真夜中の誘い
ちょっと初期プロットとは内容変わってしまいましたが、よろしくお願い致します。
ゲインさんとの獣化修業の後、暫く自主練をしてからログアウトした私だったが、深夜に今一度ギルドの自室へと戻った。
ガチ勢にとっては、冒険や強化が主体となる為、夜戦でもない限りはギルドホール内で過ごす余暇など興味がないかもしれないけれど、私の場合は少し眠れない様な時など、自分の居室でまったりとするのも全然アリだったりする。
お茶を入れて、アイテムを眺めて合成のネタを思案したり、今後やりたい事なんかを色々とメモしたりして、想像を馳せるのも、なかなかに良いもんだったりするのよ。
その後、スキルに関しての組み合わせやアイテムとの互換性などをボーっと考えていたのだけれど、いつしかウトウトとしてしまったみたい。
時間も分からないまま、半覚醒みたいな状態の私の耳に、不意にチリーン…と聞き覚えのない鈴の音みたいなものが響いてきた。
(う〜ん、何ぃ……?えーっとぉ……も〜、またノン姉さんでしょー!ヘンな音で脅かさないでよぉ……)
私は寝ぼけた頭でそんな事を思ったか、口にしたかよく分からん状態でボーっとし続けていたが、その音は等間隔にチリーン……チリーン……と鳴り止まなかった。
ふと、どこかのサイトで見た夜中に訪問してくる霊の話を思い出してしまい、まさかアンデッドの類が近くに出てくる類のイベントじゃないだろうな?と不安を感じ、急速に覚醒した。
ギルド周辺にそんなのが居るとしたら、市民が犠牲になりかねない。
立ち上がって、部屋の扉へと向かう私。
珍しい事に従士隊の面々は全員熟睡しており、起きる気配は感じられない。
異変を感じた時のコルベルや、ちっとも撫でさせてくれないシュロなんかが、正体をなくして爆睡という事は無さそうなんだけどな。まさか動物には聞こえない音なんて事ないよね?
まあ、ギルド内だし先輩達全員が無警戒とかないだろうと思い直して、扉を開ける。部屋前の廊下にある窓の外は、当然の如く真っ暗で、何も異常はない様に見える。
しかしその後も鈴の音は続いてるので、耳を頼りに音の出所を探して行くと、どうやらそれは裏口の方から聞こえてくる様だった。
廊下には誰もいない。急ぎステータスを確認すると、男性陣とミシュラさんはログインが確認出来た。
まあ、だからといって何でもかんでも助けを乞う訳にもいかないし、まずは私が斥候役を務めますかね。
恐る恐る、裏口の扉を1センチ程ゆっくりと開く。
相変わらず鈴の音は鳴っているが、外からは何もアプローチはない。
目立たぬ様にしゃがみ込んで、低い位置からそぉーっと扉の外を覗き込んだ私は、そこで絶句してしまった。
… … …
裏口の扉から見える先、裏門の門扉の上に並んで立つ、異様な雰囲気を醸し出している三人の姿。
白と黒と灰色だけで構成された道化師。
目が蒼く明滅する漆黒のテルテル坊主。
そして、夜空に星を散りばめたかの様なドレスを纏う仮面の貴婦人。
そんな奇妙な三人組が、こちらを見下ろす様にして立っていたのである。
こんなん絶対、調べる必要もない位ヤバい連中でしょ?
チリーン……
道化師の持つ銀の鎖の先に下がった小さなベルが、微かな音量にも関わらず周囲の闇全体に沁み入る様な音を響かせている。
門の上に立つ振る舞いから見ても、絶対に真っ当なリオレ市民ではないから、もしかしなくてもウチに訪いを伝えるベルという事だよね。
まあ、あの先輩達なら、こういう面子が訪ねてくるのも納得と言えるのだが、果たしてプレイヤーなのか?どちらにしろ、人ならざるもの……怪人とか、人型クリーチャーとかの類にも思えた。
「あの〜、どちら様でしょう?ご要件は……」
顔だけ出して声を掛けてみる。もし攻撃されたらすぐに引っ込める様に注意は怠らないが、強力な広範囲攻撃とかされない事を願おう。あの連中もさすがに八人の魔王の逆鱗には触れたくないと信じたい。
『ご機嫌よう……。今宵はそよ風が心地良い、いい夜ね』
貴婦人が言う。なんだろう……近くに居て、声が届くというよりも魔法か電話的な何かで私の耳の座標に丁度よいトーンの声を届けた様な違和感を感じる。上手く表現しづらいが、普通の発声の様に大気を振動させて耳まで伝わってない感じがするし、テレパシーの様に脳に直接でもない不思議な感じである。
『わぁ、夜の加護の品の所持者だと思って会いに来たけど、色々な匂いするねー!』
テルテル坊主が小さい子供みたいな中性的な声で言う。
待てよ、夜の加護って……
『キミィ、キミがコト•イワクさんだよねぇ?何度か会いに来ようと思ってたんけど、ボク達の時間とキミの時間がなかなか巡り合わなくってネ〜』
道化師がおどけた感じで言った。
先輩達を疑った私が馬鹿だった。コレって、私関係のやつ!?
