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愛犬がいればなんでもできる!…気がする!  作者: にゃんころもち
第二章
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打ち上げ②



「ご、ごめんなさいっ…!そういう仲だって、私知らなくて…!」


「待て誤解だ!頼む!置いてくな!」



ミアさんがジルコットさんに抱きつき、頬に唇をつけた瞬間を…目撃して、しまった。


すごくしっくりくるカップルだと納得した。ジルコットさんは、口調はちょっとぶっきらぼうだが精悍な顔立ちで。高身長に加え、鍛えられた体は頼りがいがあるし…濃紺の髪は短すぎず長すぎず、ちょっと目付きは悪いが女性ウケは抜群だと思う。


ミアさんだって魅惑の我儘ボディは同性の私ですらドキドキするし、女性らしい仕草と言葉遣いは憧れる。少し短気な面もあるが…怒らせなきゃいいだけなのだ、うん。


だからこの二人がこっそりお付き合いしていようが、なんの不思議もないわけで。そりゃ多少…いや、かなり驚いたけれど。



「お邪魔しましたっ……!」



大人な雰囲気にこちらが照れ、慌てて離れようとしたのにジルコットさんはオッドの首根っこを掴み離さない。くっ、オッドが邪魔くさいな…!



「誤解だって言っただろ!何逃げようとしてんだ!」


「だって、美男美女でお似合いじゃないですか!違和感ありませんし…!それが誤解とか信じられないですって!」


「んなの知るか!俺は!嫌がってんだ!」



助けろ!と凄まれ、ビビった私は離れるのを諦めた。こっちが助けてほしいくらいなのに。大体ジルコットさん、助けてもらいたい人の口調じゃない。



「ミアさん、めちゃくちゃくっついてますけど…本当に助けがいるんですか?」



首に両腕を回し熱烈なハグをしているミアさんの顔は、見えない。それに違和感を感じた。私に話しかけてこない、だと…?



「…そうか。お前、こいつの酒癖知らなかったな」


「酒癖?」


「ミアは、酔っ払うと………誰でも自分の恋人だと、勘違いする」



絶句した。なに、その…めちゃくちゃ厄介な酔っ払い方…



「それって、」


「人類皆恋人だ。ったく…めでたい頭してるよな…」



めでたいというか、そこまでいくとなんだか幸せそうでちょっと羨ましい。周りは迷惑だろうが。



「でもそれって危ないですよね。もしミアさんに好意を寄せてる人がいたら…」


「こいつの普段の性格、わかるだろ?…次の日を考えてみろ」



思わず遠い目になった。間違いなく、半殺しはくらうだろうな。



「サシャ〜?僕の話、聞いてる…?」


「聞いてる聞いてる」



お互い酔っ払いをくっつけたまま、微妙な表情になる。いい加減重たいし離れてほしいんだけどな…。



「お前も苦労するな」


「そんな、ジルコットさん程じゃないですよ」


「いや…実際よくやってるよ」



特にガイリスの相手は大変だろうと言われ、愛想笑いを浮かべる。確かに大変な部分も多いが、それ以上に学ばせてもらっているので…文句は言えない。



「戦闘初心者が、よくもまぁあんなに動けるようになったもんだ。体質もあるんだろうが」


「あはは…そうですね。その部分は大きいかもです」


「良いことだが、過信しすぎるなよ。無駄にある度胸のせいで無茶しそうだ……特にモモが絡むと」



否定できず、さり気なく視線を逸らす。



「従魔のために頑張るのはいい。ただ、自分もちゃんと大事にしろよ。何かあれば俺達全員が悲しむんだからな」



滅多に見ない穏やかな笑顔でそう言うものだから、少し照れながらも素直に頷くしかなかった。で、できるだけ善処します。


するとそこでタイミングよく、ボスが皿を持ってやってきた。



(レディ。この食事と、その酒に溺れてしまった男…良ければ交換しないかい?)


「男前すぎるよボスっ…!」



最近ボスに対する好感度がグングン上昇中なのだが。ほんと…なんでゴリラなんだろう。残念で仕方がない。


しかもトトを連れてくるというファインプレーだ。酔っ払っていてもオッドはオッドで、トトに引き寄せられていった。よっしゃ自由だ!そしてボスがくれたパイが美味しい!



「おいサシャ、こいつも頼む」


「え……ミアさんはちょっと…」


「大丈夫だ、オッドと同じようにカトリーヌんとこ置いとけばいいから」



それならばと引き受けてくれたボスに礼を言い、連行されていった二人を眺める。…ダメダメじゃないか。


ミアさんがお酒に弱いのは意外だった。平気な顔してずっと飲んでいそうなのに。



「ジルコットさんはお酒強いんですか?」


「そこそこだな。自分で強いとは言えねぇが……あぁ、うちで一番強いのがそこにいるぞ」



え、と見れば、なるほど納得…団長であった。ちょうどバッチリ目が合ってしまい、なんだか嬉しそうに寄ってくる。



「今夜は楽しいなぁ!二人とも、飲んで食ってるか?」


「はい。団長もご機嫌ですね」


「お前さっきまでベルといなかったか?」


「あぁ、ベルなら一度宿舎に戻ったぞ」



俺はデザートをいただいてた、と言う団長の手にはジルコットさん特製のプリンが。いいなぁ、私も食べたい。オッドのせいでまともに食べれてないのだ。



「私もちょっとご飯食べてきますね」


「おぉ、そうだな!サシャは軽すぎるんだ。もっと食って力をつけた方がいいぞ!」


「お前と一緒にすんなよ。食えば力がつくわけじゃないだろ、特にサシャは」



呆れながらも、これ美味いぞとたくさんお皿に取ってくれるジルコットさんに苦笑する。これは食べろってことだろうなぁ。渡されなくてもいっぱい食べる気満々だったけど。


だって、ジルコットさんのご飯は本当に美味しいのだ。

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