者が両界で一切の音信が途絶えさせたという噂も絶えないのだからね。それでは、ご機嫌よう!コト・イワク」


 そう忠告して、彼女は夢渡りで闇の向こうへと消えていった。これは忠告を遵守した方が良さそうである。

 そう決意して、私も夢渡りを使おうとした時、正面の闇からぼんやりと影が浮かび上がって、新たにやってくる二人組の姿が視認出来た。


「いや〜、遅くなってしまったね〜。こんな日に幹部会があるとは残念だよぉ」

「話の長げー奴等がいるからな。大した話題もないくせに」


 二人組は語らいながら夢渡りをして来た様だった。

 一人は緑のジュストコールにシルクのフリルブラウス、緑のジャボタイの水色癖っ毛ロング。

 一人は青いテールコートにシルクのフリルブラウス、青のジャボタイで銀色おかっぱというハイソで貴族然としたペアであった。


「おや、もうお帰りかい?」

「え、ええ」

「これはこれは、ご無沙汰だね〜」

「ええっ?えーっと、どちら様?」

「ああ、君は知らないんだったな」

「僕等はさ、キミのスペシャルマッチで大分稼がせてもらったんだよね〜」


 あっ、あのローゼンガルドのブットリーニ・デブッチとかなんとかいうのとの闘いか!

 ※コトは記憶から排除していますが、正式にはムッチリーニ・モッチリーニです。


「あの時から、君とは一度じっくり話をしてみたいと思っていたんだ」

「まさかこんなレアな場所で会えるとはね〜」

「はぁ。私的には、初対面なんですけど……」

「ごめん、ごめん。僕はステイン。もしくはグレイ。どっちがファーストネームか分かんないから、どっちでもいいよ。そんで隣はランランだよ〜」

「ランだ。決してランランではないので間違えない様に、よろしく頼む!」

「コトちゃん、次会う時は是非お茶会したいねぇ」

「そうだ、もし現し世で会えたらそちらでも茶会をしないかい?」

「えっと、はい。構いませんけど……」

「やったね〜、オークロード討伐のニュービーとお茶会だ〜」

「そうだ、近くに来たら連絡するから、フレンド登録してもらってもいいかい?」

「え、あ、はい!」


 なんか、よく知らない人達だけどノリで登録してしまった。まぁここに居る権利を得た人達だから、邪悪認定やバウンティーは掛かってないだろう。


 なんか忘れてる事もあるかもだけど、こんな調子で盛り沢山なはじめてのお茶会は幕を閉じ、私は『夢渡り』の能力を使用するのであった……

 茶会編、完了しましたがかなり盛りすぎてしまいました。ですが、あの様な不思議な茶会に出て一人、二人と話して終わりという結末は、会の成り立ちやコトの性格から考えてとても出来ませんで、どんどんキャラ達が主張して来た感覚でこうなりました。人の輪を繋げる事を強みに変えるコトのパワーアップイベントと考え直して、この流れとしました。少しでもお気に召して頂ければ良いのですが。


 また今回、ステータスに多く変動があった事に加えて、少しだけ文言や表記を改変しました。

 その辺の変化は、ゲームの中のお話ですのでアップデート的なものだと思って頂けると幸いです。

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― 新着の感想 ―
新しいスキルが一気に出てきて、世界が広がった感じがして良かったです。ワクワクします。 それぞれのスキルの使い道を考えるのが面白くて、どんな組み合わせや戦い方になるのか気になります。今後どう活かされてい…
意図していないところでTOWAにフレンド情報が漏れっぱなしだけど大丈夫か
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