『カレイドスコープだけでなく、この子からは闇の魔術や、何か他の夜属性っぽい匂いもするよ!すごいよねぇ〜』
テルテル坊主がそんな事を言う。そう言えば、ちろるもそんな事を言ってたけど私って、何か闇系の匂いとか出してんのか?一応これでもレディなので体臭とか気にかけてんですけど……
『この素敵な夜にただただ眠るだけなのは勿体なくてよ。闇の集いはそれぞれの星の巡り合わせによって催されるの。幾つもの夜はあれど、今宵というこの瞬間は、今しか巡らないものなの。コト•イワクさん!我々は、由緒ある【常闇のお茶会】への招待状を届けに来た、メッセンジャーです』
私の眼前に、新たな謎イベントがその姿を現した瞬間であった……
… … …
私に用だと分かったので、裏口よりゆっくりと出る。
貴婦人はテレポートし、テルテル坊主は空を飛び、道化師はムーンサルトして、それぞれ私の前に立った。
「お茶会、ですか??」
「ええ。わたくし達は、それぞれ種族や存在は違えども、夜を紡ぐものの眷属」
真ん中に立つ貴婦人が言う。
「ボクはロロポ!夜の気配と匂いを探すのが得意なんだ!」
テルテル坊主はロロポと名乗った。
「オイラはヒャムグー。夜の平穏を護る、愉快な用心棒さ!」
道化師はモノクロの姿に反し、明るく陽気に言った。
「そして、わたくしはディアドーネ。お茶会の客人の選定者。ロロポが夜会の参加権利者を探し、ヒャムグーがその者の善悪を判断し、わたくしが最終許可を出す。今回は、新規参加者として貴方が選ばれたので、我らがメッセンジャーとして参りましたわ!」
常闇のお茶会……闇に属する眷属の、夜会。新たな出会いと発見にドキドキする。
「お茶会、きっと招待させるのは名誉な事なのでしょうけれど……いつ、どちらで行われるんです?」
「もちろん、今宵。幻夢境と現世の狭間、辺獄旧遺跡の広場にて。迷っていらしては、もう機会はないかも知れませんことよ。星と月と夜の巡りは規則的だけれど、夢はそれ等と違い気まぐれなの。明日また機会があるかも知れないし、5年後とか10年後の場合もある、もしかすると100年後になるかも知れないわ」
ヤバい。ゲーム内とはいえ、この世ではない所からのお誘い……
マジでヤバい。そんなの、私にとって断る自信が持てなさ過ぎる話じゃないか!
「行ってみたいですけど、戻って……来られますよね?」
そう言って、一歩踏み出す私。
「ふふ……ヒャムグーが静かに立っているという事は、無事に帰って来られる筈よ」
「さっき話してた、ヒャムグーさんが善悪を判断ってやつですか?」
「わたくし達、夜魔の集いに参加出来る者は極稀よ。少なくとも、夜魔の力や技術を有さない者に資格はないわ。そしてその者が夜魔の力で夜魔達を害する様な者であってはならないの」
「でも、リオレはともかく世は戦乱の最中ですよね?私だって襲って来るものとは闘いますし、もしも襲撃者が夜魔だったとして、殺してしまう事だって無きにしも有らずです」
「それは当然だね〜。でもそういう事じゃなくてさぁ〜、夜魔の力を悪用して、同胞達を虐殺して愉しむ様な危険な奴を狩って廻る。ボクは、闇夜を渡る狩人なのさ!」
成程ね。夜魔のコミュニティは秘匿性が強く、でもそれに参加出来るチャンスはあると。
それは、選定された者が本当にお眼鏡に叶うかを見極める者、匂いを辿って資格あるものを探す捜索者、そして、そんな秘密のコミュニティを危険因子から護り消去する狩人がいて、三人体制で動いており、彼等に認められる事で参加が出来るって訳だ。
そんなルールに基づき、この三人が私に会いに来てくれたって訳だね!
