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愛犬がいればなんでもできる!…気がする!  作者: にゃんころもち
第三章
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ドキドキ採取


再び厄介な王子と遭遇しないよう早朝にユナイシアムルを出た私達は、ウールデリヒへと向かっていた。


まずは海を目指す必要があるのだが、これがまた遠く…



「十五日もかかるんですね…」


「遠いわよねぇ。私も行ったことないのよ」



食材の買い足しはしたが、従魔もいるため充分とはいえない。なので食べられる野草や木の実は勿論、川を見つけたら魚も捕獲しなければならなかった。


一日の終わりに、テントを張る前に食材探し。一見大変そうに思えるが…


ここで活躍してくれるのが、従魔達である。



「リンリンと川行ってくるっス。こっちは任せてくれていいっスよ」


「グァ!」


(彼女、泳ぎが得意なんだそうだよ。頼もしいね)



熊の魚獲り……確かに、頼もしい。やっぱり素手で獲るのだろうか?見てみたい気もするが、食材集めは各自で分担だ。同じ場所に行くわけにはいかない。



「俺とオッドは木の実を探してくる。栄養豊富だからな」


「トト、見つけるの上手なんだ。期待しててよ」


「キキッ!」


「チュッ!」


(私の旦那様だもの。袋いっぱいにして戻ってくるわ。ムムスケもやる気だしね)



ララは袋をくわえ、回収作業に徹するようである。トトとは仲良くやっているようで一安心だ。



「私は団長と狩りに出るわ。あまり期待はできないけど…」


「そうだなぁ…まっ、何かいれば、チャトラとカトリーヌが察知するだろう!」


「ガルァッ!」


「ウナァ!」



二匹はやる気充分だが、肉になる何かがいるとは思えない程静かな森だ。ミアさんの言う通り、期待はしないでおこう。



「じゃ、私達は野草ですね。ボスに任せますけど」


(森の知識は誰よりもあると思っているよ。大船に乗ったつもりで、)


(すぐに沈みそうだな)


(えぇー!はんさむのふね、しずんじゃうの?)


(のりたかったー!)


(……いいかい、ベイビーちゃん達。大船に乗ったつもりとは…)



モモもボスも、本当によく雛達の面倒を見てくれるので助かる。まだまだ子どもだが素直で教え甲斐もあるし、可愛がる気持ちはよくわかる。


ただ、たまにボスが間違った知識を与えるのでそこだけ要注意だ。


雛三羽をモモの背に乗せ、ボスの案内に従い森の奥へと入っていく。



(なんでも好きに持ってくるといいよ。私が食べられるものかそうでないのか、教えてあげよう。その方が効率が良いだろう?)


「はい先生!」


(はーい!)


(おい、お前らはあまり離れるなよ。見える範囲にいろ)



全員で手分けして、食べられそうな草を探していく。木の実やキノコでもわかるとボスは言っていたので、気になるものは本当になんでも持っていこう。


私達が一番人数が多いから、収穫も多くて当然だと思うのだ。頑張ろう!



「あ、これ……」



木の裏にひっそりと生えていた、懐かしい色合いの草につい手が伸びた。


この世界に来てしまったばかりの頃、異世界だと思った原因の一つである…カラフルな草。リングラングリン周辺では全く見かけず、存在すら忘れていた。


よく見ればピンクに黄色、青にオレンジと、数色が散らばって生えていた。食べられる…とは思わないが、もしかしたら意外といけるのかもしれない。


…いけるのかもしれないが、なんだか素手で触ることはためらわれたのでハンカチ越しにつまみ、ボスへ見せにいってみる。ちょっとワクワクするなぁ。



「ねぇボス、これは?」


(どれ、…………レディ。そんなに私が嫌いだったのかい…?)


「えっ?!なんで?!」



慌ててそんなわけないじゃんと言うも、じゃあそれはなんの冗談だい?と返される。



(まさか、知らずに持ってきたというのかい…?!)


「だからなんのこと?」


(それだよ。その、手に持っている毒々しいハーブ…)



なんだと。



(一口かじるだけで、神をも殺せると言われる程の猛毒が……そうして布越しに持っていてもとても危険で、)


「早く言ってよ!!!」



急ぎ草むらに投げ捨てるも、ボスはジト目で私を見たままだった。いや……ほんと、無知でごめんなさい…。



(レディはたまに大胆になるね。あんな見た目、どう考えたって口に入れられるわけがないだろう?)


「……もしかしたら、いけるのかなって」


(挑戦する心意気は素晴らしいと思うけれど……まぁ、気を取り直して他のものを探しておいで)



素直にハイ、と頷き再び食べられそうなものを探す。そうか…あの草は、猛毒だったのか。食べられるとは思わなかったけれど、そんなに危ないものだとは。ちょっと可愛いとか思った私の馬鹿。


このままでは悔しすぎて、なんとかボスに褒められたくて見つけたものを手当たり次第に袋に入れていく。これだけあれば一つくらいは食べられるだろう。


……とか思った私は、甘かったようだ。


モモや雛三羽が褒められる中、一人だけ肩を落とすはめになった。もういい、笑うがいいさ…!



(逆に天才か)


(毒草集めの……ね)


「なんで?ねぇなんで?同じような場所で探してたよね?」


(いやなにおいがしたから、とらなかったー)


(うん!すごくいやなにおいだったよー!)


(そのふくろ、いやー)



私が袋いっぱいに採ってしまった毒草は、ボスによって厳重に処分されたのだった。悲しいことに一つも無事なものはなかったらしい。


雛達の言うような嫌な匂いだってしなかったし、見た目も普通のものを選んだつもりだったんだけれど。


もう……採取なんて、しない…!

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