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愛犬がいればなんでもできる!…気がする!  作者: にゃんころもち
第二章
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なってみたい


「お前にしてはいいモン買ったじゃないか」


「サシャのおかげで思い付いたんだ。俺達は人数が少ないし、揃えた方が仲の良さもアピールできるだろ?」



団長が買ってくれたお揃いの腕輪は、従魔含め全員が喜んでくれた。団長は私のおかげと言うが…実際は、買ってくれた団長のおかげである。お金残ってるのかな…大丈夫かな…?



(おそろい、うれしい!)


(みんないっしょ!)


「そうだねぇ、嬉しいねぇ」



新入りの母アヒルと雛達、それにトトは腕輪じゃ大きいので同じデザインの指輪である。足首につけているのが可愛くて、見るたび頬が緩んでしまう。



(嬉しいけれど…ここまでして貰えるなら、私も考えなきゃいけないわねぇ)


「?なにを?」


(契約よ契約。ずっとあの坊やを避けてるわけにもいかないでしょ)



あの坊やとはオッドのことか。


母アヒルになぜ今までオッドと契約しなかったのかと聞けば、子どものためだと返される。



(魔力の質が違うのよ。この子達のためには、あなたの方が良かったの。でも…もうそろそろ、自立させなきゃね)


「自立かぁ…」



どの種族の子どもにも言えることだろうな。


けれど雛達が自立ということは、まさか野に放つつもりなのだろうか。さすがにそれは心配なんだけど。



(何言ってるのよ。あなたと契約させるに決まってるじゃない)


「えぇー…オッドじゃ、ダメなの?」


(おバカさんねぇ。一度あなたの魔力を味わったら、野生でなんか生きられないわよ。私だって本当は嫌だもの)



そんなこと言われたって、一度に三羽追加はさすがに負担がかかりそうだ。それに雛達の意見もあるだろう……と、思ったのだが。



(おねーちゃんがいい!)


(ももおにーちゃんもいっしょ!)


(はんさむもいっしょ!)


「ちょっと待って。ボスどこ行った?」


(さぁな。………お兄ちゃん、か)



冷静な顔をしているのに尻尾ブンブンなモモは超絶可愛いとして、ボスめ……いつの間にか自分をハンサムと呼ぶように躾けていたようだ。それはやり過ぎだろう。


ボスの姿を探したが見つけられず、とりあえず諦める。



「うーん…三羽かぁ……大きくならないなら、まだ…」


(ならないよ!)


(おねーちゃんがいやならならない!)


(だから、おねがい…!)



こんなに懇願されると、断るのも可哀想になってくる。まぁ断る理由もないんだけれど…一応団長には相談しなければならないだろう。


なんて言われるか若干不安だったのだが、団長は良いじゃないか!と乗り気だった。



「まだ子どもだが、魔獣だしな。いずれは戦力にもなってくれるだろ?」


(おみずのまほうつかえるよ!)


(ぴゅーって、するー!)



雛の口から出た水は、まだ少なすぎてちょっと涎に見えなくもない。…そう見えたことは黙っておこう。



「母親の方はオッドと契約するって?」


「はい。みんなとお揃いの腕輪を貰ったことで、決意したみたいで」


「団長ありがとうございます…!僕とっても嬉しいです!」



いい仕事したじゃない、とミアさんに小突かれた団長は嬉しそうだ。


しかしこうなると、私は一度母アヒルとの契約を解除しなければならない。どうやるんだったか…



(お互いが額を合わせて、魔力を流さないよう念じればいいのよ)


「それだけ?」


(それだけよ。契約なんて大層な名前がついてるけれど、結局は魔力を繋げてるだけなんだから)



そう言って母アヒルが額を合わせてきたので、慌ててこちらも応じる。



「雛達は…一羽ずつ、だよね?」


(そうね。こればっかりは仕方ないわ)



頑張りなさい、とオッドの方へ行ってしまったため、ちょっと面倒くさいなぁと思いつつ一羽ずつ額を合わせていく。ふんわりした感触は幸せなんだけど。



「……よし。じゃあみんな、改めて…これから家族として、よろしくね」


(うれしい!よろしく、おねーちゃん!)


(がんばってはたらくね!)


(………あっ)


「え?」



上手くいったと思ったのに、一羽が気の抜けた声を出した瞬間急に大きくなった。見間違いかと思って二度見したが、間違いなかった。



「なっ……なんで大きくなってるの?!」


(ご、ごめんなさいぃ…!)


(ずるいよー!)


(がまんしてたのにー!)


(うれしくって、つい…!)



つい、で大きくなられたらたまらないのだが。


手乗りサイズから両腕で抱えなきゃいけない程の大きさになり、そのふわふわ加減もあってまるでぬいぐるみのようだ。


可愛さは倍増したが、大きくなるなんて聞いてない。…正直に言うと、持ち運びしやすかったから小さいままの方が良かったんだけど…



「やだ、もっと可愛くなってるじゃないの…!」


「いやぁ…そうなんですけど、」


「なんで一羽だけなんだ?大きさ揃ってた方が、どこにいるかわかりやすくないか?」



わかりやすさの問題だろうか、と、大きくなった雛を見る。ちょっと丸みを帯びた気がしないでもないが…



(確かに、この方がいい。小さいと乗ってるのかわからなくなるからな)


「あ、そっか…軽いもんね」


(な、ならおねーちゃん…!おっきくなってもいーい?!)


(おっきくなってみたい!)



なってみたいと言われても。


そもそもボスから、それは従魔次第だと聞いていたし。幼い子の憧れを、大人がダメだと言うのも違う気がする。


渋々頷けば三羽とも30センチくらいの大きさになり、ミアさんが歓喜した。



「可愛すぎるっ…!名前はつけたの?!」


「…………あ」



それ、一番頭使うやつ。

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