「え〜っと、お招き頂き有難うございます!」
そう言った瞬間、私と彼等三人は蒼白い炎に包まれたのだった……
… … …
蒼炎に包まれたと思った次の瞬間、私達四人の周囲だけがドーム状に残った形で、周囲は完全なる闇に包まれていた。
さっきまで足元はギルドの裏口だった筈だが、今は質が違う感じで土をならした山道みたいな場所になっていた。
路肩には短い草が茂っており、何となくコルベルの実家へと続く道に似てるけど実際の場所は定かではない。
私がキョロキョロしていると、ロロポさんがピュイーっという感じで口笛を吹いた。ディアドーネさんは優雅に扇をパタパタと煽ぎ、ヒャムグーさんは伸びをしてポキポキと肩を鳴らしている。
不意に四方から気配が近付いてきて緊張する私だったが、近寄ってきたのは、チワワ位の大きさのゾウの様で、バクにも見える生き物だった。
「え?あ……もしかして、エレファントテイパー!?」
「そうだよ。向こうとこっちを行き来するのは、ボク達が一番得意なんだ。最初にこちらに移住を果たしたのも、ボク達なんだよ!」
ロロポさんが得意気に言った。
「え?ボク達って!?」
聞き返した私に、彼は少しだけテルテル坊主の布をめくって見せた。
「!?」
なんと、布の中身はほぼ空洞であり、竹馬の様な棒が四本、頭から伸びていた。顔の部分が少しめくられると、中からは浅葱色のゾウの様な鼻が動いていた。
「ろ、ロロポ!君は……君も、エレファントテイパーなの!?」
「そーだよ!しかも、ボクはエルダー種だから長足棒も得意だけどね!」
得意気に語るロロポ。エルダー種という事は上級種族という事だと思うのだが、長足棒?あの四足竹馬みたいなのが上手い事がエルダー種なのか?それ以外は通常種だったりするの?なんか、逆にスゴさが分からんくなってきたぞ。
「へ、へぇ〜……」
「あまり、よく分かってないでしょう?ロロポは象獏種でも稀有な『勇者』ですのよ」
「ゆ、勇者って、あのバランス悪そうな長足で歩けるっていう意味で勇者?」
「そんな訳ないでしょう。遥か昔の【昏冥大戦】の勇者の一人という事よ!」
「昏冥大戦!?」
「その辺は……そーゆうのがあった、って感じに今は済ませてよ。闇の精神世界の死神であるボクも、それはあんまり話題にしたくないんだよ〜」
何だか凄そうな話ではあるのだが、陽気なヒャムグーが気分悪そうになってるという事は、これ以上は続けちゃ駄目な話題みたい。
そして、そんな会話をしている内に、回りに集ったエレファントテイパーたちは、ロープを咥えて私達の周りを囲んだ。
その中でちょっとだけ他の個体より大きい子がいて、その子がロープの端と端を咥えているので、円の様になって私達を囲んでいる状態だ。
大きい子は小ちゃな群青色の帽子を被っていて、彼は私達が向いていた道の向こうにゆっくりと動き出す。
プシュ、フシュ……プシュ、フシュ……彼等の鼻息か溜め息みたいな音が漏れているのが聞こえる。
ディアドーネ、ロロポ、ヒャムグーが少しずつ前に歩み出す。
あ、分かったコレ!電車ごっこか!私達四人はエレファントテイパー達の電車ごっこに付き合わされているのか!
そう思って歩調を合わせていると、周囲のぼんやり暗い景色と、ホタルの様な明滅する小さい何かの光が高速で後ろに流れて行く。
ゆっくり歩いてるのに、彼等の魔法か何かで高速移動しているのだろうか?
しばらく、周囲の光景に見入ってしまった。すごい勢いで、何なのかもよく分からない幻想的な光と影が流れてゆく。その中には、何者かも分からない人影の様な姿もうごめいていたが、一瞬の刹那に消え去っていった。それは、時間や歴史を超越した時の道の景色なのか、異次元へとワープする途中の異界の姿なのか、それすらも判別が付かない不思議な光景であった。
走るでも競歩でもなく、のんびり散歩の歩調なので、車窓の様にゆっくりと眺める余裕があるのが良いね。エレファントテイパー達は駆け足なのに、輪の中の私等には高速移動の負担がないという不思議仕様も興味深い所だ。
「皆さん、お茶会の時はいつもこうやって移動しているんですか?」
「特別な方法でしか行けないし、参加も出来ない様にしてあるからね。キミも、この事は他言無用で頼むよ〜。誰かに話したら、どんなにコッソリとしてても、人々の深層心理の情報網から精神世界の観測者に見付かって、永遠に参加資格を失う事になるからねぇ。茶会の参加者からも嫌われて、二度と恩恵も受けられなくなるしで、イイ事ないよ!」
「あ、でも私のギルドの先輩達って怖い位に情報に長けてるんですよねぇ。私は約束した事なら喋らないつもりですが、下手すると嗅ぎ付けられちゃうかも……」
多分、それが一番の懸念材料だ。
「あ、それなら大丈夫。キミの住まい周辺には【サンドマンの砂】を撒いておいたからね〜。あの場に誰がいたとしても、今夜のキミの動きに関してだけは眠気や認識の阻害によって、意識出来ない様にしてあるから♪」
ヒャムグーさんが楽しそうにそう言った。
これはアレか?フラグを立てたプレイヤー個人限定のイベントってヤツか!
