4話
明日がある保証なんてないのに、どうして今日を過ごすのか。信じられるのは今しかないというのに。
朝、僕は全身が軋むような痛みを抱えながらソファーから起きた。原因は察してくれ。
「あーあ、ただてさえ短い寿命がもっと短くなってしまった」
まぁ、殺されなかっただけマシなのかもしれない。
エルドラドさんが作っておいてくれた朝食を食べて、外に向かう準備を始める。毒が入っていないのは奇跡だな、龍という生き物はかなり寛大な生き物らしい。なんてったって昨日は(自主規制)で(自主規制)なことをされたからな。生きているのが不思議なくらいだ。
「それじゃあ、僕はこれで」
「いつでも遊びに来なよ、待ってるからさ」
「次は深夜に風呂なんてことはしないように」
「それはできないね、あの時間帯が最高なんじゃないか」
「まあ、それもそうか」
露天風呂だもんなー。誰もが入りたい温泉トップ3に入るよなー。夢幻も中々可愛いから、覗きたくはなるものだ。
「じゃあ、行くよ」
「ああ、そうだ。言いたいことがあるんだ」
「何?」
「外に出てしばらく歩けば小さな牙狼に会うと思うんだ。もし会ったら、案内を頼むと良いよ」
「わかった、世話になったね」
僕は彼らの家を出た。
そのまましばらく歩くと、狼?に出会った。狼にしては甲殻や鱗のようなものが生えている。おそらく、これが牙狼という生き物なのだろう。
「……君は牙狼? 黄泉 夢幻に案内を頼れって聞いたんだけど」
「……あいつか。良いだろう、人里まで案内してやる」
「君の名前は?」
「……スパーク」
そう名乗った小さな牙狼は、僕を前に道を歩いていく。
それにしても、静かでなんだか気まずい。何か話でもするか。
「スパークのお父さんはどんな牙狼?」
「……強くてかっこいい牙狼」
「へぇ、会ってみたいな」
「会えるものなら」
「夢幻とは仲良いの?」
「犬猿だ」
「うそーん?」
夢幻からはそんな雰囲気感じなかったけどな。
「着いたぞ」
「意外と早かったな」
さて、まずは働いて収入源を確保しないとな。使っている硬貨も僕が居たところとは違うだろうし。良い職場はないだろうか。
まずは住む家を探すか。
「なんか良い仕事ない?」
「僕に聞くな。バカらしく働くのは人間だけだ。自分でやれ」
うーん、ごもっとも。
「でも住処はどうにもならなくないか?」
「………ついてこい」
スパークは僕をとある空き家の前まで連れて行った。
「誰も使っていない空き家だ。好きに使えば良いんじゃないか」
「他にもたくさんあるみたいだが?」
「さぁな、お前みたいなやつらの救済措置じゃないのか」
「帰りたくても帰れないやつらのためのか……じゃあ、住まわせてもらおうかな」
「じゃあ、僕は行く」
スパークはそのままどこかへ去っていった。
「とりあえず………一休みするか」




