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愛犬がいればなんでもできる!…気がする!  作者: にゃんころもち
第一章
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キラキラと筋肉


「ふ、不安でしかない…!」


「大丈夫よ。なんとかなるわ……多分」



つらーっと目を逸らしたミアさんに抱きつくも、すぐに首根っこを団長に掴まれとっても良い笑顔で行くぞ!と言われてしまった。…諦めるしかなさそう。


三部隊に分けられた中、なんと私とモモは団長と同じ部隊に配属されたのだ。聞けば火力重視の隊らしく、え?なんで?とこっそり団長を問い詰めたのは言うまでもない。


まぁ、サシャは筋がいいからな!…の一言で終わってしまったのは解せないが。本当になんでだ。


結局私達従魔騎士団は普段のペア通り動く事になり、嫌がれば嫌がる程時間の進みも早いもので…あっという間に出立の時を迎えた。


ブロッグモーリアは馬鹿正直にまた西の森から進軍してくるつもりらしく、私達は西以外の三方向から遠回りして彼の国を目指す事に。


私と団長は第一部隊。


そしてユナイシアムルの竜人族が、三十名。今日も顔がキラキラと輝いているが、なんなのだろうか。そういう種族だったっけ?


ちなみにこの隊は火力重視だからか、アイーダさんもいた。うわぁマジか…!女性がいるのは安心出来るけど、アイーダさんちょっと怖いんだよなぁ…大丈夫かな、私。



「他の隊は行ったな。我々も行くぞ、ガイリス」


「おう!お前らは脚力強化魔法使うだろ?」



何それ、と食い付きたいのを堪える。しかし目ざとく近くに立っていた同隊の兵士に発見され、なんと小声で教えてもらえた。


竜人族の彼等は、魔力量が普通の人間の十倍はある。その為体内を巡る魔力回路が特殊で、竜人族にしか使えない魔法が多数あるんだとか。脚力強化魔法もその一つ。


親切な兵士さんありがとうとお礼を言いたかったが、喉まで出かかっただけだった。何故なら。


顔のキラキラも、魔法だと言われたから。


どうしようすごく反応に困る。てか、えっ…?全員キラキラ魔法使ってるって事?常に?…馬鹿、なの…?


そんだけ魔力あるから余裕なのかもしれないが、勿体なさ過ぎるしキラキラする意味がわからない。魔力の無駄遣いもいいところだ。こんな人達に団長が気持ち悪いと言われたのかと思うと、ちょっとムカついてしまった。



「お前達は従魔に乗るか?じゃないと着いて来れないだろう。…にしても、見事なシュバルツイェガとヘルハウンドだな」



久々にヘルハウンドと言われ、つい愛想笑いを返す。モモはなんだか誇らし気だけど。揺れてる尻尾超可愛い元気出たわ!



「いや、俺達も走るぞ?訓練になるし。なっ、サシャ!」


「え…これから戦いに行くのに、なにも疲れなくても…」


「一緒に走ればチャトラもモモも喜ぶだろう?」


「そうですね、そうでした。走ります」


(おっ、ランニングか?最近走れてなかったからな、嬉しいぞ楓)



めっちゃ笑顔で尻尾ブンブンのモモの頬を撫でる。確かに最近散歩にも行けなかったもんね。並走したらモモ喜ぶし、疲れたら乗せてもらえばいいだけだ。アレそんなに魔力使わないしね。


深く考えずにした返事だったが、ユナイシアムルの面々からドン引いた視線を感じつい怯んだ。



「お前ら、正気か…?!」


「ちょっと待ってください、第一キャンプ予定地まで結構距離あるんですよ…?!」


「絶対従魔に乗った方がいいですって!」



何やら物凄い言われている。魔力の無駄遣いだ!とも聞こえたが…最も言われたくない人達に言われめちゃくちゃ悔しいです。キラキラよりはマシだろうに!



「うーん…こうしていても時間の無駄だな。行くぞサシャ、モモ!俺に着いて来い!」


「えっ、はい!」



いきなり過ぎてワンテンポ遅れたが、いつも通り団長の背中を追う。チャトラもモモもしっかり私達に並走しているし、笑顔で楽しそうだ。竜人族の彼等は、…脚力強化出来るらしいしまぁ、大丈夫だろう。


そうして団長が止まるまで走り続ける。ところで、行き先わかってるのだろうか…?ほぼアイーダさんが仕切ってた気がするけど。


草原から森へ入り、足場が悪い中集中して移動する。余裕がある時にちらっと後ろを見たが、誰もいなかった。…えっ?



「だ、団長ーっ!はぐれてまーす!」


「なにぃ?!…おっと、このへんか。ちょうど良かった!サシャ、今晩はここで野営だぞ!」


「急に止まらないでくださいっていつも…!…じゃなかった、だから団長。後続がいません」



早過ぎたか…?なんて首を傾げる団長だが、数分待てば到着した面々に安堵する。良かった、道も合ってたようだし合流出来た。しかし二人でホッと息を吐いたのも束の間、



「おっ…お前ら…!また気持ちの悪い魔法の使い方をっ……鳥肌がたったぞ!」



絶句した。


え…今、お前らって言った………?!



「アイーダさん…?!な、なんで私まで気持ち悪いんですかっ?!」


「自覚がないとかタチが悪い!…いいか!普通は、その足に風を溜めて爆発させるのも難しいんだ…!」


「それは…ちょっと聞きましたけど。でもコツを掴めば、」


「コツとかそういう話ではないのだ!そもそも足が壊れる!本来我々でも難しい細かな魔力調節を、よりにもよって何度も見せつけてきやがって…!すごいを通り越して、気持ち悪いっ…!」



衝撃が物凄い。わりと最初から使う事が出来た瞬発ブーストが、そんな認識だったとは…!


褒められた後に落とされ、とても複雑な気分だ。おかしいな…従魔騎士団のみんなは何も言わなかったのに。器用だなぁで終わったのに。


…あれか。テレビでたまにやっていた、世界の達人系。すごいけど、なんか気持ち悪いという奴か。…私はそこに、入ってしまった、と………え、マジか。


それにしても、足が壊れるとはどういう事だろう?確かにすごい勢いで持ってかれるし、着地も苦労はしたけれど。そんな言う程じゃ、と自分の足を見つめていれば、



「サシャは筋力も上がったからな!元々モモの散歩で鍛えられていたのもあるだろうが、まぁ、筋肉の成せる技だ!喜べ!」



無言でモモに抱き着いた。筋肉の成せる技って…魔法が?え、私気付かないうちに団長に感化されてた?筋肉魔法って事?ダメだ、意味がわからなくなってきた。



(元々筋肉の付き方が違うのかもしれないぞ。世界が違うからな)


「……私、隠れマッチョって事…?!」


(それは知らんが。あまり気にすんな、使えて便利ならいいだろ)



それはそうなんだけどっ…!


なんか、ムキムキだし魔法に関しては特殊と言われていた団長と同じ括りにされたのが結構ショックなのだ。尊敬はしているが、…それとこれとは別である。

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― 新着の感想 ―
[良い点] やったね! 団長とお揃いだwwwww
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