何がイベントのトリガーだろう?やっぱり、あのカレイドスコープでいいのかな?でも、ゲットからそれなりに日が経ってるんだよね。
入手後、低確率のパーセンテージでランダム発生って感じだろうか……
「さあ、おしゃべりはそこまで。ほら、会場に着くわ」
そう言われて前方を凝視すると、何かの遺跡らしき建造物が浮かび上がる様に見えて来た。その一帯は、月の様なぼんやりとした煌めきを湛えていて、複数の者達の影が楽しげに揺らめき、うごめいていた。
「ようこそ、辺獄旧遺跡広場、常闇の茶会へ!」
ディアドーネさんがそう言ってヒラリと回って私に向き直り、カーテシーをとった。
ヒャムグーさんは、護衛はおしまいとばかりに側転を交えつつ曲芸じみたダンスを始めた。
周囲からは、ヒャムグーさんと同じ道化師みたいな姿の人達がパーッと集まって来て、一緒に曲芸が始まった。すごい、まるでサーカスみたいだ。
ヒャムグーさんは踊り続けているので、私はディアドーネさんとロロポに連れられてあちらこちらにまとまってお茶を嗜むグループの間を挨拶しつつ渡り歩いた。
魚の頭を持つ燕尾服の不思議な紳士や、石膏で造られた身体にトーガをまとったゴーレム風の淑女、黒い靄の中に何かが煌めいている様な身体を持つ霧状の人、このゲーム舞台の星であろう天体儀の頭を持つマントの男性など、夢の中にいる様な不思議な人々?と出会い、挨拶を交わし、勧められるままにお茶を頂く。
十人前後にまとまって歓談する彼等は、その宴の輪ごとに異なる味のお茶を出していた。
何かのハーブを用いただろうスッキリとしたものから、コーヒーみたいに苦味と風味が心地良いものまで様々で、どれも味わった事がないけれど、違いのあるどの一杯も、私の心に刺さった。
更には、彼等の話す事もまた新鮮で、『最近、夜の世界を流れる暗き川の水位が上がってきた。そこから汲んだ水でお茶を淹れているので、キレのあるビターな味のお茶を楽しんで』とか、『宵谷に住まう黒曜のヘビが最近卵をみっつも産んだ。谷間のヌシの一族が増えて、谷は安泰だ』とか、『幻夢の国で新種の花が見付かったので、今は皆がお祝いムードだ』とか、『この地を照らす星界を彩る碧色の五つ星。その傍らに目出度くも六つ目の妹星が現れた。夜魔達の間で、輝叉理星と名付けられた』等という様な不思議な話をとにかくいっぱい聞かせてもらえた。
そんな風にそれぞれのグループで憩いを楽しんだその後、ロロポにどこか特に気になる席はあったかい?と聞かれるが、正直どこも謎な種族の方々がいて、気になるといえばどこも気になるし、敢えて参加したい場所と言われてもすべてが未知数である。どこを選ぶべきなのか迷い所だ。
さぁて、どうしようか⋯⋯
「あ、ちなみに、私もお茶を振る舞ったりって出来ます?私の普段使いのお茶なので、特別な銘茶とかじゃないんだけど、少しずつ道具も集めて、個人的に楽しんでるんで、ここでお茶をご馳走になった以上は、私もご返杯したいかなぁ⋯⋯なんて」
何となく、思いつきで言ってしまった。
「アラ、素敵。現し世のお茶は私達にとっては珍しいから好きよ。それでは、そこの【御影星の君】と【晦姫】の集いの間に宴席を設けましょうか」
「えっ⋯⋯その名前って、もしかして王族の隣ですか!?私、無冠どころか冒険者。流人の様なものなのですが⋯⋯」
「ホホホ、この茶会は身分など無用の集い。そして我等、夜の眷属の呼び名は、現し世のそれとは異なるのです。貴女の考える王侯貴族と同じ認識は要りませぬ」
なんか、身分は関係無さそうだね。私を参加させてくれたディアドーネさんが良いと言うなら、まあやるだけやってみますかね。
私は、場所を作って頂くと、準備を始めた。お茶会といっても、貴族の嗜む茶会ではなく、ディアドーネさんの言う通りに身分や格式を必要としない雰囲気だ。
元々は遺跡を構成していた白亜の石材の残骸を椅子として十三個ほど円形に並べ、ロロポが器用な調子で中央部に薪を積んで火を灯してくれただけの席だ。茶会というより、冒険者が野営のキャンプで茶を煎れる感じで気兼ねない調子である。
私は、インベントリから普段自身がお茶する時の為のセットを取り出していく。
まずは私のお気に入り、『蒼き水源の水差し』。これでお茶を淹れるのが私の癒しのルーティーンである。水道水を汲む必要ないしね。
その美味しい水を沸かす為の『バンジーの急須』。隕鉄で出来た名品は、美味しい水をまろやかにしてくれる。
そして、私は『密林の欠片』(茶壺)から茶葉を出す。この壺の力で、風味が褪せないのだ。中身はトモさんから頂いた幾種かがブレンドされたハーブティーである。『玲瓏茶房』を仕切るトモさん由来のものとはいえ、特別高級なやつとかじゃなく、私が愛飲しているのは部屋で普段使いとして嗜む用のものだ。これこそが、私が部屋でログアウトする少し前にいつも飲み、合成や戦闘のアイデアにふける為の一杯だったりする。
そして、雰囲気づくりに出すのが『水琴窟の小壺』。水差しから少し水を入れるだけで、風情のある水音を聴かせてくれる一品。水を多く入れると音量が上がり、少ないと下がる。今回はバックBGMのつもりなので、入れたのはほんのちょっとだ。見知らぬ遺跡の不思議なお茶会ならば、神秘的に小さな水音で雰囲気を作りたい。
さらに、『コルキントンの香炉』に、中級薬草を一束だけ入れて火を灯した。強い香りはお茶の邪魔をするが微かに匂う位はいいだろう。夜の茶会だし、リラクゼーションは大事だ。
最後に自分用としてイワクシリーズNO.0の『湧水郷』を出す。色々あって、私の手元にある茶碗はこれだけだ。そして、私の合成茶器の処女作でもある。
茶碗やコップ、グラスやカップなどは、皆がそれぞれ持ち寄ってるみたいだから安心した。私はまだ、自身が主催して全員分用意する程に茶器は持ってないものね。
こうして、一応の準備が整うと、ディアドーネさん、ロロポ、そして踊り終えたヒャムグーさんが私の側の席に着いた。案内人として、私の側にいてくれる様だ。
そして、多分さっきの電車ごっこでここまで連れて来てくれたと思しきエレファントテイパーが2体。ロロポを標準の大きさとすると、ちょっと大きい子とちょっと小さい子だった。大きい方は紫、小さい方はピンク色をしている。
次にやって来たのは、コートを着たリザードマン的な姿の人。私にはトカゲ顔で雌雄の識別は無理だが、フォーマルな服装から察するに、多分男性。紺色のマフラーをしているが、まさか襟巻きトカゲとかいう洒落じゃないよな?
それからお次は、とんがり耳の二人組だった。一人は蝋燭の様に白い肌、もう一人は濡羽色とも呼ぶべき感じの褐色肌で、二人とも恐ろしい位の美人だった。
いわゆる、アイドルとか女優とかにいる様な綺麗、可愛いではない。神話の神でも描いた様な、絵画や美術品とかにある様な、美しさである。前者は金糸の如きロングヘアが眩しい美女で薄緑色の薄地のチュニックとサンダルと軽装をしており、生足が白く眩しい。後者は首元、二の腕、胸、腰、太腿などに細縄を巻いており、その縄に小さく宝石やら銀細工やらが結ってある。腰回りだけは超ミニだが布製のパレオみたいな腰巻をしているが、ハッキリ言って腰巻と紐だけの服って、際ど過ぎるでしょ!?
両者とも視線を奪われる格好ではあったが、ぶっちゃけ二人ともエロくはない。神秘的過ぎてそういう肉感的な思考になれない存在だった。
いや、もしかすると男なら無理にでもそういう方向に向かうのかもだけど、少なくとも私には、彼女達の美しさは性的な美では無いように思えた。
そんな二人に圧倒されてると、反対側から鼻歌が聞こえた。そっちをみると茶色のマントを着けた少年がニコニコしながら着席した。彼は幼い様に見えたのだが、その眼と表情からは子供の無邪気さよりも、何というか長く生きている者特有の老獪さみたいなものが伺えた様な気がした。足は裸足でなく革ブーツなので、ホビットではなさそうかな。多分、ハーフリングと呼ばれる小人族だろうか。
お次に来たのは、しわしわのお婆さんである。ヒジャブみたいな布を被り、大きく曲がった腰で杖を突きながらやってきた。目元は白髪で隠れてよく見えないが、鼻はいわゆる魔女っ鼻で、私の香炉が気になるのか、スンスンと鼻を動かす様にして匂いを確かめていた。不快かな?と少し心配にもなったが、ニヤリと笑ったので、大丈夫そう。
お婆さんの後ろからは、髭面でオールバックのおじさんがやって来た。
光沢のない、青いくすんだローブ姿なのだが、何故かローブが半袖である。
きっと魔法使いだ!と意識する以上に、そこへ意識が集中してしまった……とはいえ半袖ローブ、ちょっと変ですね!なんて言える筈もない、彼も私の茶の席に来てくれた人なのだ。そんなディスるなんて出来る訳もない。
きっと、なにかポリシーとか、伝統衣装とか何か意味があるのだろう。
そして最後にやって来たのはゴブリン?みたいな見た目をした、ガッチリドッシリした兵士である。ディアナさんの所のオーク兵達もそこそこ鍛えてガッシリしてたが、彼の方がデカくて骨太だ。ゴブリンというには、首が太くてエラも張ってて、巨人の血でも混ざっているのか?という雰囲気だが、足運びは機敏でスマートっぽくて、ドシドシと音を立てるでもなく、シーフみたいな何か歩法を身に着けている者特有の機敏さがあった。なんか凄そうだ。もしかすると達人かも。
こうして、私の回りの椅子はすべてが埋まった。
凄いぞ!これは凄いメンツだ!今までお茶するだけでこんなレア過ぎる面々が集まった事などあったであろうか。
仮面の貴婦人、黒てるてる坊主、死神ピエロ、象獏ペア、蜥蜴人間、白妖精、黒妖精、小人族、お婆さん、半袖魔道、大ゴブリンそしてチト族の私で、計13人である。
「さあ、コトさん。席は埋まりましたわ。夜会初参加で初めて集った面々ですもの、湯が沸くまでまずは自己紹介と参りましょう!」
ディアドーネさんの一声で、自己紹介が始まる。まずは私、リオレ在住、冒険家ギルドに登録しているが、特に本業はまだなくて、今はもっぱら市街でアイテムの製造やリサイクルをしている事、骨董や古道具なんかも直したりイジったりしてる事や、街で出会った先輩達に色々なスキルを教わってる最中で、いずれは各地を旅してみたい事など話した。うーん、こうして考えると、私はまだ何にも成れてないんだよね。一応、生産職っぽい事は出来る様になったんだけど。まあ、私にとってこのゲームはタイムアタックではないから問題ないけど、彼等からしたら私は無職か丁稚に見えるのだろうか。
ここからのおしゃべりは、まさに夢の様な不思議な感じに包まれていた。いや、本当に半分は夢の中だったのかも知れない。だって夜魔達のお茶会だものね。
とにかく、一息吐かずに語るとヘンなテンションになりそうだから、少し落ち着いてこの後の事を反芻してみようと思う私であった……
… … …
NAME:【曰く付きの骨董】コト・イワク 種族:タト族・マニスリング(獣化箇所:センザンコウの鱗の手甲)
LV58 キャラクタークラス:アイテム合成師 RANK:C
STR216 VIT212(+1) DEX214 MEN208 SPD211
《所持金》
1028745P
《師事》
『弧を描く餓狼』ガラム・マサラ
《習得技能》
工芸(LV20) ※工芸品知識及び製造におけるプラス補正。補正値はレベルに準ずる。
目利き(LV30) ※一定の商業系スキルにプラス補正。NPC商店訪問時にレアアイテム出現率が微細にアップ。
体術(LV62) ※格闘系スキル。強力な武術ではないが、あらゆる格闘技の基本となっているスキル。
シンセサイズ(LV44) ※二種のアイテムを合成して別の何かを造り出す事が出来る固有スキル。
八十五式和合婚刻拳(LV12) ※相手の回避にマイナスの補正が掛かる固有武術。レベルに応じ覚える三連打突技毎に威力が上がって行く。
活眼(LV25) ※周囲の者の力量を推し測ったりオーラを見たりするスキル。成功率はレベルに準拠。
調理(LV3) ※簡単な料理を作り出すスキル。レベルに応じて成功度が上昇する。
暗闇の歩法(LV8) ※暗殺者などが用いる歩行術。盗賊の忍び歩きの上級版で、足音・気配を消して達人ともなれば存在まで希薄にし、ステルス化する。戦闘にも組合わせて使用が可能。
狼煙(LV2) ※指先から煙を出す簡易魔法。レベルに応じて少ない魔力でより多く発煙させる事も可能。
四換(LV8) ※掌中で魔力を属性に関する物質に変換する。
魔銃(LV9) ※指先から魔力を弾丸にして発射する簡易魔法。指先への魔力の集中次第で威力変化。
魔力撃(LV3) ※魔力を込めた拳撃を放つ技。鍛える事で威力上昇や属性付与等の応用技が使用可能。
睡夢撃(LV3) ※夜魔族の用いる催眠性の魔法拳撃。レベルを上げる事でより高位の相手にも催眠効果が見込めるだろう。
魔睡銃(LV2) ※催眠効果のある魔弾を撃つ技。攻撃威力は極少で、催眠成功率はレベル依存。連射不可。
乗馬(LV0) ※馬に乗る為の技能。このレベルが高いと早駆けや遠乗り、スタミナの調整や馬との意志疎通も可能となる。
反作用受け(LV11) ※シンセサイズを応用して産み出されたオリジナル技。失敗時の反動で相手の力を相殺する。
気功(LV5) ※体内エネルギーを操り、攻撃力・防御力を補強するオーラへと転換する。
縮地(LV1) ※戦闘時、周囲30m四方に対して高速移動を可能とする。その速さはスキルLV、オーラ、SPD依存。
部分獣化(LV7) ※タト族及びチト族の獣人病患者専用のスキル。全身獣化に至る前の基本スキルで、レベルが上がる程に自在に素早く任意部位を獣化する。獣化時の能力はタトの種に依存。
《タト族の力》
◇尖山甲 ※生命エネルギーを込めた拳撃。打撃系『突き』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。
◇暗帰路 ※生命エネルギーを込めた裏拳。打撃系『払い』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。
◇破斬 ※生命エネルギーを込めた手刀。打撃系『斬り』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。
《フィート》
【綺羅星の加護】∶NPCに好印象を与え、助力を得やすくなる。
【寄り道の王者】∶秘匿エリア、秘密の店等の看破率アップ。
【応用技術万能】∶組合せスキル、新スキル開発にプラス補正。
【野生の超反応】∶不意打ちや狙撃等をパッシブにオート反応。
【進化創造の手】∶生産品や発明品が大きく化ける可能性有り。
《装備品》
木綿のセーラー、布のナックルガード、腕輪『乾坤一擲』、星虹の腕輪『三色』、鼬鼠のベレー(1)、セブンリーグ・シューズ『昼夜を駆け廻るもの』、転ばす先の杖、クローバー・ピンズ、黄色いマグネット、マタリス入場バッジ、肩掛けカバン(12)×2、鼬鼠のウエストポーチ(3)、鼬鼠のプラントホルダー、魔笛『アムネシアの呼び声』、子鹿の根付
(予備装備:肩掛けカバンにクラウン・ピンズ、タンブラー・ピンズ、ドロップ・ピンズ、ハートフル・ピンズ、赤マグネット、青マグネット、緑マグネット、白マグネット)
《所持品》
水筒(小)、ペン付き手帳、遠眼鏡、小型ナイフ、初期財布(100)、お菓子の巾着、指ぬき軍手(白、赤、橙、緑、黒)、コルキントンの香炉、バンジーの急須、水琴窟の小壷、30%ポーション×7、80%ポーション×1、中級薬草×7、石のサイコロ、茶碗『湧水郷』、ナットリング×64、石器ナイフ×6、火口箱×2、ティンダースティック、砥石×3、石筆×5、茶壺『密林の欠片』、翼竜の卵×3、念話の結晶石、ダークマテリアル×51、高原の花、宝石(10万P)×2、宝石(5万P)、ふしぎなルアー、彷徨うボトル、薬の小瓶、虫の化石、きれいな石ころ、オリハルコンインゴット×1、エリクシール(3ダース)、山伏茄子×3、蛇玉×1
《アーティファクト》
鑑定魔のモノクル(C) ※レア度C以下のアイテムの鑑定。
蒼き水源の水差し(B) ※清水が無限に湧く(ON/OFF可)。
夢幻のカレイドスコープ(C) ※夢幻郷の一部を覗き見る事が出来る。
《所属ギルド》
【B・N・G】
◆【混沌】バカンス・デカダンス
◆【禍つ女】点
◆【檮杌】ブキョウ・キナガシ
◆【饕餮】ゲイン・バショク
◆【窮奇】明石・暮紅人
◆【獣王】ふらりぃ
◆【インビジブル】NON・EMPTY
◆【大蟒蛇】魅酒螺
◆コト・イワク
◆ミミナガ・メデカ
《フレンドリスト》
●【治の司祭】ぷみら・みにま
●ぐすたふ
●アイアン
●ライ・クライ
●エスプレッソ・デミタス
●【奈落に咲くもの】ヘルベティア・ローゼンリース
●【採集者】ロータス・ピットフォール
●【黒閃】TOWA
●【百錬将】方天画戟
●【埃の錬金術師】ノックス・N・トリノ
●【喧嘩屋】殴路羅
●【ねじくれ】ちろる
●【闇食い】ハクア
●【試し屋】リュウザ・ラッシュ
●【棘山猫】ローゼン・リンクス
●【オーバーキル】レッド・ナイヴス
●【古城の貴婦人】ラディアン・ブリリアンツェ・バームクーヘン
●【白き玄武】グレゴル
●【流騎士】フランベル
●【五色の雲舞う】韮井カナエ
●【飛刀使い】エンジ
●【楽匠】久遠
●【黄の司祭】シャンメリー・スパークル
●【鉄節】アイゼンヘルツ・ハイマン
●【木陰の瞳】エルツェ
●【片角】サクラン
《従士隊》
◆プルカリ【リビングメイル】♀(ガーディアン)
◆コルベル号【ロットワイラー】♂(番犬)
◆シュロ【白猫】♂(ストレイキャット)
◆フレデリック【うりぼう】♂(ゴミ漁り)
◆がじゅまる【アギル・カクタス】?(観葉植物)
◆シトリン【マーモットリング】♀(バトル・ファーマー)
●バコツ・ドコゾノ【エクウスリング】♂(無頼漢)
《積載獣》
◆アンドレイア号【荷馬兼乗用馬】♀
◆ディムナール号【荷馬兼乗用馬】♀
《ギルド部屋の金庫(99)》
ロセオの花瓶、クルリエの錆びたスプーン、クルリエの錆びたナイフ、クルリエの錆びたフォーク、クルリエの錆びた包丁、クロウトの皿、耳長新報(創刊号)、厚手の手袋(左)、紺のベレー
《工房の所持物品》
古びた荷車、空の頭陀袋×42、リサイクル・ピンズ×73(内訳:クローバー13ヶ、王冠9ヶ、酒杯11ヶ、雫石10ヶ、ハート11ヶ、剣9ヶ、渦巻9ヶ)、小さなメダリオン×67、ワッシャー・タグ×38、付与マグネット×26(内訳:赤5、黄7、青5、緑3、白6)、石のフィギュア×11、宝石の卵×2、バルグナン・パフェグラス、もっと黒い塵芥×1、すごく黒い塵芥×1、黒い結晶×1、すごく黒い結晶×1
… … …
〜世界探訪メモ〜
※以下、コトの記録兼日記より抜粋。
◆『夜色の貴婦人』ディアドーネ
「それでは、次はわたくしが。わたくしはディアドーネ。辺獄の主にして幻夢境の守護者、【虚空の母君】が一の娘にして、夜の眷属に身を置きしもの。この茶会を取り仕切る五人の副主催者の一人ですわ。今日は新しき友であるコトさんとお茶を愉しむ事が出来て、嬉しい限りよ。皆さんも今宵の夢を心より愉しんでいらして」
(ディアドーネさんは、元々貴婦人の格好をしているだけあって、ここでは実はすごい偉い人なのでは、という気がする。お隣に宴を囲んでいる、『御影星の君』や『晦姫』と呼ばれた方々も似たような仮面をしており、身分は気にするなとは言われているが、とても高貴な感じがした。
彼女の言う通りに、私も遠慮なく仲良くさせてもらっている。
気品があり、優雅だが貴族として威張る様な節はない、とてもやさしい方だった)
◆『象獏上位種』ロロポ
「やあ、ボクはロロポだよ。今日はボクたちエレファントテイパー族の至宝、【夢幻のカレイドスコープ】に選ばれし現し世びとのコトを迎えられて嬉しいよ!みんなで最高の茶会にしようね!」
(ロロポは……って、何か気安くてあどけないので呼び捨てにしてしまっているが、【昏冥大戦】という戦の勇者なんだとか言われているので、実は歴戦のすごい強者なのかも。でもとても人懐っこいんだよね!)
◆【辺獄の道化師】ヒャムグー
「やあ、みんな!ヒャムグーだよ!今も昔も闇夜を渡る道化師さ。今日の辺獄は綺麗な心に満ちていて、踊りたくなるね!月に向かって宙返りしたくなる気分だよ♪」
(ヒャムグーさんはここの平和を護る死神みたいな人らしい。でも、敵意のない人達にはとてもフレンドリーだ。人によっては怖がるだろうが、私にはノン姉みたいなタイプに思えて、結構早く馴染む事が出来た)
◆象獏(紫大)&象獏(桃小)
「おらぁ、ポルーだぁ。異次元収納魔法が得意な運搬屋だよぅ。趣味は食材集めと食べる事だぁよ〜」
「プピヤンなのよぅ、お茶会には出るけど普段は穴倉から出ないのよぅ、宝石大好き宝飾職人なのよぅ。魔除と護符造りでは誰にも負けないよぅ!」
(こっからが初対面のメンバー。単にロロポのお仲間的な感じだと思ってたけど、異次元収納魔法を操る運搬屋!魔除と護符のプロな宝飾職人!これはぜひお話を聞かなきゃだね!)
◆トカゲ男
「お初にお目に掛かります。リザードマン種族のネーネル・ズートと言います。幻夢境、『灰の密林』出身。『幻燈街ナルシャールヴェラチッタ』で古物商を営んでおります。幻夢境と現し世間の販路の開拓を考えております」
(うおーッ!幻夢境の古物商来たー!!これ、ガチ?私の為に集められたメンツって事!?嬉し過ぎるんですけど!新しい知己に会えるだけでなく、みんな私が会いたい様な人達ばっかり。これはボーナスタイムか?)
◆色白・色黒妖精族
「我が名は、ハルハフィア。緑の森深奥の氏族、ドゥル・ザル・エディーラ出身のハイ・エルフだ。ここ九百年程は、真理探究者として各地を廻っているはぐれ者だ。リオレは一度途絶えたが、歴史ある土地だ。またいずれ、赴きたいものだな」
「同じく、緑の森に生を受け、遥か昔に幻夢境へと渡った闇の民の末裔。ダークエルフ族の姫、ズネビヤだ。見識を広める為に、遥かな時を越えて世界を渡っているハルハフィアに同道し、ここ二百年位の間、共に各地を巡っている」
(初エルフ!初ダークエルフ!しかも、上位のハイ・エルフとダークエルフの姫君だ。神々しい程の美しさもさることながら、遥かな時を越えて旅をする真理の探求者!所謂、賢者とか生き字引みたいな方達だろう。普段、会いたくても絶対会えないタイプの二人と言えよう)
◆小人族
「やあ、僕はマレン。幻夢境の辺境を探索する、ハーフリングの野伏だ。幻夢境の果てで眠ると語られる、伝説の『微睡み竜』を探している。幻夢境の辺境について知りたければ僕に聞いてくれ」
(ハーフリング族!幻夢境辺境を巡る探索者とは、ロマンだね!確かにフード付きのマント、皮鎧、インナー、ズボンにブーツ等を薄めの茶系で揃えている所なんかも辺境の危険地帯を隠密で進み、生き延び続ける玄人感をひしひしと感じる。異界の辺境に居るって事は、普段会えないレアキャラ確定だね!)
◆杖を突く老婆
「アタシゃ、ケヒタっちゅうモンじゃよ。幻燈街の外れで薬師をやっとる。この茶会で使用してる『澱みの森』産の茶葉の9割はアタシが卸している。元は現し世におったが、新種の薬草を求めて幻夢境へ迷い込んで約六百年。今じゃハッグに転生してしもうたが、幻夢境一の薬師と自負しておる。薬や茶葉が欲しいなら、相談にのるぞえ」
(うわー、ハッグって、魔女とか山姥とかの類だよね?この世界じゃ魔女は特別だから、山姥とか鬼婆とかになるのかな。でも、深い薬学知識と友好的で交渉可能な薬師なら、めっちゃ大歓迎だよ!)
◆半袖ローブ
「テムラスと申す。ナルシャールヴェラチッタ出身の生活魔術師だ。主に街中で生活を営む為の魔具や、簡易魔法の改善研究をしている。この茶会も、『ネオン』、『螢火』、『スモーク』、『石材加工』等の術を行使している」
(生活系、職人魔導師!すごい、ぜひ話を聞きたい!私もアカシさん譲りの『四換』や『狼煙』といった簡易魔法使ってるから分かるけど、これ地味にすごく使えるんだよね。ハレーとかは嫌いそうだけど、もしスキル書とか買えるんだったら、垂涎ものだ!)
◆大ゴブリン
「オレは、『バグベア』のダウダール。リンボ遺跡の衛兵。甘い物が好きだ。お茶会に来たくて、普段ここを護る仕事してる。小段平、投げ槍、戦棍、得意。ここ、森無い。オレ、本当は森の散兵。森では負け無し。これ、本当!」
(ほうほう、これまた変わった方だね〜。以前仲良くなったオーク達が恋しいが、彼も私の知らない戦術やら知識やらを沢山持ってそう。色々とおしゃべりしてみたい!これ、本当!)
※この後も、お茶会で得た情報はガッツリと記録に残して行きたいと思う。
一気に修業編突っ切ろうとも思いましたが、コトはそういうタイムアタック的な攻略とは真逆のキャラと思い直し、横道に反れて作った『夜の茶会編』です。
去年まで考えても居なかった登場キャラ達の登場で、まとまらなくなりそうだったので夜の茶会編前編はAパート、Cパートの二部構成にしました。次回で後編終わらせたいかなと。
ハレー編はその為、意図せずお休みです。あっちも長くなりそうだったんで、合併は無理でした。
お楽しみ頂けると良いのですが……




